元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-07252017-visiting-hours/)
Visiting Hour
by Alex Ullman, July 25, 2017
Magic Onlineに破滅の刻がやってきてから2週間余りが過ぎた。コモンのパワーが比較的に低いにも関わらず、このセットはすでにPauperのメタゲームに影響を及ぼし始めている。共有されるデータが削減されたのをよそに、すでに多くの破滅の刻のカードがPauperリーグとPauperチャレンジの両方で姿を現している。今日はこれらのデッキの一部を見ていこう。
1つ目は、《熱錬金術師》を彩る能力よりも《火付け射手》の能力の方が果敢と同等だということだ。これはすなわち《貫かれた心臓の呪い》やサイドボードに入る可能性のある《大祖始の遺産》のようなカードも同じように1点のボーナスダメージを与えるということだ。墓地を使うデッキの人気が高まった場合に人気の対策カードである《遺産》に注意するのは重要だし、追加のダメージをひねり出す機会は考慮に入れるべきだ。多くの場合、ダメージ枠の浪費になるためにバーンはこの選択肢を無視しなければならない、しかし《射手》が使えるならばそれは何かをやってのける力がある。
《射手》には2点の攻撃をすることができるという利点もある。トップデッキした場合、《熱錬金術師》は単体で毎ターン1点のダメージを与えるだろう。その他一切の助けがなくても《射手》は空っぽの戦場で2点のダメージを与えることができる。しかし戦場が空っぽであることは稀だし、《錬金術師》による確実な1点ダメージは魅力的だ。
上記のリストは《熱錬金術師》と同時に《火付け射手》を使う代わりに《ケルドの匪賊》を置き換えることを選択していた。これは興味深い選択だし、確実に賛成できるものではない。これらのクリーチャーが解決されるという仮定の下で考えると(Pauperでは難しいことだ)、《ケルドの匪賊》の方がバーンデッキへの投入を正当化するのに十分なダメージを与えやすいと思う。これらのデッキは火の哲学に沿って組まれている ―各カードが、勝らずとも《ショック》相当であるべきというコンセプト。Pauperのバーンは各カードが《稲妻》に近い強さを持っているが、そのアイディアはまだ成立する。《匪賊》が解決されればほぼ確実に(それが場に出たときと離れたときの誘発で)2点のダメージを与えるだろう、そして戦闘に関与できた場合の5点という上限を持っている。その攻撃が通らなかったとしても、ブロッカーを食べつつ2点のダメージを与えることは多いだろう。《火付け射手》には使用期限はないかもしれないがその体は脆弱だ。《秘密を掘り下げる者》や《呪文づまりのスプライト》を殺すことによく左右されるフォーマットではタフネス1というのは大きな障害だ。《射手》は長期戦で優れているかもしれないが、それはバーンのやろうとしていることに逆行している。
最後に、これは古い標準の興味深い解釈であると思う。《火付け射手》は明らかに強いカードだが、バーンがもっとも適したデッキなのかは自信がない。これが強いサイドボードの選択肢になることがあるとしたら、バーンがもう少し長いゲームを勝たなければいけないときか、デッキが《黄鉄の呪文爆弾》と《発火器具》のようなカードに頼るようになった場合だろう。大抵の場合、《射手》はこれらのデッキにとっての罠になるだろうと思う。
僕が言及したことを考慮するに、《火付け射手》は《無謀な炎織り》とチームを組むかもしれない。Pauperにはすでに《きらめく鷹》で《胆液の水源》と《予言のプリズム》を再利用してカードを引くデッキが豊富に存在する。《無謀な炎織り》はこれらのリストに数回現れたことがあり、さらに《火付け射手》を加えることでさらなるダメージを通すのに役立つかもしれない。
根本的にこれは有用なデッキで、《夜景学院の使い魔》と合わせて《断絶》を追加のマナを生み出すために活用しようとしながら、《幽霊のゆらめき》と《イゼットの時術師》を使って《熟考漂い》とのループを作りもする。《炎の稲妻》、《チェイナーの布告》、《捨て身の狂乱》、そして《綿密な分析》、さらに1枚の《渦巻く砂嵐》が仕事をこなす上でこのデッキは墓地に頼っている。マナ基盤は《ゆらめく岩屋》のようなフィルターランドに大いに依存していて、《崩壊する痕跡》を使い倒そうとしている ―このデッキには普通の白マナ源がない。
本当に正直に言うと、僕はこのデッキがどれほど強いのか確信が持てない。僕は同じリストを使うこの操縦者と過去に戦ったことがあり、常に少し複雑な印象を受けた。このデッキに何らかの利点があるとすれば、次に何が来るのかが完全には分からないことだ。確立されたフォーマットにおいてそれは大きなアドバンテージになる。しかし僕はこのデッキからダクトテープで繋ぎ合わされたような印象も受けた。マナ基盤を準備するのに大変な時間がかかるし、豊富な枚数の無色土地によって適切なタイミングで唱えるのに苦労するであろう呪文がいくつかある。《悲劇的教訓》は土地を1枚手札に戻すのでここでは場違いに見えるが、《ディミーアの水路》と《イゼットの煮沸場》がたくさんある中で適切なターンにそれができることはせいぜい稀なものに思える。
時として完璧に構築されているかどうかに関わらず、あるデッキが5-0したりチャレンジで好成績を収めることがある。これこそがデータの削減がPauperを傷つけている理由だ。わずかな量のデータではグリクシス・スタッフのようなデッキが本物なのか単に一時的なものなのかを確かめるのは難しいだろう。個人的には後者だと思うが、僕はこの考えが間違いだと証明されることを望む。
STLZACHはよりコンボ寄りのアプローチを選択した。《秘密を掘り下げる者》を諦めた代わりに、《ドラゴンの息》を支えに《ウラモグの破壊者》をフル投入した。《巧みな軍略》はPauperにとって新しいものではないが、ここで再録が喜ばれるのはやはり嬉しいことだ。《ドラゴンの息》の構築は《グルマグのアンコウ》をそのまま唱えるというやや弱いのバックアッププランを持っているが、《死体発掘》を4枚使っているのと同様に《入念な研究》、《留意》、そして《思考掃き》が最大限に使われている。《縞カワヘビ》は1ターン目に簡単に捨てて2ターン目の脅威の準備ができるので、再び脅威として姿を現している。7月16日のチャレンジのすべてのデッキの中でこれが僕のお気に入りだ。
これを書いている時点で別のチャレンジが開催されている。初めの数週間から何らかの兆しが感じられるとするなら、破滅の刻のカードは成功したPauperデッキの中に現れ続けることだろう。それらはゲームを壊すものではなく、むしろアーキタイプを競技レベルへと後押しするツールとなるだろう。君は最新セットのどのカードに活躍してほしいだろうか?個人的には、《オアシスの祭儀師》がコンボデッキの中でも外でも活躍するのを見てみたい。
Visiting Hour
by Alex Ullman, July 25, 2017
Magic Onlineに破滅の刻がやってきてから2週間余りが過ぎた。コモンのパワーが比較的に低いにも関わらず、このセットはすでにPauperのメタゲームに影響を及ぼし始めている。共有されるデータが削減されたのをよそに、すでに多くの破滅の刻のカードがPauperリーグとPauperチャレンジの両方で姿を現している。今日はこれらのデッキの一部を見ていこう。
バーン fwwwwibib, 5-0 Pauper League最後から2番目となる小型セットが発売された翌日、《火付け射手》がリーグの全勝リストに紛れ込んだ。バーンはほとんど常にPauperに存在していて、《火付け射手》は繰り返し使えるダメージ源として《熱錬金術師》の素晴らしい予備要員になる。2つのカードにはあるはっきりとした違いがある。
クリーチャー(8)
4 《火付け射手/Firebrand Archer》
4 《熱錬金術師/Thermo-Alchemist》
インスタント(16)
1 《欠片の飛来/Shard Volley》
3 《焼尽の猛火/Searing Blaze》
4 《火炎破/Fireblast》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《針落とし/Needle Drop》
ソーサリー(16)
4 《稲妻の連鎖/Chain Lightning》
4 《火炎の裂け目/Flame Rift》
4 《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》
4 《裂け目の稲妻/Rift Bolt》
エンチャント(2)
2 《貫かれた心臓の呪い/Curse of the Pierced Heart》
土地(18)
16 《山/Mountain》
2 《忘れられた洞窟/Forgotten Cave》
サイドボード(15)
1 《電謀/Electrickery》
2 《鋭い痛み/Flaring Pain》
3 《灰の殉教者/Martyr of Ashes》
3 《溶鉄の雨/Molten Rain》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
3 《粉々/Smash to Smithereens》
1つ目は、《熱錬金術師》を彩る能力よりも《火付け射手》の能力の方が果敢と同等だということだ。これはすなわち《貫かれた心臓の呪い》やサイドボードに入る可能性のある《大祖始の遺産》のようなカードも同じように1点のボーナスダメージを与えるということだ。墓地を使うデッキの人気が高まった場合に人気の対策カードである《遺産》に注意するのは重要だし、追加のダメージをひねり出す機会は考慮に入れるべきだ。多くの場合、ダメージ枠の浪費になるためにバーンはこの選択肢を無視しなければならない、しかし《射手》が使えるならばそれは何かをやってのける力がある。
《射手》には2点の攻撃をすることができるという利点もある。トップデッキした場合、《熱錬金術師》は単体で毎ターン1点のダメージを与えるだろう。その他一切の助けがなくても《射手》は空っぽの戦場で2点のダメージを与えることができる。しかし戦場が空っぽであることは稀だし、《錬金術師》による確実な1点ダメージは魅力的だ。
上記のリストは《熱錬金術師》と同時に《火付け射手》を使う代わりに《ケルドの匪賊》を置き換えることを選択していた。これは興味深い選択だし、確実に賛成できるものではない。これらのクリーチャーが解決されるという仮定の下で考えると(Pauperでは難しいことだ)、《ケルドの匪賊》の方がバーンデッキへの投入を正当化するのに十分なダメージを与えやすいと思う。これらのデッキは火の哲学に沿って組まれている ―各カードが、勝らずとも《ショック》相当であるべきというコンセプト。Pauperのバーンは各カードが《稲妻》に近い強さを持っているが、そのアイディアはまだ成立する。《匪賊》が解決されればほぼ確実に(それが場に出たときと離れたときの誘発で)2点のダメージを与えるだろう、そして戦闘に関与できた場合の5点という上限を持っている。その攻撃が通らなかったとしても、ブロッカーを食べつつ2点のダメージを与えることは多いだろう。《火付け射手》には使用期限はないかもしれないがその体は脆弱だ。《秘密を掘り下げる者》や《呪文づまりのスプライト》を殺すことによく左右されるフォーマットではタフネス1というのは大きな障害だ。《射手》は長期戦で優れているかもしれないが、それはバーンのやろうとしていることに逆行している。
最後に、これは古い標準の興味深い解釈であると思う。《火付け射手》は明らかに強いカードだが、バーンがもっとも適したデッキなのかは自信がない。これが強いサイドボードの選択肢になることがあるとしたら、バーンがもう少し長いゲームを勝たなければいけないときか、デッキが《黄鉄の呪文爆弾》と《発火器具》のようなカードに頼るようになった場合だろう。大抵の場合、《射手》はこれらのデッキにとっての罠になるだろうと思う。
僕が言及したことを考慮するに、《火付け射手》は《無謀な炎織り》とチームを組むかもしれない。Pauperにはすでに《きらめく鷹》で《胆液の水源》と《予言のプリズム》を再利用してカードを引くデッキが豊富に存在する。《無謀な炎織り》はこれらのリストに数回現れたことがあり、さらに《火付け射手》を加えることでさらなるダメージを通すのに役立つかもしれない。
グリクシス・スタッフ TEIMTEIM, 5-0 Pauper Leagueこのリストについて語るとしよう。操縦者であるTEIMTEIMには、ラヴニカのバウンスランドとコスト軽減とを軸にした青黒赤デッキを使ってきた長い歴史がある。このデッキもそれと変わりはなく、複雑なやり方で組み合わされている。グリクシス・スタッフにおいて、TEIMTEIMは破滅の刻からの追加として3枚の《王神の信者》と1枚の《悲劇的教訓》に取り掛かった。
クリーチャー(13)
1 《イゼットの時術師/Izzet Chronarch》
2 《夜景学院の使い魔/Nightscape Familiar》
3 《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
3 《王神の信者/God-Pharaoh’s Faithful》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
インスタント(10)
1 《恐ろしい死/Ghastly Demise》
1 《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker》
1 《悲劇的教訓/Tragic Lesson》
3 《捨て身の狂乱/Desperate Ravings》
4 《断絶/Snap》
ソーサリー(13)
1 《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》
2 《炎の稲妻/Firebolt》
2 《ケアヴェクの火吹き/Kaervek’s Torch》
2 《最後の儀式/Last Rites》
3 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
3 《綿密な分析/Deep Analysis》
アーティファクト(2)
2 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
土地(22)
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
2 《亡骸のぬかるみ/Mortuary Mire》
3 《崩壊する痕跡/Crumbling Vestige》
3 《ディミーアの水路/Dimir Aqueduct》
3 《光輝の泉/Radiant Fountain》
3 《ゆらめく岩屋/Shimmering Grotto》
3 《未知の岸/Unknown Shores》
4 《イゼットの煮沸場/Izzet Boilerworks》
サイドボード(15)
1 《綿密な分析/Deep Analysis》
1 《最後の儀式/Last Rites》
1 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
1 《青の防御円/Circle of Protection: Blue》
1 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
2 《電謀/Electrickery》
2 《水流破/Hydroblast》
2 《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
4 《紅蓮破/Pyroblast》
根本的にこれは有用なデッキで、《夜景学院の使い魔》と合わせて《断絶》を追加のマナを生み出すために活用しようとしながら、《幽霊のゆらめき》と《イゼットの時術師》を使って《熟考漂い》とのループを作りもする。《炎の稲妻》、《チェイナーの布告》、《捨て身の狂乱》、そして《綿密な分析》、さらに1枚の《渦巻く砂嵐》が仕事をこなす上でこのデッキは墓地に頼っている。マナ基盤は《ゆらめく岩屋》のようなフィルターランドに大いに依存していて、《崩壊する痕跡》を使い倒そうとしている ―このデッキには普通の白マナ源がない。
本当に正直に言うと、僕はこのデッキがどれほど強いのか確信が持てない。僕は同じリストを使うこの操縦者と過去に戦ったことがあり、常に少し複雑な印象を受けた。このデッキに何らかの利点があるとすれば、次に何が来るのかが完全には分からないことだ。確立されたフォーマットにおいてそれは大きなアドバンテージになる。しかし僕はこのデッキからダクトテープで繋ぎ合わされたような印象も受けた。マナ基盤を準備するのに大変な時間がかかるし、豊富な枚数の無色土地によって適切なタイミングで唱えるのに苦労するであろう呪文がいくつかある。《悲劇的教訓》は土地を1枚手札に戻すのでここでは場違いに見えるが、《ディミーアの水路》と《イゼットの煮沸場》がたくさんある中で適切なターンにそれができることはせいぜい稀なものに思える。
時として完璧に構築されているかどうかに関わらず、あるデッキが5-0したりチャレンジで好成績を収めることがある。これこそがデータの削減がPauperを傷つけている理由だ。わずかな量のデータではグリクシス・スタッフのようなデッキが本物なのか単に一時的なものなのかを確かめるのは難しいだろう。個人的には後者だと思うが、僕はこの考えが間違いだと証明されることを望む。
ディミーア・リアニメイト kungfutress, Top 8, July 16 Pauper Challenge
クリーチャー(14)
1 《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
1 《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger》
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
4 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
4 《縞カワヘビ/Striped Riverwinder》
インスタント(23)
1 《活力の奔出/Rush of Vitality》
2 《払拭/Dispel》
2 《噴出/Gush》
3 《留意/Mental Note》
3 《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》
4 《渦まく知識/Brainstorm》
4 《対抗呪文/Counterspell》
4 《思考掃き/Thought Scour》
ソーサリー(5)
2 《思案/Ponder》
3 《死体発掘/Exhume》
アーティファクト(1)
1 《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
土地(17)
3 《灰のやせ地/Ash Barrens》
4 《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
1 《冠雪の沼/Snow-Covered Swamp》
9 《冠雪の島/Snow-Covered Island》
サイドボード(15)
1 《払拭/Dispel》
1 《オーラの変転/Aura Flux》
1 《綿密な分析/Deep Analysis》
1 《剥奪/Deprive》
1 《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder》
1 《吸血の絆/Vampiric Link》
2 《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
2 《減縮/Shrivel》
2 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
3 《突発的変化/Spontaneous Mutation》
ディミーア・リアニメイト STLZACH, Top 32, July 16 Pauper Challenge異なる2つの《死体発掘》デッキが7月16日のPauper Challengeでトップ32に入った。1つ目のデッキを操っていたのはKungfutreesだ。《死体発掘》デッキによる2回目の成功だ ―1回目は《大いなるサンドワーム》を搭載したもので、このアモンケットのコモンは《縞カワヘビ》にすっかり置き換えられた。呪禁をもつ5/5は盤面から取り除くのが難しく、《死体発掘》のおかげで2ターン目に出せるのは非常に魅力的だ。Kungfutreesはかなり標準的なディミーア・デルバーの枠組みの中でリアニメイトのパッケージを用いた。複数の角度(《秘密を掘り下げる者》と《グルマグのアンコウ》によるテンポアグロ、もしくは素早い《死体発掘》)から攻められることでこのデッキは興味をそそる選択肢になっている。
クリーチャー(16)
4 《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
4 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
4 《縞カワヘビ/Striped Riverwinder》
4 《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher》
インスタント(8)
4 《留意/Mental Note》
4 《思考掃き/Thought Scour》
ソーサリー(16)
4 《入念な研究/Careful Study》
4 《死体発掘/Exhume》
4 《思案/Ponder》
4 《巧みな軍略/Strategic Planning》
エンチャント(2)
2 《ドラゴンの息/Dragon Breath》
土地(18)
10 《島/Island》
4 《沼/Swamp》
4 《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
サイドボード(15)
1 《対抗呪文/Counterspell》
1 《払拭/Dispel》
2 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
2 《減縮/Shrivel》
3 《無効/Annul》
3 《強迫/Duress》
3 《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
STLZACHはよりコンボ寄りのアプローチを選択した。《秘密を掘り下げる者》を諦めた代わりに、《ドラゴンの息》を支えに《ウラモグの破壊者》をフル投入した。《巧みな軍略》はPauperにとって新しいものではないが、ここで再録が喜ばれるのはやはり嬉しいことだ。《ドラゴンの息》の構築は《グルマグのアンコウ》をそのまま唱えるというやや弱いのバックアッププランを持っているが、《死体発掘》を4枚使っているのと同様に《入念な研究》、《留意》、そして《思考掃き》が最大限に使われている。《縞カワヘビ》は1ターン目に簡単に捨てて2ターン目の脅威の準備ができるので、再び脅威として姿を現している。7月16日のチャレンジのすべてのデッキの中でこれが僕のお気に入りだ。
これを書いている時点で別のチャレンジが開催されている。初めの数週間から何らかの兆しが感じられるとするなら、破滅の刻のカードは成功したPauperデッキの中に現れ続けることだろう。それらはゲームを壊すものではなく、むしろアーキタイプを競技レベルへと後押しするツールとなるだろう。君は最新セットのどのカードに活躍してほしいだろうか?個人的には、《オアシスの祭儀師》がコンボデッキの中でも外でも活躍するのを見てみたい。
青赤ストームもどきを回すのが楽しくて少し更新が遅くなりました。
今回の記事は8回分のPauper Challengeの結果を分析したもので表が複数でてきます。なので是非Gathering Magicの元記事の方にアクセスして、表を見ながら翻訳を読んでもらいたいなと思います。よろしくお願いします!
ココ↓
http://www.gatheringmagic.com/alexullman-07112017-breaking-down-the-challenges/
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元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-07112017-breaking-down-the-challenges/)
Breaking Down The Challenge
by Alex Ullman, July 11, 2017
僕は野球が大好きだ。観戦するスポーツとしてお気に入りだし、お気に入りのチーム(ニューヨーク・メッツ)がいる。僕は(多くのアメリカ人と同様に)幼い頃に試合に連れられた。始めに試合自体の観戦のしかたを学んだ ―三振やホームランや素晴らしい守備。僕が宿泊可のキャンプ場で働いていた最初の夏、外界と接する主な情報源はニューヨークタイムズだった、そして十代だった僕は時事よりスポーツ欄に関心を持っていた。僕は掲載された統計を熟読し、より深いレベルでゲームを理解しようとし始めた。
それから僕は新しい方法で試合を観戦し始めた。大学時代には、ピッチャーが何を投げるのかとバッターがどう対応するのかを当てようとしたものだった。僕は経営上の決定について疑問を持ち始め、スポーツに深く魅了された。これは進歩した統計(セイバーメトリクスとしても知られている)がスポーツに浸透していったのと同じ頃だった(マネーボールを思い浮かべてくれ)。これらの数字はファンたちにゲームの新しい分析方法や、様々な選手や意思決定の価値を知らしめた。
この余談で記事を始めたのは、これが人々がマジックをどのように楽しめるかの例示になっていると思うからだ。ただプレイすることを楽しむ人がいる一方で、より深い戦略を理解しようとする人もいる。プレイヤーはトップのデッキを選択することで優位に立つことが狙えるし、次の週に何が強くなっているのかを推測することで次のレベルへと向かうことができる。アモンケットシーズンから8つのPauper Challengeに注目して分析しようと思う。どのデッキが強かったのか、どれが劣っていたのかを説明したい。
まずは考えられる最も基本的な統計:デッキ数を見てみたい。これは各アーキタイプがトップ32にどれだけ入賞したかを数えた単純な計数統計だ。この数字からは各アーキタイプがどれだけ強いのかは読み取れないものの、何か他のこと:プレイヤーたちの選択を示している。デッキの良し悪しに関わらず実際に多くのプレイヤーがそのデッキ使っているのであれば、そのデッキは勝ちやすいと認識されているということだ。
要するに良いデッキは人気があるはずだ。最初のChallengeではトップ8に3つのイゼット・デルバーが入り、その人気は急上昇した。下記の図から明らかなようにイゼット・デルバーは出現数45ともっとも人気のあるデッキだ ―これはトップ32のリストの18%に近い。
[アーキタイプ分布の円グラフ:ぜひ元記事を参照されたし]
イゼット・デルバーに続いて2番目に人気のあるデッキは親和とストンピィだ。Pauperに慣れ親しんだものにとっては何も驚くべきことはない。親和はこのゲームの歴史上最高のメカニズムの一つによって支えられた長きにわたる強者だ。複数の土地が実質的に1マナ以上を生み出しつつコストの抑えられた脅威を複数展開できるのは非常に強力だ。ストンピィはリーグにおいて最高のデッキの1つであった、そしてChallengeには同等の数がいないものの依然としてかなりの数がランクインしている。
これら3つのデッキはフォーマットでもっとも人気のあるアーキタイプに相当する。後で説明するように、これらは必ずしも3つのベストデッキであるとは限らない;しかし、この文脈ではそれは重要なことではない。これらのデッキの人気から、各Pauper Challengeにおいて何度も当たると期待するのは合理的だ。
成功に関するもう一つの容積測定がある ―トップ8だ。これら3つのデッキの成功の分布が均等であるならば、決勝ラウンドでの数は上記の数と同様になるはずだ。これは完全には当てはまっていない。
[トップ8入賞数と優勝回数の表:元記事参照]
イゼット・デルバーはもっとも人気のあるデッキのままだが、ストンピィは別の2つのデッキ:ボロス統治者とデルバーと同じ位置にいる。ストンピィと違ってこれらのデッキは合わせて3回(デルバーが2回、ボロス統治者が1回)Challengeを勝ち抜いている。親和の出現数は3回だけで他の人気のあるデッキに劣っている。
これら2つのデータの塊から僕たちが読み取れることはわずかだ。第一に、イゼット・デルバーは人気があるだけでなく、トップ8での人気からその強さを推定することができる。ストンピィもまた(7ラウンドのトーナメントでは目を引く存在ではないにも関わらず)、まだ勝ち数を稼ぐ見込みが大いにある。しかしながら、親和は成功していない。トップ32のリストの13.67%を占めているにも関わらず、決勝ラウンドでは約4.7%だけだった。これは親和に対して使うことのできる大量の対策と関係しているのかもしれない ―《ゴリラのシャーマン》、《古えの遺恨》、《上機嫌の破壊》その他もろもろ― もしくは使い手が土地を16枚に切り詰めて自ら事故を起こす傾向があるのかもしれない。
これらはまだ量の統計だ。ただ数を数えることしか為されていない。どのデッキが優れていてどのデッキが成果を出せていないのかをもっと理解するためには、もう1つ解析の段階を追加する必要がある。僕はFrank Karstenの方式を使うのが好んでいる、トップ8の分を含めてマッチ勝利ごとに1点を割り当て、マッチ敗北ごとに1点を差し引く。7ラウンドのトーナメントを全勝したが準々決勝で負けたデッキの最終成績は7-1になるだろう、そしてKarstenスコア(K-スコア)は6だ;5-2でトップ8に滑り込んだが残りすべてを勝利すれば最終成績8-2で同じK-スコアが得られることになる。この解析においては、トップ32のメタゲームで3%以上を達成したデッキに焦点を当てている ―出現数8以上(もしくは少なくとも各トップ32に1つずつ)。
注釈:データの編集を手伝ってくれたJason Sirichokeに特別の感謝を。別の注釈:統計的に有意でないサンプルサイズで作業していることは十分に認識しているが、これが僕らの持っているものであるし、小さいサンプル数といえども情報に基づいた決定をすることができる。
[出現数8以上のデッキ、勝率、K-スコア:元記事参照]
[出現数8未満のデッキ、勝率、K-スコア:元記事参照]
トップ32に掲載された31の異なるアーキタイプのうち、少なくとも8回出現すたアーキタイプは13個だった。出現数8以上の表によると、全体で最も優れたデッキはボロス統治者だった。このデッキはトップ32に10回登場し、そのうちの半分がトップ8に入った。これをイゼット・デルバーと比較すると、イゼット・デルバーは勝ち抜きラウンドに14回”しか”残れなかった(トップ32に入ったうちの約3分の1だ)。ボロス統治者はChallengeを1回優勝していて(イゼット・デルバーは2回)、平均のK-スコアは3.2だ。出現数当たりの平均勝ち数が5.5回ということはこのデッキはトップ8に残りやすかったということだ(1度を除いてChallengeは7回戦まで行われ、5-2でタイブレーカーの良いものはトップ8に残り、また6-1以上は確実に残った;父の日に行われたChallengeは6回戦で行われた)。
古く頑健なるデルバーは総出現数11回でボロス統治者と同数のトップ8、優勝数はその2倍と引けを取っていない。ムラーサ・トロンはビッグマナのコントロールデッキで何とか足切りを免れたが、平均K-スコアは3と素晴らしく平均勝ち数は5.22回だ。デルバーは当然ながら場とゲームをするデッキだ、一方でムラーサ・トロンは幅広い種類の除去とゲーム終盤の圧倒的な強さを持っている。
イゼット・デルバーはその常軌を逸した人気にも関わらず、優れた選択肢にとどまっている。平均して5勝以上あげているにもかかわらずK-スコアが比較的低く、これらのデッキは後の多くのラウンドでお互いに殴り合って結果を摩耗させている可能性がある。ディミーア・アルケミーは今までフォーマット最高のデッキの話題に上ることがなかったという点でいくらか意外なデッキだ。このデッキはその名前になっているカード―《禁忌の錬金術》―で打ち消しや除去を探したり、《グルマグのアンコウ》の燃料として使う。
ストンピィは興味深いケースだ。上で言及したように、ストンピィはリーグにおいて人気の高いデッキの1つだがChallengeにおいては同様の戦いができていないようだ。最終的にストンピィは22という確かな出現数と5回のトップ8を記録し、勝ち数はほぼ5回に近い(リーグで結果が掲載されるのに必要な値だ)。ストンピィは5勝するのに十分な強さがあるのに、そのはるか上を目指すのに苦戦しているように見える。
さらに、親和も興味深いケースを示している。親和は出現数8以上のデッキの中で平均勝ち数と平均K-スコアが最も低く、唯一K-スコアが2を下回るデッキだ。これには親和が3-3が1つ、4-2が3つだった6月18日のイベントが響いている。親和のすべての結果のうちの17%以上がこのデッキの統計に悪影響を及ぼした。しかしながら、それによって親和が他のChallengeで苦戦しているという事実がなくなるわけではない。おそらくこのデッキに対する対策の強さによるものだろう。
これらの結果はトップ8を含めていて、イベントを完勝するのに何が最適なのかの印象を与えてくれる。この解析においては、ボロス統治者、デルバー、そしてイゼット・デルバーのようなデッキはどれも他のデッキより優位に立っている。しかしこれらの統計からはどのデッキが勝ち抜きラウンドへと進みやすいかは分からない。
このために、僕はトップ8を含む統計に純粋に依存することの問題を指摘してくれたJason Sirichokeに再び頼った。JasonはWin+の概念を提案してくれた。この計量はスイスランドで測定し、4-3(6月18日は例外的に3-3)を超えた成績をすべて記録したものだ。これは参加費の元を取るのに必要な成績だ。なので5-2の成績ではWin+が1点、一方で6-1では2点となる。ここでの目的は、どのデッキを使えばもっともトップ8に入るチャンスがあるのかを理解しようとすることだ。Win+が1以上のデッキは最高で、0.8から0.99の間はとても良い、そこから0へと下降線をたどっていく。この値はただの平均値だ。
[各デッキの出現数、Win+、出現数あたりのWin+:元記事参照]
これらのアーキタイプのいくつかには見覚えがあるはずだ。ボロス統治者、イゼット・デルバー、ムラーサ・トロン、そしてデルバーはどれも上位にいる。一方でディミーア・アルケミーはサンプルサイズが小さいためにそれらすべてを上回っている。ストンピィと新参者のラリー・ゴンドが「とても良いグループ」にいるのに対し、親和はまたしても最下位にいる。ボロス統治者を別にすれば、Win+が9を超えるデッキはすべて青を使っている、そしてトップ10のうちの半分が強力な《思案》と《定業》を一般的に使っている。
これらのChallengeは大量の情報を提供してくれている。これは僕が満足して記すことができるいくつかの結論だ:
ストンピィ、ボロス統治者、そしてラリー・ゴンドと、青くない選択肢がこのシーズンに渡って見事な活躍をした。しかし、それも青の人気と比較すると霞んでしまう。もしこれがChallengeの次のシーズン以降も続くのなら、トップのデッキの色の多様性を上げるためにも青がその鼻をへし折られるところを見てみたいものだ。はっきりさせておこう ―現時点では何も異常はない。これらの傾向がこの調子で続くなら僕は何かをしたいと思っている。今のところ、Pauperは素晴らしい。
幅広い種類のデッキが君をトップ8へと進めさせる可能性があり、6種の異なるアーキタイプが優勝した。コントロール、コンボ、そしてアグロのすべてがよく使われていて、新しいカードが定期的にインパクトを与える。破滅の刻からPauperに大きな影響を与えるものはないものの、このセットが事態を変化させないというわけではない。
統計は完全ではない。野球と違ってこれらは予測的な手段ではなく、むしろストーリーを教えてくれるものだ。アモンケットシーズンの物語は、複数の型のデルバーのうちの1つと《宮殿の歩哨》だ。それはストンピィが期待に応え、親和が応えられなかったストーリーだ。それはコンボが再び姿を現したストーリーだ。そしてPauperに待ち受ける次の章が待ちきれない。
デッキ付録
今回の記事は8回分のPauper Challengeの結果を分析したもので表が複数でてきます。なので是非Gathering Magicの元記事の方にアクセスして、表を見ながら翻訳を読んでもらいたいなと思います。よろしくお願いします!
ココ↓
http://www.gatheringmagic.com/alexullman-07112017-breaking-down-the-challenges/
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元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-07112017-breaking-down-the-challenges/)
Breaking Down The Challenge
by Alex Ullman, July 11, 2017
僕は野球が大好きだ。観戦するスポーツとしてお気に入りだし、お気に入りのチーム(ニューヨーク・メッツ)がいる。僕は(多くのアメリカ人と同様に)幼い頃に試合に連れられた。始めに試合自体の観戦のしかたを学んだ ―三振やホームランや素晴らしい守備。僕が宿泊可のキャンプ場で働いていた最初の夏、外界と接する主な情報源はニューヨークタイムズだった、そして十代だった僕は時事よりスポーツ欄に関心を持っていた。僕は掲載された統計を熟読し、より深いレベルでゲームを理解しようとし始めた。
それから僕は新しい方法で試合を観戦し始めた。大学時代には、ピッチャーが何を投げるのかとバッターがどう対応するのかを当てようとしたものだった。僕は経営上の決定について疑問を持ち始め、スポーツに深く魅了された。これは進歩した統計(セイバーメトリクスとしても知られている)がスポーツに浸透していったのと同じ頃だった(マネーボールを思い浮かべてくれ)。これらの数字はファンたちにゲームの新しい分析方法や、様々な選手や意思決定の価値を知らしめた。
この余談で記事を始めたのは、これが人々がマジックをどのように楽しめるかの例示になっていると思うからだ。ただプレイすることを楽しむ人がいる一方で、より深い戦略を理解しようとする人もいる。プレイヤーはトップのデッキを選択することで優位に立つことが狙えるし、次の週に何が強くなっているのかを推測することで次のレベルへと向かうことができる。アモンケットシーズンから8つのPauper Challengeに注目して分析しようと思う。どのデッキが強かったのか、どれが劣っていたのかを説明したい。
まずは考えられる最も基本的な統計:デッキ数を見てみたい。これは各アーキタイプがトップ32にどれだけ入賞したかを数えた単純な計数統計だ。この数字からは各アーキタイプがどれだけ強いのかは読み取れないものの、何か他のこと:プレイヤーたちの選択を示している。デッキの良し悪しに関わらず実際に多くのプレイヤーがそのデッキ使っているのであれば、そのデッキは勝ちやすいと認識されているということだ。
要するに良いデッキは人気があるはずだ。最初のChallengeではトップ8に3つのイゼット・デルバーが入り、その人気は急上昇した。下記の図から明らかなようにイゼット・デルバーは出現数45ともっとも人気のあるデッキだ ―これはトップ32のリストの18%に近い。
[アーキタイプ分布の円グラフ:ぜひ元記事を参照されたし]
イゼット・デルバーに続いて2番目に人気のあるデッキは親和とストンピィだ。Pauperに慣れ親しんだものにとっては何も驚くべきことはない。親和はこのゲームの歴史上最高のメカニズムの一つによって支えられた長きにわたる強者だ。複数の土地が実質的に1マナ以上を生み出しつつコストの抑えられた脅威を複数展開できるのは非常に強力だ。ストンピィはリーグにおいて最高のデッキの1つであった、そしてChallengeには同等の数がいないものの依然としてかなりの数がランクインしている。
これら3つのデッキはフォーマットでもっとも人気のあるアーキタイプに相当する。後で説明するように、これらは必ずしも3つのベストデッキであるとは限らない;しかし、この文脈ではそれは重要なことではない。これらのデッキの人気から、各Pauper Challengeにおいて何度も当たると期待するのは合理的だ。
成功に関するもう一つの容積測定がある ―トップ8だ。これら3つのデッキの成功の分布が均等であるならば、決勝ラウンドでの数は上記の数と同様になるはずだ。これは完全には当てはまっていない。
[トップ8入賞数と優勝回数の表:元記事参照]
イゼット・デルバーはもっとも人気のあるデッキのままだが、ストンピィは別の2つのデッキ:ボロス統治者とデルバーと同じ位置にいる。ストンピィと違ってこれらのデッキは合わせて3回(デルバーが2回、ボロス統治者が1回)Challengeを勝ち抜いている。親和の出現数は3回だけで他の人気のあるデッキに劣っている。
これら2つのデータの塊から僕たちが読み取れることはわずかだ。第一に、イゼット・デルバーは人気があるだけでなく、トップ8での人気からその強さを推定することができる。ストンピィもまた(7ラウンドのトーナメントでは目を引く存在ではないにも関わらず)、まだ勝ち数を稼ぐ見込みが大いにある。しかしながら、親和は成功していない。トップ32のリストの13.67%を占めているにも関わらず、決勝ラウンドでは約4.7%だけだった。これは親和に対して使うことのできる大量の対策と関係しているのかもしれない ―《ゴリラのシャーマン》、《古えの遺恨》、《上機嫌の破壊》その他もろもろ― もしくは使い手が土地を16枚に切り詰めて自ら事故を起こす傾向があるのかもしれない。
これらはまだ量の統計だ。ただ数を数えることしか為されていない。どのデッキが優れていてどのデッキが成果を出せていないのかをもっと理解するためには、もう1つ解析の段階を追加する必要がある。僕はFrank Karstenの方式を使うのが好んでいる、トップ8の分を含めてマッチ勝利ごとに1点を割り当て、マッチ敗北ごとに1点を差し引く。7ラウンドのトーナメントを全勝したが準々決勝で負けたデッキの最終成績は7-1になるだろう、そしてKarstenスコア(K-スコア)は6だ;5-2でトップ8に滑り込んだが残りすべてを勝利すれば最終成績8-2で同じK-スコアが得られることになる。この解析においては、トップ32のメタゲームで3%以上を達成したデッキに焦点を当てている ―出現数8以上(もしくは少なくとも各トップ32に1つずつ)。
注釈:データの編集を手伝ってくれたJason Sirichokeに特別の感謝を。別の注釈:統計的に有意でないサンプルサイズで作業していることは十分に認識しているが、これが僕らの持っているものであるし、小さいサンプル数といえども情報に基づいた決定をすることができる。
[出現数8以上のデッキ、勝率、K-スコア:元記事参照]
[出現数8未満のデッキ、勝率、K-スコア:元記事参照]
トップ32に掲載された31の異なるアーキタイプのうち、少なくとも8回出現すたアーキタイプは13個だった。出現数8以上の表によると、全体で最も優れたデッキはボロス統治者だった。このデッキはトップ32に10回登場し、そのうちの半分がトップ8に入った。これをイゼット・デルバーと比較すると、イゼット・デルバーは勝ち抜きラウンドに14回”しか”残れなかった(トップ32に入ったうちの約3分の1だ)。ボロス統治者はChallengeを1回優勝していて(イゼット・デルバーは2回)、平均のK-スコアは3.2だ。出現数当たりの平均勝ち数が5.5回ということはこのデッキはトップ8に残りやすかったということだ(1度を除いてChallengeは7回戦まで行われ、5-2でタイブレーカーの良いものはトップ8に残り、また6-1以上は確実に残った;父の日に行われたChallengeは6回戦で行われた)。
古く頑健なるデルバーは総出現数11回でボロス統治者と同数のトップ8、優勝数はその2倍と引けを取っていない。ムラーサ・トロンはビッグマナのコントロールデッキで何とか足切りを免れたが、平均K-スコアは3と素晴らしく平均勝ち数は5.22回だ。デルバーは当然ながら場とゲームをするデッキだ、一方でムラーサ・トロンは幅広い種類の除去とゲーム終盤の圧倒的な強さを持っている。
イゼット・デルバーはその常軌を逸した人気にも関わらず、優れた選択肢にとどまっている。平均して5勝以上あげているにもかかわらずK-スコアが比較的低く、これらのデッキは後の多くのラウンドでお互いに殴り合って結果を摩耗させている可能性がある。ディミーア・アルケミーは今までフォーマット最高のデッキの話題に上ることがなかったという点でいくらか意外なデッキだ。このデッキはその名前になっているカード―《禁忌の錬金術》―で打ち消しや除去を探したり、《グルマグのアンコウ》の燃料として使う。
ストンピィは興味深いケースだ。上で言及したように、ストンピィはリーグにおいて人気の高いデッキの1つだがChallengeにおいては同様の戦いができていないようだ。最終的にストンピィは22という確かな出現数と5回のトップ8を記録し、勝ち数はほぼ5回に近い(リーグで結果が掲載されるのに必要な値だ)。ストンピィは5勝するのに十分な強さがあるのに、そのはるか上を目指すのに苦戦しているように見える。
さらに、親和も興味深いケースを示している。親和は出現数8以上のデッキの中で平均勝ち数と平均K-スコアが最も低く、唯一K-スコアが2を下回るデッキだ。これには親和が3-3が1つ、4-2が3つだった6月18日のイベントが響いている。親和のすべての結果のうちの17%以上がこのデッキの統計に悪影響を及ぼした。しかしながら、それによって親和が他のChallengeで苦戦しているという事実がなくなるわけではない。おそらくこのデッキに対する対策の強さによるものだろう。
これらの結果はトップ8を含めていて、イベントを完勝するのに何が最適なのかの印象を与えてくれる。この解析においては、ボロス統治者、デルバー、そしてイゼット・デルバーのようなデッキはどれも他のデッキより優位に立っている。しかしこれらの統計からはどのデッキが勝ち抜きラウンドへと進みやすいかは分からない。
このために、僕はトップ8を含む統計に純粋に依存することの問題を指摘してくれたJason Sirichokeに再び頼った。JasonはWin+の概念を提案してくれた。この計量はスイスランドで測定し、4-3(6月18日は例外的に3-3)を超えた成績をすべて記録したものだ。これは参加費の元を取るのに必要な成績だ。なので5-2の成績ではWin+が1点、一方で6-1では2点となる。ここでの目的は、どのデッキを使えばもっともトップ8に入るチャンスがあるのかを理解しようとすることだ。Win+が1以上のデッキは最高で、0.8から0.99の間はとても良い、そこから0へと下降線をたどっていく。この値はただの平均値だ。
[各デッキの出現数、Win+、出現数あたりのWin+:元記事参照]
これらのアーキタイプのいくつかには見覚えがあるはずだ。ボロス統治者、イゼット・デルバー、ムラーサ・トロン、そしてデルバーはどれも上位にいる。一方でディミーア・アルケミーはサンプルサイズが小さいためにそれらすべてを上回っている。ストンピィと新参者のラリー・ゴンドが「とても良いグループ」にいるのに対し、親和はまたしても最下位にいる。ボロス統治者を別にすれば、Win+が9を超えるデッキはすべて青を使っている、そしてトップ10のうちの半分が強力な《思案》と《定業》を一般的に使っている。
これらのChallengeは大量の情報を提供してくれている。これは僕が満足して記すことができるいくつかの結論だ:
1.最高のデッキはイゼット・デルバー、デルバー、ムラーサ・トロン、ボロス統治者、そしてディミーア・アルケミーである。フォーマットで最高のデッキを選ばなければいけないとしたら2種類のデルバーのうちの1つになるだろう。これらの中で、ディミーア・アルケミーは未だChallengeを優勝していない。僕はこの最後の点については追加で議論する価値があると思う。すべてのローテーションしないフォーマットでそうであるように、青は信じられないくらい強力だ。《思案》と《定業》はこのフォーマットの他の何ものとも違って、この色にカードの質を向上させるツールを与えている。青は問題ではない ―今のところは。
2.ストンピィは優れた選択肢にとどまる。練習でリーグをこなすことができるのは魅力になる。
3.クリーチャー主体のコンボはラリー・ゴンド、不屈の部族コンボ、そしてイゼット・ブリッツが健在である。
4.親和はトップのデッキの中でもっとも弱い。上記のような成績が報われない形式において、それは明らかに平均的だ。
5.青が圧倒的である。
ストンピィ、ボロス統治者、そしてラリー・ゴンドと、青くない選択肢がこのシーズンに渡って見事な活躍をした。しかし、それも青の人気と比較すると霞んでしまう。もしこれがChallengeの次のシーズン以降も続くのなら、トップのデッキの色の多様性を上げるためにも青がその鼻をへし折られるところを見てみたいものだ。はっきりさせておこう ―現時点では何も異常はない。これらの傾向がこの調子で続くなら僕は何かをしたいと思っている。今のところ、Pauperは素晴らしい。
幅広い種類のデッキが君をトップ8へと進めさせる可能性があり、6種の異なるアーキタイプが優勝した。コントロール、コンボ、そしてアグロのすべてがよく使われていて、新しいカードが定期的にインパクトを与える。破滅の刻からPauperに大きな影響を与えるものはないものの、このセットが事態を変化させないというわけではない。
統計は完全ではない。野球と違ってこれらは予測的な手段ではなく、むしろストーリーを教えてくれるものだ。アモンケットシーズンの物語は、複数の型のデルバーのうちの1つと《宮殿の歩哨》だ。それはストンピィが期待に応え、親和が応えられなかったストーリーだ。それはコンボが再び姿を現したストーリーだ。そしてPauperに待ち受ける次の章が待ちきれない。
デッキ付録
親和 Valashu, Top 8, June 11 Pauper Challenge
クリーチャー(18)
2 《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent》
4 《エイトグ/Atog》
4 《甲殻の鍛冶工/Carapace Forger》
4 《金属ガエル/Frogmite》
4 《マイアの処罰者/Myr Enforcer》
インスタント(7)
1 《投げ飛ばし/Fling》
1 《危険な研究/Perilous Research》
1 《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》
4 《感電破/Galvanic Blast》
ソーサリー(4)
4 《物読み/Thoughtcast》
アーティファクト(14)
2 《皮剥ぎの鞘/Flayer Husk》
2 《胆液の水源/Ichor Wellspring》
3 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
3 《バネ葉の太鼓/Springleaf Drum》
4 《彩色の星/Chromatic Star》
土地(17)
1 《囁きの大霊堂/Vault of Whispers》
4 《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》
4 《大焼炉/Great Furnace》
4 《教議会の座席/Seat of the Synod》
4 《伝承の樹/Tree of Tales》
サイドボード(15)
3 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
4 《払拭/Dispel》
2 《電謀/Electrickery》
1 《部族養い/Feed the Clan》
2 《天啓の光/Ray of Revelation》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
1 《平穏/Tranquility》
ボロス統治者 carroz, Top 8 May 21 Pauper Challenge
クリーチャー(16)
4 《きらめく鷹/Glint Hawk》
4 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
4 《宮殿の包囲/Palace Siege》
4 《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》
インスタント(9)
1 《虹色の断片/Prismatic Strands》
4 《感電破/Galvanic Blast》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
ソーサリー(2)
2 《金切るときの声/Battle Screech》
エンチャント(3)
3 《未達への旅/Journey to Nowhere》
アーティファクト(8)
4 《錬金術師の薬瓶/Alchemist’s Vial》
4 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
土地(22)
1 《平地/Plains》
2 《忘れられた洞窟/Forgotten Cave》
2 《隔離されたステップ/Secluded Steppe》
2 《風に削られた岩山/Wind-Scarred Crag》
3 《光輝の泉/Radiant Fountain》
4 《ボロスの駐屯地/Boros Garrison》
4 《古えの居住地/Ancient Den》
4 《大焼炉/Great Furnace》
サイドボード(15)
1 《緑の防御円/Circle of Protection: Green》
1 《赤の防御円/Circle of Protection: Red》
2 《電謀/Electrickery》
2 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
2 《孤独な宣教師/Lone Missionary》
3 《軍旗の旗手/Standard Bearer》
4 《紅蓮破/Pyroblast》
デルバー BERNASTORRES, Winner July 2 Pauper Challenge
クリーチャー(20)
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
4 《フェアリーの悪党/Faerie Miscreant》
4 《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours》
4 《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
4 《尖塔のゴーレム/Spire Golem》
インスタント(14)
1 《論理の結び目/Logic Knot》
2 《剥奪/Deprive》
2 《断絶/Snap》
2 《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》
3 《噴出/Gush》
4 《対抗呪文/Counterspell》
ソーサリー(8)
4 《思案/Ponder》
4 《定業/Preordain》
アーティファクト(1)
1 《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》
土地(17)
17 《島/Island》
サイドボード(15)
2 《珊瑚の網/Coral Net》
2 《払拭/Dispel》
2 《水流破/Hydroblast》
1 《ウーナの寵愛/Oona’s Grace》
2 《海賊の魔除け/Piracy Charm》
1 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
3 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
2 《ソーンウィンド・フェアリー/Thornwind Faeries》
ディミーア・アルケミー RodrigoPinhiero, 8th Place May 28 Pauper Challenge
クリーチャー(11)
3 《熟考漂い/Mulldrifter》
4 《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
4 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
インスタント(20)
1 《苦悶のねじれ/Agony Warp》
1 《恐ろしい死/Ghastly Demise》
2 《破滅の刃/Doom Blade》
2 《残響する衰微/Echoing Decay》
2 《魂の操作/Soul Manipulation》
2 《悲劇的な過ち/Tragic Slip》
3 《見栄え損ない/Disfigure》
3 《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》
4 《対抗呪文/Counterspell》
ソーサリー(7)
3 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
4 《定業/Preordain》
土地(22)
6 《沼/Swamp》
7 《島/Island》
1 《やせた原野/Barren Moor》
1 《孤立した砂州/Lonely Sandbar》
3 《ディミーアの水路/Dimir Aqueduct》
4 《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
サイドボード(15)
1 《吐き気/Nausea》
1 《減縮/Shrivel》
2 《強迫/Duress》
2 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
2 《水流破/Hydroblast》
2 《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
2 《ヴォーデイリアのゾンビ/Vodalian Zombie》
3 《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
イゼット・デルバー Pietart, Winner May 21 Pauper Challenge
クリーチャー(19)
3 《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
4 《フェアリーの悪党/Faerie Miscreant》
4 《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours》
4 《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
インスタント(17)
2 《渦まく知識/Brainstorm》
3 《噴出/Gush》
4 《対抗呪文/Counterspell》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《雪崩し/Skred》
ソーサリー(6)
3 《思案/Ponder》
3 《定業/Preordain》
土地(18)
3 《灰のやせ地/Ash Barrens》
4 《進化する未開地/Evolving Wilds》
2 《冠雪の山/Snow-Covered Mountain》
9 《冠雪の島/Snow-Covered Island》
サイドボード(15)
2 《払拭/Dispel》
2 《電謀/Electrickery》
2 《水流破/Hydroblast》
2 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
3 《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》
4 《紅蓮破/Pyroblast》
ムラーサ・トロン Xto2, Winner, June 25 Pauper Challenge
クリーチャー(9)
2 《記憶の壁/Mnemonic Wall》
3 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
インスタント(17)
1 《転覆/Capsize》
1 《払拭/Dispel》
1 《電謀/Electrickery》
1 《静電気の稲妻/Electrostatic Bolt》
1 《まやかしの召喚/False Summoning》
1 《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》
1 《衝動/Impulse》
1 《マグマのしぶき/Magma Spray》
2 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
2 《神秘の指導/Mystical Teachings》
2 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
3 《禁制/Prohibit》
ソーサリー(4)
1 《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》
3 《炎の斬りつけ/Flame Slash》
アーティファクト(7)
1 《虹色のレンズ/Prismatic Lens》
2 《探検の地図/Expedition Map》
4 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
土地(23)
1 《茨森の滝/Thornwood Falls》
3 《ゆらめく岩屋/Shimmering Grotto》
4 《急流の崖/Swiftwater Cliffs》
4 《ウルザの鉱山/Urza’s Mine》
4 《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant》
4 《ウルザの塔/Urza’s Tower》
1 《冠雪の山/Snow-Covered Mountain》
2 《冠雪の島/Snow-Covered Island》
サイドボード(15)
1 《払拭/Dispel》
1 《電謀/Electrickery》
1 《まやかしの召喚/False Summoning》
1 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
1 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
2 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
3 《水流破/Hydroblast》
4 《紅蓮破/Pyroblast》
1 《心に静寂/Serene Heart》
ラリー・ゴンド Mathonical, Winner May 28 Pauper Challenge
クリーチャー(16)
4 《心優しきボディガード/Benevolent Bodyguard》
4 《深夜の護衛/Midnight Guard》
4 《魂の管理人/Soul Warden》
4 《魂の従者/Soul’s Attendant》
インスタント(5)
2 《農民の結集/Rally the Peasants》
3 《虹色の断片/Prismatic Strands》
ソーサリー(10)
2 《主の募兵/Cenn’s Enlistment》
4 《金切るときの声/Battle Screech》
4 《神々との融和/Commune with the Gods》
エンチャント(6)
2 《未達への旅/Journey to Nowhere》
4 《ゴンドの存在/Presence of Gond》
土地(23)
1 《森/Forest》
1 《山/Mountain》
5 《平地/Plains》
1 《ボロスの駐屯地/Boros Garrison》
2 《灰のやせ地/Ash Barrens》
2 《抵抗者の居住地/Holdout Settlement》
3 《セレズニアの聖域/Selesnya Sanctuary》
4 《花咲く砂地/Blossoming Sands》
4 《カルニの庭/Khalni Garden》
サイドボード(15)
1 《鋭い痛み/Flaring Pain》
1 《未達への旅/Journey to Nowhere》
2 《天啓の光/Ray of Revelation》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2 《軍旗の旗手/Standard Bearer》
3 《忘却の輪/Oblivion Ring》
4 《蜘蛛糸の鎧/Spidersilk Armor》
ストンピィ Hrymfaxe, May 28 Finalist Pauper Challenge
クリーチャー(29)
1 《シラナの岩礁渡り/Silhana Ledgewalker》
2 《リバー・ボア/River Boa》
3 《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》
3 《若き狼/Young Wolf》
4 《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》
4 《巣の侵略者/Nest Invader》
4 《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》
4 《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》
4 《スカルガンの穴潜み/Skarrgan Pit-Skulk》
インスタント(8)
4 《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》
4 《巨森の蔦/Vines of Vastwood》
ソーサリー(1)
1 《勇壮な対決/Epic Confrontation》
エンチャント(4)
4 《怨恨/Rancor》
アーティファクト(2)
1 《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》
1 《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》
土地(16)
16 《森/Forest》
サイドボード(15)
1 《若き狼/Young Wolf》
2 《勇壮な対決/Epic Confrontation》
2 《部族養い/Feed the Clan》
2 《はらわた撃ち/Gut Shot》
4 《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》
4 《散弾の射手/Scattershot Archer》
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-07042017-common-hour/)
Common Hour
by Alex Ullman, July 4, 2017
小型セットのレビューは消える運命にある。破滅の刻の後にブロックの第二セットとして残っているのはイクサランの相克だけだ。Pauperにとってこれが何を意味するのかは分からない。一方では、テーマに沿ったカードがより密集した大型セットは、とても規則正しくこのフォーマットに新しい戦略を投入する可能性がある。メカニズムへの需要の増加は、現在主流でない戦略にとって良い刺激になるかもしれない。しかしながらそこには欠点がある。小型セットはドラフトアーキタイプが強化されるところだった。大型セットが新しいカードによる新生デッキを生み出した場合、続くセットで何らかのアップグレードがもたらされることが期待された。相克の後、セットがすぐに終わってしまうのならば、新しいカードが現れるまでに長い時間がかかってしまうかもしれない。
破滅の刻はPauperに関して言えばかなり典型的な小型セットだ。そのパワーレベルは(カラデシュのスタンダード環境の犠牲になったかもしれないが)どちらかといえば低い。リーグやチャレンジのデッキリストに居場所を見つけられそうなカードが相当数あるが、それらはどちらかと言えば重要要素というよりもロールプレイヤーだ。この多くがコモンに押し詰められたテーマに取り組まなければならない:砂漠と永遠だ。
Pauperでデッキに入れる価値のある砂漠は数枚しかない。サイクリング土地はウルザズ・サーガとオンスロートにある旧バージョンの下位互換だ。これらが使われたり、《生存者の野営地》が《抵抗者の居住地》よりも使われることがあるとすれば、将来別のセットでもっと強い砂漠関連のカードが出る時だろう。《横這ナーガ》は優秀だがそのためにデッキをゆがめるほどではない。その他に見直すようなものはない。
《不動の歩哨》と《実績ある戦闘員》が永遠を持ったコモンの2枚だ。そのどちらとも表面は十分に強いとは言えない。カードの枠を食わずにただで4/4を得る機会があるのは魅力的だ。明らかにすべき問題は、打ち消されない4/4が基準値以下のクリーチャーを使う理由になるほど強いのかどうかということだ。僕はこれらのカードを好きになりたいし重要なものになってほしいと思っている。それでもこれは両者とも遅すぎると思う。《戦闘員》は《禁忌の錬金術》や《思考掃き》デッキで追加の戦力を補う手段として居場所を見つけるかもしれないが、だとしてもそのサイズは何とか使えるという程度だ。最後の4/4が重要になるようなコントロールのミラーマッチがあれば、これらのどちらかがまあまあのサイドボード要因になるかもしれない。現時点では良くてもフォーマットの末端にある運命だと思っている。
《火付け射手》は直ちに《熱錬金術師》と比較されるカードだ。インスタントやソーサリー1枚ごとに追加のダメージを与えることができ、マナカーブ上でも同じ位置に収まる。《熱錬金術師》と違ってその能力は召喚酔いに影響されず、そして2点ダメージの攻撃をすることができる。これらの長所にはなかなか深刻な対価がともなう ―タフネスが1点しかないんだ。タフネス1のクリーチャーをついでに殺せる効果はたくさんあるので、この脆弱性の増加は問題になる。複数のデッキの重要要素である《ボーラスの占い師》は《射手》を笑い飛ばし、ブロックに参加できない《熱錬金術師》へと変えてしまう。
《熱錬金術師》は現在バーンと一部の黒赤デッキにおいてゲームを締めくくる手段として大いに使われている。これらのデッキで異界月の傑物に置き換わらなかったとしても、《火付け射手》は《秘密を掘り下げる者》と《稲妻》と《轟く怒り》のような火力を利用したより攻撃的な青赤デッキにおいて二方向から攻める武器を作るために使われるかもしれない。
《オアシスの祭儀師》はほぼ確実に使われるだろう。《現実からの遊離》コンボはこのフォーマットで最も楽しいものだし、このクリーチャーはこのデッキにとって良い刺激になる。これまでこのデッキはクリーチャー化した2マナ以上生み出せる土地にそのデッキ名になっているオーラを貼らなければならなかった。このコンボは《ダークスティールの城塞》と《活生の呪文爆弾》に頼ることがあるので大量の除去に対して脆弱ではない。《最後の喘ぎ》と《闇の掌握》は一般的にデッキに入ることはないから、この土地はほとんどの場合生き残って無限大のマナを生み出すだろう。《祭儀師》はクリーチャーとオーラだけしか必要としないことでこのコンボを圧縮する。どちらの半分も《ロナスの施し》で探せるということは、3ターン目の《施し》から4、5ターン目に両方のパーツを準備して勝利することが可能だということだ。一体のクリーチャーを場に残したまま5ターン目まで生き残るのは大変な要求なので、それは依然として多くのものを必要とする。しかし青と緑にはまとまった数の防御的要素があり、このデッキをより信頼性の高いアーキタイプにすることが望めるだろう。
緑の話を続けると、《人生は続く》はこのセットで最も鬱陶しいカードかもしれない。攻撃的な緑のデッキはすでにライフレースを変化させる手段として《部族養い》を使っている。このタルキール覇王譚のコモンのパワーアップしたモードのほうが2点優れているものの常に2マナを必要とする。《人生は続く》は最初の4点のライフに1マナを要求する、そして信じられないくらい簡単な条件で残りの半分を得ることができる。この能力は基本的には陰鬱であり、1マナで8点のライフを得られることは(特にダメージレースをしている時は)非常に影響力が高い。《怨恨》を軸に構築されたデッキであっても、パワー4のクリーチャーがいることよりもクリーチャーが死亡することの方がわずかに簡単だ。僕は破滅の刻の全カードの中で、この先数年間サイドボードを引き締めるカードとして《人生は続く》に一番自信をもっている。
《オケチラの報復者》はそれほど使われなさそうなカードの中で最も鬱陶しいカードだ。Pauperには1白の3/1クリーチャーがたくさんいるが、これは本格的な利点を備えた最初のカードだ。1ターンおきに戦闘ダメージを受けない3/1は可もなく不可もなくだが、白いクリーチャーを評価するときは成功している白いミッドレンジデッキがどれも《骨断ちの矛槍》を使っていることを考慮することが重要だ。同じ能力を持った5/1は強くても鬱陶しい。
斧を振りかざす《報復者》はよく使われているほとんどすべてのクリーチャーと交換するだろうし、それによって死んでしまうこともない。けれど《恩寵の重装歩兵》と違ってこの能力はすべてのダメージではなく、戦闘ダメージしか軽減できない。《ドロモカの伝令》と組み合わせて戦士シナジーをより重要視したとしても《報復者》はまだ通用しない。
Pauperには戦場に出たときに墓地からカードを追放するクリーチャーがほとんどいない。《見栄え損ない》によってその働きがなかったことにされるとしても、おそらく《墓をこじ開けるもの》がベストだろう。《廃却するミイラ》には《忘却の輪》の一節がないので試してみる価値がある。2白で2/3というのはユーティリティークリーチャーとしては優れたサイズだ。《コーの奉納者》が《解呪》効果を発揮するにはもっと多くのマナがかかる。墓地がどれほど重要で、フォーマットが今後どう進展するかを考えれば、クリーチャーを盤面に展開しながら小さなカードアドバンテージを獲得できる能力には影響力があるはずだ。《廃却するミイラ》はすでに使ったリソースしか食べないので本当のカードアドバンテージが得られるとは言い難い、しかしその残り物がしばしばデッキの再供給に役立つ。《ムラーサの胎動》、《墓の刈り取り》、《古術師》そして《発掘》のようなカードはどれも捨て札に適切なカードが置かれていることを当てにしている。最後に、重要カードを狙い撃ちしながら相当のサイズを残せるカードはこのカードしかない(《亡霊招き》はカウントしてない)。Pauperにおいて、墓地はチューターの対象として最高のリソースであり、《ミイラ》は1枚限りの《外科的摘出》だ。これは僕にはとても強く見える。
《神出鬼没の呪拳士》は採用されるまでしばらく時間がかかったが、一たび採用されると《思案》と《定業》を唱えた分だけ素早くダメージを与えることができた。《狡猾な生き残り》は同様のカードで、《入念な研究》をより魅力的にする。《狡猾な生き残り》は《野生の雑種犬》に投じられたカードすべてについて追加のダメージが与えられるようにする。改良型の青緑《野生の雑種犬》デッキはこんな感じになるかもしれない:
《悲劇的教訓》は強い。概ね無条件にインスタントスピードでカードが2枚引けることは、コントロールデッキを長期戦で生き残りやすくしてくれる。そのコストはとても無視できるものではない、ゲーム序盤に土地を手札に戻すことはテンポの観点から死につながる。というわけでこの改良された《目録》は、コントロールデッキにおいてゲーム終盤にカードを増やしたり《ボジューカの沼》や《光輝の泉》を再利用するする選択としてより使われそうだ。《教訓》には土地破壊をかわせるという隠れた強さもある。《転覆》と《ディンローヴァの恐怖》はどちらも一般的に土地を対象にとる、そして《悲劇的教訓》は両者を立ち消えさせることができる。《ディンローヴァの恐怖》の場合には手札破壊の部分を無効にするし、《転覆》の場合にはそのカードを打ち消してしまえる。《予言のプリズム》を取り扱うトロンデッキにおいて、このインスタントは《石の雨》や《地の裂け目》からウルザトロンの重要ピースを守るために使うことができる。《人生は続く》が僕の考える最も鬱陶しいカードの称号を得るなら、《悲劇的教訓》は最も気難しいカードに選出される。
破滅の刻には、他にいくつか深く掘り下げなくとも言及する価値のあるカードがある。
・《突破》は《ニヴィックスのサイクロプス》デッキにおける選択肢だ。それ自身が別のカードに置き代わりながら主要なクリーチャーを強化する。これが《ティムールの激闘》に置き換わることはなさそうだが1枚差しするのは間違っていないかもしれない。
・《王神の信者》はいかにも利点のある良いブロッカーに見えるが、これの強さを十分発揮するためのデッキ構築上の制限がきつ過ぎて他より優先するほどではない。
・《相殺の風》は誤算した堂々巡りと呼ばれそうだ。もしコントロールデッキが《ボジューカの沼》をメインから使っていれば、そのミラーマッチにおいてこのカードは素晴らしいだろう。それでも十分使われそうな強さだ。
・《残忍な野猫》は《屍肉喰らい》デッキにおいて《エルフの幻想家》よりも優れたブロッカーになるかもしれない。パワー2のクリーチャーを無力化するとともに、後々カードに変わることもできるのは重要だ。Pauperのアリストクラッツの構築をより上のティアへと後押しするほどではないが、刺激にはなるだろう。
・《縞カワヘビ》と《猛り狂うカバ》はどちらも《死体発掘》と相性が良い。
・《巧みな軍略》は紙とオンラインのコモンのプールを統一する上でのステップになることから、言及する価値がある。
破滅の刻は上質なセットだ。Pauperで使えるカードで僕らを圧倒すると言うよりは、フォーマットに多くの素敵なツールを与えてくれる。電動スクリュードライバーは素晴らしくても、時には古き良き手回しドライバーが必要なものだ。
Common Hour
by Alex Ullman, July 4, 2017
小型セットのレビューは消える運命にある。破滅の刻の後にブロックの第二セットとして残っているのはイクサランの相克だけだ。Pauperにとってこれが何を意味するのかは分からない。一方では、テーマに沿ったカードがより密集した大型セットは、とても規則正しくこのフォーマットに新しい戦略を投入する可能性がある。メカニズムへの需要の増加は、現在主流でない戦略にとって良い刺激になるかもしれない。しかしながらそこには欠点がある。小型セットはドラフトアーキタイプが強化されるところだった。大型セットが新しいカードによる新生デッキを生み出した場合、続くセットで何らかのアップグレードがもたらされることが期待された。相克の後、セットがすぐに終わってしまうのならば、新しいカードが現れるまでに長い時間がかかってしまうかもしれない。
破滅の刻はPauperに関して言えばかなり典型的な小型セットだ。そのパワーレベルは(カラデシュのスタンダード環境の犠牲になったかもしれないが)どちらかといえば低い。リーグやチャレンジのデッキリストに居場所を見つけられそうなカードが相当数あるが、それらはどちらかと言えば重要要素というよりもロールプレイヤーだ。この多くがコモンに押し詰められたテーマに取り組まなければならない:砂漠と永遠だ。
Pauperでデッキに入れる価値のある砂漠は数枚しかない。サイクリング土地はウルザズ・サーガとオンスロートにある旧バージョンの下位互換だ。これらが使われたり、《生存者の野営地》が《抵抗者の居住地》よりも使われることがあるとすれば、将来別のセットでもっと強い砂漠関連のカードが出る時だろう。《横這ナーガ》は優秀だがそのためにデッキをゆがめるほどではない。その他に見直すようなものはない。
《不動の歩哨》と《実績ある戦闘員》が永遠を持ったコモンの2枚だ。そのどちらとも表面は十分に強いとは言えない。カードの枠を食わずにただで4/4を得る機会があるのは魅力的だ。明らかにすべき問題は、打ち消されない4/4が基準値以下のクリーチャーを使う理由になるほど強いのかどうかということだ。僕はこれらのカードを好きになりたいし重要なものになってほしいと思っている。それでもこれは両者とも遅すぎると思う。《戦闘員》は《禁忌の錬金術》や《思考掃き》デッキで追加の戦力を補う手段として居場所を見つけるかもしれないが、だとしてもそのサイズは何とか使えるという程度だ。最後の4/4が重要になるようなコントロールのミラーマッチがあれば、これらのどちらかがまあまあのサイドボード要因になるかもしれない。現時点では良くてもフォーマットの末端にある運命だと思っている。
《火付け射手》は直ちに《熱錬金術師》と比較されるカードだ。インスタントやソーサリー1枚ごとに追加のダメージを与えることができ、マナカーブ上でも同じ位置に収まる。《熱錬金術師》と違ってその能力は召喚酔いに影響されず、そして2点ダメージの攻撃をすることができる。これらの長所にはなかなか深刻な対価がともなう ―タフネスが1点しかないんだ。タフネス1のクリーチャーをついでに殺せる効果はたくさんあるので、この脆弱性の増加は問題になる。複数のデッキの重要要素である《ボーラスの占い師》は《射手》を笑い飛ばし、ブロックに参加できない《熱錬金術師》へと変えてしまう。
《熱錬金術師》は現在バーンと一部の黒赤デッキにおいてゲームを締めくくる手段として大いに使われている。これらのデッキで異界月の傑物に置き換わらなかったとしても、《火付け射手》は《秘密を掘り下げる者》と《稲妻》と《轟く怒り》のような火力を利用したより攻撃的な青赤デッキにおいて二方向から攻める武器を作るために使われるかもしれない。
《オアシスの祭儀師》はほぼ確実に使われるだろう。《現実からの遊離》コンボはこのフォーマットで最も楽しいものだし、このクリーチャーはこのデッキにとって良い刺激になる。これまでこのデッキはクリーチャー化した2マナ以上生み出せる土地にそのデッキ名になっているオーラを貼らなければならなかった。このコンボは《ダークスティールの城塞》と《活生の呪文爆弾》に頼ることがあるので大量の除去に対して脆弱ではない。《最後の喘ぎ》と《闇の掌握》は一般的にデッキに入ることはないから、この土地はほとんどの場合生き残って無限大のマナを生み出すだろう。《祭儀師》はクリーチャーとオーラだけしか必要としないことでこのコンボを圧縮する。どちらの半分も《ロナスの施し》で探せるということは、3ターン目の《施し》から4、5ターン目に両方のパーツを準備して勝利することが可能だということだ。一体のクリーチャーを場に残したまま5ターン目まで生き残るのは大変な要求なので、それは依然として多くのものを必要とする。しかし青と緑にはまとまった数の防御的要素があり、このデッキをより信頼性の高いアーキタイプにすることが望めるだろう。
フリード・コンボ Alex Ullman1ターン早く《遊離》を置くためにランプは不可欠だ。緑は《一瞬の平和》で時間が稼ぎ、《ムラーサの胎動》でコンボを繋ぎ合わせ、《巨森の蔦》で《祭儀師》を守ることができる。《交錯の混乱》と《思考訓練》が勝ち手段を見つけるのに役立つし、同時にその前者は特定の攻撃から自身を守ることができる。これは洗練されたリストとは程遠いが、最近のチャレンジにおけるコンボデッキの成功を考えると来たる週に同様のデッキが現れても驚きはしないだろう。
クリーチャー(12)
4 《エルフの神秘家/Elvish Mystic》
4 《オアシスの祭儀師/Oasis Ritualist》
4 《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
インスタント(13)
2 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
2 《交錯の混乱/Muddle the Mixture》
2 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
3 《巨森の蔦/Vines of Vastwood》
4 《衝動/Impulse》
ソーサリー(14)
2 《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》
4 《ロナスの施し/Benefaction of Rhonas》
4 《定業/Preordain》
4 《現実からの遊離/Freed from the Real》
土地(21)
7 《森/Forest》
7 《島/Island》
3 《シミックの成長室/Simic Growth Chamber》
4 《茨森の滝/Thornwood Falls》
緑の話を続けると、《人生は続く》はこのセットで最も鬱陶しいカードかもしれない。攻撃的な緑のデッキはすでにライフレースを変化させる手段として《部族養い》を使っている。このタルキール覇王譚のコモンのパワーアップしたモードのほうが2点優れているものの常に2マナを必要とする。《人生は続く》は最初の4点のライフに1マナを要求する、そして信じられないくらい簡単な条件で残りの半分を得ることができる。この能力は基本的には陰鬱であり、1マナで8点のライフを得られることは(特にダメージレースをしている時は)非常に影響力が高い。《怨恨》を軸に構築されたデッキであっても、パワー4のクリーチャーがいることよりもクリーチャーが死亡することの方がわずかに簡単だ。僕は破滅の刻の全カードの中で、この先数年間サイドボードを引き締めるカードとして《人生は続く》に一番自信をもっている。
《オケチラの報復者》はそれほど使われなさそうなカードの中で最も鬱陶しいカードだ。Pauperには1白の3/1クリーチャーがたくさんいるが、これは本格的な利点を備えた最初のカードだ。1ターンおきに戦闘ダメージを受けない3/1は可もなく不可もなくだが、白いクリーチャーを評価するときは成功している白いミッドレンジデッキがどれも《骨断ちの矛槍》を使っていることを考慮することが重要だ。同じ能力を持った5/1は強くても鬱陶しい。
斧を振りかざす《報復者》はよく使われているほとんどすべてのクリーチャーと交換するだろうし、それによって死んでしまうこともない。けれど《恩寵の重装歩兵》と違ってこの能力はすべてのダメージではなく、戦闘ダメージしか軽減できない。《ドロモカの伝令》と組み合わせて戦士シナジーをより重要視したとしても《報復者》はまだ通用しない。
Pauperには戦場に出たときに墓地からカードを追放するクリーチャーがほとんどいない。《見栄え損ない》によってその働きがなかったことにされるとしても、おそらく《墓をこじ開けるもの》がベストだろう。《廃却するミイラ》には《忘却の輪》の一節がないので試してみる価値がある。2白で2/3というのはユーティリティークリーチャーとしては優れたサイズだ。《コーの奉納者》が《解呪》効果を発揮するにはもっと多くのマナがかかる。墓地がどれほど重要で、フォーマットが今後どう進展するかを考えれば、クリーチャーを盤面に展開しながら小さなカードアドバンテージを獲得できる能力には影響力があるはずだ。《廃却するミイラ》はすでに使ったリソースしか食べないので本当のカードアドバンテージが得られるとは言い難い、しかしその残り物がしばしばデッキの再供給に役立つ。《ムラーサの胎動》、《墓の刈り取り》、《古術師》そして《発掘》のようなカードはどれも捨て札に適切なカードが置かれていることを当てにしている。最後に、重要カードを狙い撃ちしながら相当のサイズを残せるカードはこのカードしかない(《亡霊招き》はカウントしてない)。Pauperにおいて、墓地はチューターの対象として最高のリソースであり、《ミイラ》は1枚限りの《外科的摘出》だ。これは僕にはとても強く見える。
《神出鬼没の呪拳士》は採用されるまでしばらく時間がかかったが、一たび採用されると《思案》と《定業》を唱えた分だけ素早くダメージを与えることができた。《狡猾な生き残り》は同様のカードで、《入念な研究》をより魅力的にする。《狡猾な生き残り》は《野生の雑種犬》に投じられたカードすべてについて追加のダメージが与えられるようにする。改良型の青緑《野生の雑種犬》デッキはこんな感じになるかもしれない:
緑青マッドネス| Alex Ullman《狡猾な生き残り》には流行りのコンボデッキにフィットする利点もある ―《不屈の部族》コンボだ。ディスカード1枚当たりのクロックを上げることに加えて、《生き残り》には回避能力が内蔵されているという利点がある。勝ちのターンに手札をすべて捨てることができるのは大したことだし、除去主体の戦略に対してこのデッキを生き残りやすくしてくれるかもしれない。
クリーチャー(21)
2 《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter》
3 《アクアミーバ/Aquamoeba》
4 《尊大なワーム/Arrogant Wurm》
4 《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla》
4 《狡猾な生き残り/Cunning Survivor》
4 《野生の雑種犬/Wild Mongrel》
インスタント(11)
3 《堂々巡り/Circular Logic》
4 《ルーンのほつれ/Rune Snag》
4 《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》
ソーサリー(6)
1 《綿密な分析/Deep Analysis》
1 《静かな旅立ち/Silent Departure》
4 《入念な研究/Careful Study》
土地(22)
8 《森/Forest》
8 《島/Island》
2 《進化する未開地》
4 《茨森の滝/Thornwood Falls》
《悲劇的教訓》は強い。概ね無条件にインスタントスピードでカードが2枚引けることは、コントロールデッキを長期戦で生き残りやすくしてくれる。そのコストはとても無視できるものではない、ゲーム序盤に土地を手札に戻すことはテンポの観点から死につながる。というわけでこの改良された《目録》は、コントロールデッキにおいてゲーム終盤にカードを増やしたり《ボジューカの沼》や《光輝の泉》を再利用するする選択としてより使われそうだ。《教訓》には土地破壊をかわせるという隠れた強さもある。《転覆》と《ディンローヴァの恐怖》はどちらも一般的に土地を対象にとる、そして《悲劇的教訓》は両者を立ち消えさせることができる。《ディンローヴァの恐怖》の場合には手札破壊の部分を無効にするし、《転覆》の場合にはそのカードを打ち消してしまえる。《予言のプリズム》を取り扱うトロンデッキにおいて、このインスタントは《石の雨》や《地の裂け目》からウルザトロンの重要ピースを守るために使うことができる。《人生は続く》が僕の考える最も鬱陶しいカードの称号を得るなら、《悲劇的教訓》は最も気難しいカードに選出される。
破滅の刻には、他にいくつか深く掘り下げなくとも言及する価値のあるカードがある。
・《突破》は《ニヴィックスのサイクロプス》デッキにおける選択肢だ。それ自身が別のカードに置き代わりながら主要なクリーチャーを強化する。これが《ティムールの激闘》に置き換わることはなさそうだが1枚差しするのは間違っていないかもしれない。
・《王神の信者》はいかにも利点のある良いブロッカーに見えるが、これの強さを十分発揮するためのデッキ構築上の制限がきつ過ぎて他より優先するほどではない。
・《相殺の風》は誤算した堂々巡りと呼ばれそうだ。もしコントロールデッキが《ボジューカの沼》をメインから使っていれば、そのミラーマッチにおいてこのカードは素晴らしいだろう。それでも十分使われそうな強さだ。
・《残忍な野猫》は《屍肉喰らい》デッキにおいて《エルフの幻想家》よりも優れたブロッカーになるかもしれない。パワー2のクリーチャーを無力化するとともに、後々カードに変わることもできるのは重要だ。Pauperのアリストクラッツの構築をより上のティアへと後押しするほどではないが、刺激にはなるだろう。
・《縞カワヘビ》と《猛り狂うカバ》はどちらも《死体発掘》と相性が良い。
・《巧みな軍略》は紙とオンラインのコモンのプールを統一する上でのステップになることから、言及する価値がある。
破滅の刻は上質なセットだ。Pauperで使えるカードで僕らを圧倒すると言うよりは、フォーマットに多くの素敵なツールを与えてくれる。電動スクリュードライバーは素晴らしくても、時には古き良き手回しドライバーが必要なものだ。
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-06272017-combo-platter/)
Combo Platter
by Alex Ullman, June 27, 2017
Pauperコミュニティが愛するものが1つあるとするなら、それはコンボデッキだ。Pauperに成功したコンボデッキがあるときはいつも成功しすぎて即座に禁止されているという点でこれは報われない愛だ。《ぶどう弾》、《巣穴からの総出》そして《時間の亀裂》を特色としたデッキはどれも許されないことが分かった。《大慌ての捜索》はすぐに禁止されたが事態はほとんど好転しなかった、一方で《フェアリーの大群》は長めに居残り、そして何らかの理由で《流浪のドレイク》は禁止リストの更新を1回生き延びた。
そしてそれが問題だった。デザイン方針の進化とMagicにたくさんの遊び方があることにより、Pauperが他に楽しまれているローテーションしないフォーマットと同等の安全弁を手に入れるのはとても難しい。《目くらまし》や《強迫》のようなカードは強力だがそれらは主役であり、《意志の力》を唱えるのを助けはしないし《不毛の大地》でもない。その他《真髄の針》や《虚空の杯》のようなコンボの天敵はコモンにはあり得ない。その結果、Pauperには牧歌的なコンビネーションマシンのようなものはほとんど存在しない。
もちろん、恐れるべき不安が全くないわけではない。むしろ、これらのデッキに恋焦がれるPauperコミュニティには大きな不慮の事態があった。彼らの願望はある程度理解することができる:Pauperには強力な燃料と優秀なエンジンがたくさんあるが、効果的な出力先が見当たらない。上に挙げたデッキは単純に適切なカードを集めることが必要で、勝利はほとんど保証されていた。それは特定のタイプのプレイヤーにとっては信じられないくらい魅力的な選択肢だ。Pauperではまだこれらのデッキと健全なフォーマットとを単純に両立することができない。フォーマットが生き残るためにデッキは死ななければならなかった。
しかしそれでPauperにはコンボデッキがいないということにはならない。それどころか多様なコンボデッキが最近Pauper Challengeでより多くの成功を収めている。僕はこれが何よりもこのフォーマットにおけるコンボデッキの相対的な強さを表していると思う。以前のメタゲームのデータはほとんどリーグの結果だけからしか得られなかった。リーグは、良くも悪くも、5-0した結果しか掲載されない。Pauperでもっともよく見られるコンボデッキはイゼット・ブリッツだ。この青赤デッキは《窯の悪鬼》か《ニヴィックスのサイクロプス》のどちらかを軽いキャントリップと《使徒の祝福》と《ティムールの激闘》で強化し、対戦相手を一撃死させることに焦点を当てている。
ではなぜ5-0の結果がもっと多く掲載されていないのだろう?それは信じられないくらい脆弱なデッキだからだ。以前ほど人気ではないものの、黒主体のコントロールデッキは《チェイナーの布告》や類似の効果に大きく頼っている。《布告》はこのクリーチャーの少ないコンボデッキに対してかなり有効だ。これらの呪文だけでは相性を決定づけるほどではないが、布告はよく他の対象を取る除去の選択肢を組み合わさっている。除去カードを大量に搭載することで、主要クリーチャーに頼ったデッキが自らのプランを成立させるのを困難なものにできる。
これに続いて、イゼット・ブリッツは《一瞬の平和》、《虹色の断片》そしてその他の《濃霧》効果に影響を受けやすい。《赤の防御円》はサイドボードによく入っているカードだし、イゼット・ブリッツが与えるあらゆるダメージを封じ込めることができる。ブリッツは《鋭い痛み》を使うことができるが1枚だけしか使われない傾向がある、つまり《濃霧》側のプレイヤーは《鋭い痛み》が意味を持つ前に勝ちの態勢を整える時間が貰えるということだ。
最後に、次に紹介するコンボデッキのように、イゼット・ブリッツは単純にうまく回らないことがある。もしイゼット・ブリッツがデッキの間違った半分のカードを序盤に引いてしまえば、それは単純に何もすることはない。大量のカードを探すことができても、もし主要なクリーチャーが見当たらなければ行き詰ってしまう。これが、あるいは他の何よりも、このデッキを低迷させ続けているのかもしれない。
このデッキは《ボーラスの占い師》と《噴出》を使うこともできる。このエンジンは比較的新しく《占い師》に依存している。3枚分のカードを掘って役に立つ呪文を見つける能力は部族コンボがカードの流れを保つのに役立つ。《噴出》はそれ自体が16点のダメージ与えるのでこのデッキの重要要素だ。《噴出》―《占い師》の組み合わせはイゼット・デルバーで使われているのを見るし、一部のイゼット・ブリッツデッキもこの組み合わせを採用している。
《占い師》―《噴出》はすぐにこのフォーマットで優れた青のドローエンジンの1つとなりつつある。デッキが洗練され速いターンの重要性が増すにつれて、トロン以外のデッキは《熟考漂い》を解決するのに苦労するようになる。《噴出》がマナカーブの低い《島》の多いデッキを要求するとはいえ、このフォーマットでそれを組み立てるのは難しいことではない。《不屈の部族》コンボはイゼット・ブリッツと同様の脆弱性を備えている、しかしたった1体のクリーチャーが場に出ていれば《噴出》をダメージと変換することに関してははるかに優れている。
Pauperにはコンボの居場所がある、しかしChallengeでのほうが良い結果を上げているように見える。これの実際の理由は分からないが、僕はいくつか知識に基づいた推測をすることができる。第一に、各デッキはChallengeにおいて、平均して、若干特定のメタゲームに寄せられている傾向がある。その結果、この準備の穴を突くように設計されたデッキが成功を収めることができた。リーグはコンボデッキに強いものと弱いものの配分が(経験上は)よりランダムな傾向がある。多くの場合これらのローグデッキは相性を良くすることができる変わったタイプの回答を積んでいる。Challengeの場合は、掛け金が高いために洗練されたデッキリストが必要なのでこういったことが起こりにくい。
では手元の問題に戻って ―なぜこれらのデッキは「コンボじゃない」と皮肉されるのだろうか?僕が思う最も簡単な答えは、それらがすべてクリーチャーに依存しているからだ。君が思うコンボデッキのイメージを思い浮かべて教えてくれ ―いったいどれだけの数のクリーチャーが使われている?1体のクリーチャーがそのダメージを与えることがどれだけある?これらのデッキはコンボデッキかもしれないがそのイメージに沿っていない。しかしこれらの成功した構築の存在を無視するのはフォーマットとしてのPauperを傷つける。コンボは存在している、ただその方法がちょっとだけ違っている。
破滅の刻はコンボデッキの別の選択肢を与えてくれるだろう。《オアシスの祭儀師》は《現実からの遊離》と組み合わさって無限大のマナを作ることができる。《現実からの遊離》はいつも、1ターンに複数のマナを生み出すことのできる土地のクリーチャー化を含んだ複雑なコンボエンジンの一部となっている。これは伝統的に《活生の呪文爆弾》か《風のゼンディコン》を含む。今や《オアシスの祭儀師》によってこのデッキははるかにコンパクトなエンジンを持っている。《思案》や《定業》、そしてあるいは《ロナスの施し》と組み合わさり、かなり簡単に主要カードを集めるられるだろう。そうなると問題は勝利手段を見つけることだけだ ―《とどろく雷鳴》、《連弾炎》、《ケアヴェクの火吹き》であろうと何であろうと。
Pauperのコンボに蛇のような見た目の新顔が加わるかもしれない。
Combo Platter
by Alex Ullman, June 27, 2017
Pauperコミュニティが愛するものが1つあるとするなら、それはコンボデッキだ。Pauperに成功したコンボデッキがあるときはいつも成功しすぎて即座に禁止されているという点でこれは報われない愛だ。《ぶどう弾》、《巣穴からの総出》そして《時間の亀裂》を特色としたデッキはどれも許されないことが分かった。《大慌ての捜索》はすぐに禁止されたが事態はほとんど好転しなかった、一方で《フェアリーの大群》は長めに居残り、そして何らかの理由で《流浪のドレイク》は禁止リストの更新を1回生き延びた。
The Pauper Perfect StormDaniel Moura
インスタント(14)
2 《引き裂かれた記憶/Shred Memory》
4 《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》
4 《暗黒の儀式/Dark Ritual》
4 《魔力変/Manamorphose》
ソーサリー(24)
2 《強迫的な研究/Compulsive Research》
2 《信仰無き物あさり/Faithless Looting》
4 《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
4 《ぶどう弾/Grapeshot》
4 《留まらぬ発想/Ideas Unbound》
4 《炎の儀式/Rite of Flame》
4 《血の署名/Sign in Blood》
アーティファクト(10)
2 《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
4 《彩色の星/Chromatic Star》
4 《水蓮の花びら/Lotus Petal》
土地(12)
4 《地熱の割れ目/Geothermal Crevice》
4 《用水路/Irrigation Ditch》
4 《硫黄孔/Sulfur Vent》
サイドボード(15)
1 《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
1 《残響する真実/Echoing Truth》
1 《鋭い痛み/Flaring Pain》
1 《煮えたぎる歌/Seething Song》
4 《綿密な分析/Deep Analysis》
4 《巣穴からの総出/Empty the Warrens》
1 《減縮/Shrivel》
2 《泥炭の沼地/Peat Bog》
イゼット・ドレイクBorzoi, 5-0 Pauper League October 4, 2016
クリーチャー(15)
3 《古術師/Archaeomancer》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
4 《流浪のドレイク/Peregrine Drake》
4 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
インスタント(11)
3 《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker》
4 《対抗呪文/Counterspell》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
ソーサリー(12)
1 《炎の稲妻/Firebolt》
3 《強迫的な研究/Compulsive Research》
4 《炎の斬りつけ/Flame Slash》
4 《定業/Preordain》
土地(22)
4 《山/Mountain》
8 《島/Island》
1 《忘れられた洞窟/Forgotten Cave》
1 《孤立した砂州/Lonely Sandbar》
4 《イゼットの煮沸場/Izzet Boilerworks》
4 《急流の崖/Swiftwater Cliffs》
サイドボード(15)
2 《払拭/Dispel》
2 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
4 《紅蓮破/Pyroblast》
3 《電謀/Electrickery》
4 《水流破/Hydroblast》
エスパー・コンボ Magicverse, 5-0 Pauper League January 23 2016これらのデッキはコンボデッキのように見える。カード選別と選択を持っていて、そしてゲームを終わらせるエンジンを持っている。ストームデッキは儀式が満載されていて、ゲームを終わらせるだけの数の呪文をスタックへと送りこむ。成功しているときのリストは、はるかに強力なフォーマットのコンボデッキに似ていた。
クリーチャー(21)
1 《孤独な宣教師/Lone Missionary》
1 《賢者街の住人/Sage’s Row Denizen》
2 《夜景学院の使い魔/Nightscape Familiar》
2 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
3 《記憶の壁/Mnemonic Wall》
4 《フェアリーの大群/Cloud of Faeries》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
4 《陽景学院の戦闘魔道士/Sunscape Battlemage》
インスタント(8)
1 《墓の刈り取り/Reaping the Graves》
3 《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker》
4 《断絶/Snap》
ソーサリー(9)
1 《予感/Foresee》
4 《強迫的な研究/Compulsive Research》
4 《定業/Preordain》
土地(22)
2 《平地/Plains》
2 《沼/Swamp》
6 《島/Island》
1 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》
3 《ディミーアの水路/Dimir Aqueduct》
4 《アゾリウスの大法官庁/Azorius Chancery》
4 《進化する未開地/Evolving Wilds》
サイドボード(15)
2 《孤独な宣教師/Lone Missionary》
1 《予感/Foresee》
2 《青の防御円/Circle of Protection: Blue》
2 《緑の防御円/Circle of Protection: Green》
1 《赤の防御円/Circle of Protection: Red》
2 《払拭/Dispel》
1 《破滅の刃/Doom Blade》
3 《ごまかし/Hoodwink》
1 《疲弊の休息/Rest for the Weary》
そしてそれが問題だった。デザイン方針の進化とMagicにたくさんの遊び方があることにより、Pauperが他に楽しまれているローテーションしないフォーマットと同等の安全弁を手に入れるのはとても難しい。《目くらまし》や《強迫》のようなカードは強力だがそれらは主役であり、《意志の力》を唱えるのを助けはしないし《不毛の大地》でもない。その他《真髄の針》や《虚空の杯》のようなコンボの天敵はコモンにはあり得ない。その結果、Pauperには牧歌的なコンビネーションマシンのようなものはほとんど存在しない。
もちろん、恐れるべき不安が全くないわけではない。むしろ、これらのデッキに恋焦がれるPauperコミュニティには大きな不慮の事態があった。彼らの願望はある程度理解することができる:Pauperには強力な燃料と優秀なエンジンがたくさんあるが、効果的な出力先が見当たらない。上に挙げたデッキは単純に適切なカードを集めることが必要で、勝利はほとんど保証されていた。それは特定のタイプのプレイヤーにとっては信じられないくらい魅力的な選択肢だ。Pauperではまだこれらのデッキと健全なフォーマットとを単純に両立することができない。フォーマットが生き残るためにデッキは死ななければならなかった。
しかしそれでPauperにはコンボデッキがいないということにはならない。それどころか多様なコンボデッキが最近Pauper Challengeでより多くの成功を収めている。僕はこれが何よりもこのフォーマットにおけるコンボデッキの相対的な強さを表していると思う。以前のメタゲームのデータはほとんどリーグの結果だけからしか得られなかった。リーグは、良くも悪くも、5-0した結果しか掲載されない。Pauperでもっともよく見られるコンボデッキはイゼット・ブリッツだ。この青赤デッキは《窯の悪鬼》か《ニヴィックスのサイクロプス》のどちらかを軽いキャントリップと《使徒の祝福》と《ティムールの激闘》で強化し、対戦相手を一撃死させることに焦点を当てている。
イゼット・ブリッツ Crazyleg, 5-0 Pauper Leagueイゼット・ブリッツは現時点でPauperのストームデッキにもっとも近い存在だ。熟練した使い手にかかればライフ40から相手を倒すことが可能だ(僕が遭遇したことではないけどね)、そしてこのデッキは準備のないデッキを完全に無視してしまうことができる。さらに何気なく高密度の強力なカードを使ってもいる。《思案》、《定業》、《ギタクシア派の調査》そして《噴出》 ―こらのカードはどれもわずかなコストで信じられないくらい優秀な効果をもっている。これらを互いにつなげることでブリッツの使い手は「ただ勝つ」のに十分な大きさの脅威を作り上げることができる。
クリーチャー(12)
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
4 《窯の悪鬼/Kiln Fiend》
4 《ニヴィックスのサイクロプス/Nivix Cyclops》
インスタント(18)
1 《渦まく知識/Brainstorm》
1 《払拭/Dispel》
1 《呪文貫き/Spell Pierce》
2 《変異原性の成長/Mutagenic Growth》
3 《使徒の祝福/Apostle’s Blessing》
3 《噴出/Gush》
3 《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
ソーサリー(12)
4 《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
4 《思案/Ponder》
4 《定業/Preordain》
土地(18)
5 《山/Mountain》
8 《島/Island》
2 《急流の崖/Swiftwater Cliffs》
3 《進化する未開地/Evolving Wilds》
Sidebaord (15)
1 《払拭/Dispel》
1 《鋭い痛み/Flaring Pain》
1 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
1 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2 《電謀/Electrickery》
3 《水流破/Hydroblast》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
3 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
ではなぜ5-0の結果がもっと多く掲載されていないのだろう?それは信じられないくらい脆弱なデッキだからだ。以前ほど人気ではないものの、黒主体のコントロールデッキは《チェイナーの布告》や類似の効果に大きく頼っている。《布告》はこのクリーチャーの少ないコンボデッキに対してかなり有効だ。これらの呪文だけでは相性を決定づけるほどではないが、布告はよく他の対象を取る除去の選択肢を組み合わさっている。除去カードを大量に搭載することで、主要クリーチャーに頼ったデッキが自らのプランを成立させるのを困難なものにできる。
これに続いて、イゼット・ブリッツは《一瞬の平和》、《虹色の断片》そしてその他の《濃霧》効果に影響を受けやすい。《赤の防御円》はサイドボードによく入っているカードだし、イゼット・ブリッツが与えるあらゆるダメージを封じ込めることができる。ブリッツは《鋭い痛み》を使うことができるが1枚だけしか使われない傾向がある、つまり《濃霧》側のプレイヤーは《鋭い痛み》が意味を持つ前に勝ちの態勢を整える時間が貰えるということだ。
最後に、次に紹介するコンボデッキのように、イゼット・ブリッツは単純にうまく回らないことがある。もしイゼット・ブリッツがデッキの間違った半分のカードを序盤に引いてしまえば、それは単純に何もすることはない。大量のカードを探すことができても、もし主要なクリーチャーが見当たらなければ行き詰ってしまう。これが、あるいは他の何よりも、このデッキを低迷させ続けているのかもしれない。
不屈の部族コンボ deluxeicoff, Top 8 June 18th Pauper Challenge《不屈の部族》コンボはイゼット・ブリッツと同じように一撃死をまとめ上げるために強力な青のキャントリップに大きく依存している。《不屈の部族》と《裏返し》を使ってこのデッキはブリッツと同じような一撃死を狙う。まず初めに、致命的なダメージを達成するために必要なのは1つの呪文 ―《裏返し》―を唱えることだけだ。他のことはすべて手札を捨てることによって達成できる。このことから部族コンボはより長いゲームを戦うことができ、防御的なカードにいくつかの枠を割くことができる。《目くらまし》、《払拭》そして《万の眠り》のような呪文は時間を稼ぐ上でいい仕事をする。部族コンボは《堂々巡り》を使うことができる ―今のところ他の競技デッキでうまく使われたことがないものだ。
クリーチャー(7)
3 《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
4 《不屈の部族/Tireless Tribe》
インスタント(24)
2 《渦まく知識/Brainstorm》
2 《目くらまし/Daze》
2 《万の眠り/Gigadrowse》
3 《堂々巡り/Circular Logic》
3 《払拭/Dispel》
4 《噴出/Gush》
4 《裏返し/Inside Out》
4 《シャドーの裂け目/Shadow Rift》
ソーサリー(11)
3 《定業/Preordain》
4 《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
4 《思案/Ponder》
土地(18)
10 《島/Island》
3 《平地/Plains》
2 《灰のやせ地/Ash Barrens》
3 《進化する未開地/Evolving Wilds》
サイドボード(15)
1 《解呪/Disenchant》
2 《孤独な宣教師/Lone Missionary》
2 《軍旗の旗手/Standard Bearer》
3 《亡霊招き/Beckon Apparition》
3 《海賊の魔除け/Piracy Charm》
4 《水流破/Hydroblast》
このデッキは《ボーラスの占い師》と《噴出》を使うこともできる。このエンジンは比較的新しく《占い師》に依存している。3枚分のカードを掘って役に立つ呪文を見つける能力は部族コンボがカードの流れを保つのに役立つ。《噴出》はそれ自体が16点のダメージ与えるのでこのデッキの重要要素だ。《噴出》―《占い師》の組み合わせはイゼット・デルバーで使われているのを見るし、一部のイゼット・ブリッツデッキもこの組み合わせを採用している。
《占い師》―《噴出》はすぐにこのフォーマットで優れた青のドローエンジンの1つとなりつつある。デッキが洗練され速いターンの重要性が増すにつれて、トロン以外のデッキは《熟考漂い》を解決するのに苦労するようになる。《噴出》がマナカーブの低い《島》の多いデッキを要求するとはいえ、このフォーマットでそれを組み立てるのは難しいことではない。《不屈の部族》コンボはイゼット・ブリッツと同様の脆弱性を備えている、しかしたった1体のクリーチャーが場に出ていれば《噴出》をダメージと変換することに関してははるかに優れている。
結集ゴンド Mathonical, Winner May 28 Pauper Challenge結集ゴンドは第2回のPauper Challengeを勝利した、そしてMathonicalはそれからこのデッキを改良している。このデッキでは《未達への旅》は大したことをしないので《未達》を2枚抜いて《軍旗の旗手》を入れるのは理にかなっている。その代わり、今日紹介した他のコンボデッキと同じように、結集ゴンドはクリーチャーに大きく依存していて、《軍旗の旗手》は《深夜の護衛》を守る素晴らしい仕事をしてくれる。耐久性の層を追加するという点でこれは戦略上重要な改良だ。
クリーチャー(16)
4 《心優しきボディガード/Benevolent Bodyguard》
4 《深夜の護衛/Midnight Guard》
4 《魂の管理人/Soul Warden》
4 《魂の従者/Soul’s Attendant》
インスタント(5)
2 《農民の結集/Rally the Peasants》
3 《虹色の断片/Prismatic Strands》
ソーサリー(10)
2 《主の募兵/Cenn’s Enlistment》
4 《金切るときの声/Battle Screech》
4 《神々との融和/Commune with the Gods》
エンチャント(6)
2 《未達への旅/Journey to Nowhere》
4 《ゴンドの存在/Presence of Gond》
土地(23)
1 《森/Forest》
1 《山/Mountain》
5 《平地/Plains》
1 《ボロスの駐屯地/Boros Garrison》
2 《灰のやせ地/Ash Barrens》
2 《抵抗者の居住地/Holdout Settlement》
3 《セレズニアの聖域/Selesnya Sanctuary》
4 《花咲く砂地/Blossoming Sands》
4 《カルニの庭/Khalni Garden》
サイドボード(15)
1 《鋭い痛み/Flaring Pain》
1 《未達への旅/Journey to Nowhere》
2 《天啓の光/Ray of Revelation》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2 《軍旗の旗手/Standard Bearer》
3 《忘却の輪/Oblivion Ring》
4 《蜘蛛糸の鎧/Spidersilk Armor》
Pauperにはコンボの居場所がある、しかしChallengeでのほうが良い結果を上げているように見える。これの実際の理由は分からないが、僕はいくつか知識に基づいた推測をすることができる。第一に、各デッキはChallengeにおいて、平均して、若干特定のメタゲームに寄せられている傾向がある。その結果、この準備の穴を突くように設計されたデッキが成功を収めることができた。リーグはコンボデッキに強いものと弱いものの配分が(経験上は)よりランダムな傾向がある。多くの場合これらのローグデッキは相性を良くすることができる変わったタイプの回答を積んでいる。Challengeの場合は、掛け金が高いために洗練されたデッキリストが必要なのでこういったことが起こりにくい。
では手元の問題に戻って ―なぜこれらのデッキは「コンボじゃない」と皮肉されるのだろうか?僕が思う最も簡単な答えは、それらがすべてクリーチャーに依存しているからだ。君が思うコンボデッキのイメージを思い浮かべて教えてくれ ―いったいどれだけの数のクリーチャーが使われている?1体のクリーチャーがそのダメージを与えることがどれだけある?これらのデッキはコンボデッキかもしれないがそのイメージに沿っていない。しかしこれらの成功した構築の存在を無視するのはフォーマットとしてのPauperを傷つける。コンボは存在している、ただその方法がちょっとだけ違っている。
破滅の刻はコンボデッキの別の選択肢を与えてくれるだろう。《オアシスの祭儀師》は《現実からの遊離》と組み合わさって無限大のマナを作ることができる。《現実からの遊離》はいつも、1ターンに複数のマナを生み出すことのできる土地のクリーチャー化を含んだ複雑なコンボエンジンの一部となっている。これは伝統的に《活生の呪文爆弾》か《風のゼンディコン》を含む。今や《オアシスの祭儀師》によってこのデッキははるかにコンパクトなエンジンを持っている。《思案》や《定業》、そしてあるいは《ロナスの施し》と組み合わさり、かなり簡単に主要カードを集めるられるだろう。そうなると問題は勝利手段を見つけることだけだ ―《とどろく雷鳴》、《連弾炎》、《ケアヴェクの火吹き》であろうと何であろうと。
Pauperのコンボに蛇のような見た目の新顔が加わるかもしれない。
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-06202017-flickering-light/)
Flickering Light
by Alex Ullman, June 20, 2017
ここ1年ほど、Pauperには《幽霊のゆらめき》を搭載したデッキが存在し続けている。このアヴァシンの帰還のインスタントはそれ自体が強力なわけではないが、むしろPauperの主要な要素の1つ(戦場に出た時の能力を持つクリーチャー)との相乗効果がある。これらのカードはこのフォーマットのバックボーンであり、それらの価値を理解することがフリッカーデッキと呼ばれるものに対しての知識を増やすことへとつながる。しかしまずは下準備をしよう。
Pauperは、ある意味では、リソースの制約によって定義されている。コモンに限定されていることでフォーマットは主にお馴染みの効果を中心に回っている。これらの効果を再利用することが何年間も複数のデッキのバックボーンとなっている。フォーマットのパワーレベルがほとんど均一である場合、あらゆる追加の利用法は重大なアドバンテージになる可能性がある。黒単コントロールはこのコンセプトに則っていて、クリーチャーを繋げて徐々にアドバンテージを積み上げようとする。《発掘》はマナを踏み倒しながらさらに追加の脅威を生み出す手段として使われた。初期は黒いデッキがこの点において一番だったが、すぐに白と青のデッキが権威を手にした。
これは《一瞬の瞬き》とともに始まった。《熟考漂い》や《騒がしいネズミ》のようなカードと組み合わせたエスパーブリンクはPauperがフォーマットとして制定される以前はありふれたものだった。このデッキは戦場に出たときに誘発する能力を《一瞬の瞬き》で活用しようと試みて、《騒がしいネズミ》や《盲目の狩人》の追加の利用法を見出していた。想起した《熟考漂い》を対象に取った場合、3白青でカード4枚と飛行を持つ魚を得たことになる(言うまでもなく、その後のゲームではフラッシュバックによって君のクリーチャーを守ることができる)。この戦略は未だに最高の成績を残してはいないが人気であり続けている。
遅い《一瞬の瞬き》は《コーの空漁師》と《夢で忍び寄るもの》によって補完され取って代わられた。これらのデッキは長期戦を見据えることが多く、盤面に寄与しながら利益をひねり出そうとする。《現実の酸》に基づいたデッキはこれらのクリーチャーと《一瞬の瞬き》を取り上げてとても遅い疑似《名誉回復》を毎ターン唱えることができた。そしてこれらのデッキはアヴァシンの帰還まで存在していたが支配的になることはなかった。クリーチャーの追加の利用法を見出せるのは良かったが、ゲームを壊すのは難しかった。
《幽霊のゆらめき》がこの計算を変化させた。《一瞬の瞬き》が追加の効果を1つ生み出すのに対し、《幽霊のゆらめき》はわずか3マナで2倍のことができた。これだけでも素晴らしいが、《記憶の壁》や《古術師》と組み合わさるとこれは3マナ毎にループを作り出す。このエンジンは《フェアリーの大群》と後の《流浪のドレイク》と共にPauperを支配したコンボデッキのバックボーンだった。このループでは好きなだけのマナを生み出すことができ、そのマナにはPauperの歴史を通して複数の使い道があった。最初は(禁止になるまでは)《時間の亀裂》だった、(《フェアリーの大群》が禁止になるまでは)《賢者街の住人》で、それから(《流浪のドレイク》が禁止になるまでは)《とどろく雷鳴》だった。《幽霊のゆらめき》はいくつかのPauper最高のコンボデッキの一部だったがそれが最高のカードであることはなかった。むしろ悪事への強力な誘引者ではあるが、それ自体は複製品と同程度の強さしかない。
今日の《幽霊のゆらめき》はどうなっているのか?それはトップのデッキ2つの重要構成要素であり続けている。まずはディミーア・フリッカー。これは戦場に出たときの能力を持つクリーチャーを利用してゲームをコントロールするデッキとして黒単コントロールに取って代わったデッキだ。
ディミーア・フリッカーはずっとこのフォーマットに存在していたが支配的な勢力になるのは難しかった。それは部分的には、このデッキは勝利に向かい始める時点まではとても公正なゲームをしなければならないからだ。高品質なカードがいっぱいに詰め込まれてはいるものの、依然としてそれらを比較的公正な方法で唱えようとする。モダンマスターズ2017までは対戦相手の新しいドローをロックすることが《幽霊のゆらめき》の最高の使い方だった。
《ディンローヴァの恐怖》がそのすべてを変化させた。このコモン落ちが《ゆらめき》コンボに別の使い道を与えた。最新の再録セットが発売された直後、ウルザトロンを利用して《ディンローヴァの恐怖》、《記憶の壁》、そして《幽霊のゆらめき》によってゆっくりと相手の場のパーマネントをすべて除去しようとするデッキが出現した。ディンローヴァ・トロンは相手への干渉手段をほとんど諦めて、《禁忌の錬金術》や《ムラーサの胎動》のようにコンボをつなぎ合わせるカードや、生き残るのに役立つ《一瞬の平和》を優先している。このデッキは追加の《ディンローヴァの恐怖》として《激情の共感者》を採用したオリジナルのバージョンからいくつかの進化を遂げている。kungfutreesはこのデッキの最新バージョンで6月11日のPauper Challengeの首位を勝ち取った。
前進するなら、僕は追加の《禁制》を当てはめられないかどうか調べてみたいと思う。《禁制》は柔軟な打ち消しで、他の打ち消し呪文に対抗できるだけでなくこのフォーマットの多種多様な脅威に対して有効だ。豊富なマナがあるならばこのデッキに《卑下》の居場所があるかどうかも調べてみたい。
6月11日のChallengeではトップ16にさらに面白いデッキが登場している。《不屈の部族》コンボは《幽霊のゆらめき》を備えておらず、代わりに《噴出》を一撃必殺の燃料としている。1枚の《裏返し》により、《噴出》1枚が16点分のダメージになる。《不屈の部族》コンボは何年もフォーマットの末端にいるが、今だけは目に見える結果を出している。
Pauper ChallengeがPauperのメタゲームにどのように影響するのか、僕らにが知っているのはまだその初期段階だ。にも関わらず、最初の4週が過ぎて、4つの異なるデッキが勝利を収めた。破滅の刻まであと数週間と迫っている、その手を遅めるよりむしろ早めるようなまた大きな変化がPauperに訪れるかもしれない。
Flickering Light
by Alex Ullman, June 20, 2017
ここ1年ほど、Pauperには《幽霊のゆらめき》を搭載したデッキが存在し続けている。このアヴァシンの帰還のインスタントはそれ自体が強力なわけではないが、むしろPauperの主要な要素の1つ(戦場に出た時の能力を持つクリーチャー)との相乗効果がある。これらのカードはこのフォーマットのバックボーンであり、それらの価値を理解することがフリッカーデッキと呼ばれるものに対しての知識を増やすことへとつながる。しかしまずは下準備をしよう。
Pauperは、ある意味では、リソースの制約によって定義されている。コモンに限定されていることでフォーマットは主にお馴染みの効果を中心に回っている。これらの効果を再利用することが何年間も複数のデッキのバックボーンとなっている。フォーマットのパワーレベルがほとんど均一である場合、あらゆる追加の利用法は重大なアドバンテージになる可能性がある。黒単コントロールはこのコンセプトに則っていて、クリーチャーを繋げて徐々にアドバンテージを積み上げようとする。《発掘》はマナを踏み倒しながらさらに追加の脅威を生み出す手段として使われた。初期は黒いデッキがこの点において一番だったが、すぐに白と青のデッキが権威を手にした。
これは《一瞬の瞬き》とともに始まった。《熟考漂い》や《騒がしいネズミ》のようなカードと組み合わせたエスパーブリンクはPauperがフォーマットとして制定される以前はありふれたものだった。このデッキは戦場に出たときに誘発する能力を《一瞬の瞬き》で活用しようと試みて、《騒がしいネズミ》や《盲目の狩人》の追加の利用法を見出していた。想起した《熟考漂い》を対象に取った場合、3白青でカード4枚と飛行を持つ魚を得たことになる(言うまでもなく、その後のゲームではフラッシュバックによって君のクリーチャーを守ることができる)。この戦略は未だに最高の成績を残してはいないが人気であり続けている。
遅い《一瞬の瞬き》は《コーの空漁師》と《夢で忍び寄るもの》によって補完され取って代わられた。これらのデッキは長期戦を見据えることが多く、盤面に寄与しながら利益をひねり出そうとする。《現実の酸》に基づいたデッキはこれらのクリーチャーと《一瞬の瞬き》を取り上げてとても遅い疑似《名誉回復》を毎ターン唱えることができた。そしてこれらのデッキはアヴァシンの帰還まで存在していたが支配的になることはなかった。クリーチャーの追加の利用法を見出せるのは良かったが、ゲームを壊すのは難しかった。
《幽霊のゆらめき》がこの計算を変化させた。《一瞬の瞬き》が追加の効果を1つ生み出すのに対し、《幽霊のゆらめき》はわずか3マナで2倍のことができた。これだけでも素晴らしいが、《記憶の壁》や《古術師》と組み合わさるとこれは3マナ毎にループを作り出す。このエンジンは《フェアリーの大群》と後の《流浪のドレイク》と共にPauperを支配したコンボデッキのバックボーンだった。このループでは好きなだけのマナを生み出すことができ、そのマナにはPauperの歴史を通して複数の使い道があった。最初は(禁止になるまでは)《時間の亀裂》だった、(《フェアリーの大群》が禁止になるまでは)《賢者街の住人》で、それから(《流浪のドレイク》が禁止になるまでは)《とどろく雷鳴》だった。《幽霊のゆらめき》はいくつかのPauper最高のコンボデッキの一部だったがそれが最高のカードであることはなかった。むしろ悪事への強力な誘引者ではあるが、それ自体は複製品と同程度の強さしかない。
今日の《幽霊のゆらめき》はどうなっているのか?それはトップのデッキ2つの重要構成要素であり続けている。まずはディミーア・フリッカー。これは戦場に出たときの能力を持つクリーチャーを利用してゲームをコントロールするデッキとして黒単コントロールに取って代わったデッキだ。
ディミーア・フリッカー janicestone, Top 32 June 11 Pauper Challenge先に繰り返したPauperの《幽霊のゆらめき》デッキと違ってディミーア・フリッカーはデッキ名になっているインスタントで無限大のマナを生み出したりはしない。それよりもむしろ《古術師》と《騒がしいネズミ》でループを回して対戦相手の新しいドローをロックする。この時点で2/2クリーチャーの軍隊が占領していて、こつこつとライフを減らしていく。ディミーア・フリッカーは《流浪のドレイク》が禁止された後で、《ゆらめき》―《古術師》エンジンの最適な居場所として隆盛した。《騒がしいネズミ》、《海門の神官》そして《熟考漂い》がいる中で、《島》と《沼》が詰まったこのデッキは187能力を再利用するのに完全にフィットしている。
クリーチャー(14)
2 《古術師/Archaeomancer》
4 《騒がしいネズミ/Chittering Rats》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
4 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
インスタント(14)
1 《残響する衰微/Echoing Decay》
1 《墓の刈り取り/Reaping the Graves》
2 《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker》
3 《見栄え損ない/Disfigure》
3 《破滅の刃/Doom Blade》
4 《対抗呪文/Counterspell》
ソーサリー(10)
1 《綿密な分析/Deep Analysis》
1 《発掘/Unearth》
4 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
4 《定業/Preordain》
土地(22)
5 《沼/Swamp》
6 《島/Island》
1 《やせた原野/Barren Moor》
1 《孤立した砂州/Lonely Sandbar》
1 《光輝の泉/Radiant Fountain》
4 《ディミーアの水路/Dimir Aqueduct》
4 《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
サイドボード(15)
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
3 《吐き気/Nausea》
3 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
3 《ゾンビの異国者/Zombie Outlander》
4 《水流破/Hydroblast》
ディミーア・フリッカーはずっとこのフォーマットに存在していたが支配的な勢力になるのは難しかった。それは部分的には、このデッキは勝利に向かい始める時点まではとても公正なゲームをしなければならないからだ。高品質なカードがいっぱいに詰め込まれてはいるものの、依然としてそれらを比較的公正な方法で唱えようとする。モダンマスターズ2017までは対戦相手の新しいドローをロックすることが《幽霊のゆらめき》の最高の使い方だった。
《ディンローヴァの恐怖》がそのすべてを変化させた。このコモン落ちが《ゆらめき》コンボに別の使い道を与えた。最新の再録セットが発売された直後、ウルザトロンを利用して《ディンローヴァの恐怖》、《記憶の壁》、そして《幽霊のゆらめき》によってゆっくりと相手の場のパーマネントをすべて除去しようとするデッキが出現した。ディンローヴァ・トロンは相手への干渉手段をほとんど諦めて、《禁忌の錬金術》や《ムラーサの胎動》のようにコンボをつなぎ合わせるカードや、生き残るのに役立つ《一瞬の平和》を優先している。このデッキは追加の《ディンローヴァの恐怖》として《激情の共感者》を採用したオリジナルのバージョンからいくつかの進化を遂げている。kungfutreesはこのデッキの最新バージョンで6月11日のPauper Challengeの首位を勝ち取った。
ディンローヴァ・トロンkungfutrees, Winner June 11 Pauper Challenge僕はこれがディンローヴァ・トロンの最高の型だと思っているが、Pauperでは墓地対策が一般的なのでデッキ名になっているカードの2枚目が入る枠を探してみたいと思っている。そうは言っても、このデッキは大量のカードを見ることのできるコンパクトなコンボパッケージだ。《神秘の指導》と《衝動》が重要要素を探す一方で《輪作》と《探検の地図》はウルザトロンを集めやすくする。このデッキはイゼット・デルバーのようなデッキの攻撃的な初動や打ち消しに弱いように見える、そこで奇妙かもしれないがサイドボードに《青の防御円》が1枚入っている。これは絶えず存在する青いデッキ相手に生き残る上で理にかなっている。
クリーチャー(8)
1 《ディンローヴァの恐怖/Dinrova Horror》
3 《記憶の壁/Mnemonic Wall》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
インスタント(16)
1 《禁制/Prohibit》
2 《輪作/Crop Rotation》
2 《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》
2 《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker》
2 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
2 《神秘の指導/Mystical Teachings》
2 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
3 《衝動/Impulse》
ソーサリー(2)
1 《綿密な分析/Deep Analysis》
1 《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》
アーティファクト(12)
4 《探検の地図/Expedition Map》
4 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
4 《シミックの印鑑/Simic Signet》
土地(22)
3 《島/Island》
1 《憑依された沼墓/Haunted Fengraf》
1 《離れ島/Remote Isle》
2 《茨森の滝/Thornwood Falls》
3 《ゆらめく岩屋/Shimmering Grotto》
4 《ウルザの鉱山/Urza’s Mine》
4 《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant》
4 《ウルザの塔/Urza’s Tower》
サイドボード(15)
1 《転覆/Capsize》
1 《ディンローヴァの恐怖/Dinrova Horror》
1 《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder》
1 《もつれ/Tangle》
2 《払拭/Dispel》
2 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
2 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
2 《不憫なグリフ/Wretched Gryff》
3 《青の防御円/Circle of Protection: Blue》
前進するなら、僕は追加の《禁制》を当てはめられないかどうか調べてみたいと思う。《禁制》は柔軟な打ち消しで、他の打ち消し呪文に対抗できるだけでなくこのフォーマットの多種多様な脅威に対して有効だ。豊富なマナがあるならばこのデッキに《卑下》の居場所があるかどうかも調べてみたい。
6月11日のChallengeではトップ16にさらに面白いデッキが登場している。《不屈の部族》コンボは《幽霊のゆらめき》を備えておらず、代わりに《噴出》を一撃必殺の燃料としている。1枚の《裏返し》により、《噴出》1枚が16点分のダメージになる。《不屈の部族》コンボは何年もフォーマットの末端にいるが、今だけは目に見える結果を出している。
不屈の部族コンボ greenprinny, Top 16, June 11 Paper Challengeいろいろな意味でこのデッキは懐かしき《サイカトグ》デッキ(ただし《激動》無し)と似ている。手札を貯め込んだあとで《不屈の部族》に回避能力を付け、パワータフネスを入れ替えて頑強な守備をドラン風の勢力へと変えることを目指す。このデッキは《稲妻》やその他赤の除去に対して信じられないくらい強く、対象を取る黒の除去が低迷しているメタゲームで繁栄することができる。Pauperは現在《破滅の刃》効果が不足していて、(ディンローヴァ・トロンや《不屈の部族》コンボのような)単一の脅威を軸にしたデッキが優位に立てるようになっている。まだこの《噴出》デッキには続報があるかもしれない(これを書いている時点で、6月18日のPauper Challengeでトップ16にさらに2つ入ったらしい)、そしてこのフォーマットの変わった多様性を示すのに一役買ってくれるかもしれない。
クリーチャー(8)
4 《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
4 《不屈の部族/Tireless Tribe》
インスタント(23)
2 《目くらまし/Daze》
2 《払拭/Dispel》
2 《万の眠り/Gigadrowse》
3 《渦まく知識/Brainstorm》
3 《堂々巡り/Circular Logic》
3 《噴出/Gush》
4 《裏返し/Inside Out》
4 《シャドーの裂け目/Shadow Rift》
ソーサリー(10)
1 《空間の擦り抜け/Slip Through Space》
2 《定業/Preordain》
3 《思案/Ponder》
4 《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
土地(19)
4 《平地/Plains》
9 《島/Island》
3 《灰のやせ地/Ash Barrens》
3 《進化する未開地/Evolving Wilds》
サイドボード(15)
1 《空間の擦り抜け/Slip Through Space》
1 《暁の魔除け/Dawn Charm》
1 《綿密な分析/Deep Analysis》
1 《解呪/Disenchant》
2 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
3 《水流破/Hydroblast》
3 《未達への旅/Journey to Nowhere》
3 《軍旗の旗手/Standard Bearer》
Pauper ChallengeがPauperのメタゲームにどのように影響するのか、僕らにが知っているのはまだその初期段階だ。にも関わらず、最初の4週が過ぎて、4つの異なるデッキが勝利を収めた。破滅の刻まであと数週間と迫っている、その手を遅めるよりむしろ早めるようなまた大きな変化がPauperに訪れるかもしれない。
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-06132017-standing-ground/)
Standing Ground
by Alex Ullman, June 13, 2017
6月4日のPauper Challengeではボロス統治者が勝利した。この赤白のミッドレンジデッキはこの記事で述べるように各Challengeで少なくとも1つはトップ8に入っていて、このフォーマットで断然有利な立場いにる。これは現在「フォーマット最強のデッキ」であるイゼット・デルバーに続いて2番目のトップ8入賞数だ。
このデッキは一般的に使われるPauperエンジンを軸にしている ―《予言のプリズム》を伴った《きらめく鷹》と《コーの空漁師》だ。時々《プリズム》と《胆液の水源》が一緒になっているがボロス統治者では《錬金術師の薬瓶》が採用されている。肝となっている要素は、これらのアーティファクトが場に出たときにそれ自身に取って代わることができるということだ。1枚の《プリズム》が1ゲームの間に3枚の新しいカードをもたらしえる。それでは不満だと言わんばかりに、これらのカードはさらにこのフォーマットで最高の赤い呪文を作動させる:《感電破》だ。《スレイベンの検査官》と組み合わせると、重くはあるが《鷹》と《空漁師》のエンジンは安定したカードの流れを生み出すことができる。
このデッキの統治者バージョンは横に広げるのではなく、さらなる魅力を得るために《宮殿の歩哨》に頼っている。ここで《胆液の水源》よりも《錬金術師の薬瓶》を優先する意味が出てくる:本来なら統治者を奪うであろうアタッカーを止めることができる。メインデッキとサイドボードに分けられた2枚の《虹色の断片》はダメージを軽減し、そうして王冠を守ってくれる。《虹色の断片》は最近になってより使われるようになっている。Pauperに単色のアグロデッキがどれだけいるのかを考えるとこのインスタントは見かけよらず強力だ。攻撃を止めて、アンタップのクリーチャーを残して2回目の起動をちらつかせるのは相当な抑止力になる。実際にこれは《電謀》、《墓所のネズミ》、そして《エヴィンカーの正義》を無力化する対策でもある。
防御を固めリソースを蓄えた後、ボロス統治者は攻めに転じることができる。《コーの空漁師》と《きらめく鷹》は実用的な飛行アタッカーであるし、《稲妻》と《感電破》で援護すれば速やかにゲームを終わらせることができる。2枚の《金切るときの声》は航空戦力に寄与するものの、《農民の結集》無しでは鳥トークンに同様の打点は期待できない。
ちょっとトップ8以降を見てみよう、6月4日のChallengeはレッドデックウィンズの出現だったと言える。もう1つの《炎樹族の使者》デッキとして知られているレッドデックウィンズ(RDW)は数多くの1マナパワー2、および赤の2マナの速攻持ちを利用している。強力な火力のセットと《ゴブリンの踵裂き》で道を開き続けることで、このデッキは瞬く間に勝つ力がある。RDWはマナコストに赤が1つ含まれた2マナ域を複数もっているので、相当なブン回りを可能にする上で《炎樹族の使者》が役に立つ。《ゴブリンの群勢》に始まり《炎樹族の使者》からの《谷を駆ける者》でダメージを積み重ねることができる、そしてそれは立ちはだかるであろうあらゆるブロッカーを《ゴブリンの踵裂き》が使えなくする前の話だ。
このデッキはトップ16に2つ入賞している:9位と15位。順位が高い方のリストは《火花鍛冶》と《骨断ちの矛槍》という従来と異なるカードを使っている。けれども僕は15位のリストに注目したい。
レッドデックウィンズは6月4日のChallengeで合計3つ入賞しており、メタゲームの9.38%に達している。Frank Karstenの得点手法(マッチ勝利で1得点、マッチ敗北で1失点)を用いるとこのデッキは入賞者全体の10%に近い。RDWはソーサリースピードの除去(《チェイナーの布告》や《未達への旅》みたいなもの)に対して有利だ。これらのカードは最も人気のある選択肢ではないが、現時点で後者は《炎の斬りつけ》と同様によく姿を見せている。
ストンピィは《怨恨》と《巨森の蔦》のおかげでその脅威を縦に伸ばすことに長けている、その点レッドデックウィンズは横に広げることを得意とする。軽いパワー2クリーチャーが豊富なことで、2ターン目に4点の攻撃をしやすくなっている。速攻は過小評価されている能力であり、《ゴブリンの奇襲隊》で援護すれば何もないところから勝つことも可能になる。《ゴブリンの踵裂き》の疾駆能力も《ゴブリンの軍勢》と《モグの徴集兵部隊》の攻撃条件を満たしてくれるので驚くほど上手く働く。
言ったように、僕は前進する上でレッドデックウィンズが強力な選択になるだろうと考えている、部分的にこの原因は何もないところからトップ8に2人を送り込んだデッキにある:白単アグロだ。勝ち抜きラウンドを戦った2つの異なるバージョンがあるが、このアーキタイプがトップ32で6.25%、ただし重み付けをして8.89%となるとこれはさらに検討する必要がある。
このデッキには1つの大きな分かれ道がある:vihespanholがマナカーブの頂点に《金切るときの声》を配している一方でseedy_kは《ギルドパクトの守護者》を使っている。8位のデッキにおいて《金切るときの声》は横に広がることを可能にし、ブロッカーを処理したりダメージを通したり《骨断ちの矛槍》を最大限に活用していた。トークン生成手段を入れることでvihespnaholは《野戦外科医》にもたどり着いた ―各クリーチャー自身に《電謀》から守る術を与えるカードだ。これをメインデッキの守りとすることでさらに2枚の《軍旗の旗手》をメインに入れやすくなった。《外科医》と《旗手》はアンタップ状態のクリーチャーが十分にいれば赤系の除去を無力化することができる。そうは言ってもこのデッキはより多くの小型クリーチャーを使っていて、準決勝で優勝者に敗れた。
《ギルドパクトの守護者》は異なる終局を演出する。seedy_kは横に広げるよりもむしろ対処しにくい脅威を作り上げることを決心した。良く使われるカードの中で《守護者》を処理できるものは非常に少ない ―
ただこの理由のために《守護者》はこのフォーマットで長い間お馴染みのカードでいる。《チェイナーの布告》への弱さにも関わらず、《戦隊の鷹》や《忠実な聖戦士》で場を埋め尽くして2/3を生き延びさせやすい白のミッドレンジデッキは《守護者》にとって完璧な居場所だ。
白いデッキの問題は、《感電破》入りの《空漁師》デッキが爆発的増加してからそれについていくのが難しくなったことだ。《平地》しかないデッキのほうが実際の脅威は多いかもしれないが、火力呪文によるリーチが欠けている。結局のところ、赤が使えるデッキはゲームを速やかに締めくくれることが多い。そこで《オルゾヴァの贈り物》が輝く。これは即座にライフを増強することができ、《ギルドパクトの守護者》に装着すれば素早いクロックになる。《守護者》が《骨断ちの矛槍》を持ったなら事態はあっという間に制御不能になる。
この戦略が再び出現したというのはちょっと面白い。Pauperが制定された最初期、《ギルドパクトの守護者》に《アルマジロの外套》がエンチャントされるのはよく見る光景だった。現在の《ぬめるボーグル》呪禁デッキの祖先である緑白デッキは単に優秀なクリーチャーを《守護者》―《外套》の必殺技で援護していた。結局、《怨恨》がオンラインに実装されてこのデッキはストンピィによって道端へと押しのけられてしまった、しかし絆魂のついた《ギルドパクトの守護者》が強いという事実は変わらない。
この戦略は機能したようだ。準決勝で《農民の結集》―《金切るときの声》のボロスにやられる前に、seedy_kは準々決勝でイゼット・デルバーを片づけた。どちらのデッキも除去とリーチを赤に頼っているし、サイドボードの《真紅の見習い僧》の有用性については何の疑いもない。結局、そのデッキは決勝で敗れたが《ギルドパクトの守護者》は再びその力を示した。
僕が白単アグロを使う気になるのはそれほど難しくない(https://goo.gl/4iPW9B)、だからこの結果を見たとき僕の古い二軍を試そうと決めたんだ。seedy_kのリストをMagic Onlineで組み上げて
、それがこのフォーマットに《流浪のドレイク》がやって来る以前に僕が使っていたもの(https://goo.gl/WzSdqX)に良くにていることに気が付いた。僕は決勝進出した構築に自分で修正を加えた上でリーグに持ち込むことに決めた。土地21枚で《ギルドパクトの守護者》を4枚入れるのはリスクが高すぎると感じたので結局3枚に抑えることにした。さらに《格納庫の整備士》1枚と《心優しきボディガード》をカットして《剃刀のゴーレム》2枚と万能除去として《天使の粛清》1枚を入れた。単純に美的な目的で《冠雪の平地》を選択して配信しながらのリーグに挑んだ。
結果は期待したよりも良いものだった。
*Youtube動画(https://youtu.be/Bks07Lhp7BQ)
《ギルドパクトの守護者》デッキは現在のメタゲームで強力な選択だと思われる。《炎樹族の使者》という普通に使われている多色カードがあるとしてもね。メタゲームでは効率的なインスタントスピードの除去に重点が置かれていて、それらのほとんどは《守護者》に対して効果がない。
この理由から、僕は現時点で《守護者》が他の2種のマナカーブの頂点候補よりも優れていると考えている。《金切るときの声》は素晴らしいカードだがすべてのデッキがこれに対して備えている(もしくは備えるべきだ)。しばしばストンピィに対して《散弾の射手》を腐らせるために《戦隊の鷹》をサイドアウトすることがある。1ターンを費やして4体の鳥を出して《電謀》だけでなかったことにされるのは大打撃だ。《改革派の貨物車》は《稲妻》で簡単に死んでしまう弱点がある。この機体が強くなるには《炎の斬りつけ》が《稲妻》よりも優先される必要があり、現時点ではそうなっていない。しくじるであろう攻撃に2体のクリーチャーを投じることはPauperでの勝ち方とは言えない。《剃刀のゴーレム》はクリーチャーとアーティファクトの二重の脆弱性がある。これには警戒が付いていてライフを安全圏に保ちながらプレッシャーをかけることができるので、《守護者》の補足として2枚使うのが理にかなっていると分かった。《虹色の断片》のフラッシュバックのためにタップできないという問題は生じる。
ミッドレンジの白いデッキが戦えるならばPauperは健全だ。これらのデッキが回答不可能な引きで君を驚かせることはないだろう。このデッキが盤面を進展させることで勝利できるということは、現在のPauperでは速さにおいて両極端のデッキが支持されているということだ。白いデッキはその速さのスケールの中央に立っているので、フォーマットを集中させるのに役立つ。こんな風に強力になることは永遠にないかもしれない、しかし当分の間は僕の《守護者》を空に飛ばすのを楽しむつもりだ。
Standing Ground
by Alex Ullman, June 13, 2017
6月4日のPauper Challengeではボロス統治者が勝利した。この赤白のミッドレンジデッキはこの記事で述べるように各Challengeで少なくとも1つはトップ8に入っていて、このフォーマットで断然有利な立場いにる。これは現在「フォーマット最強のデッキ」であるイゼット・デルバーに続いて2番目のトップ8入賞数だ。
このデッキは一般的に使われるPauperエンジンを軸にしている ―《予言のプリズム》を伴った《きらめく鷹》と《コーの空漁師》だ。時々《プリズム》と《胆液の水源》が一緒になっているがボロス統治者では《錬金術師の薬瓶》が採用されている。肝となっている要素は、これらのアーティファクトが場に出たときにそれ自身に取って代わることができるということだ。1枚の《プリズム》が1ゲームの間に3枚の新しいカードをもたらしえる。それでは不満だと言わんばかりに、これらのカードはさらにこのフォーマットで最高の赤い呪文を作動させる:《感電破》だ。《スレイベンの検査官》と組み合わせると、重くはあるが《鷹》と《空漁師》のエンジンは安定したカードの流れを生み出すことができる。
このデッキの統治者バージョンは横に広げるのではなく、さらなる魅力を得るために《宮殿の歩哨》に頼っている。ここで《胆液の水源》よりも《錬金術師の薬瓶》を優先する意味が出てくる:本来なら統治者を奪うであろうアタッカーを止めることができる。メインデッキとサイドボードに分けられた2枚の《虹色の断片》はダメージを軽減し、そうして王冠を守ってくれる。《虹色の断片》は最近になってより使われるようになっている。Pauperに単色のアグロデッキがどれだけいるのかを考えるとこのインスタントは見かけよらず強力だ。攻撃を止めて、アンタップのクリーチャーを残して2回目の起動をちらつかせるのは相当な抑止力になる。実際にこれは《電謀》、《墓所のネズミ》、そして《エヴィンカーの正義》を無力化する対策でもある。
防御を固めリソースを蓄えた後、ボロス統治者は攻めに転じることができる。《コーの空漁師》と《きらめく鷹》は実用的な飛行アタッカーであるし、《稲妻》と《感電破》で援護すれば速やかにゲームを終わらせることができる。2枚の《金切るときの声》は航空戦力に寄与するものの、《農民の結集》無しでは鳥トークンに同様の打点は期待できない。
ボロス統治者Lord_Beerus, Winner, June 4th Pauper Challenge
クリーチャー(16)
4 《きらめく鷹/Glint Hawk》
4 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
4 《宮殿の歩哨/Palace Sentinels》
4 《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》
インスタント(9)
1 《虹色の断片/Prismatic Strands》
4 《感電破/Galvanic Blast》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
ソーサリー(3)
1 《炎の稲妻/Firebolt》
2 《金切るときの声/Battle Screech》
エンチャント(2)
2 《未達への旅/Journey to Nowhere》
アーティファクト(8)
4 《錬金術師の薬瓶/Alchemist’s Vial》
4 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
土地(22)
2 《山/Mountain》
2 《平地/Plains》
1 《忘れられた洞窟/Forgotten Cave》
2 《隔離されたステップ/Secluded Steppe》
3 《ボロスの駐屯地/Boros Garrison》
3 《光輝の泉/Radiant Fountain》
3 《風に削られた岩山/Wind-Scarred Crag》
3 《古えの居住地/Ancient Den》
3 《大焼炉/Great Furnace》
サイドボード(15)
1 《緑の防御円/Circle of Protection: Green》
1 《虹色の断片/Prismatic Strands》
2 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
2 《電謀/Electrickery》
2 《孤独な宣教師/Lone Missionary》
3 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
4 《紅蓮破/Pyroblast》
ちょっとトップ8以降を見てみよう、6月4日のChallengeはレッドデックウィンズの出現だったと言える。もう1つの《炎樹族の使者》デッキとして知られているレッドデックウィンズ(RDW)は数多くの1マナパワー2、および赤の2マナの速攻持ちを利用している。強力な火力のセットと《ゴブリンの踵裂き》で道を開き続けることで、このデッキは瞬く間に勝つ力がある。RDWはマナコストに赤が1つ含まれた2マナ域を複数もっているので、相当なブン回りを可能にする上で《炎樹族の使者》が役に立つ。《ゴブリンの群勢》に始まり《炎樹族の使者》からの《谷を駆ける者》でダメージを積み重ねることができる、そしてそれは立ちはだかるであろうあらゆるブロッカーを《ゴブリンの踵裂き》が使えなくする前の話だ。
このデッキはトップ16に2つ入賞している:9位と15位。順位が高い方のリストは《火花鍛冶》と《骨断ちの矛槍》という従来と異なるカードを使っている。けれども僕は15位のリストに注目したい。
レッドデックウィンズ DoubleDrain, Top 16 June 4th Pauper Challenge
クリーチャー(31)
1 《火花鍛冶/Sparksmith》
3 《ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter》
3 《谷を駆ける者/Valley Dasher》
4 《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》
4 《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》
4 《ゴブリンの群勢/Goblin Cohort》
4 《ジャッカルの使い魔/Jackal Familiar》
4 《モグの徴集兵部隊/Mogg Conscripts》
4 《泥騒ぎの群勢/Mudbrawler Cohort》
インスタント(8)
2 《炎の稲妻/Firebolt》
2 《変異原性の成長/Mutagenic Growth》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
ソーサリー(3)
3 《稲妻の連鎖/Chain Lightning》
アーティファクト(1)
1 《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》
土地(17)
16 《山/Mountain》
1 《忘れられた洞窟/Forgotten Cave》
サイドボード(15)
1 《炎の斬りつけ/Flame Slash》
2 《鋭い痛み/Flaring Pain》
3 《火花鍛冶/Sparksmith》
3 《電謀/Electrickery》
3 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
レッドデックウィンズ SquirtleTheaeonsTorn, Top 16 June 4th Pauper ChallengeSquirtleTheaeonsTornはPauperリーグの恐怖だ。レッドデックウィンズが初めてその力を得てからそれを使い続けている(そして勝っている)。Squirtleのデッキはよりコントロール的な要素(《火花鍛冶》と《稲妻の連鎖》)をカットしてダメージを増加させる2枚のカードを入れている。《変異原性の成長》は戦闘中でタップアウトしていても重要なクリーチャーを除去から守ってくれるし、追加のダメージをねじ込むこともできる。《命知らず》はどんなクリーチャーでも餌に使える以外はオンライン版の《ゴブリンの手投げ弾》だ。
クリーチャー(31)
3 《ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter》
4 《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》
4 《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》
4 《ゴブリンの群勢/Goblin Cohort》
4 《ジャッカルの使い魔/Jackal Familiar》
4 《モグの徴集兵部隊/Mogg Conscripts》
4 《泥騒ぎの群勢/Mudbrawler Cohort》
4 《谷を駆ける者/Valley Dasher》
インスタント(10)
2 《炎の稲妻/Firebolt》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《変異原性の成長/Mutagenic Growth》
ソーサリー(2)
2 《命知らず/Reckless Abandon》
土地(17)
17 《山/Mountain》
サイドボード(15)
1 《鋭い痛み/Flaring Pain》
3 《電謀/Electrickery》
3 《炎の斬りつけ/Flame Slash》
4 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
4 《紅蓮破/Pyroblast》
レッドデックウィンズは6月4日のChallengeで合計3つ入賞しており、メタゲームの9.38%に達している。Frank Karstenの得点手法(マッチ勝利で1得点、マッチ敗北で1失点)を用いるとこのデッキは入賞者全体の10%に近い。RDWはソーサリースピードの除去(《チェイナーの布告》や《未達への旅》みたいなもの)に対して有利だ。これらのカードは最も人気のある選択肢ではないが、現時点で後者は《炎の斬りつけ》と同様によく姿を見せている。
ストンピィは《怨恨》と《巨森の蔦》のおかげでその脅威を縦に伸ばすことに長けている、その点レッドデックウィンズは横に広げることを得意とする。軽いパワー2クリーチャーが豊富なことで、2ターン目に4点の攻撃をしやすくなっている。速攻は過小評価されている能力であり、《ゴブリンの奇襲隊》で援護すれば何もないところから勝つことも可能になる。《ゴブリンの踵裂き》の疾駆能力も《ゴブリンの軍勢》と《モグの徴集兵部隊》の攻撃条件を満たしてくれるので驚くほど上手く働く。
言ったように、僕は前進する上でレッドデックウィンズが強力な選択になるだろうと考えている、部分的にこの原因は何もないところからトップ8に2人を送り込んだデッキにある:白単アグロだ。勝ち抜きラウンドを戦った2つの異なるバージョンがあるが、このアーキタイプがトップ32で6.25%、ただし重み付けをして8.89%となるとこれはさらに検討する必要がある。
白単アグロ vihespanhol, Top 8 June 4th Pauper Challenge
クリーチャー(26)
1 《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》
2 《格納庫の整備士/Aviary Mechanic》
2 《野戦外科医/Field Surgeon》
2 《ギデオンの法の番人/Gideon’s Lawkeeper》
2 《孤独な宣教師/Lone Missionary》
2 《軍旗の旗手/Standard Bearer》
3 《忠実な聖戦士/Loyal Cathar》
4 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
4 《戦隊の鷹/Squadron Hawk》
4 《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》
ソーサリー(7)
3 《金切るときの声/Battle Screech》
4 《太陽の槍/Sunlance》
エンチャント(3)
3 《未達への旅/Journey to Nowhere》
アーティファクト(3)
3 《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》
土地(21)
16 《平地/Plains》
1 《漂う牧草地/Drifting Meadow》
4 《隔離されたステップ/Secluded Steppe》
サイドボード(15)
1 《軍旗の旗手/Standard Bearer》
1 《未達への旅/Journey to Nowhere》
2 《天界のほとばしり/Celestial Flare》
2 《孤独な宣教師/Lone Missionary》
3 《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》
3 《塵は塵に/Dust to Dust》
3 《虹色の断片/Prismatic Strands》
白単アグロ seedy_k, Finalist June 4th Pauper Challengeこれらのデッキはどちらも《コーの空漁師》―《スレイベンの検査官》の2人組をフルセットの《戦隊の鷹》と共に使っている。これらのカードは堅実なカードアドバンテージを演出するのでアグロ・ミッドレンジの白いデッキにとって極めて重要だ。《忠実な聖戦士》も変身能力のおかげで《コーの空漁師》と上手く働く。一度死亡したそのカードを回収し、また警戒持ちの2/2と唱えなおすことができる。《骨断ちの矛槍》(これも両方のデッキに入っている)と組み合わさると《聖戦士》は攻めでも守りでも強力な脅威となる。seedy_kとvihespanholはどちらもさらに《空漁師》が欲しくて同じ能力を持った《格納庫の整備士》の追加を選択した。
クリーチャー(26)
1 《格納庫の整備士/Aviary Mechanic》
1 《心優しきボディガード/Benevolent Bodyguard》
4 《ギルドパクトの守護者/Guardian of the Guildpact》
4 《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers》
4 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
4 《忠実な聖戦士/Loyal Cathar》
4 《戦隊の鷹/Squadron Hawk》
4 《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》
ソーサリー(3)
3 《太陽の槍/Sunlance》
エンチャント(6)
2 《オルゾヴァの贈り物/Gift of Orzhova》
4 《未達への旅/Journey to Nowhere》
アーティファクト(4)
4 《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》
土地(21)
19 《平地/Plains》
2 《隔離されたステップ/Secluded Steppe》
サイドボード(15)
1 《太陽の槍/Sunlance》
1 《主の募兵/Cenn’s Enlistment》
1 《真紅の見習い僧/Crimson Acolyte》
1 《断片化/Fragmentize》
1 《確実性の欠落/Lapse of Certainty》
1 《黒の防御ルーン/Rune of Protection: Black》
2 《塵は塵に/Dust to Dust》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2 《赤の防御ルーン/Rune of Protection: Red》
3 《緑の防御ルーン/Rune of Protection: Green》
このデッキには1つの大きな分かれ道がある:vihespanholがマナカーブの頂点に《金切るときの声》を配している一方でseedy_kは《ギルドパクトの守護者》を使っている。8位のデッキにおいて《金切るときの声》は横に広がることを可能にし、ブロッカーを処理したりダメージを通したり《骨断ちの矛槍》を最大限に活用していた。トークン生成手段を入れることでvihespnaholは《野戦外科医》にもたどり着いた ―各クリーチャー自身に《電謀》から守る術を与えるカードだ。これをメインデッキの守りとすることでさらに2枚の《軍旗の旗手》をメインに入れやすくなった。《外科医》と《旗手》はアンタップ状態のクリーチャーが十分にいれば赤系の除去を無力化することができる。そうは言ってもこのデッキはより多くの小型クリーチャーを使っていて、準決勝で優勝者に敗れた。
《ギルドパクトの守護者》は異なる終局を演出する。seedy_kは横に広げるよりもむしろ対処しにくい脅威を作り上げることを決心した。良く使われるカードの中で《守護者》を処理できるものは非常に少ない ―
ただこの理由のために《守護者》はこのフォーマットで長い間お馴染みのカードでいる。《チェイナーの布告》への弱さにも関わらず、《戦隊の鷹》や《忠実な聖戦士》で場を埋め尽くして2/3を生き延びさせやすい白のミッドレンジデッキは《守護者》にとって完璧な居場所だ。
白いデッキの問題は、《感電破》入りの《空漁師》デッキが爆発的増加してからそれについていくのが難しくなったことだ。《平地》しかないデッキのほうが実際の脅威は多いかもしれないが、火力呪文によるリーチが欠けている。結局のところ、赤が使えるデッキはゲームを速やかに締めくくれることが多い。そこで《オルゾヴァの贈り物》が輝く。これは即座にライフを増強することができ、《ギルドパクトの守護者》に装着すれば素早いクロックになる。《守護者》が《骨断ちの矛槍》を持ったなら事態はあっという間に制御不能になる。
この戦略が再び出現したというのはちょっと面白い。Pauperが制定された最初期、《ギルドパクトの守護者》に《アルマジロの外套》がエンチャントされるのはよく見る光景だった。現在の《ぬめるボーグル》呪禁デッキの祖先である緑白デッキは単に優秀なクリーチャーを《守護者》―《外套》の必殺技で援護していた。結局、《怨恨》がオンラインに実装されてこのデッキはストンピィによって道端へと押しのけられてしまった、しかし絆魂のついた《ギルドパクトの守護者》が強いという事実は変わらない。
この戦略は機能したようだ。準決勝で《農民の結集》―《金切るときの声》のボロスにやられる前に、seedy_kは準々決勝でイゼット・デルバーを片づけた。どちらのデッキも除去とリーチを赤に頼っているし、サイドボードの《真紅の見習い僧》の有用性については何の疑いもない。結局、そのデッキは決勝で敗れたが《ギルドパクトの守護者》は再びその力を示した。
僕が白単アグロを使う気になるのはそれほど難しくない(https://goo.gl/4iPW9B)、だからこの結果を見たとき僕の古い二軍を試そうと決めたんだ。seedy_kのリストをMagic Onlineで組み上げて
、それがこのフォーマットに《流浪のドレイク》がやって来る以前に僕が使っていたもの(https://goo.gl/WzSdqX)に良くにていることに気が付いた。僕は決勝進出した構築に自分で修正を加えた上でリーグに持ち込むことに決めた。土地21枚で《ギルドパクトの守護者》を4枚入れるのはリスクが高すぎると感じたので結局3枚に抑えることにした。さらに《格納庫の整備士》1枚と《心優しきボディガード》をカットして《剃刀のゴーレム》2枚と万能除去として《天使の粛清》1枚を入れた。単純に美的な目的で《冠雪の平地》を選択して配信しながらのリーグに挑んだ。
結果は期待したよりも良いものだった。
*Youtube動画(https://youtu.be/Bks07Lhp7BQ)
白単アグロ Alex Ullman, 5-0 Pauper Leagueこのデッキは壊れたことは何もしない。その代わりに公正なゲームをするが、《骨断ちの矛槍》のおかげでそれが非常にうまくいく。このミラディンの装備品は《怨恨》のようにすべての脅威を強化し素早いクロックへと変えることができる。《怨恨》とは違って容易に付け外すことができるので、すなわち余ったマナで攻撃クリーチャーの打点を伸ばしたりブロッカーを強化したりできる。《ギルドパクトの守護者》は決定力とある種のリーチを与えてくれる。ライフが詰まった状態でゲームが十分長く進行してしまえば、《守護者》は止めになるだろう。
クリーチャー(25)
2 《剃刀のゴーレム/Razor Golem》
3 《ギルドパクトの守護者/Guardian of the Guildpact》
4 《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers》
4 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
4 《忠実な聖戦士/Loyal Cathar》
4 《戦隊の鷹/Squadron Hawk》
4 《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》
ソーサリー(4)
1 《天使の粛清/Angelic Purge》
3 《太陽の槍/Sunlance》
エンチャント(6)
2 《オルゾヴァの贈り物/Gift of Orzhova》
4 《未達への旅/Journey to Nowhere》
アーティファクト(4)
4 《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》
土地(21)
1 《隔離されたステップ/Secluded Steppe》
20 《冠雪の平地/Snow-Covered Plains》
サイドボード(15)
1 《主の募兵/Cenn’s Enlistment》
1 《神への捧げ物/Divine Offering》
1 《太陽の槍/Sunlance》
1 《損ない/Unmake》
2 《天界のほとばしり/Celestial Flare》
2 《塵は塵に/Dust to Dust》
2 《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》
2 《虹色の断片/Prismatic Strands》
3 《軍旗の旗手/Standard Bearer》
《ギルドパクトの守護者》デッキは現在のメタゲームで強力な選択だと思われる。《炎樹族の使者》という普通に使われている多色カードがあるとしてもね。メタゲームでは効率的なインスタントスピードの除去に重点が置かれていて、それらのほとんどは《守護者》に対して効果がない。
この理由から、僕は現時点で《守護者》が他の2種のマナカーブの頂点候補よりも優れていると考えている。《金切るときの声》は素晴らしいカードだがすべてのデッキがこれに対して備えている(もしくは備えるべきだ)。しばしばストンピィに対して《散弾の射手》を腐らせるために《戦隊の鷹》をサイドアウトすることがある。1ターンを費やして4体の鳥を出して《電謀》だけでなかったことにされるのは大打撃だ。《改革派の貨物車》は《稲妻》で簡単に死んでしまう弱点がある。この機体が強くなるには《炎の斬りつけ》が《稲妻》よりも優先される必要があり、現時点ではそうなっていない。しくじるであろう攻撃に2体のクリーチャーを投じることはPauperでの勝ち方とは言えない。《剃刀のゴーレム》はクリーチャーとアーティファクトの二重の脆弱性がある。これには警戒が付いていてライフを安全圏に保ちながらプレッシャーをかけることができるので、《守護者》の補足として2枚使うのが理にかなっていると分かった。《虹色の断片》のフラッシュバックのためにタップできないという問題は生じる。
ミッドレンジの白いデッキが戦えるならばPauperは健全だ。これらのデッキが回答不可能な引きで君を驚かせることはないだろう。このデッキが盤面を進展させることで勝利できるということは、現在のPauperでは速さにおいて両極端のデッキが支持されているということだ。白いデッキはその速さのスケールの中央に立っているので、フォーマットを集中させるのに役立つ。こんな風に強力になることは永遠にないかもしれない、しかし当分の間は僕の《守護者》を空に飛ばすのを楽しむつもりだ。
【翻訳】君がPauperをプレイすべき理由 by Alex Ullman
2017年6月7日 翻訳元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-05302017-why-you-should-play-pauper/)
Why You Should Play Pauper
by Alex Ullman, May 30, 2017
来週は最初の2つのPauper Challengeの分析記事をお届けするつもりだ。最初のChallengeがすでにメタゲームデータの恵みを与えてくれているが、それはまだ単一の時点の情報でしかない。次のトップ32の結果を待てばPauperの実際の環境への理解が深まるだろうし、他の確立されたフォーマットと同様にメタゲームがどのように変化するのか(さらに重要なのは変化したのかどうか)を見ることができる。
しかしそれは来週の話だ。今日は君が(そう、君のことだ)Pauperをプレイすべき理由について話したいと思う。
良く知らない人のために、Pauperとはコモンで印刷されたことのあるカードのみを使った競技フォーマットである。マジック・オンラインで公式に認定されていて、公式使用可能リストはデジタルでのカードセットと一致している。すなわち、《チェイナーの布告》、《金切るときの声》、そして《甲虫背の酋長》のすべてが使える。その一方で《High Tide》、《ゴブリンの手投げ弾》、そして《トーラックへの賛歌》は使えない。大きなフォーマットにしては禁止リストは比較的小さい:《フェアリーの大群》、《雲上の座》、《頭蓋囲い》、《巣穴からの総出》、《大慌ての捜索》、《ぶどう弾》、《激励》、《流浪のドレイク》、《時間の亀裂》、そして《宝船の巡航》。以上だ。マジック・オンラインのプログラムをロードしてコモンのフィルターをかけると多数の選択肢がある。これこそがおそらくPauperの一番のセールスポイントである、手軽さだ。
一旦正直になろう:マジックは高価な趣味だ。さまざまな遊び方があるものの、最高のレベルで競い合いたいのなら時間とお金の両方を真剣に投資する必要がある。相当な人がマジックの競技的な部分を楽しんでいるが、常に最も重要なカードをそろえ続けるのには限界がある。ローテーションしないフォーマットでは数ヶ月どころか数年も使える確立したデッキにこだわることができるので、これらのプレイヤーにとって素晴らしいものだ。多くの場合、これらのフォーマットを追い続けるのに必要な金額はスタンダードと比較して安い。Pauperはその中でもさらに安く、一たびこのフォーマットに参入すれば新しいセットにつきほんの数ドルでコレクションを維持することができる。繰り返しになるが、マジックに使える金額は各々の生活環境によって異なっているとは言え、大きな視点でみればPauperに必要な金銭的投資は(オンラインであろうとなかろうと)他の競技フォーマットと比べてはるかに少ない。
この手軽さのおかげでPauperは大きく開けた競技プレイへの素晴らしい足掛かりとなっている。以前話したように(https://goo.gl/UIuVDb)、Pauperには多種多様なデッキと戦略がある。Pauperにはコントロール、アグロ、コンボ、そしてミッドレンジデッキがあり、このメタゲームの乗り切り方を理解することはPauper以外へと応用できるスキルだ。これとフォーマットの手軽な性質とが合わさり、複数のマッチアップを学んでさまざまなデッキ同士がどのように作用し合っているかを深く理解することがかなり簡単になる。さまざまなデッキの回し方を学べるというのはPauperに限ったことではないが、低価格な分ギアの切り替えが簡単になりさまざまな技術の組み合わせを習得しやすくなる。
Pauperはゲームの細かいプレイングに対して見返りのあるフォーマットでもある。ミラディン時代のスタンダード、《電結の荒廃者》はそのあまりの強さでミスを帳消しにしてしまうため Fairy Godmother[訳注:困ったときに助けてくれる妖精]と呼ばれていた。Pauperにもミスを塗りつぶせるカードはあるものの ―《祖先の仮面》、《投げ飛ばし》、《感電破》、《熟考漂い》― それでもこれだけしかない。Pauperはマジックすべての競技フォーマットと同じように、緻密なプレイとプラン立てに対する見返りがある。しかしながら、僕はPauperにおけるプレイングの余地が非常に薄いことと、Fairy Godmotherが上記のようにパワーが低く適切にプレイすることがより重要であるということに気が付いた。
例としてアグロとコントロールのマッチアップを仮定すると、そこには信頼できる全体除去が存在しない。《エヴィンカーの正義》はそれに近いがそれでも条件付きだ。ビートダウン側のプレイヤーがタフネス3のクリーチャーに《吠え群れの飢え》を使ったらどうなる?コントロールのプレイヤーは《破滅の刃》を温存しておいたのか?それともデッキトップから《チェイナーの布告》のプレイするのか?コントロールのプレイヤーのライフが十分低かったらこの選択が問題になるだろうか?
さらに、Pauperではプレインズウォーカーを計算に入れなくてよい。プレインズウォーカーはあらゆる盤面でプレイを一段階複雑にする。そしてマジックの一部始終を学ぶのにライフとパーマネントのどちらを攻めるのが正しいのかを理解する必要がないというのは利点となりえる。一たび特定のアーキタイプのマッチアップで何が重要かを理解できれば、それからプレインズウォーカーを攻撃するのが正しいのかどうかを考え始めることができる。Paueprはより複雑で入り組んだ形のプレイへの入口になってくれる。
もう1つ仮定する:《ニヴィックスのサイクロプス》をコントロールするプレイヤーが今《噴出》を唱えた ―君はどうやってこのゲームに勝つ?
ミスを補える大量のカードがなくても、Pauperは信じられないほどパワフルだ。他のフォーマットで使えないカードもここでは4枚積みが許される。《思案》、《定業》、6種のアーティファクト土地、そして《噴出》でさえもすべて堂々と使うことができる。それだけでなく、これらのカードの大部分はどれもこのフォーマットでは比較的健全だ。《思案》はPauperでは少し強すぎるという議論があるかもしれないが、掘り当てるカードがどれも同じパワーレベルであれば《思案》が何かを壊してしまう可能性は低くなる。強力なカードや戦略をプレイしたい人にとってこれは望ましいことだ。Pauperでは君は《火炎破》で死ぬかもしれないし、《怨恨》でも、そろったウルザトロンによっても同じように死ぬかもしれない。コモンだけであることは何らマジックらしさを損ないはしない。
一たびこれらのスキルがまとめ上げられて、プレイヤーがPauperに熟練すると目に見えた利益がある。オンラインのリーグを連打するのは他の選択肢ほど効率的ではないが、3-2以上ならほどほどの利益を得ることができる。これを十分に行えば他のフォーマットに参入するための資産を築き上げることができる。Pauperはスキルだけでなくコレクションの面においてもマジック・オンラインの最高の足掛かりだ。Pauperは高いレベルでのゲームの仕方を教えてくれるし次のステップへの財政面での準備もしてくれる。
同様にして、デッキ構築をすることにも見返りがある。現在のPauperは、タルキール覇王譚のゲインランド、旧ラヴニカのバウンスランド、《広漠なる変幻地》、《進化する未開地》、そして新しく加わった《灰のやせ地》とその歴史の中でもっともマナ基盤が充実している。適切なマナ基盤の組み方を知ることは重要だし、為すべきことに対して正しいカードを選択することは勝利に大きく貢献する。繰り返しになるが、これはPauperに限ったことではないが、Pauperのマナ基盤における上記の制限を考えると適切な構成を組み上げるのは簡単な作業ではない。
Pauperはコモンだけのマジックだ。それは魅力であるだけでなくフォーマットの基本理念でもある。僕にとってこれがPauperのあるべき姿だし、このフォーマットに何が欠けているかにこだわっているプレイヤーを見るといつも失望させられる。Pauperを素晴らしくするのにより良いマナや全体除去は必要ない。より良い除去やプレインズウォーカーは必要ない。Pauperを素晴らしくするのに必要なのは単純なもの:より多くのプレイヤーだ。Pauperはこのフォーマットを研究してくれるより多くの目と精神を必要としている。Pauperはより高い水準で目立つためにより多くのコンテンツ制作者を必要としている。より多くのものがあれば、Pauperはずっと大きくなることができる。
なぜ君がPauperをプレイすべきなのか?君は自分自身の理由を見つけなければならない。僕は大学生としての予算を破綻させずにスパイクとしての腕を磨きたかったからこのフォーマットに関わった。僕はフォーマットの深さだけでなく未踏の領域の広さにも惹きこまれた。改善のために努力するプレイヤーばかりのコミュニティに出会ったので、僕は魅了された続けた。僕はPauperそれ自体を愛しているだけでなく、僕らの共同体のゲームのより広い世界でPauperができることも愛している。僕にとって一番のフォーマットを君がプレイすべき理由を教えることはできない。しかし、君にPauperに目を向ける理由を与えられたことを願っている。
Why You Should Play Pauper
by Alex Ullman, May 30, 2017
来週は最初の2つのPauper Challengeの分析記事をお届けするつもりだ。最初のChallengeがすでにメタゲームデータの恵みを与えてくれているが、それはまだ単一の時点の情報でしかない。次のトップ32の結果を待てばPauperの実際の環境への理解が深まるだろうし、他の確立されたフォーマットと同様にメタゲームがどのように変化するのか(さらに重要なのは変化したのかどうか)を見ることができる。
しかしそれは来週の話だ。今日は君が(そう、君のことだ)Pauperをプレイすべき理由について話したいと思う。
良く知らない人のために、Pauperとはコモンで印刷されたことのあるカードのみを使った競技フォーマットである。マジック・オンラインで公式に認定されていて、公式使用可能リストはデジタルでのカードセットと一致している。すなわち、《チェイナーの布告》、《金切るときの声》、そして《甲虫背の酋長》のすべてが使える。その一方で《High Tide》、《ゴブリンの手投げ弾》、そして《トーラックへの賛歌》は使えない。大きなフォーマットにしては禁止リストは比較的小さい:《フェアリーの大群》、《雲上の座》、《頭蓋囲い》、《巣穴からの総出》、《大慌ての捜索》、《ぶどう弾》、《激励》、《流浪のドレイク》、《時間の亀裂》、そして《宝船の巡航》。以上だ。マジック・オンラインのプログラムをロードしてコモンのフィルターをかけると多数の選択肢がある。これこそがおそらくPauperの一番のセールスポイントである、手軽さだ。
一旦正直になろう:マジックは高価な趣味だ。さまざまな遊び方があるものの、最高のレベルで競い合いたいのなら時間とお金の両方を真剣に投資する必要がある。相当な人がマジックの競技的な部分を楽しんでいるが、常に最も重要なカードをそろえ続けるのには限界がある。ローテーションしないフォーマットでは数ヶ月どころか数年も使える確立したデッキにこだわることができるので、これらのプレイヤーにとって素晴らしいものだ。多くの場合、これらのフォーマットを追い続けるのに必要な金額はスタンダードと比較して安い。Pauperはその中でもさらに安く、一たびこのフォーマットに参入すれば新しいセットにつきほんの数ドルでコレクションを維持することができる。繰り返しになるが、マジックに使える金額は各々の生活環境によって異なっているとは言え、大きな視点でみればPauperに必要な金銭的投資は(オンラインであろうとなかろうと)他の競技フォーマットと比べてはるかに少ない。
この手軽さのおかげでPauperは大きく開けた競技プレイへの素晴らしい足掛かりとなっている。以前話したように(https://goo.gl/UIuVDb)、Pauperには多種多様なデッキと戦略がある。Pauperにはコントロール、アグロ、コンボ、そしてミッドレンジデッキがあり、このメタゲームの乗り切り方を理解することはPauper以外へと応用できるスキルだ。これとフォーマットの手軽な性質とが合わさり、複数のマッチアップを学んでさまざまなデッキ同士がどのように作用し合っているかを深く理解することがかなり簡単になる。さまざまなデッキの回し方を学べるというのはPauperに限ったことではないが、低価格な分ギアの切り替えが簡単になりさまざまな技術の組み合わせを習得しやすくなる。
Pauperはゲームの細かいプレイングに対して見返りのあるフォーマットでもある。ミラディン時代のスタンダード、《電結の荒廃者》はそのあまりの強さでミスを帳消しにしてしまうため Fairy Godmother[訳注:困ったときに助けてくれる妖精]と呼ばれていた。Pauperにもミスを塗りつぶせるカードはあるものの ―《祖先の仮面》、《投げ飛ばし》、《感電破》、《熟考漂い》― それでもこれだけしかない。Pauperはマジックすべての競技フォーマットと同じように、緻密なプレイとプラン立てに対する見返りがある。しかしながら、僕はPauperにおけるプレイングの余地が非常に薄いことと、Fairy Godmotherが上記のようにパワーが低く適切にプレイすることがより重要であるということに気が付いた。
例としてアグロとコントロールのマッチアップを仮定すると、そこには信頼できる全体除去が存在しない。《エヴィンカーの正義》はそれに近いがそれでも条件付きだ。ビートダウン側のプレイヤーがタフネス3のクリーチャーに《吠え群れの飢え》を使ったらどうなる?コントロールのプレイヤーは《破滅の刃》を温存しておいたのか?それともデッキトップから《チェイナーの布告》のプレイするのか?コントロールのプレイヤーのライフが十分低かったらこの選択が問題になるだろうか?
さらに、Pauperではプレインズウォーカーを計算に入れなくてよい。プレインズウォーカーはあらゆる盤面でプレイを一段階複雑にする。そしてマジックの一部始終を学ぶのにライフとパーマネントのどちらを攻めるのが正しいのかを理解する必要がないというのは利点となりえる。一たび特定のアーキタイプのマッチアップで何が重要かを理解できれば、それからプレインズウォーカーを攻撃するのが正しいのかどうかを考え始めることができる。Paueprはより複雑で入り組んだ形のプレイへの入口になってくれる。
もう1つ仮定する:《ニヴィックスのサイクロプス》をコントロールするプレイヤーが今《噴出》を唱えた ―君はどうやってこのゲームに勝つ?
ミスを補える大量のカードがなくても、Pauperは信じられないほどパワフルだ。他のフォーマットで使えないカードもここでは4枚積みが許される。《思案》、《定業》、6種のアーティファクト土地、そして《噴出》でさえもすべて堂々と使うことができる。それだけでなく、これらのカードの大部分はどれもこのフォーマットでは比較的健全だ。《思案》はPauperでは少し強すぎるという議論があるかもしれないが、掘り当てるカードがどれも同じパワーレベルであれば《思案》が何かを壊してしまう可能性は低くなる。強力なカードや戦略をプレイしたい人にとってこれは望ましいことだ。Pauperでは君は《火炎破》で死ぬかもしれないし、《怨恨》でも、そろったウルザトロンによっても同じように死ぬかもしれない。コモンだけであることは何らマジックらしさを損ないはしない。
一たびこれらのスキルがまとめ上げられて、プレイヤーがPauperに熟練すると目に見えた利益がある。オンラインのリーグを連打するのは他の選択肢ほど効率的ではないが、3-2以上ならほどほどの利益を得ることができる。これを十分に行えば他のフォーマットに参入するための資産を築き上げることができる。Pauperはスキルだけでなくコレクションの面においてもマジック・オンラインの最高の足掛かりだ。Pauperは高いレベルでのゲームの仕方を教えてくれるし次のステップへの財政面での準備もしてくれる。
同様にして、デッキ構築をすることにも見返りがある。現在のPauperは、タルキール覇王譚のゲインランド、旧ラヴニカのバウンスランド、《広漠なる変幻地》、《進化する未開地》、そして新しく加わった《灰のやせ地》とその歴史の中でもっともマナ基盤が充実している。適切なマナ基盤の組み方を知ることは重要だし、為すべきことに対して正しいカードを選択することは勝利に大きく貢献する。繰り返しになるが、これはPauperに限ったことではないが、Pauperのマナ基盤における上記の制限を考えると適切な構成を組み上げるのは簡単な作業ではない。
Pauperはコモンだけのマジックだ。それは魅力であるだけでなくフォーマットの基本理念でもある。僕にとってこれがPauperのあるべき姿だし、このフォーマットに何が欠けているかにこだわっているプレイヤーを見るといつも失望させられる。Pauperを素晴らしくするのにより良いマナや全体除去は必要ない。より良い除去やプレインズウォーカーは必要ない。Pauperを素晴らしくするのに必要なのは単純なもの:より多くのプレイヤーだ。Pauperはこのフォーマットを研究してくれるより多くの目と精神を必要としている。Pauperはより高い水準で目立つためにより多くのコンテンツ制作者を必要としている。より多くのものがあれば、Pauperはずっと大きくなることができる。
なぜ君がPauperをプレイすべきなのか?君は自分自身の理由を見つけなければならない。僕は大学生としての予算を破綻させずにスパイクとしての腕を磨きたかったからこのフォーマットに関わった。僕はフォーマットの深さだけでなく未踏の領域の広さにも惹きこまれた。改善のために努力するプレイヤーばかりのコミュニティに出会ったので、僕は魅了された続けた。僕はPauperそれ自体を愛しているだけでなく、僕らの共同体のゲームのより広い世界でPauperができることも愛している。僕にとって一番のフォーマットを君がプレイすべき理由を教えることはできない。しかし、君にPauperに目を向ける理由を与えられたことを願っている。
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-05232017-catharsis-for-dummies/)
Catharsis for Dummies
by Alex Ullman, May 23, 2017
ここ数週間、僕の頭はPauperで《死体発掘》を唱えることでいっぱいだ。こうなったのは早期の《ウラモグの破壊者》の魅力によるもの、と言うより僕が《渦巻く砂嵐》を唱えたかったからだ。数週間前に考察したように現在の攻撃的なメタゲームにおいてこの条件付きの全体除去は良い位置に着けていると考えている。幾つかの問題にぶつかる前に、僕は以下のリストでそこそこの成功を収めた:
この経験を積んだ上で僕はリアニメイトへと立ち戻った。当初はリスクが高すぎるとして《安堵の再会》を却下していたが、この新しい視点から実際の試合で試してみることにした。もっと早く見るべきだったこのカードを僕は切り捨てていた。好きなカード2枚を墓地に捨てて新しく3枚(《臭い草のインプ》がいればもっと多く)のカードを見ることができるのは非常に強力だ。一緒に使いたい発掘持ちのカードが少ないことから当初は懐疑的だったが、これほど多くのカードを見ることができるという利点は採用するのに十分なものだった。
《安堵の再会》への移行は最初の一歩でしかない。Carlos, Jason Sirichoke, Jon Amaro,そしてColor Commotaryの Mike と一緒にこのデッキの調整に取り組んでいる。もっとも重要なステップは《鋭き砂岩》と《魔力変》を取り除いて《水蓮の花びら》にしたことだ。《花びら》はマナを加速させることができる、しかも早ければ1ターン目にそれを行ってコンボ達成を早めてくれる。《水蓮の花びら》への変更は《ラクドスの肉儀場》の弱さを際立たせてもいる。このデッキは素早い《ウラモグの破壊者》の着地を狙うためにアンタップインの土地を必要とする。数回のテストした後の現在の構築はこんな感じだ:
メインに1枚の《大いなるサンドワーム》がいるのは小さいクリーチャーを横に並べるようなデッキに対抗するためだ。《金切るときの声》と《リス・アラナの狩りの達人》は《ウラモグの破壊者》の有用性を抑えるのに非常に適している。《サンドワーム》はこれらの防御をすり抜けるを容易にして勝利へと導いてくれる。《電謀》を入れられるサイドボード後にはこの仕事がもっと楽になる。
サイドボードはここでは多くの重労働をこなす。もともと僕は《チェイナーの布告》と戦う手段として1枚の《成し遂げた自動機械》を使っていた。Jasonが《困窮》を提案した後で僕は《頭の混乱》で対抗した。《頭の混乱》は(正しい色を言い当てられれば)《困窮》と同じようにどんなカードも捨てさせることができる、しかし黒黒に対して1黒というコストがこのデッキでは唱えやすいという利点がある。
このデッキのプレイングはあらゆるコンボデッキと似ている ― 君は初手に非常に限定されたカードが揃うことを期待している。もっとも最初の7枚に入っていてほしいのは《信仰無き物あさり》だ。《物あさり》によってコンボの準備をしながら早い段階で多くのカードに近づくことができる。《信仰無き物あさり》の次に欲しいカードは《安堵の再会》、《傲慢な新生子》、そして《苦しめる声》の順だ。手札にこれらのどれか1枚があれば僕は非常に高い確率でキープする。同様に手札に《死体発掘》と脅威がいればこれもキープする可能性が高い。《臭い草のインプ》が初手にあっても、《死体発掘》があるなら《インプ》を捨てる手段を引ける可能性が高いので気にしない。
一たび《死体発掘》が手に入れば、目的は適切なカードを墓地へと送るためにできる限り多くのカードを引くことへと変わる。時として対戦相手の手札が分からないまま《死体発掘》を唱えなければならないことがあるが、時間とマナがあるならば《強迫》で保護することができる。
《安堵の再会》リアニメイトは攻撃的な戦略に対してとても強い。早期の《ウラモグの破壊者》はほとんどのビートダウンデッキよりも単純に速くいし、ライフとパーマネントに圧力をかけるのは強力な勝ち手段だ。このデッキは《チェイナーの布告》戦略に対して弱い。ここで、このデッキにおけるもう1つの積極的な保護手段として《頭の混乱》が重要になる。そうは言っても依然として難しい戦いだ。
先週末のPauper Challengeに出られたなら僕は《安堵の再会》リアニメイトを使っただろう。強力なドローが可能で驚くほど柔軟性がある。これは現在のメタゲームでのサイドボードとプレイの仕方だ。
ストンピィ
僕の意見ではこれが《安堵の再会》リアニメイトを使う最たる理由の1つだ。このデッキはストンピィに対して相性が良く、早期の《ウラモグの破壊者》は相手を跳ねのけることができる。ストンピィは複数の《若き狼》と《怨恨》によって滅殺を受けることができるが、それは難しい闘いだ。サイドボード後のゲームは《渦巻く砂嵐》次第だ。《強迫》を4枚抜いて2枚の《砂嵐》、3枚目の《グルマグのアンコウ》、そして《野望のカルトーシュ》を入れる。この《カルトーシュ》は《クウィリーオン・レインジャー》を狙い撃つのに便利な一方でライフを安全圏へと逃がしてもくれる。もし《大祖始の遺産》を見かけたら《引き裂かれた記憶》を抜いていい、そして3枚目の《アンコウ》の代わりに2枚の《鋳塊かじり》を入れる。
親和
もう1つの相性のいいマッチアップであり、《強迫》を抜く相手だ。ゲーム1は相手の盤面の進展を抑えながら《破壊者》を展開することに尽きる。《ドラゴンの息》は相手に《感電破》2枚を構えることを強要するので重要だ。サイドインするのは《ファングレンの匪賊》と《鋳塊かじり》。《エイトグ》と《投げ飛ばし》による勝利を防げるので、ゲーム2と3ではほとんどの場合で《ファングレンの匪賊》を《死体発掘》したい。このデッキの一部のバージョンは《金属の叱責》を使い始めているので《強迫》を残し始めるのも正解かもしれない。
イゼット・デルバー
このマッチアップはリアニメイトが若干不利だ。早期の《破壊者》は(ほとんどのマッチアップと同様に)早期にゲームを終わらせることができる。イゼット・デルバーが序盤の数ターンをマナを伸ばすのとカードの操作に費やしてくれるなら、大抵相手がパーマネントを出す前に勝てるだろう。一たび《フェアリーの悪党》と《呪文づまりのスプライト》が機能してしまうと巻き返すのは難しくなる。《稲妻の斧》をサイドアウトして《電謀》と《苦しめる声》にして《引き裂かれた記憶》を《紅蓮破》にする、そしてもしかしたら《野望のカルトーシュ》のために《ドラゴンの息》を抜くかもしれない。ゲーム2と3は《死体発掘》を解決して君の投資を守ることが重要だ。
呪禁
Pauperのボーグルズはどちらが先にコンボを決めるかにかかっている。僕はリアニメイトがわずかに有利だと思うが、呪禁側が速やかに怪物を作り上げてしまったら立て直すのは難しくなる。《稲妻の斧》は役に立たない、《引き裂かれた記憶》と《苦しめる声》も抜いて《電謀》と《渦巻く砂嵐》にする。このマッチアップは純粋なレースで、3ターン目までに《破壊者》を出すことができればまず負けないはずだ。
ディミーア・フリッカー
《チェイナーの布告》とそれを回収する《古術師》を持たれているという点でとても苦手なマッチアップだ。勝利への最良の道は2ターン目か3ターン目に速攻持ちの《破壊者》を出して相手の土地を食べてしまうことだ。相手は《ディミーアの水路》に頼っているのでこれは不可能なことではない。サイドボード後は《サンドワーム》を抜いて3枚目の《アンコウ》にする、そして《稲妻の斧》を抜いて《頭の混乱》にするのが好みだ。この場合もやはり《大祖始の遺産》と闘うために《鋳塊かじり》の枠を見つけたくなるかもしれない、しかし《遺産》が出てしまえばそれはすでに難しい闘いだ。
ディンローヴァ・トロン
ディミーア・フリッカーのより大きなバージョン。このデッキは《輪作》で《ボジューカの沼》にアクセスすることができ、こちらはそれを止めることができない。ディンローヴァ・トロンは準備にいくらか時間がかかり、そういう場合にリアニメイトは《破壊者》を釣り上げて土地を食べ始めることができる。《稲妻の斧》と《大いなるサンドワーム》を抜いて相手の打ち消しやスタック上の《ディンローヴァの恐怖》を止めるために《紅蓮破》を入れる。
カルドーサ・トークン
白赤のマッチアップはどちらが先に必要なカードを引くかにかかっている。もし相手が《未達への旅》を引けば勝つのは難しくなるが、最初の数ターンを《予言のプリズム》のバウンスに費やしてくれるなら、その投資も《破壊者》の滅殺の前では時間の無駄になる。《電謀》が重要で《稲妻の斧》は役立たずなので入れ替える。2枚の《鋳塊かじり》のために《引き裂かれた記憶》と《臭い草のインプ》を抜くことも考えられる。
[訳注:fairly academic の訳が分からん]
他にも人気のデッキがあるが現時点で大きいのはこれらだ。エルフは一度でも全体除去が使えれば簡単で、デルバーは《蒸気の絡みつき》と《断絶》のおかげで悩みの種だ。最初のPauper Challengeがフォーマットをコントロールデッキ寄りにするのであれば、正直言ってリアニメイトを勧めることはできない。みんながゴーカートに乗って互いを抜き去ろうとしている限りは僕はモンスター・トラックで乗り込むと言えるだろう。
Catharsis for Dummies
by Alex Ullman, May 23, 2017
ここ数週間、僕の頭はPauperで《死体発掘》を唱えることでいっぱいだ。こうなったのは早期の《ウラモグの破壊者》の魅力によるもの、と言うより僕が《渦巻く砂嵐》を唱えたかったからだ。数週間前に考察したように現在の攻撃的なメタゲームにおいてこの条件付きの全体除去は良い位置に着けていると考えている。幾つかの問題にぶつかる前に、僕は以下のリストでそこそこの成功を収めた:
ラクドス・リアニメイトAlex Ullmanこのデッキは強力ではあったが、僕が好きになるほど安定してはいなかった。このデッキはゲームの最初の数ターンで安定して勝利を組み立てることができたものの、依然として何かが足りなかった。繰り返しの手段を考えながら、僕は配信でプレイしたことのある赤緑トロンのリストを思い出した。このデッキは Gathering Magic の仲間である Carlos Gutierrez が発案したものだ。ウルザトロンの土地パッケージに着目すると、Carlos の赤緑トロンはこのフォーマットの他のトロンデッキとはいくつか有意義な形で異なっていた、しかしおそらく最も重要なのは相手のプレイを無意味にするために適切な土地3つを揃えることを何よりも重要視していることだった。対面の脅威を処理するために、Carlos はソフトなコントロール要素に頼るのではなく単純により速くより大きくを目指す。僕は自分のデッキトップのカードよりも手札のカードでMagicをすることに慣れていたので、これには悪戦苦闘させられた。一たびパラダイムの変化を理解すれば僕はより勝てるようになった。
クリーチャー(14)
1 《無政府主義者/Anarchist》
2 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
3 《臭い草のインプ/Stinkweed Imp》
4 《傲慢な新生子/Insolent Neonate》
4 《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher》
インスタント(8)
2 《稲妻の斧/Lightning Axe》
2 《引き裂かれた記憶/Shred Memory》
4 《魔力変/Manamorphose》
ソーサリー(14)
3 《強迫/Duress》
3 《信仰無き物あさり/Faithless Looting》
4 《死体発掘/Exhume》
4 《苦しめる声/Tormenting Voice》
エンチャント(3)
3 《ドラゴンの息/Dragon Breath》
土地(21)
3 《沼/Swamp》
5 《山/Mountain》
2 《ラクドスの肉儀場/Rakdos Carnarium》
3 《進化する未開地/Evolving Wilds》
4 《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves》
4 《鋭き砂岩/Sandstone Needle》
サイドボード(15)
1 《野望のカルトーシュ/Cartouche of Ambition》
1 《大いなるサンドワーム/Greater Sandwurm》
2 《電謀/Electrickery》
2 《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder》
2 《鋳塊かじり/Ingot Chewer》
3 《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》
4 《紅蓮破/Pyroblast》
赤緑トロンCarlos Gutierrez, 5-0 Pauper Leagueこの赤緑トロンデッキはトップ勝負においては優れている。これは僕が普段好んで使っているミッドレンジデッキよりも先を見据えたプレイを必要とする。これらのデッキのプレイングについて僕にはまだ至らない部分があるが、盤面を一掃するのに十分なマナがあったとしても《とどろく雷鳴》が見つかることを願って《彩色の星》を切るという危ない賭けに出たことはない。トロンを使っている間は僕の一部のニューロンがほぐされると言っても過言ではない。このデッキは確かに強力だが、デッキを強くしているのと同じ部分が僕にとってはデッキをある種つまらないものにしてもいる。けれどこのリストを使ったことで(構築とまではいかないが)、もっとコンボに特化したデッキのプレイの仕方を知ることができた。
クリーチャー(13)
1 《不憫なグリフ/Wretched Gryff》
2 《大槌の接合者/Maul Splicer》
3 《激情の共感者/Fierce Empath》
3 《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher》
4 《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder》
インスタント(6)
2 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
4 《輪作/Crop Rotation》
ソーサリー(6)
1 《思案/Ponder》
1 《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》
4 《古きものの活性/Ancient Stirrings》
アーティファクト(16)
4 《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
4 《彩色の星/Chromatic Star》
4 《探検の地図/Expedition Map》
4 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
土地(19)
1 《カルニの庭/Khalni Garden》
2 《憑依された沼墓/Haunted Fengraf》
2 《ゆらめく岩屋/Shimmering Grotto》
4 《ウルザの鉱山/Urza’s Mine》
4 《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant》
4 《ウルザの塔/Urza’s Tower》
2 《伝承の樹/Tree of Tales》
サイドボード(15)
1 《不憫なグリフ/Wretched Gryff》
1 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
1 《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》
1 《心なごむ詩句/Calming Verse》
1 《綿密な分析/Deep Analysis》
1 《痕跡消し/Leave No Trace》
1 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
1 《天啓の光/Ray of Revelation》
1 《刈り取りと種まき/Reap and Sow》
2 《緑の防御円/Circle of Protection: Green》
2 《赤の防御円/Circle of Protection: Red》
2 《水流破/Hydroblast》
この経験を積んだ上で僕はリアニメイトへと立ち戻った。当初はリスクが高すぎるとして《安堵の再会》を却下していたが、この新しい視点から実際の試合で試してみることにした。もっと早く見るべきだったこのカードを僕は切り捨てていた。好きなカード2枚を墓地に捨てて新しく3枚(《臭い草のインプ》がいればもっと多く)のカードを見ることができるのは非常に強力だ。一緒に使いたい発掘持ちのカードが少ないことから当初は懐疑的だったが、これほど多くのカードを見ることができるという利点は採用するのに十分なものだった。
《安堵の再会》への移行は最初の一歩でしかない。Carlos, Jason Sirichoke, Jon Amaro,そしてColor Commotaryの Mike と一緒にこのデッキの調整に取り組んでいる。もっとも重要なステップは《鋭き砂岩》と《魔力変》を取り除いて《水蓮の花びら》にしたことだ。《花びら》はマナを加速させることができる、しかも早ければ1ターン目にそれを行ってコンボ達成を早めてくれる。《水蓮の花びら》への変更は《ラクドスの肉儀場》の弱さを際立たせてもいる。このデッキは素早い《ウラモグの破壊者》の着地を狙うためにアンタップインの土地を必要とする。数回のテストした後の現在の構築はこんな感じだ:
《安堵の再会》リアニメイトAlex Ullman特定の選択についてのいくつかの注意。
クリーチャー(15)
1 《大いなるサンドワーム/Greater Sandwurm》
2 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
4 《傲慢な新生子/Insolent Neonate》
4 《臭い草のインプ/Stinkweed Imp》
4 《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher》
インスタント(3)
1 《引き裂かれた記憶/Shred Memory》
2 《稲妻の斧/Lightning Axe》
ソーサリー(16)
2 《安堵の再会/Cathartic Reunion》
2 《苦しめる声/Tormenting Voice》
4 《強迫/Duress》
4 《死体発掘/Exhume》
4 《信仰無き物あさり/Faithless Looting》
エンチャント(7)
3 《ドラゴンの息/Dragon Breath》
4 《水蓮の花びら/Lotus Petal》
土地(19)
5 《沼/Swamp》
7 《山/Mountain》
3 《進化する未開地/Evolving Wilds》
4 《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves》
サイドボード(15)
1 《野望のカルトーシュ/Cartouche of Ambition》
1 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
2 《頭の混乱/Addle》
2 《電謀/Electrickery》
2 《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder》
2 《鋳塊かじり/Ingot Chewer》
2 《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
メインに1枚の《大いなるサンドワーム》がいるのは小さいクリーチャーを横に並べるようなデッキに対抗するためだ。《金切るときの声》と《リス・アラナの狩りの達人》は《ウラモグの破壊者》の有用性を抑えるのに非常に適している。《サンドワーム》はこれらの防御をすり抜けるを容易にして勝利へと導いてくれる。《電謀》を入れられるサイドボード後にはこの仕事がもっと楽になる。
サイドボードはここでは多くの重労働をこなす。もともと僕は《チェイナーの布告》と戦う手段として1枚の《成し遂げた自動機械》を使っていた。Jasonが《困窮》を提案した後で僕は《頭の混乱》で対抗した。《頭の混乱》は(正しい色を言い当てられれば)《困窮》と同じようにどんなカードも捨てさせることができる、しかし黒黒に対して1黒というコストがこのデッキでは唱えやすいという利点がある。
このデッキのプレイングはあらゆるコンボデッキと似ている ― 君は初手に非常に限定されたカードが揃うことを期待している。もっとも最初の7枚に入っていてほしいのは《信仰無き物あさり》だ。《物あさり》によってコンボの準備をしながら早い段階で多くのカードに近づくことができる。《信仰無き物あさり》の次に欲しいカードは《安堵の再会》、《傲慢な新生子》、そして《苦しめる声》の順だ。手札にこれらのどれか1枚があれば僕は非常に高い確率でキープする。同様に手札に《死体発掘》と脅威がいればこれもキープする可能性が高い。《臭い草のインプ》が初手にあっても、《死体発掘》があるなら《インプ》を捨てる手段を引ける可能性が高いので気にしない。
一たび《死体発掘》が手に入れば、目的は適切なカードを墓地へと送るためにできる限り多くのカードを引くことへと変わる。時として対戦相手の手札が分からないまま《死体発掘》を唱えなければならないことがあるが、時間とマナがあるならば《強迫》で保護することができる。
《安堵の再会》リアニメイトは攻撃的な戦略に対してとても強い。早期の《ウラモグの破壊者》はほとんどのビートダウンデッキよりも単純に速くいし、ライフとパーマネントに圧力をかけるのは強力な勝ち手段だ。このデッキは《チェイナーの布告》戦略に対して弱い。ここで、このデッキにおけるもう1つの積極的な保護手段として《頭の混乱》が重要になる。そうは言っても依然として難しい戦いだ。
先週末のPauper Challengeに出られたなら僕は《安堵の再会》リアニメイトを使っただろう。強力なドローが可能で驚くほど柔軟性がある。これは現在のメタゲームでのサイドボードとプレイの仕方だ。
ストンピィ
僕の意見ではこれが《安堵の再会》リアニメイトを使う最たる理由の1つだ。このデッキはストンピィに対して相性が良く、早期の《ウラモグの破壊者》は相手を跳ねのけることができる。ストンピィは複数の《若き狼》と《怨恨》によって滅殺を受けることができるが、それは難しい闘いだ。サイドボード後のゲームは《渦巻く砂嵐》次第だ。《強迫》を4枚抜いて2枚の《砂嵐》、3枚目の《グルマグのアンコウ》、そして《野望のカルトーシュ》を入れる。この《カルトーシュ》は《クウィリーオン・レインジャー》を狙い撃つのに便利な一方でライフを安全圏へと逃がしてもくれる。もし《大祖始の遺産》を見かけたら《引き裂かれた記憶》を抜いていい、そして3枚目の《アンコウ》の代わりに2枚の《鋳塊かじり》を入れる。
親和
もう1つの相性のいいマッチアップであり、《強迫》を抜く相手だ。ゲーム1は相手の盤面の進展を抑えながら《破壊者》を展開することに尽きる。《ドラゴンの息》は相手に《感電破》2枚を構えることを強要するので重要だ。サイドインするのは《ファングレンの匪賊》と《鋳塊かじり》。《エイトグ》と《投げ飛ばし》による勝利を防げるので、ゲーム2と3ではほとんどの場合で《ファングレンの匪賊》を《死体発掘》したい。このデッキの一部のバージョンは《金属の叱責》を使い始めているので《強迫》を残し始めるのも正解かもしれない。
イゼット・デルバー
このマッチアップはリアニメイトが若干不利だ。早期の《破壊者》は(ほとんどのマッチアップと同様に)早期にゲームを終わらせることができる。イゼット・デルバーが序盤の数ターンをマナを伸ばすのとカードの操作に費やしてくれるなら、大抵相手がパーマネントを出す前に勝てるだろう。一たび《フェアリーの悪党》と《呪文づまりのスプライト》が機能してしまうと巻き返すのは難しくなる。《稲妻の斧》をサイドアウトして《電謀》と《苦しめる声》にして《引き裂かれた記憶》を《紅蓮破》にする、そしてもしかしたら《野望のカルトーシュ》のために《ドラゴンの息》を抜くかもしれない。ゲーム2と3は《死体発掘》を解決して君の投資を守ることが重要だ。
呪禁
Pauperのボーグルズはどちらが先にコンボを決めるかにかかっている。僕はリアニメイトがわずかに有利だと思うが、呪禁側が速やかに怪物を作り上げてしまったら立て直すのは難しくなる。《稲妻の斧》は役に立たない、《引き裂かれた記憶》と《苦しめる声》も抜いて《電謀》と《渦巻く砂嵐》にする。このマッチアップは純粋なレースで、3ターン目までに《破壊者》を出すことができればまず負けないはずだ。
ディミーア・フリッカー
《チェイナーの布告》とそれを回収する《古術師》を持たれているという点でとても苦手なマッチアップだ。勝利への最良の道は2ターン目か3ターン目に速攻持ちの《破壊者》を出して相手の土地を食べてしまうことだ。相手は《ディミーアの水路》に頼っているのでこれは不可能なことではない。サイドボード後は《サンドワーム》を抜いて3枚目の《アンコウ》にする、そして《稲妻の斧》を抜いて《頭の混乱》にするのが好みだ。この場合もやはり《大祖始の遺産》と闘うために《鋳塊かじり》の枠を見つけたくなるかもしれない、しかし《遺産》が出てしまえばそれはすでに難しい闘いだ。
ディンローヴァ・トロン
ディミーア・フリッカーのより大きなバージョン。このデッキは《輪作》で《ボジューカの沼》にアクセスすることができ、こちらはそれを止めることができない。ディンローヴァ・トロンは準備にいくらか時間がかかり、そういう場合にリアニメイトは《破壊者》を釣り上げて土地を食べ始めることができる。《稲妻の斧》と《大いなるサンドワーム》を抜いて相手の打ち消しやスタック上の《ディンローヴァの恐怖》を止めるために《紅蓮破》を入れる。
カルドーサ・トークン
白赤のマッチアップはどちらが先に必要なカードを引くかにかかっている。もし相手が《未達への旅》を引けば勝つのは難しくなるが、最初の数ターンを《予言のプリズム》のバウンスに費やしてくれるなら、その投資も《破壊者》の滅殺の前では時間の無駄になる。《電謀》が重要で《稲妻の斧》は役立たずなので入れ替える。2枚の《鋳塊かじり》のために《引き裂かれた記憶》と《臭い草のインプ》を抜くことも考えられる。
他にも人気のデッキがあるが現時点で大きいのはこれらだ。エルフは一度でも全体除去が使えれば簡単で、デルバーは《蒸気の絡みつき》と《断絶》のおかげで悩みの種だ。最初のPauper Challengeがフォーマットをコントロールデッキ寄りにするのであれば、正直言ってリアニメイトを勧めることはできない。みんながゴーカートに乗って互いを抜き去ろうとしている限りは僕はモンスター・トラックで乗り込むと言えるだろう。
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-05092017-crushing-hopes/)
Crushing Hopes
by Alex Ullman, May 9, 2017
Pauperを特徴づけているものの1つに真の全体除去の欠如がある。《神の怒り》効果の不在はフォーマットのあらゆる面に明確に影響を与えている。盤面に展開をしすぎることのコストは最小限であり、コントロールデッキは早期に優位に立とうとしなければならず、カードも維持しなければならない。《墓所のネズミ》や《エヴィンカーの正義》といった条件付きの全体除去がいくつかあり、黒いデッキはこの組を上手く活用している。《電謀》はトークンやタフネスの低いクリーチャーを処理する手段としてよく使われている。しかしこれらは大きいクリーチャーに対しては何もしない。
数年間、Pauperはこれらのカードだけで問題なくやってきた。バランスはとれていたが、明らかに不安定なものだった。しかしながら、最近のPauperでは多数のクリーチャーを除去するために条件の異なった方法に頼る必要がある。賢明な読者は上記のリストに重要な全体除去が1枚欠けているのに気付いたかもしれない、そしてそのカードこそこれから僕らが注目するものだ。
《渦巻く砂嵐》はスレッショルドを達成していないと何もしないカードだ。君の墓地に7枚以上のカードがあればこれはクリーチャーだけに効く《地震》になる。これにはたくさんの準備が必要だし墓地対策にも弱い。それはすべて間違いないことだが、それでもこのカードはPauperで使われる脅威の大部分を除去することができる。ではなぜ《エヴィンカーの正義》のような安定したカードよりこのカードを使うべきなのだろうか?
アモンケットは呪禁に《結束のカルトーシュ》を与え、デッキをさらなるレベルへと押し上げた。呪禁はすでに《エヴィンカーの正義》を生き残れる大きさの怪物を作り上げること長けていたが、その同じ怪物は《チェイナーの布告》に簡単に屈してしまってた。《カルトーシュ》が生成する戦士トークンによって呪禁が呼び出せるクリーチャーの除去難易度が高くなる。ストンピィは何も新しいカードを得ていないが《吠え群れの飢え》でもまた《正義》を回避することができる。どちらのデッキも《渦巻く砂嵐》に耐性を持つことができるが、この赤いソーサリーは《祖先の仮面》や《天上の鎧》を複数付けているクリーチャー以外対しては相当な働きをすることができる。複数の《グルマグのアンコウ》を除去することができるという利点はいずれにしろ悪いものではない。
1週間の大半をマルドゥを回すこと費やした後で僕はこのメタゲームが変化し始めていることに気づいた。《結束のカルトーシュ》によって僕の除去
はもはや呪禁に対して上手く機能しなかったし、またストンピィは《吠え群れの飢え》の枚数を増やしているように見えた。僕は《渦巻く砂嵐》が合理的なカードであるという仮説をテストしてみようと考えた。そのために僕はここ数ヶ月取り上げてこなかったデッキへと向かった。
《渦巻く砂嵐》が単体でどう働くかが見たかったのでこのカードをマルドゥに投入することには反対した。周囲を取り囲む除去のおかげでそれはマルドゥで機能したかもしれない。その代わり、僕は安定して早期にスレッショルドを達成できる居場所とともに、このカードがプランの中心となるチャンスを与えたかったんだ。
コンボ同士を互いに結び付けるためにこのデッキは《傲慢な新生子》、《信仰無き物あさり》そして《苦しめる声》を使っている。これらのカードはどれも《死体発掘》を探しながら適切なカードを墓地へと送ることができる。《臭い草のインプ》が墓地にいて《死体発掘》が手札にあれば、正しい2枚を探しにカードを一気に墓地に送り始めることができるので理想的だ。《引き裂かれた記憶》は《死体発掘》を探しながらその対称性を破壊するという2つの役割を果たす。
ラクドス・リアニメイトが取り組むべき正しいプレイは、《ウラモグの破壊者》のための《死体発掘》を解決する最良のチャンスを作り出すことだ。この目的のためにゲームの序盤は《苦しめる声》と《信仰無き物あさり》でデッキを掘り進めて正しいカードを探し出すことに費やされる。《鋭き砂岩》は一気にマナを生み出して2ターン目の《物あさり》からの《死体発掘》をお膳立てすることができるので重要な意味がある。《鋭き砂岩》は《魔力変》とも相性が良く、見た目では赤い土地で《死体発掘》が唱えられるようになる(そしてピンチの時にはサイドボード後の緑のカードを唱えられる)。《砂岩》は後半において大きな脅威を唱えるのを可能にしてもくれるし、《ウラモグの破壊者》を素のコストで唱える可能性はないわけでない。理想的にはその時点でゲームに勝ちたいだろうが、時として思うように物事を壊せないこともある。
リアニメイトを機能させるためには《臭い草のインプ》の取り扱いが重要だ。まだ《死体発掘》を手に入れていない場合は発掘するのは回避したい。一たびそれを手に入れたなら、欲しいカードの組み合わせを墓地に集めるためにすべての機会で絶対に発掘をしたい。モダンのファンはすでにこれらのデッキにおける《傲慢な新生子》の強さを知っている。この吸血鬼は驚くべき仕事をする、手札の《臭い草のインプ》を捨ててそれを直ちに発掘して墓地を満タンにすることができるんだ。最近のモダンにおける《安堵の再会》の活躍にもかかわらず、リアニメイトでは2枚のカードを捨てる余裕がないので《苦しめる声》の方が好ましい。発掘デッキとは違い、このデッキの墓地シナジーを持つカードの密度は追加コストを追加のドローに匹敵させるほどのものではない。
《渦巻く砂嵐》が見つけた居場所はサイドボードだ。このデッキはいつでもこの手の効果が必要なわけではない ―このカードが何もしないマッチアップが多く存在する― そしてストンピィと呪禁に対してはこのカードを入れられることが重要になると思う。親和の増加をかんがみると《ファングレンの匪賊》を入れておきたかった。《匪賊》は堅実なサイズと《エイトグ》と《投げ飛ばし》による勝利を困難にさせるライフ回復効果を持っている。もともとは3枚積んでいたが1枚をカットして2枚の《鋳塊かじり》を加えた、これはアーティファクト、とりわけ《大祖始の遺産》と戦うためだ。《紅蓮破》は《死体発掘》をめぐる戦いに勝利するためのもので、《電謀》は主に呪禁と《金切るときの声》で横に広げてくるデッキに対する追加の防衛手段だ。サイドボードの最後の2枚は説明が必要だね。
Pauperリーグの常連の Kungfutrees は前シーズンに彼が流行らせたイゼット・デルバーで大きな仕事をした。ここ数週間、彼は《大いなるサンドワーム》を特色とした青黒《死体発掘》デッキを回していた。このアモンケットのコモンは自分自身で墓地へ行けるという利点があり、《大祖始の遺産》や《虚無の呪文爆弾》と戦う時には重要になる。《死体発掘》がまだスタック上にあり、追放効果が解決された後にサイクリングをすることで確実にかなりの大さの怪物を場に出すことができる。《サンドワーム》はパーマネントを食べることはしないが簡単にチャンプブロックされることはない。エルフのようなデッキ相手には決定打になりえる。
2枚目のカードは《野望のカルトーシュ》だ。Kungfutrees はバーンやその他の積極的にライフを攻めてくるデッキから圏外へと逃げる手段として《吸血の絆》を使っていた。僕が《野望のカルトーシュ》を選択したのは小さいクリーチャーを処理できるからだけではなく、それが絆魂を与えてくれるからだ。《吸血の絆》のライフ回復は誘発系能力でありスタックを用いるのでこれは重要だ。これにより、バーンの使い手はダメージに対応して呪文を畳みかけることでゲームを終わらせることができる。
ではラクドスに戻ろう。このデッキは週の初めに立派にパフォーマンスを発揮した。ストンピィと呪禁だけでなく、親和とバーンに対しての強さに僕は感心した。緑との対戦では多くの場合、早期に巨大な脅威を展開する能力は手に負えないものだとわかった。サイド後はあらゆる突撃を鈍らせることのできる《渦巻く砂嵐》でゲームが決まることが多かった。バーンは信じられないくらい安定しているにもかかわらず、《ウラモグの破壊者》を効果的に防御できるだけのパーマネントを盤面に維持することができない。親和が素早く勝利することはあるが《ファングレンの匪賊》のための《死体発掘》が解決されれば早期に決着をつけることができる。
しかしながら、週が進むにつれてリアニメイトに対して強いデッキをより見かけるようになった。レッドデックウィンズは速攻持ちのクリーチャーがデッキに多いために非常に厄介であることがわかった。《チェイナーの布告》と《破滅の刃》が《破壊者》に対してとても良く効くのであらゆる黒主体のデッキは悪夢であり、それらのデッキは復活してきたようだ(《ボジューカの沼》は言うまでもない)。様々な《胆液の水源》―《コーの空漁師》デッキも、《破壊者》の最初の攻撃が4ターン目以降では間に合わないくらい十分なカードを獲得できるので辛いマッチアップだ。より遅いデッキ相手では早期の《大祖始の遺産》が致命的だ。これらの要素から、ラクドス・リアニメイトは主にメタゲームデッキに留まっている。
前進すると、僕は間違いなく《渦巻く砂嵐》の居場所をもっとたくさん探すだろう。このカードはその価値を示したし、ゲームの様相を完全に変えてしまうだけの素質がある。もしかしたらこのデッキは《安堵の再会》と一緒に白い不朽クリーチャーと《金切るときの声》で墓地から脅威を生み出すことを特色にするかもしれない。ラクドス・リアニメイトを進めると、僕は逆転勝利のために75枚のうちのどこからに《ティムールの激闘》を入れてみたい。《大祖始の遺産》をすり抜ける方法として《遺棄地の恐怖》にも興味をそそられる。墓地追放効果を回避して攻撃することが可能になるので、《恐怖》によって《信仰無き物あさり》と《苦しめる声》は強化される。さらにこれはサイクリングを持っているのでリアニメイトが2ターン目に脅威を展開するさらなる手段になる。
時として、新しいカードをテストする最良の方法は君が良く知ったデッキでそれがどう動くのかを見ることだ。ラクドス・リアニメイトは先頭を走るデッキではないが、僕はそれの回し方とメタゲーム上での位置についてのおおよその理解を持っていた。このデッキが崩れたとしても《渦巻く砂嵐》が美しく機能することが分かった。もしかしたら破滅の刻が墓地から巨人を召喚する別の方法を与えてくれるかもしれない。でも僕は驚きはしないだろう。
Crushing Hopes
by Alex Ullman, May 9, 2017
Pauperを特徴づけているものの1つに真の全体除去の欠如がある。《神の怒り》効果の不在はフォーマットのあらゆる面に明確に影響を与えている。盤面に展開をしすぎることのコストは最小限であり、コントロールデッキは早期に優位に立とうとしなければならず、カードも維持しなければならない。《墓所のネズミ》や《エヴィンカーの正義》といった条件付きの全体除去がいくつかあり、黒いデッキはこの組を上手く活用している。《電謀》はトークンやタフネスの低いクリーチャーを処理する手段としてよく使われている。しかしこれらは大きいクリーチャーに対しては何もしない。
数年間、Pauperはこれらのカードだけで問題なくやってきた。バランスはとれていたが、明らかに不安定なものだった。しかしながら、最近のPauperでは多数のクリーチャーを除去するために条件の異なった方法に頼る必要がある。賢明な読者は上記のリストに重要な全体除去が1枚欠けているのに気付いたかもしれない、そしてそのカードこそこれから僕らが注目するものだ。
《渦巻く砂嵐》はスレッショルドを達成していないと何もしないカードだ。君の墓地に7枚以上のカードがあればこれはクリーチャーだけに効く《地震》になる。これにはたくさんの準備が必要だし墓地対策にも弱い。それはすべて間違いないことだが、それでもこのカードはPauperで使われる脅威の大部分を除去することができる。ではなぜ《エヴィンカーの正義》のような安定したカードよりこのカードを使うべきなのだろうか?
アモンケットは呪禁に《結束のカルトーシュ》を与え、デッキをさらなるレベルへと押し上げた。呪禁はすでに《エヴィンカーの正義》を生き残れる大きさの怪物を作り上げること長けていたが、その同じ怪物は《チェイナーの布告》に簡単に屈してしまってた。《カルトーシュ》が生成する戦士トークンによって呪禁が呼び出せるクリーチャーの除去難易度が高くなる。ストンピィは何も新しいカードを得ていないが《吠え群れの飢え》でもまた《正義》を回避することができる。どちらのデッキも《渦巻く砂嵐》に耐性を持つことができるが、この赤いソーサリーは《祖先の仮面》や《天上の鎧》を複数付けているクリーチャー以外対しては相当な働きをすることができる。複数の《グルマグのアンコウ》を除去することができるという利点はいずれにしろ悪いものではない。
1週間の大半をマルドゥを回すこと費やした後で僕はこのメタゲームが変化し始めていることに気づいた。《結束のカルトーシュ》によって僕の除去
はもはや呪禁に対して上手く機能しなかったし、またストンピィは《吠え群れの飢え》の枚数を増やしているように見えた。僕は《渦巻く砂嵐》が合理的なカードであるという仮説をテストしてみようと考えた。そのために僕はここ数ヶ月取り上げてこなかったデッキへと向かった。
《渦巻く砂嵐》が単体でどう働くかが見たかったのでこのカードをマルドゥに投入することには反対した。周囲を取り囲む除去のおかげでそれはマルドゥで機能したかもしれない。その代わり、僕は安定して早期にスレッショルドを達成できる居場所とともに、このカードがプランの中心となるチャンスを与えたかったんだ。
ラクドス・リアニメイトAlex Ullmanそういうわけで僕はラクドス・リアニメイトの構築に至った。僕は2,3ターン目に《ウラモグの破壊者》を出して複数のパーマネントを貪り始めることができるという理由で、《流浪のドレイク》が全盛期のころに同様のデッキを支持したことがある。このデッキはディスカードと《臭い草のインプ》のエンジンで動いている。墓地に1枚の《ウラモグの破壊者》と《ドラゴンの息》が一緒に必要で、両者を《死体発掘》で復活させる。リアニメイトは中盤を戦う力のあるコンボデッキだが、一たび両方のプレイヤーがマナの豊富な状態になると自分を見失うことがある。
クリーチャー(14)
1 《無政府主義者/Anarchist》
2 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
3 《臭い草のインプ/Stinkweed Imp》
4 《傲慢な新生子/Insolent Neonate》
4 《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher》
インスタント(8)
2 《稲妻の斧/Lightning Axe》
2 《引き裂かれた記憶/Shred Memory》
4 《魔力変/Manamorphose》
ソーサリー(14)
3 《強迫/Duress》
3 《信仰無き物あさり/Faithless Looting》
4 《死体発掘/Exhume》
4 《苦しめる声/Tormenting Voice》
エンチャント(3)
3 《ドラゴンの息/Dragon Breath》
土地(21)
3 《沼/Swamp》
5 《山/Mountain》
2 《ラクドスの肉儀場/Rakdos Carnarium》
3 《進化する未開地/Evolving Wilds》
4 《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves》
4 《鋭き砂岩/Sandstone Needle》
サイドボード(15)
1 《野望のカルトーシュ/Cartouche of Ambition》
1 《大いなるサンドワーム/Greater Sandwurm》
2 《電謀/Electrickery》
2 《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder》
2 《鋳塊かじり/Ingot Chewer》
3 《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》
4 《紅蓮破/Pyroblast》
コンボ同士を互いに結び付けるためにこのデッキは《傲慢な新生子》、《信仰無き物あさり》そして《苦しめる声》を使っている。これらのカードはどれも《死体発掘》を探しながら適切なカードを墓地へと送ることができる。《臭い草のインプ》が墓地にいて《死体発掘》が手札にあれば、正しい2枚を探しにカードを一気に墓地に送り始めることができるので理想的だ。《引き裂かれた記憶》は《死体発掘》を探しながらその対称性を破壊するという2つの役割を果たす。
ラクドス・リアニメイトが取り組むべき正しいプレイは、《ウラモグの破壊者》のための《死体発掘》を解決する最良のチャンスを作り出すことだ。この目的のためにゲームの序盤は《苦しめる声》と《信仰無き物あさり》でデッキを掘り進めて正しいカードを探し出すことに費やされる。《鋭き砂岩》は一気にマナを生み出して2ターン目の《物あさり》からの《死体発掘》をお膳立てすることができるので重要な意味がある。《鋭き砂岩》は《魔力変》とも相性が良く、見た目では赤い土地で《死体発掘》が唱えられるようになる(そしてピンチの時にはサイドボード後の緑のカードを唱えられる)。《砂岩》は後半において大きな脅威を唱えるのを可能にしてもくれるし、《ウラモグの破壊者》を素のコストで唱える可能性はないわけでない。理想的にはその時点でゲームに勝ちたいだろうが、時として思うように物事を壊せないこともある。
リアニメイトを機能させるためには《臭い草のインプ》の取り扱いが重要だ。まだ《死体発掘》を手に入れていない場合は発掘するのは回避したい。一たびそれを手に入れたなら、欲しいカードの組み合わせを墓地に集めるためにすべての機会で絶対に発掘をしたい。モダンのファンはすでにこれらのデッキにおける《傲慢な新生子》の強さを知っている。この吸血鬼は驚くべき仕事をする、手札の《臭い草のインプ》を捨ててそれを直ちに発掘して墓地を満タンにすることができるんだ。最近のモダンにおける《安堵の再会》の活躍にもかかわらず、リアニメイトでは2枚のカードを捨てる余裕がないので《苦しめる声》の方が好ましい。発掘デッキとは違い、このデッキの墓地シナジーを持つカードの密度は追加コストを追加のドローに匹敵させるほどのものではない。
《渦巻く砂嵐》が見つけた居場所はサイドボードだ。このデッキはいつでもこの手の効果が必要なわけではない ―このカードが何もしないマッチアップが多く存在する― そしてストンピィと呪禁に対してはこのカードを入れられることが重要になると思う。親和の増加をかんがみると《ファングレンの匪賊》を入れておきたかった。《匪賊》は堅実なサイズと《エイトグ》と《投げ飛ばし》による勝利を困難にさせるライフ回復効果を持っている。もともとは3枚積んでいたが1枚をカットして2枚の《鋳塊かじり》を加えた、これはアーティファクト、とりわけ《大祖始の遺産》と戦うためだ。《紅蓮破》は《死体発掘》をめぐる戦いに勝利するためのもので、《電謀》は主に呪禁と《金切るときの声》で横に広げてくるデッキに対する追加の防衛手段だ。サイドボードの最後の2枚は説明が必要だね。
Pauperリーグの常連の Kungfutrees は前シーズンに彼が流行らせたイゼット・デルバーで大きな仕事をした。ここ数週間、彼は《大いなるサンドワーム》を特色とした青黒《死体発掘》デッキを回していた。このアモンケットのコモンは自分自身で墓地へ行けるという利点があり、《大祖始の遺産》や《虚無の呪文爆弾》と戦う時には重要になる。《死体発掘》がまだスタック上にあり、追放効果が解決された後にサイクリングをすることで確実にかなりの大さの怪物を場に出すことができる。《サンドワーム》はパーマネントを食べることはしないが簡単にチャンプブロックされることはない。エルフのようなデッキ相手には決定打になりえる。
2枚目のカードは《野望のカルトーシュ》だ。Kungfutrees はバーンやその他の積極的にライフを攻めてくるデッキから圏外へと逃げる手段として《吸血の絆》を使っていた。僕が《野望のカルトーシュ》を選択したのは小さいクリーチャーを処理できるからだけではなく、それが絆魂を与えてくれるからだ。《吸血の絆》のライフ回復は誘発系能力でありスタックを用いるのでこれは重要だ。これにより、バーンの使い手はダメージに対応して呪文を畳みかけることでゲームを終わらせることができる。
ディミーア・リアニメイトkungfutrees, 5-0 Pauper League MTGO
クリーチャー(14)
1 《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger》
1 《よじれた嫌悪者/Twisted Abomination》
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
4 《大いなるサンドワーム/Greater Sandwurm》
4 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
インスタント(23)
1 《目くらまし/Daze》
1 《払拭/Dispel》
1 《残響する衰微/Echoing Decay》
1 《恐ろしい死/Ghastly Demise》
1 《噴出/Gush》
1 《活力の奔出/Rush of Vitality》
1 《呪文貫き/Spell Pierce》
1 《熟慮/Think Twice》
3 《留意/Mental Note》
4 《渦まく知識/Brainstorm》
4 《対抗呪文/Counterspell》
4 《思考掃き/Thought Scour》
ソーサリー(6)
2 《思案/Ponder》
4 《死体発掘/Exhume》
土地(17)
2 《沼/Swamp》
8 《島/Island》
1 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》
2 《灰のやせ地/Ash Barrens》
2 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
2 《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
サイドボード(15)
1 《払拭/Dispel》
1 《綿密な分析/Deep Analysis》
1 《エヴィンカーの正義/Evincar’s Justice》
1 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
1 《吸血の絆/Vampiric Link》
2 《オーラの変転/Aura Flux》
2 《破滅の刃/Doom Blade》
2 《水流破/Hydroblast》
2 《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
2 《減縮/Shrivel》
ではラクドスに戻ろう。このデッキは週の初めに立派にパフォーマンスを発揮した。ストンピィと呪禁だけでなく、親和とバーンに対しての強さに僕は感心した。緑との対戦では多くの場合、早期に巨大な脅威を展開する能力は手に負えないものだとわかった。サイド後はあらゆる突撃を鈍らせることのできる《渦巻く砂嵐》でゲームが決まることが多かった。バーンは信じられないくらい安定しているにもかかわらず、《ウラモグの破壊者》を効果的に防御できるだけのパーマネントを盤面に維持することができない。親和が素早く勝利することはあるが《ファングレンの匪賊》のための《死体発掘》が解決されれば早期に決着をつけることができる。
しかしながら、週が進むにつれてリアニメイトに対して強いデッキをより見かけるようになった。レッドデックウィンズは速攻持ちのクリーチャーがデッキに多いために非常に厄介であることがわかった。《チェイナーの布告》と《破滅の刃》が《破壊者》に対してとても良く効くのであらゆる黒主体のデッキは悪夢であり、それらのデッキは復活してきたようだ(《ボジューカの沼》は言うまでもない)。様々な《胆液の水源》―《コーの空漁師》デッキも、《破壊者》の最初の攻撃が4ターン目以降では間に合わないくらい十分なカードを獲得できるので辛いマッチアップだ。より遅いデッキ相手では早期の《大祖始の遺産》が致命的だ。これらの要素から、ラクドス・リアニメイトは主にメタゲームデッキに留まっている。
前進すると、僕は間違いなく《渦巻く砂嵐》の居場所をもっとたくさん探すだろう。このカードはその価値を示したし、ゲームの様相を完全に変えてしまうだけの素質がある。もしかしたらこのデッキは《安堵の再会》と一緒に白い不朽クリーチャーと《金切るときの声》で墓地から脅威を生み出すことを特色にするかもしれない。ラクドス・リアニメイトを進めると、僕は逆転勝利のために75枚のうちのどこからに《ティムールの激闘》を入れてみたい。《大祖始の遺産》をすり抜ける方法として《遺棄地の恐怖》にも興味をそそられる。墓地追放効果を回避して攻撃することが可能になるので、《恐怖》によって《信仰無き物あさり》と《苦しめる声》は強化される。さらにこれはサイクリングを持っているのでリアニメイトが2ターン目に脅威を展開するさらなる手段になる。
時として、新しいカードをテストする最良の方法は君が良く知ったデッキでそれがどう動くのかを見ることだ。ラクドス・リアニメイトは先頭を走るデッキではないが、僕はそれの回し方とメタゲーム上での位置についてのおおよその理解を持っていた。このデッキが崩れたとしても《渦巻く砂嵐》が美しく機能することが分かった。もしかしたら破滅の刻が墓地から巨人を召喚する別の方法を与えてくれるかもしれない。でも僕は驚きはしないだろう。
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-04252017-modern-masters-2017-in-review-and-mardu/)
Modern Masters 2017 in review and Mardu
by Alex Ullman, April 25, 2017
アモンケットの時代が近づいている。王神ニコール・ボーラスはほぼ確実にカード化されるだろうが、おそらくPauperでその威光を示すことはないだろう。新しいセットはモダンマスターズ2017シーズンの終わりを告げるものだ;混乱の4週間半だった。このセットは影響力のある新しいコモンの密度が高かった。トレジャーチェストによって実装されたコンスピラシー:王位争奪の2枚のカード ―《宮殿の歩哨》と《黒薔薇の棘》を含めればその数はさらに多くなる。これらのカードには後々取りかかるとして、まずはもっとも重要なことから話すとしよう。全情報は2017年4月23日からこのシーズンが終わる1日前までに採られたものだ。
1. ストンピィ; 21.09%
2. イゼット・デルバー; 9.9%
3. 親和; 9.58%
4. ディミーア・フリッカー; 8.95%
5. カルドーサ・トークン; 6.07%
6. ディンローヴァ・トロン; 4.47%
7. ムラーサ・トロン; 4.47%
8. レッドデックウィンズ; 4.15%
9. デルバー; 3.51%
10. 呪禁; 3.51%
1. ストンピィ
このフォーマットで優れたデッキの1つに「無料」の2マナ域を与えたらどうなるだろう?それはストンピィになる。このデッキは主に《炎樹族の使者》を背景にして5勝デッキでのシェアを霊気紛争シーズンのおよそ2倍にした。モダンマスターズ2017以前のストンピィは《イラクサの歩哨》と《スカルガンの穴潜み》を組み合わせて2ターン目の終了時にパワー6を場に出すことができた、しかしそれは《チェイナーの布告》系の除去に対してデッキを脆弱にするし、さらに手札を使い切ってしまう可能性があった。《使者》はパワー6を場に出すのを簡単にするだけでなく、別の《使者》が唱えられればさらに上乗せができるようになった。同様に《使者》の後続としては《巣の侵略者》とそれによる0/1のエルドラージ・落とし子が一般的なので、《チェイナーの布告》の有効性を下げるのに役立つ。小さな変化だが爆発的なスタートへとつながるルートを増やしたことで《炎樹族の使者》はストンピィをメタゲームのトップへと押し上げた。
ストンピィが隆盛した結果、その捕食対象がいくらか減ってしまった。Pauperで何年もトップ周辺に居続けた青いデッキであるデルバーはその地位を奪われてしまった。そして何とその力を落としてしまったことだろうか。デルバーは全勝デッキのメタゲームで15%越えから4%以下にまで落ちてしまった。この衰退は、デルバーが一貫してPauperにおける隠れた怪物の役割を果たしていることでより驚かされる。ストンピィは元からデルバーに対して相性が良く、《森》の隆盛は《島》の衰退の兆しになっている。
2.イゼット・デルバー
イゼット・デルバーの問題点はそのマナにある。シャッフル効果と青いキャントリップの枚数によっていくらか緩和できるものの、それでもなお大きな問題となる。適切なマナ配分を得るためには時間とマナが必要なことが多く、イゼット・デルバーが追いつけることもあるが時として挽回できないほどの遅れをとってしまう。
4.ディミーア・フリッカー&ディンローヴァ・トロン
ディンローヴァ・トロンは《ディンローヴァの恐怖》を軸にしている。《騒がしいネズミ》が新しいカードを引くことをロックできるのに対し、《ディンローヴァの恐怖》は単純に場を消滅させてしまう。毎ターン手札を捨てさせながらパーマネントを戻すというのは《時間の亀裂》コンボを思い起こさせる。6マナ域を使いやすくするためにこれらのデッキはウルザトロンのマナベースを採用している。その一方で生き延びるための《一瞬の平和》、《ディンローヴァの恐怖》を探す《激情の共感者》、死んだパーツを復活させる《ムラーサの胎動》の緑に依存している。
統治者デッキはなかなかの猶予を与えてくれる。除去はその重要性を増すし、豊富な除去呪文を考えればゲームで優位な状況を確立することは簡単だ。一たびそうなってしまえば《黒薔薇の棘》を場に出して今や防御側プレイヤーが1ターンに2枚のカードを引くことができる。この追加のカードにより統治者は同じターンに脅威と回答を展開することが可能になり、そうしてる間にますますカードを引くことができる。これは黒単コントロールについての反復を始めたこの議論(https://goo.gl/LEzmiy)へと繋がっている。
赤は《稲妻》と《炎の斬りつけ》(より強い1マナの除去呪文2種)を使うことができる。これらは本当に素晴らしいが、《若き狼》と《嵐縛りの霊》を処理するために僕は《火柱》と《マグマのしぶき》も良いと思った。赤と黒の組み合わせでは《終止》を使うこともできる。かなり高めのマナコストを用意できればこれは本当に素晴らしい選択肢だ。5-0したラクドスデッキを探していて気が付いたのは、彼らがいかに自分自身にダメージを与えているかということだった。《夜の囁き》、《骨読み》そして《エヴィンカーの正義》によりこれらのデッキはカードアドバンテージを得る取り組みの中で自分のライフの3分の1を失っていた。一部のプレイヤーは《血溜まりの洞窟》に加えて《光輝の泉》を採用していた。これは壁に入った1つの亀裂を別の壁から持ってきた石膏で塞ごうとするようなものなので、僕は好きになれなった。《光輝の泉》は《夜の囁き》のライフ損失を緩和してくれるかもしれないが重要な呪文が手札で詰まってしまう可能性を抱えている。もし2点回復できる土地を使うとしたら、僕はタップインする代わりに色マナが出る方を使うね。
僕はライフ回復手段として緑をすぐに切り捨てた。《ムラーサの胎動》は優秀なクリーチャーがいてこそ真価を発揮するし、このデッキには呪文を抑えてまで採用するべきものが入っていない(つまり《熟考漂い》のことだ)。その代わり、僕は白と《アラシンの僧侶》に取りかかった。
そうとも、《アラシンの僧侶》は《孤独な宣教師》に勝る。なぜなら《エヴィンカーの正義》を生き残ることができるからだ。
白によっていくつかの欲しくてたまらなかったサイドボードの選択肢が使えるようになった。いくつかのマッチアップでは統治者であり続けることが非常に重要であり、《アラシンの僧侶》からの《虹色の断片》からの《断片》のフラッシュバックを構えての《黒薔薇の棘》と動けるのは重要なのが分かった。《ムラーサの胎動》を正当化するほど優秀なクリーチャーを使ってはいないものの、アドバンテージになりながら《虹色の断片》をフラッシュバックできる《コーの空漁師》のことは十分に考慮した。何度か練習した後、僕はこれをリーグに持ち込んで3-2の成績を上げた:
除去のラインナップは数回変更したが、もっとも大きいのは小さい脅威を摘み取るためにメインデッキに《弧状の稲妻》を加えたことだ。プレイ動画(https://goo.gl/IeOPcX)をいくつか見たあとでJasonとJonは《モグの戦争司令官》が入っていることに疑問を持った。地上を固める上で素晴らしい仕事をするし、後にクリーチャーを残せるので僕はこのカードの大ファンだった。エコーは欠点だったがそれが大きな障害になったことはない。JasonとJonは、それは多かれ少なかれ何もしないし除去呪文にしたほうが良いと指摘した。さらに2人はこのデッキには4マナの強力呪文を早く唱えるためのマナ加速が必要だとも指摘した。3枚の《印鑑》が加わり、《改革派の地図》はさらなる《炎の斬りつけ》に置き換わった。
除去
《稲妻》が3枚なのはこのフォーマットの大き目のクリーチャーの数を考慮したものだ。その一方で《稲妻》の効かないクリーチャーを殺すことができる《炎の斬りつけ》が3枚入っている。《悲劇的な過ち》はそのターンに別の何かが死亡していれば(まさに《チェイナーの布告》が実現させることだ)最大級のクリーチャーでさえもやっつけることができる。《弧状の稲妻》は小さい脅威3体を摘み取ったり、タフネス2のクリーチャーを除去しながらどこかに1点を飛ばすことができる。《炎の稲妻》は2度にわたって力を発揮するし、また《終止》は何かしら必ず除去すべきものを殺してくれる。《マグマのしぶき》が入っているのは走り回っている《若き狼》の処理に役立つからだ。最後に、このフォーマット最高の全体除去の1つである《エヴィンカーの正義》が入っている。現時点でどれだけ多くのデッキがタフネス2のクリーチャーを採用しているかを考えれば、このカードは3対1やそれ以上の交換ができることが多い。
インスタントスピードの除去は重要であり、フォーマットに対して適していればさらに多くなるかもしれない。統治者になると大量に追加のカードを引くことができる、そして対戦相手のターンにそれを使うことができればターン終了時にやってくる統治者のドローを最大限に活用することができる。
クリーチャー
《アラシンの僧侶》はライフを引き上げながら攻撃を緩和してくれる。《ファイレクシアの憤怒鬼》はいつでもカードが一枚引けるので単純に堅実だ。《甲虫背の酋長》は小さな軍隊を作り出し、後半まで生き延びるのに役立つ。その一方で《グルマグのアンコウ》がゲームを締めくくる。《巣穴のこそ泥》は《正義》を生き残り、君の最良のクリーチャーを取り戻してもくれる(そしてたまに速攻を持つ)、そして後半に《コーの空漁師》と一緒に威力を発揮する。《空漁師》と言えばこの馬車馬は、このデッキに入った「戦場に出たとき」効果を再利用するのに役立つ。《黒薔薇の棘》は非常に素晴らしいブロッカーであり、統治者になれるおかげでカードの数で上回るのに役立つ。
ドロー
《ファイレクシアの憤怒鬼》、《巣穴のこそ泥》そして《棘》に加えてこのデッキには3枚の《骨読み》と1枚の《回帰の泉》が入っている。《泉》は後半にデッキを再装填したり、ゲームに勝利するだけの十分なパワーを確実に用意するのに役立つ。《骨読み》は信じられないくらい強力なカードで4枚分のカードを掘ることができるし、ゲームの中盤と終盤において息切れを防ぐのに役立つ。
マナ
《印鑑》を含んだこのマナベースは1ターン目と2ターン目に除去を使うことを目指して設計したものだ。そしてさらに除去やブロッカーによってゲームを巻き返せるように十分に高いライフを保てるようにしている。
マルドゥはミッドレンジデッキだが絶対にコントロールデッキではない。その高品質なカードが動き始めるまで生き延びる必要がある。ゲーム後半で統治者がいるときはブロックをすることがより重要になるが、時として序盤にブロックをしなければならないこともあるだろう。ライフのやりくりはこのデッキをプレイする上で最も重要な要素の1つだ。しばしば綱渡りをしなければいけないし、ライフを取り戻し始めるために低いライフへと突入しなければならないこともある。時としてすべてを除去してゲームを逃げ切ることができるだろう。そうでなければ、爪を噛みながら相手が自分を負かす最後のピースを持っていないことを祈ることになる。
というわけで僕はまだこのデッキが今後数週間、素晴らしいものになると考えている。アモンケットは物事をそれほど揺さぶるようには見えない、そしてもし君が《黒薔薇の棘》を入手できたならマルドゥは統治者であることをアドバンテージとする素晴らしい手段だ。このデッキの核は《棘》と《正義》を一緒に使うことにある ―後はとにかく生き残ることだ。このデッキには決定事項は1つもないが、Pauperには優秀な除去が豊富に存在するから進化するメタゲームにデッキを適応させるのは簡単になるはずだ。ああ、それから ―たまにテーブルの反対側の生物を一掃するのは単純に楽しいものだよ。
Modern Masters 2017 in review and Mardu
by Alex Ullman, April 25, 2017
アモンケットの時代が近づいている。王神ニコール・ボーラスはほぼ確実にカード化されるだろうが、おそらくPauperでその威光を示すことはないだろう。新しいセットはモダンマスターズ2017シーズンの終わりを告げるものだ;混乱の4週間半だった。このセットは影響力のある新しいコモンの密度が高かった。トレジャーチェストによって実装されたコンスピラシー:王位争奪の2枚のカード ―《宮殿の歩哨》と《黒薔薇の棘》を含めればその数はさらに多くなる。これらのカードには後々取りかかるとして、まずはもっとも重要なことから話すとしよう。全情報は2017年4月23日からこのシーズンが終わる1日前までに採られたものだ。
1. ストンピィ; 21.09%
2. イゼット・デルバー; 9.9%
3. 親和; 9.58%
4. ディミーア・フリッカー; 8.95%
5. カルドーサ・トークン; 6.07%
6. ディンローヴァ・トロン; 4.47%
7. ムラーサ・トロン; 4.47%
8. レッドデックウィンズ; 4.15%
9. デルバー; 3.51%
10. 呪禁; 3.51%
1. ストンピィ
このフォーマットで優れたデッキの1つに「無料」の2マナ域を与えたらどうなるだろう?それはストンピィになる。このデッキは主に《炎樹族の使者》を背景にして5勝デッキでのシェアを霊気紛争シーズンのおよそ2倍にした。モダンマスターズ2017以前のストンピィは《イラクサの歩哨》と《スカルガンの穴潜み》を組み合わせて2ターン目の終了時にパワー6を場に出すことができた、しかしそれは《チェイナーの布告》系の除去に対してデッキを脆弱にするし、さらに手札を使い切ってしまう可能性があった。《使者》はパワー6を場に出すのを簡単にするだけでなく、別の《使者》が唱えられればさらに上乗せができるようになった。同様に《使者》の後続としては《巣の侵略者》とそれによる0/1のエルドラージ・落とし子が一般的なので、《チェイナーの布告》の有効性を下げるのに役立つ。小さな変化だが爆発的なスタートへとつながるルートを増やしたことで《炎樹族の使者》はストンピィをメタゲームのトップへと押し上げた。
ストンピィepermono, 5-0 Pauper League一部の人は《炎樹族の使者》を取り上げていない。これらのプレイヤーはその代わりに、より伝統的な緑のアグロデッキの構築を頼りにしている。これはぶっ壊れたドローの可能性をいくらか減らしてしまっているが、2ターン目における柔軟性をいくらか向上させている。2ターン目には《使者》から《侵略者》を狙うよりも緑1マナの脅威を2体場に出す方が重要なんだ。これらのバージョンは最新の型ほどの人気はないが依然として使われている。
クリーチャー(30)
2 《リバー・ボア/River Boa》
2 《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》
2 《野生の雑種犬/Wild Mongrel》
4 《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》
4 《巣の侵略者/Nest Invader》
4 《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》
4 《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》
4 《スカルガンの穴潜み/Skarrgan Pit-Skulk》
4 《若き狼/Young Wolf》
インスタント(10)
3 《地うねり/Groundswell》
3 《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》
4 《巨森の蔦/Vines of Vastwood》
エンチャント(4)
4 《怨恨/Rancor》
土地(16)
16 《森/Forest》
サイドボード(15)
2 《象の導き/Elephant Guide》
2 《勇壮な対決/Epic Confrontation》
2 《部族養い/Feed the Clan》
2 《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》
3 《散弾の射手/Scattershot Archer》
4 《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》
ストンピィが隆盛した結果、その捕食対象がいくらか減ってしまった。Pauperで何年もトップ周辺に居続けた青いデッキであるデルバーはその地位を奪われてしまった。そして何とその力を落としてしまったことだろうか。デルバーは全勝デッキのメタゲームで15%越えから4%以下にまで落ちてしまった。この衰退は、デルバーが一貫してPauperにおける隠れた怪物の役割を果たしていることでより驚かされる。ストンピィは元からデルバーに対して相性が良く、《森》の隆盛は《島》の衰退の兆しになっている。
2.イゼット・デルバー
イゼット・デルバーmw_94gA, 5-0 Pauper leagueそういった《島》の一部は《山》に置き換わっている。イゼット・デルバーはその単色の原型における攻撃的なパッケージの一部を利用し、《尖塔のゴーレム》をモダンマスターズ2017のもう一つの傑物である《ボーラスの占い師》で置き換えている。このデッキは依然として同様の一般的なゲームプランに則っていて、早期に脅威を確立させてそのプレッシャーの維持を試みる。赤を足すことでこのデッキは《雪崩し》と《稲妻》の両方で盤面の脅威を取り除いておけるようになった。《稲妻》がゲームを終わらせるのに役立つということは、このどちらにとっても悪くない。イゼット・デルバーは《渦まく知識》と合わせて《灰のやせ地》も使っていて、レガシーでの《渦まく知識》と《沸騰する小湖》を思わせる多大なドローができる。
クリーチャー(19)
3 《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
4 《フェアリーの悪党/Faerie Miscreant》
4 《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours》
4 《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
インスタント(16)
1 《目くらまし/Daze》
1 《払拭/Dispel》
2 《渦まく知識/Brainstorm》
2 《噴出/Gush》
3 《対抗呪文/Counterspell》
3 《雪崩し/Skred》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
ソーサリー(7)
3 《思案/Ponder》
4 《定業/Preordain》
土地(18)
2 《冠雪の島/Snow-Covered Island》
9 《冠雪の山/Snow-Covered Mountain》
3 《灰のやせ地/Ash Barrens》
4 《進化する未開地/Evolving Wilds》
サイドボード(15)
2 《電謀/Electrickery》
2 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
2 《水流破/Hydroblast》
2 《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》
3 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
4 《紅蓮破/Pyroblast》
イゼット・デルバーの問題点はそのマナにある。シャッフル効果と青いキャントリップの枚数によっていくらか緩和できるものの、それでもなお大きな問題となる。適切なマナ配分を得るためには時間とマナが必要なことが多く、イゼット・デルバーが追いつけることもあるが時として挽回できないほどの遅れをとってしまう。
4.ディミーア・フリッカー&ディンローヴァ・トロン
ディミーア・フリッカー curryhajj, 5-0 Pauper League
クリーチャー(14)
2 《古術師/Archaeomancer》
4 《騒がしいネズミ/Chittering Rats》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
4 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
インスタント(14)
1 《残響する衰微/Echoing Decay》
1 《除外/Exclude》
1 《墓の刈り取り/Reaping the Graves》
2 《見栄え損ない/Disfigure》
2 《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker》
3 《破滅の刃/Doom Blade》
4 《対抗呪文/Counterspell》
ソーサリー(9)
1 《発掘/Unearth》
4 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
4 《定業/Preordain》
エンチャント(1)
1 《死の重み/Dead Weight》
土地(22)
5 《沼/Swamp》
6 《島/Island》
1 《やせた原野/Barren Moor》
1 《孤立した砂州/Lonely Sandbar》
1 《光輝の泉/Radiant Fountain》
4 《ディミーアの水路/Dimir Aqueduct》
4 《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
サイドボード(15)
1 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2 《綿密な分析/Deep Analysis》
2 《払拭/Dispel》
2 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
2 《ヴォーデイリアのゾンビ/Vodalian Zombie》
3 《吐き気/Nausea》
3 《否認/Negate》
ディンローヴァ・トロンatams, 5-0 Pauper leagueこれら2つのデッキをまとめたのは両者が同じ要領で動作するからだ。これらはどちらも《幽霊のゆらめき》を使ったロックデッキであり、マナベースが異なる以外はどちらも《幽霊のゆらめき》とその回収手段と破壊的なクリーチャーとが集まるまでゲームを長引かせようとする。このために、ディミーア・フリッカーは除去と《対抗呪文》を使って脅威を食い止め、《定業》、《海門の神官》そして《熟考漂い》のようなカードで正しいパーツを探し出す。最終的には《古術師》と《幽霊のゆらめき》のコンボを成立させ、最後のパーツを探し出すか《騒がしいネズミ》で勝利に向けて歩み始めるだろう。十分にループを行えば対戦相手の新しいカードの供給を完全にロックすることができる。
クリーチャー(9)
2 《記憶の壁/Mnemonic Wall》
3 《ディンローヴァの恐怖/Dinrova Horror》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
インスタント(20)
1 《破滅の刃/Doom Blade》
2 《卑下/Condescend》
2 《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》
2 《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker》
2 《神秘の指導/Mystical Teachings》
2 《禁制/Prohibit》
2 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
3 《輪作/Crop Rotation》
4 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
ソーサリー(1)
1 《調査/Probe》
アーティファクト(7)
1 《ディミーアの印鑑/Dimir Signet》
1 《探検の地図/Expedition Map》
1 《シミックの印鑑/Simic Signet》
4 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
土地(23)
1 《島/Island》
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
1 《離れ島/Remote Isle》
1 《シミックのギルド門/Simic Guildgate》
1 《未知の岸/Unknown Shores》
2 《ゆらめく岩屋/Shimmering Grotto》
4 《茨森の滝/Thornwood Falls》
4 《ウルザの鉱山/Urza’s Mine》
4 《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant》
4 《ウルザの塔/Urza’s Tower》
サイドボード(15)
1 《ディンローヴァの恐怖/Dinrova Horror》
1 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
1 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
1 《青の防御円/Circle of Protection: Blue》
1 《赤の防御円/Circle of Protection: Red》
1 《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder》
1 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
1 《天啓の光/Ray of Revelation》
1 《心に静寂/Serene Heart》
1 《屍賊の嘆き/Wail of the Nim》
1 《不憫なグリフ/Wretched Gryff》
2 《払拭/Dispel》
2 《水流破/Hydroblast》
ディンローヴァ・トロンは《ディンローヴァの恐怖》を軸にしている。《騒がしいネズミ》が新しいカードを引くことをロックできるのに対し、《ディンローヴァの恐怖》は単純に場を消滅させてしまう。毎ターン手札を捨てさせながらパーマネントを戻すというのは《時間の亀裂》コンボを思い起こさせる。6マナ域を使いやすくするためにこれらのデッキはウルザトロンのマナベースを採用している。その一方で生き延びるための《一瞬の平和》、《ディンローヴァの恐怖》を探す《激情の共感者》、死んだパーツを復活させる《ムラーサの胎動》の緑に依存している。
ラクドス・ミッドレンジEmilos_de_Carlos, 5-0 Pauper Leagueトップ10に食い込んだアーキタイプは1つもないものの、恒久的なカードアドバンテージ源として《黒薔薇の棘》を採用した様々なデッキがある。以前に議論した黒単コントロールのリストとよく似て、これらのデッキは除去呪文によって戦場をコントロールするように設計されている。最終的に毎ターン追加でカードが引ける恩恵は十分すぎるものになり相手を圧倒する。《黒薔薇の棘》の枚数を探すのに苦労している一部のプレイヤーは代わりに《宮殿の歩哨》に取り組んでいる。
クリーチャー(17)
1 《黒薔薇の棘/Thorn of the Black Rose》
2 《甲虫背の酋長/Beetleback Chief》
2 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
4 《騒がしいネズミ/Chittering Rats》
4 《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager》
4 《熱錬金術師/Thermo-Alchemist》
インスタント(7)
3 《終止/Terminate》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
ソーサリー(14)
2 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
2 《炎の稲妻/Firebolt》
2 《炎の斬りつけ/Flame Slash》
2 《火柱/Pillar of Flame》
2 《骨読み/Read the Bones》
4 《夜の囁き/Night’s Whisper》
土地(22)
5 《山/Mountain》
5 《沼/Swamp》
1 《やせた原野/Barren Moor》
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
1 《忘れられた洞窟/Forgotten Cave》
2 《光輝の泉/Radiant Fountain》
3 《ラクドスの肉儀場/Rakdos Carnarium》
4 《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves》
サイドボード(15)
1 《黒薔薇の棘/Thorn of the Black Rose》
1 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
3 《電謀/Electrickery》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
3 《破壊的脈動/Shattering Pulse》
4 《強迫/Duress》
オルゾフ・ミドレンジmlovbo, 5-0 Pauper Leagueモダンマスターズ2017はPauperを赤へと駆り立てた。このフォーマットは常に攻撃的ではあるものの、現在はできるだけ早く20点を与えるレースが可能なデッキが上位に着けている。これらのデッキはしばしばデルバーに後れを取っていたが《炎樹族の使者》がそれを変化させた。イゼット・デルバーでさえもアグロとコントロールではアグロ側にいる。ダメージレースはいつでも重要なものだが、《炎樹族》は現在の状況に新たな重要性を与えた。《炎樹族》によってより多くのデッキが高速展開できるようになり、ライフレースがより頻繁に起きるようになった。非常に危険な問題だ。
クリーチャー(18)
1 《墓所のネズミ/Crypt Rats》
3 《エイヴンの裂け目追い/Aven Riftwatcher》
3 《ギルドパクトの守護者/Guardian of the Guildpact》
3 《宮殿の歩哨/Palace Sentinels》
4 《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》
4 《希望の壁/Wall of Hope》
インスタント(5)
2 《見栄え損ない/Disfigure》
3 《虹色の断片/Prismatic Strands》
ソーサリー(11)
3 《骨読み/Read the Bones》
4 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
4 《夜の囁き/Night’s Whisper》
エンチャント(4)
4 《黒死病/Pestilence》
土地(22)
6 《平地/Plains》
6 《沼/Swamp》
1 《やせた原野/Barren Moor》
1 《隔離されたステップ/Secluded Steppe》
4 《オルゾフの聖堂/Orzhov Basilica》
4 《磨かれたやせ地/Scoured Barrens》
サイドボード(15)
2 《墓所のネズミ/Crypt Rats》
2 《赤の防御円/Circle of Protection: Red》
2 《黒曜石の見習い僧/Obsidian Acolyte》
2 《軍旗の旗手/Standard Bearer》
3 《塵は塵に/Dust to Dust》
4 《強迫/Duress》
統治者デッキはなかなかの猶予を与えてくれる。除去はその重要性を増すし、豊富な除去呪文を考えればゲームで優位な状況を確立することは簡単だ。一たびそうなってしまえば《黒薔薇の棘》を場に出して今や防御側プレイヤーが1ターンに2枚のカードを引くことができる。この追加のカードにより統治者は同じターンに脅威と回答を展開することが可能になり、そうしてる間にますますカードを引くことができる。これは黒単コントロールについての反復を始めたこの議論(https://goo.gl/LEzmiy)へと繋がっている。
黒単コントロールAlex Ullman初めは成功したにも関わらず、数回使った後で僕はこのデッキが失速し始めたのに気がついた。単純に序盤に使える除去が欠けていたんだ。黒は2ターン目になりさえすれば素晴らしい除去を持っている、しかしこの色には1マナの選択肢が欠けている。《死の重み》と《見栄え損ない》は使い道があるが後半には不安定になってしまう。《恐ろしい死》が1ターン目では無意味な一方で、《血の復讐》は積み重ねられるダメージの量を考えるとプレイするリスクが高い。《無垢の血》は《若き狼》がいなければ遥かに強かっただろう。《悲劇的な過ち》は《チェイナーの布告》と組み合わせるには最高だと分かったが複数枚積むには問題があった。《黒薔薇の棘》―《エヴィンカーの正義》デッキを動作させるなら僕は赤をタッチしようと思う。
クリーチャー(19)
1 《墓所のネズミ/Crypt Rats》
3 《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》
3 《黒薔薇の棘/Thorn of the Black Rose》
4 《クォムバッジの魔女/Cuombajj Witches》
4 《リリアナの死霊/Liliana’s Specter》
4 《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager》
インスタント(8)
1 《堕落の触手/Tendrils of Corruption》
1 《悲劇的な過ち/Tragic Slip》
1 《損ない/Unmake》
2 《殺し/Snuff Out》
3 《残響する衰微/Echoing Decay》
ソーサリー(6)
2 《エヴィンカーの正義/Evincar’s Justice》
4 《血の署名/Sign in Blood》
エンチャント(4)
1 《回帰の泉/Font of Return》
3 《死の重み/Dead Weight》
土地(23)
20 《沼/Swamp》
3 《やせた原野/Barren Moor》
赤は《稲妻》と《炎の斬りつけ》(より強い1マナの除去呪文2種)を使うことができる。これらは本当に素晴らしいが、《若き狼》と《嵐縛りの霊》を処理するために僕は《火柱》と《マグマのしぶき》も良いと思った。赤と黒の組み合わせでは《終止》を使うこともできる。かなり高めのマナコストを用意できればこれは本当に素晴らしい選択肢だ。5-0したラクドスデッキを探していて気が付いたのは、彼らがいかに自分自身にダメージを与えているかということだった。《夜の囁き》、《骨読み》そして《エヴィンカーの正義》によりこれらのデッキはカードアドバンテージを得る取り組みの中で自分のライフの3分の1を失っていた。一部のプレイヤーは《血溜まりの洞窟》に加えて《光輝の泉》を採用していた。これは壁に入った1つの亀裂を別の壁から持ってきた石膏で塞ごうとするようなものなので、僕は好きになれなった。《光輝の泉》は《夜の囁き》のライフ損失を緩和してくれるかもしれないが重要な呪文が手札で詰まってしまう可能性を抱えている。もし2点回復できる土地を使うとしたら、僕はタップインする代わりに色マナが出る方を使うね。
僕はライフ回復手段として緑をすぐに切り捨てた。《ムラーサの胎動》は優秀なクリーチャーがいてこそ真価を発揮するし、このデッキには呪文を抑えてまで採用するべきものが入っていない(つまり《熟考漂い》のことだ)。その代わり、僕は白と《アラシンの僧侶》に取りかかった。
そうとも、《アラシンの僧侶》は《孤独な宣教師》に勝る。なぜなら《エヴィンカーの正義》を生き残ることができるからだ。
白によっていくつかの欲しくてたまらなかったサイドボードの選択肢が使えるようになった。いくつかのマッチアップでは統治者であり続けることが非常に重要であり、《アラシンの僧侶》からの《虹色の断片》からの《断片》のフラッシュバックを構えての《黒薔薇の棘》と動けるのは重要なのが分かった。《ムラーサの胎動》を正当化するほど優秀なクリーチャーを使ってはいないものの、アドバンテージになりながら《虹色の断片》をフラッシュバックできる《コーの空漁師》のことは十分に考慮した。何度か練習した後、僕はこれをリーグに持ち込んで3-2の成績を上げた:
マルドゥAlex Ullmanこのデッキは立派にパフォーマンスを発揮し、新たに検討する価値があることをはっきりと示した。僕はこのリストを調整する上で(ムラーサ・トロンの)Jason、(拷問生活の)Jon、そしてColor CommontaryのMikeとAdrainの2人という有識者達と議論した。Jasonはすぐに《火柱》よりも《マグマのしぶき》を提案してこのデッキが機能する上でのインスタント除去の必要性を示してくれた。そのグループは土地の追加を勧めてくれて、僕はためらった。その代わりに僕は大好きな《改革派の地図》を1枚追加した。《地図》は土地の少ない手札をキープしやすくしてくれるし、早いターンに《灰のやせ地》にマナを使うことなくドローの質を高めてくれる。十分なマナのあるゲームでは、デッキを圧縮してドローの質を高めるために自分のアップキープで《地図》を起動する。
クリーチャー(18)
1 《エイヴンの裂け目追い/Aven Riftwatcher》
1 《甲虫背の酋長/Beetleback Chief》
1 《グリクシスの奴隷使い/Grixis Slavedriver》
1 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
1 《巣穴のこそ泥/Warren Pilferers》
2 《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager》
2 《黒薔薇の棘/Thorn of the Black Rose》
3 《アラシンの僧侶/Arashin Cleric》
3 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
3 《モグの戦争司令官/Mogg War Marshal》
インスタント(6)
2 《終止/Terminate》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
ソーサリー(13)
2 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
2 《エヴィンカーの正義/Evincar’s Justice》
2 《炎の稲妻/Firebolt》
2 《炎の斬りつけ/Flame Slash》
2 《火柱/Pillar of Flame》
3 《骨読み/Read the Bones》
エンチャント(1)
1 《回帰の泉/Font of Return》
土地(22)
1 《平地/Plains》
4 《沼/Swamp》
5 《山/Mountain》
1 《灰のやせ地/Ash Barrens》
1 《ボロスの駐屯地/Boros Garrison(》
1 《カビーラの交差路/Kabira Crossroads》
1 《オルゾフの聖堂/Orzhov Basilica》
1 《ラクドスの肉儀場/Rakdos Carnarium》
1 《風に削られた岩山/Wind-Scarred Crag》
2 《磨かれたやせ地/Scoured Barrens》
4 《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves》
サイドボード(15)
1 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
1 《炎の斬りつけ/Flame Slash》
1 《無残な収穫/Grim Harvest》
1 《忘却の輪/Oblivion Ring》
1 《終止/Terminate》
1 《黒薔薇の棘/Thorn of the Black Rose》
2 《残響する衰微/Echoing Decay》
2 《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
2 《虹色の断片/Prismatic Strands》
3 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
除去のラインナップは数回変更したが、もっとも大きいのは小さい脅威を摘み取るためにメインデッキに《弧状の稲妻》を加えたことだ。プレイ動画(https://goo.gl/IeOPcX)をいくつか見たあとでJasonとJonは《モグの戦争司令官》が入っていることに疑問を持った。地上を固める上で素晴らしい仕事をするし、後にクリーチャーを残せるので僕はこのカードの大ファンだった。エコーは欠点だったがそれが大きな障害になったことはない。JasonとJonは、それは多かれ少なかれ何もしないし除去呪文にしたほうが良いと指摘した。さらに2人はこのデッキには4マナの強力呪文を早く唱えるためのマナ加速が必要だとも指摘した。3枚の《印鑑》が加わり、《改革派の地図》はさらなる《炎の斬りつけ》に置き換わった。
マルドゥ 2.0 Alex Ullman
クリーチャー(15)
1 《エイヴンの裂け目追い/Aven Riftwatcher》
1 《甲虫背の酋長/Beetleback Chief》
1 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
2 《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager》
2 《黒薔薇の棘/Thorn of the Black Rose》
2 《巣穴のこそ泥/Warren Pilferers》
3 《アラシンの僧侶/Arashin Cleric》
3 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
インスタント(7)
1 《終止/Terminate》
1 《悲劇的な過ち/Tragic Slip》
2 《マグマのしぶき/Magma Spray》
3 《稲妻/Lightning Bolt》
ソーサリー(12)
1 《弧状の稲妻/Arc Lightning》
1 《炎の稲妻/Firebolt》
2 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
2 《エヴィンカーの正義/Evincar’s Justice》
3 《炎の斬りつけ/Flame Slash》
3 《骨読み/Read the Bones》
エンチャント(1)
1 《回帰の泉/Font of Return》
Artifacts (3)
1 《ラクドスの印鑑/Rakdos Signet》
2 《オルゾフの印鑑/Orzhov Signet》
土地(22)
1 《平地/Plains》
3 《沼/Swamp》
5 《山/Mountain》
1 《灰のやせ地/Ash Barrens》
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
1 《ボロスの駐屯地/Boros Garrison》
1 《カビーラの交差路/Kabira Crossroads》
1 《オルゾフの聖堂/Orzhov Basilica》
1 《ラクドスの肉儀場/Rakdos Carnarium》
1 《風に削られた岩山/Wind-Scarred Crag》
2 《磨かれたやせ地/Scoured Barrens》
4 《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves》
サイドボード(15)
1 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
1 《神への捧げ物/Divine Offering》
1 《電謀/Electrickery》
1 《無残な収穫/Grim Harvest》
1 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
1 《忘却の輪/Oblivion Ring》
1 《終止/Terminate》
1 《残響する衰微/Echoing Decay》
2 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
2 《虹色の断片/Prismatic Strands》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
除去
《稲妻》が3枚なのはこのフォーマットの大き目のクリーチャーの数を考慮したものだ。その一方で《稲妻》の効かないクリーチャーを殺すことができる《炎の斬りつけ》が3枚入っている。《悲劇的な過ち》はそのターンに別の何かが死亡していれば(まさに《チェイナーの布告》が実現させることだ)最大級のクリーチャーでさえもやっつけることができる。《弧状の稲妻》は小さい脅威3体を摘み取ったり、タフネス2のクリーチャーを除去しながらどこかに1点を飛ばすことができる。《炎の稲妻》は2度にわたって力を発揮するし、また《終止》は何かしら必ず除去すべきものを殺してくれる。《マグマのしぶき》が入っているのは走り回っている《若き狼》の処理に役立つからだ。最後に、このフォーマット最高の全体除去の1つである《エヴィンカーの正義》が入っている。現時点でどれだけ多くのデッキがタフネス2のクリーチャーを採用しているかを考えれば、このカードは3対1やそれ以上の交換ができることが多い。
インスタントスピードの除去は重要であり、フォーマットに対して適していればさらに多くなるかもしれない。統治者になると大量に追加のカードを引くことができる、そして対戦相手のターンにそれを使うことができればターン終了時にやってくる統治者のドローを最大限に活用することができる。
クリーチャー
《アラシンの僧侶》はライフを引き上げながら攻撃を緩和してくれる。《ファイレクシアの憤怒鬼》はいつでもカードが一枚引けるので単純に堅実だ。《甲虫背の酋長》は小さな軍隊を作り出し、後半まで生き延びるのに役立つ。その一方で《グルマグのアンコウ》がゲームを締めくくる。《巣穴のこそ泥》は《正義》を生き残り、君の最良のクリーチャーを取り戻してもくれる(そしてたまに速攻を持つ)、そして後半に《コーの空漁師》と一緒に威力を発揮する。《空漁師》と言えばこの馬車馬は、このデッキに入った「戦場に出たとき」効果を再利用するのに役立つ。《黒薔薇の棘》は非常に素晴らしいブロッカーであり、統治者になれるおかげでカードの数で上回るのに役立つ。
ドロー
《ファイレクシアの憤怒鬼》、《巣穴のこそ泥》そして《棘》に加えてこのデッキには3枚の《骨読み》と1枚の《回帰の泉》が入っている。《泉》は後半にデッキを再装填したり、ゲームに勝利するだけの十分なパワーを確実に用意するのに役立つ。《骨読み》は信じられないくらい強力なカードで4枚分のカードを掘ることができるし、ゲームの中盤と終盤において息切れを防ぐのに役立つ。
マナ
《印鑑》を含んだこのマナベースは1ターン目と2ターン目に除去を使うことを目指して設計したものだ。そしてさらに除去やブロッカーによってゲームを巻き返せるように十分に高いライフを保てるようにしている。
マルドゥはミッドレンジデッキだが絶対にコントロールデッキではない。その高品質なカードが動き始めるまで生き延びる必要がある。ゲーム後半で統治者がいるときはブロックをすることがより重要になるが、時として序盤にブロックをしなければならないこともあるだろう。ライフのやりくりはこのデッキをプレイする上で最も重要な要素の1つだ。しばしば綱渡りをしなければいけないし、ライフを取り戻し始めるために低いライフへと突入しなければならないこともある。時としてすべてを除去してゲームを逃げ切ることができるだろう。そうでなければ、爪を噛みながら相手が自分を負かす最後のピースを持っていないことを祈ることになる。
というわけで僕はまだこのデッキが今後数週間、素晴らしいものになると考えている。アモンケットは物事をそれほど揺さぶるようには見えない、そしてもし君が《黒薔薇の棘》を入手できたならマルドゥは統治者であることをアドバンテージとする素晴らしい手段だ。このデッキの核は《棘》と《正義》を一緒に使うことにある ―後はとにかく生き残ることだ。このデッキには決定事項は1つもないが、Pauperには優秀な除去が豊富に存在するから進化するメタゲームにデッキを適応させるのは簡単になるはずだ。ああ、それから ―たまにテーブルの反対側の生物を一掃するのは単純に楽しいものだよ。
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-04042017-the-world-is-burning/)
The World is Burning
by Alex Ullman, April 4, 2017
《炎樹族の使者》がここにあり、そしてすべてを変えてしまった。このフォーマットにギルド門侵犯のアンコモンからの追加があったことで、少なくとも当面の間、ストンピィはデルバーを押しのけてトップの座に君臨している。デルバーはかなりの期間頂点に立っていたからこれは一大事だ。《炎樹族の使者》はテンポの観点からフォーマットの質感を変化させ、その結果としてすべてを変更してしまった。
テンポを使ってゲーム全体のペースについて議論しようと思う。もう少し正確に言おう:多くの僕より優れたプレイヤーやライター達がこの議題にまあまあの結果で取り組もうとしてきた、なので僕はこの定義について注目する気はない。僕にとって(そして僕の理解において)、テンポとは平衡状態に関連してゲームに目を向けたものだ。何かしら盤面のバランスを一方向へ変化させるものはマッチアップのテンポに影響を与える、と言うことができる(そしてそれは君たちがそうなって欲しいと思うものだ)。Reid Duke は彼の公式での入門記事Level One(https://goo.gl/uE94VW)においてこの議題に関して素晴らしい記事を書いてくれていて、それを(同様に彼が書いたものすべてを)チェックするのを強く勧める。
そういったことから、Pauperに関連してバランスを取る行為について話すことができる。このフォーマットが最初に制定されたときのトップのデッキは黒単コントロールだった。攻撃的なデッキがあふれた世界では《墓所のネズミ》や《堕落の触手》を使えるデッキは最高潮だった。初期の黒単コントロールは序盤のあらゆるものを除去で否定しながら《触手》によってライフを水増ししていた。最終的にこのコントロールデッキは十分な《沼》を戦場に出して致命的な《堕落》を唱えたものだった。《墓所のネズミ》が複数のクリーチャーを処理できた一方で、当時の黒単をデッキたらしめていたのは《堕落の触手》だった。複数回の攻撃を無効にしながら相手の投資を取り消し、それからアンタップしてクリーチャーや除去につなげられることで《触手》は致命的なカードになった。テンペストがオンラインにやって来るまで黒単コントロールはトップにとどまっていた。
《モグの略奪者》がこの計算を変化させた。《ゴブリンのそり乗り》はすでに存在していたものの、《略奪者》によってゴブリンはより安定した動きを手に入れた。黒単をその座から叩き落とす上で重要なのは《触手》の効率を下げることであり、このデュオは正にそれを成し遂げた。4マナのインスタントの対象を生け贄に捧げることでライフ回復が阻止されることになる。突然、複数の重い除去呪文の機会費用は高すぎるものになり、Pauperは変化した。この相互作用だけでなく、《モグの戦争司令官》によって場を埋め尽くして《ゴブリンの奇襲隊》で何もないところから勝利できることでゴブリンはトップの座を奪い取った。
このことを持ち出したのは、Pauperのトップティアにおいて劇的なテンポの変化が起きたのはこれが最後だったからだ。《堕落の触手》が除去の控えに降格したことは多大な影響を及ぼした。小さいクリーチャーに頼ったデッキが戦うのはより簡単になった。《ギルドパクトの守護者》のようなカードは遅すぎて問題にならないとされ、マナカーブは下降し続けた。こうして遅めのデッキが現在の黒主体のコントロールデッキのように、4ターン目に単に《触手》を唱えるより《ファイレクシアの憤怒鬼》と除去を唱えられるようになった。その代わりこれらのコントロールデッキは自らの回復手段を後のターンへと後退させ、ゲームの進展におけるギャップができてしまった。
この押し合いの中で前へ出たのがデルバーだ。このデッキは《呪文づまりのスプライト》のおかげでフォーマットの中でも軽いマナカーブでアドバンテージを取る独特な立ち位置にいた。当初はこれが《フェアリーの大群》で補完されていて、相手に何もさせない初動が存在した ―《秘密を掘り下げる者》から《呪文づまり》を構えながらの《大群》― 、しかし《フェアリーの大群》が禁止されてもなお《呪文づまりのスプライト》は大きなテンポプレイであり続けている。
《流浪のドレイク》の時代を除いて、デルバーはPauperの基準のデッキであり続けている。何年もの間、他のすべてのデッキを測るための基準になっている。《秘密を掘り下げる者》、《尖塔のゴーレム》、《対抗呪文》、《噴出》そして《思案》-《定業》のデュオと大量の強力カードが使われている。それでもこのデッキの長期間の成功のカギとなっているカードの名前を一つ挙げるとするなら、プレイのペースを決定づける能力をもつ《呪文づまりのスプライト》になるだろう。どれだけ小さくても呪文を打ち消しながら戦力を展開することには大きな価値がある。《スプライト》を基準に用いることでデルバーはゲームのテンポをコントロールしようとしていた。《蒸気の絡みつき》、《断絶》そして《対抗呪文》を使って盤面のアドバンテージを維持しながら《昆虫の逸脱者》でプレッシャーをかけることが多かった。しかし《炎樹族の使者》は有意義な方法でこの力学を変えてしまった。
Pauperに新しいカードが導入されたとき、僕はよく慣性と運動量の話をする。既存のカードの重み ―慣性― に対して新しい選択肢が影響を及ぼすにはかなりの力が必要だ。時間とともにこれらのカードが雪だるま効果 ―運動量― を生み出すことでデッキは次のレベルへと進むことができる。ストンピィはここ数年連続してカードを獲得し続けていて、すでにデルバーとのマッチアップには強い。《炎樹族の使者》はその限界を超えさせる。デルバーがゲームの進行をコントロールしようとするところで、新しい構築のストンピィは台本を完全に無視して独自のやり方で進もうとする。
これだけでは大転換とは言えないかもしれないが、フォーマットを制限する要素は以前の《堕落の触手》のようにある程度の力を失ってしまった。《呪文づまりのスプライト》を唱えた後でも戦場に出たものに干渉できることが、デルバーの成功の一端を担っていた。《炎樹族の使者》単体は《蒸気の絡みつき》で戻されるかもしれないが、《使者》のマナで唱えたものに対してはバウンスは何もしない。《炎樹族の使者》が解決されることでデルバーは対等を維持するのが困難になる。
ストンピィはすでに幾つかの苦手があるトップティアデッキだった。それが《炎樹族の使者》の追加によって(僕の意見では)デルバーを追い越した。Pauperはまだこの新しい基準のデッキに完全には適応していないし、Pauperにおいてこれが何を意味するのかを僕らは表面的にしかわかっていない。ストンピィが早い段階で順位表の先頭を走ることは予想できた ―正しい答えを出すより質問する方が簡単だ。現在の戦いを勝ち抜くために2つのデッキが現れた。最初のデッキは前シーズンの終わりに現れたものだが、モダンマスタース2017の発売後に本当の盛り上がりを見せた。
《炎樹族の使者》は驚くほど強力なカードでありストンピィを頂点へと押し上げた。Pauperは今現在この新しい支配者に対して適応し始めているところだ:しかし、もしイゼット・デルバーとディンローヴァ・トロンが何らかの兆候であるとするなら今後数週間は面白いデッキが見られそうだ。そしてアモンケットはすぐそこまで来ている。
The World is Burning
by Alex Ullman, April 4, 2017
《炎樹族の使者》がここにあり、そしてすべてを変えてしまった。このフォーマットにギルド門侵犯のアンコモンからの追加があったことで、少なくとも当面の間、ストンピィはデルバーを押しのけてトップの座に君臨している。デルバーはかなりの期間頂点に立っていたからこれは一大事だ。《炎樹族の使者》はテンポの観点からフォーマットの質感を変化させ、その結果としてすべてを変更してしまった。
テンポを使ってゲーム全体のペースについて議論しようと思う。もう少し正確に言おう:多くの僕より優れたプレイヤーやライター達がこの議題にまあまあの結果で取り組もうとしてきた、なので僕はこの定義について注目する気はない。僕にとって(そして僕の理解において)、テンポとは平衡状態に関連してゲームに目を向けたものだ。何かしら盤面のバランスを一方向へ変化させるものはマッチアップのテンポに影響を与える、と言うことができる(そしてそれは君たちがそうなって欲しいと思うものだ)。Reid Duke は彼の公式での入門記事Level One(https://goo.gl/uE94VW)においてこの議題に関して素晴らしい記事を書いてくれていて、それを(同様に彼が書いたものすべてを)チェックするのを強く勧める。
そういったことから、Pauperに関連してバランスを取る行為について話すことができる。このフォーマットが最初に制定されたときのトップのデッキは黒単コントロールだった。攻撃的なデッキがあふれた世界では《墓所のネズミ》や《堕落の触手》を使えるデッキは最高潮だった。初期の黒単コントロールは序盤のあらゆるものを除去で否定しながら《触手》によってライフを水増ししていた。最終的にこのコントロールデッキは十分な《沼》を戦場に出して致命的な《堕落》を唱えたものだった。《墓所のネズミ》が複数のクリーチャーを処理できた一方で、当時の黒単をデッキたらしめていたのは《堕落の触手》だった。複数回の攻撃を無効にしながら相手の投資を取り消し、それからアンタップしてクリーチャーや除去につなげられることで《触手》は致命的なカードになった。テンペストがオンラインにやって来るまで黒単コントロールはトップにとどまっていた。
《モグの略奪者》がこの計算を変化させた。《ゴブリンのそり乗り》はすでに存在していたものの、《略奪者》によってゴブリンはより安定した動きを手に入れた。黒単をその座から叩き落とす上で重要なのは《触手》の効率を下げることであり、このデュオは正にそれを成し遂げた。4マナのインスタントの対象を生け贄に捧げることでライフ回復が阻止されることになる。突然、複数の重い除去呪文の機会費用は高すぎるものになり、Pauperは変化した。この相互作用だけでなく、《モグの戦争司令官》によって場を埋め尽くして《ゴブリンの奇襲隊》で何もないところから勝利できることでゴブリンはトップの座を奪い取った。
このことを持ち出したのは、Pauperのトップティアにおいて劇的なテンポの変化が起きたのはこれが最後だったからだ。《堕落の触手》が除去の控えに降格したことは多大な影響を及ぼした。小さいクリーチャーに頼ったデッキが戦うのはより簡単になった。《ギルドパクトの守護者》のようなカードは遅すぎて問題にならないとされ、マナカーブは下降し続けた。こうして遅めのデッキが現在の黒主体のコントロールデッキのように、4ターン目に単に《触手》を唱えるより《ファイレクシアの憤怒鬼》と除去を唱えられるようになった。その代わりこれらのコントロールデッキは自らの回復手段を後のターンへと後退させ、ゲームの進展におけるギャップができてしまった。
この押し合いの中で前へ出たのがデルバーだ。このデッキは《呪文づまりのスプライト》のおかげでフォーマットの中でも軽いマナカーブでアドバンテージを取る独特な立ち位置にいた。当初はこれが《フェアリーの大群》で補完されていて、相手に何もさせない初動が存在した ―《秘密を掘り下げる者》から《呪文づまり》を構えながらの《大群》― 、しかし《フェアリーの大群》が禁止されてもなお《呪文づまりのスプライト》は大きなテンポプレイであり続けている。
《流浪のドレイク》の時代を除いて、デルバーはPauperの基準のデッキであり続けている。何年もの間、他のすべてのデッキを測るための基準になっている。《秘密を掘り下げる者》、《尖塔のゴーレム》、《対抗呪文》、《噴出》そして《思案》-《定業》のデュオと大量の強力カードが使われている。それでもこのデッキの長期間の成功のカギとなっているカードの名前を一つ挙げるとするなら、プレイのペースを決定づける能力をもつ《呪文づまりのスプライト》になるだろう。どれだけ小さくても呪文を打ち消しながら戦力を展開することには大きな価値がある。《スプライト》を基準に用いることでデルバーはゲームのテンポをコントロールしようとしていた。《蒸気の絡みつき》、《断絶》そして《対抗呪文》を使って盤面のアドバンテージを維持しながら《昆虫の逸脱者》でプレッシャーをかけることが多かった。しかし《炎樹族の使者》は有意義な方法でこの力学を変えてしまった。
Pauperに新しいカードが導入されたとき、僕はよく慣性と運動量の話をする。既存のカードの重み ―慣性― に対して新しい選択肢が影響を及ぼすにはかなりの力が必要だ。時間とともにこれらのカードが雪だるま効果 ―運動量― を生み出すことでデッキは次のレベルへと進むことができる。ストンピィはここ数年連続してカードを獲得し続けていて、すでにデルバーとのマッチアップには強い。《炎樹族の使者》はその限界を超えさせる。デルバーがゲームの進行をコントロールしようとするところで、新しい構築のストンピィは台本を完全に無視して独自のやり方で進もうとする。
ストンピィ - Ichisuka, 5-0 Pauper Leagueこの新しいタイプのストンピィは爆発的なスタートを切る能力がある。2ターン目の《炎樹族の使者》は《巣の侵略者》や、緑の1マナ域と《大霊堂のスカージ》、あるいは別の《炎樹族の使者》へと繋げることができる。昔のゴブリンデッキは1ターン目に《ゴブリンのそり乗り》を出したら《モグの戦争司令官》で追い打ちをかけるだけだった。ストンピィは1/1ではなく2/2で同じ動きができるし、それは倍以上優れたことだ。これらを引くことでストンピィは従来のゲーム進行の段階を無視して即座に有利な態勢へと加速することができる。《クウィリーオン・レインジャー》が使えるということは《森》1枚だけでこういった初動ができるということだ。
クリーチャー(29)
1 《シラナの岩礁渡り/Silhana Ledgewalker》
2 《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》
2 《野生の雑種犬/Wild Mongrel》
4 《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》
4 《巣の侵略者/Nest Invader》
4 《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》
4 《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》
4 《スカルガンの穴潜み/Skarrgan Pit-Skulk》
4 《若き狼/Young Wolf》
インスタント(8)
2 《地うねり/Groundswell》
2 《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》
4 《巨森の蔦/Vines of Vastwood》
ソーサリー(1)
1 《勇壮な対決/Epic Confrontation》
エンチャント(4)
4 《怨恨/Rancor》
アーティファクト(2)
2 《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》
土地(16)
16 《森/Forest》
サイドボード(15)
1 《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》
2 《勇壮な対決/Epic Confrontation》
2 《部族養い/Feed the Clan》
2 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
4 《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》
4 《散弾の射手/Scattershot Archer》
これだけでは大転換とは言えないかもしれないが、フォーマットを制限する要素は以前の《堕落の触手》のようにある程度の力を失ってしまった。《呪文づまりのスプライト》を唱えた後でも戦場に出たものに干渉できることが、デルバーの成功の一端を担っていた。《炎樹族の使者》単体は《蒸気の絡みつき》で戻されるかもしれないが、《使者》のマナで唱えたものに対してはバウンスは何もしない。《炎樹族の使者》が解決されることでデルバーは対等を維持するのが困難になる。
ストンピィはすでに幾つかの苦手があるトップティアデッキだった。それが《炎樹族の使者》の追加によって(僕の意見では)デルバーを追い越した。Pauperはまだこの新しい基準のデッキに完全には適応していないし、Pauperにおいてこれが何を意味するのかを僕らは表面的にしかわかっていない。ストンピィが早い段階で順位表の先頭を走ることは予想できた ―正しい答えを出すより質問する方が簡単だ。現在の戦いを勝ち抜くために2つのデッキが現れた。最初のデッキは前シーズンの終わりに現れたものだが、モダンマスタース2017の発売後に本当の盛り上がりを見せた。
イゼット・デルバー - kungfutress, 5-0 Pauper Leagueイゼット・デルバーは単色のバージョンと同様の原理で動いている。しかしながら、《雪崩し》と《稲妻》のおかげで現在のメタゲームでは有利な位置にいる。デルバーがクリーチャーをバウンスしても後で唱えなおされるの見ていることしかできないのに対し、イゼット・デルバーは実際にそいつを殺すことができる。これらのカードによって対等を維持してゲームの中盤から後半を見据えることができる。このデッキはわずかに高いレベルのパワーを持っているが、赤いカードを使いこなすためにマナベースにある程度の譲歩をしなければならない。
クリーチャー(19)
3 《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
4 《フェアリーの悪党/Faerie Miscreant》
4 《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours》
4 《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
インスタント(17)
1 《目くらまし/Daze》
1 《払拭/Dispel》
1 《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》
2 《渦まく知識/Brainstorm》
2 《雪崩し/Skred》
3 《対抗呪文/Counterspell》
3 《噴出/Gush》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
ソーサリー(6)
3 《思案/Ponder》
3 《定業/Preordain》
土地(18)
3 《灰のやせ地/Ash Barrens》
4 《進化する未開地/Evolving Wilds》
2 《冠雪の山/Snow-Covered Mountain》
9 《冠雪の島/Snow-Covered Island》
サイドボード(15)
1 《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
1 《対抗呪文/Counterspell》
1 《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》
2 《雪崩し/Skred》
2 《電謀/Electrickery》
2 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
2 《水流破/Hydroblast》
2 《紅蓮破/Pyroblast》
2 《嵐縛りの霊/Stormbound Geis》
ディンローヴァ・トロン - RainmakerLuke, 5-0 Pauper Leagueこのコントロール・トロンデッキの新しい試みはまた話が違う。ディンローヴァ・トロンは除去によって盤面をコントロールしようとする代わりに、《幽霊のゆらめき》で《ディンローヴァの恐怖》を使いまわして対戦相手の場を食い尽くせるマナが溜まるまで、毎ターン《一瞬の平和》を唱えられる状態にしようとする。ディンローヴァ・トロンは完全に別の軸で戦うことで《炎樹族の使者》を無力化しようとしている。このデッキが気にするのは完全な優位を築くまで生き残るライフを維持することだけだ。《一瞬の平和》はライフを守る最高の手段の一つであり、《輪作》はこのデッキが早いターンに確実にウルザトロンを揃えるのに役立つ。《神秘の指導》と《禁忌の錬金術》の組み合わせは互いにコンボを織りなしている。デッキ全体が《炎樹族の使者》タイプのストンピィに対してアドバンテージを取りやすくなっているが、この新しいコモンを赤いデッキが採用するとなると不安定になるかもしれない。
クリーチャー(12)
2 《記憶の壁/Mnemonic Wall》
3 《ディンローヴァの恐怖/Dinrova Horror》
3 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
インスタント(18)
1 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
2 《卑下/Condescend》
2 《輪作/Crop Rotation》
2 《除外/Exclude》
2 《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》
2 《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker》
2 《神秘の指導/Mystical Teachings》
2 《禁制/Prohibit》
3 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
アーティファクト(7)
1 《ディミーアの印鑑/Dimir Signet》
2 《探検の地図/Expedition Map》
4 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
土地(23)
2 《島/Island》
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
1 《離れ島/Remote Isle》
3 《ゆらめく岩屋/Shimmering Grotto》
4 《茨森の滝/Thornwood Falls》
4 《ウルザの鉱山/Urza’s Mine》
4 《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant》
4 《ウルザの塔/Urza’s Tower》
サイドボード(15)
1 《輪作/Crop Rotation》
1 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
1 《調査/Probe》
1 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
1 《光輝の泉/Radiant Fountain》
1 《天啓の光/Ray of Revelation》
2 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
2 《電謀/Electrickery》
2 《水流破/Hydroblast》
3 《払拭/Dispel》
《炎樹族の使者》は驚くほど強力なカードでありストンピィを頂点へと押し上げた。Pauperは今現在この新しい支配者に対して適応し始めているところだ:しかし、もしイゼット・デルバーとディンローヴァ・トロンが何らかの兆候であるとするなら今後数週間は面白いデッキが見られそうだ。そしてアモンケットはすぐそこまで来ている。
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-02142017-a-pauper-primer-wrapping-up/)
A Pauper Primer: Wrapping up
by Alex Ullman, February 14, 2017
Pauperはとてつもなく多様なフォーマットだ。そしてその入門は、現時点で、主に過去と現在で確立されたデッキに焦点を当てている。詳しく見てきたデッキは1回のリーグで遭遇するとがそれなりに期待されるものだ。あるものは他より多く説明されるだろうが、本当に驚くべきものは1つもない。
もちろんPauperには掲載した18個よりも多くのアーキタイプがある。多くの頑固者が言うほど「デッキビルダーの楽園」ということはないが、それでもオンラインのメタゲームで成功しそうなアーキタイプが非常にたくさんある。
青と赤は協力してイゼットというPauperでも比較的強力な色の組み合わせを作る。《流浪のドレイク》が印刷されて優秀なコンボデッキの支配が始まる前、《秘密を掘り下げる者》、《熟考漂い》そして《海門の神官》を除去と打ち消しで援護することに頼ったミッドレンジデッキが存在した。《ドレイク》が去った後、2つの異なる青赤デッキが現れた、一方はもう一方より人気がある。
たくさんのデッキがある。Pauperは、言ったように、とてつもなく多様なフォーマットだ。時々「デッキビルターの楽園」と呼ばれるが、それは誤った呼び方だと思う。もっとも高いレベルにおいてPauperのメタゲームはよく定義されている、そして多くの選択肢が選べる一方で依然として良いかもしれないことが制限されている。次なる一大事を見つけ出すことを目指して、一部の際立って健全なカードをいかに「ぶっ壊す」かという議論がたくさん存在している。けれど、時々ものごとは競技レベルではとても機能しないものだ。
Pauperは競技フォーマットとしての立ち位置を見つけるのに苦労している。これは一部には紙とデジタルの世界との大きなギャップのせいだ。僕は依然としてMagic Onlineに準拠したカードプールへの統合を主張している。オンラインの方がより厳密にテストされているからね。これは使用可能の範囲外にあるカードを取り残してしまうことになるだろうが、デスクトップ上や心地良い地方のゲームショップで同じようにPauperを遊べるようにする上で大きな役割を果たす。
この統合はフォーマットのカバレージにとっても利益になるかもしれない。どうすればPauperについて多くの言葉が語られるようになるかを知るには、最近のフロンティアのコンテンツの拡散を見ればいい。フォーマットにより多くの目が集まれば潜在的により多くのコンテンツが生み出され、その結果デッキの進歩や発展を見つめる上での恩恵となるだろう。
Pauperは現時点で素晴らしい場所にいて、そしてまた別の何かの端に存在している。このシリーズで見たようにPauperには幅広く多様な戦略があり、それなりの戦略的深みがある。瞬きする間にゲームが終わったり、最後のカードを引くまでゲームが長引くこともある。Pauperが今まで以上に必要とするのはさらなる注目を浴びることだ。この入門は導入となることを意図している、そして願わくば君がコモンの世界に身を投じるきっかけになることを。
A Pauper Primer: Wrapping up
by Alex Ullman, February 14, 2017
Pauperはとてつもなく多様なフォーマットだ。そしてその入門は、現時点で、主に過去と現在で確立されたデッキに焦点を当てている。詳しく見てきたデッキは1回のリーグで遭遇するとがそれなりに期待されるものだ。あるものは他より多く説明されるだろうが、本当に驚くべきものは1つもない。
もちろんPauperには掲載した18個よりも多くのアーキタイプがある。多くの頑固者が言うほど「デッキビルダーの楽園」ということはないが、それでもオンラインのメタゲームで成功しそうなアーキタイプが非常にたくさんある。
青と赤は協力してイゼットというPauperでも比較的強力な色の組み合わせを作る。《流浪のドレイク》が印刷されて優秀なコンボデッキの支配が始まる前、《秘密を掘り下げる者》、《熟考漂い》そして《海門の神官》を除去と打ち消しで援護することに頼ったミッドレンジデッキが存在した。《ドレイク》が去った後、2つの異なる青赤デッキが現れた、一方はもう一方より人気がある。
イゼット・フェアリー - tedlyted, 5-0 Pauper League《フェアリーの悪党》と《呪文詰まりのスプライト》によるワン・ツーパンチは強力な組み合わせだ。《呪文詰まりのスプライト》は対戦相手の動きを奪いつつ場に戦力を残すことができるので、このフォーマットでもテンポ的効果が高い動きの1つだ。単体では特別なものではないが、それは《深き刻の忍者》を通り抜けさせるための最高の手段の1つだ。残りのクリーチャーは、デルバーの枠組みから《昆虫の逸脱者》を抜いて《熟考漂い》を入れたものだから見覚えがあるはずだ。デルバーにおける多くのバウンスと打ち消しの代わりは《稲妻》と《炎の斬りつけ》のような除去だ。時々デルバーが圧倒されてしまうようなゲームの終盤において、イゼット・フェアリーはゲームを決定づける火力を使うことができる。
クリーチャー(19)
3 《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours》
4 《フェアリーの悪党/Faerie Miscreant》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
4 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
4 《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
インスタント(12)
1 《払拭/Dispel》
1 《電謀/Electrickery》
1 《収穫の火/Harvest Pyre》
1 《霊魂放逐/Remove Soul》
4 《対抗呪文/Counterspell》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
ソーサリー(8)
4 《炎の斬りつけ/Flame Slash》
4 《定業/Preordain》
土地(21)
11 《島/Island》
2 《イゼットのギルド門/Izzet Guildgate》
4 《イゼットの煮沸場/Izzet Boilerworks》
4 《急流の崖/Swiftwater Cliffs》
サイドボード(15)
1 《電謀/Electrickery》
3 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
3 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
4 《水流破/Hydroblast》
4 《紅蓮破/Pyroblast》
イゼット・コントロール - Fuz65, 5-0 Pauper League《急流の崖》を採用した攻撃性の低いイゼット・コントロールは、とにかく大量のアドバンテージを得ようとする。このデッキは小さいクリーチャーで対戦相手にプレッシャーをかけるより、除去と打ち消しを使って《熟考漂い》で空から勝ちに行けるまで生き延びようとする。これらのデッキは序盤に地上を食い止めたり後半に軍隊を作るために《甲虫背の酋長》に大きく依存してもいる。イゼット・コントロールは《収穫の火》によって墓地を整理できるので《憑依された沼墓》を上手く使えるデッキの1つでもある。
クリーチャー(10)
2 《甲虫背の酋長/Beetleback Chief》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
4 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
インスタント(19)
1 《払拭/Dispel》
1 《マナ漏出/Mana Leak》
1 《霊魂放逐/Remove Soul》
2 《除外/Exclude》
2 《収穫の火/Harvest Pyre》
4 《蓄積した知識/Accumulated Knowledge》
4 《対抗呪文/Counterspell》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
ソーサリー(9)
1 《綿密な分析/Deep Analysis》
4 《炎の斬りつけ/Flame Slash》
4 《定業/Preordain》
土地(22)
3 《山/Mountain》
8 《島/Island》
1 《灰のやせ地/Ash Barrens》
2 《憑依された沼墓/Haunted Fengraf》
2 《イゼットの煮沸場/Izzet Boilerworks》
2 《イゼットのギルド門/Izzet Guildgate》
4 《急流の崖/Swiftwater Cliffs》
サイドボード(15)
1 《呪文貫き/Spell Pierce》
2 《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
2 《水流破/Hydroblast》
3 《電謀/Electrickery》
3 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
4 《紅蓮破/Pyroblast》
スリヴァー - photonphazer, 5-0 Pauper League上記のデッキの対極に位置するのがスリヴァーだ。ゴブリンとエルフはかなり部族テーマに沿っているものの、スリヴァーはロード系クリーチャーのおかげで伝統的な部族デッキと最も似ているものの1つだ。《筋肉スリヴァー》、《筋力スリヴァー》そして《捕食スリヴァー》はどれも歩く《栄光の頌歌》であり、それ以前に出した各クリーチャーの質を向上させる。スリヴァーは《悪性スリヴァー》のおかげで毒によって勝利できたり、強化と防御に《巨森の蔦》を使えるという利点がある。スリヴァーは除去の薄い環境で繁栄するが、黒主体のコントロールが強くなると勝つのが難しくなる。
クリーチャー(30)
3 《歩哨スリヴァー/Sentinel Sliver》
3 《紡績スリヴァー/Spinneret Sliver》
4 《筋肉スリヴァー/Muscle Sliver》
4 《板金スリヴァー/Plated Sliver》
4 《捕食スリヴァー/Predatory Sliver》
4 《横這スリヴァー/Sidewinder Sliver》
4 《筋力スリヴァー/Sinew Sliver》
4 《悪性スリヴァー/Virulent Sliver》
インスタント(2)
2 《巨森の蔦/Vines of Vastwood》
ソーサリー(5)
2 《巣の活性化/Hive Stirrings》
3 《神々との融和/Commune with the Gods》
エンチャント(3)
3 《未達への旅/Journey to Nowhere》
土地(20)
5 《森/Forest》
8 《平地/Plains》
1 《灰のやせ地/Ash Barrens》
2 《カルニの庭/Khalni Garden》
4 《花咲く砂地/Blossoming Sands》
サイドボード(15)
2 《真紅の見習い僧/Crimson Acolyte》
2 《太陽の槍/Sunlance》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
3 《自然のままに/Natural State》
3 《散弾の射手/Scattershot Archer》
3 《若き狼/Young Wolf》
感染 - dvnu, 5-0 Pauper League《激励》は《ぎらつかせのエルフ》との相互作用からPauperで禁止されたが、感染はまだ時々姿を現す。《巨森の蔦》と《地うねり》のような強力な強化呪文があれば10点を数えるのは20点を数えるのに比べてはるかに簡単だし、感染が勝てる理由がわかるだろう。問題点はクリーチャーが比較的貧弱で、除去を回避できる《墨蛾の生息地》がいないことで、感染は1/1と2/2のクリーチャーにすべてを注いでいる。そうは言っても、それによって2ターンという早さで勝つこともできるので完全に無視することはできない。
クリーチャー(17)
1 《嚢胞抱え/Cystbearer》
2 《ラノワールの占い師/Llanowar Augur》
2 《腐敗狼/Rot Wolf》
4 《荒廃のマンバ/Blight Mamba》
4 《ぎらつかせのエルフ/Glistener Elf》
4 《胆液爪のマイア/Ichorclaw Myr》
インスタント(20)
2 《地うねり/Groundswell》
2 《捕食者の一撃/Predator’s Strike》
4 《使徒の祝福/Apostle’s Blessing》
4 《変異原性の成長/Mutagenic Growth》
4 《レインジャーの悪知恵/Ranger’s Guile》
4 《巨森の蔦/Vines of Vastwood》
エンチャント(4)
4 《怨恨/Rancor》
土地(19)
17 《森/Forest》
2 《カルニの庭/Khalni Garden》
サイドボード(15)
1 《ムルタニの命令/Multani’s Decree》
1 《自然の要求/Nature’s Claim》
2 《植生噴出/Phytoburst》
2 《捕食者の一撃/Predator’s Strike》
2 《死体の野犬/Corpse Cur》
3 《撃墜/Take Down》
4 《勇壮な対決/Epic Confrontation》
レッド・デック・ウィンズ - DarkHellkite, 5-0 Pauper Leagueレッド・デック・ウィンズは《流浪のドレイク》がフォーマットを襲う直前に使われ始めた。部族シナジーの代わりに速攻を活かしていること以外はゴブリンと同じように動く。レッド・デック・ウィンズはPauperが《炎の斬りつけ》や《チェイナーの布告》を当てにしていることに付け込もうとする。戦力を《稲妻》で援護するのが勝利への近道だ。《稲妻》に頼るデッキが多くなるとこのバージョンの赤いデッキは弱くなる。
クリーチャー(32)
1 《マルドゥの斥候/Mardu Scout》
1 《火花鍛冶/Sparksmith》
2 《ラクドスの切り刻み教徒/Rakdos Shred-Freak》
2 《谷を駆ける者/Valley Dasher》
3 《ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter》
3 《内炎の見習い/Inner-Flame Acolyte》
4 《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》
4 《ゴブリンの群勢/Goblin Cohort》
4 《ジャッカルの使い魔/Jackal Familiar》
4 《モグの徴集兵部隊/Mogg Conscripts》
4 《泥騒ぎの群勢/Mudbrawler Cohort》
インスタント(6)
2 《火炎破/Fireblast》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
ソーサリー(3)
1 《稲妻の連鎖/Chain Lightning》
2 《命知らず/Reckless Abandon》
土地(19)
19 《山/Mountain》
サイドボード(15)
2 《火花鍛冶/Sparksmith》
2 《死の火花/Death Spark》
2 《電謀/Electrickery》
3 《溶鉄の雨/Molten Rain》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
3 《粉々/Smash to Smithereens》
トークン - sakkra, 5-0 Pauper Leagueトークンデッキはどれも同じようなアプローチをとっている、しかし構築にはいくらかの多様性がある。この白単のリストは1枚のカードから複数の戦力を展開することでカードアドバンテージを獲得しようとし、《栄光の頌歌》系の効果によって勝利しようとする。一部のバージョンは再供給の手段として《見張り番》を足している ―エルフの《遠くの旋律》と同じだ。さらに別のバージョンは《入門の儀式》のために赤を足している、新しいカードを手に入れてさらなるダメージのためにそれを投げ捨てるんだ。これらのデッキはデルバーに対する強さから人気があったが、カルドーサ・トークンがそのメタゲーム上の地位をほとんど奪い取ってしまった。
クリーチャー(9)
1 《魂の従者/Soul’s Attendant》
4 《無私の聖戦士/Selfless Cathar》
4 《魂の管理人/Soul Warden》
インスタント(15)
1 《マナの税収/Mana Tithe》
2 《レイモス教の再興/Ramosian Rally》
4 《恩寵借用/Borrowed Grace》
4 《護衛の誓約/Guardians’ Pledge》
4 《急報/Raise the Alarm》
ソーサリー(13)
1 《主の募兵/Cenn’s Enlistment》
4 《金切るときの声/Battle Screech》
4 《町民の結集/Gather the Townsfolk》
4 《三つぞろいの霊魂/Triplicate Spirits》
エンチャント(1)
1 《光糸の場/Lumithread Field》
土地(22)
19 《平地/Plains》
3 《隔離されたステップ/Secluded Steppe》
サイドボード(15)
1 《主の募兵/Cenn’s Enlistment》
1 《マナの税収/Mana Tithe》
1 《虹色の断片/Prismatic Strands》
2 《Holy Light》
2 《未達への旅/Journey to Nowhere》
2 《隔離する成長/Sundering Growth》
3 《魂の従者/Soul’s Attendant》
3 《光糸の場/Lumithread Field》
メタル・ホワイト - jphsnake, 5-0 Pauper Leauge《スレイベンの検査官》が作り出すアーティファクトは《献身的な補充兵》と《オーリオックの太陽追い》と非常にうまく調和している。時としてサイボーグと呼ばれるこのデッキは、破格の戦力を作り出すために金属術に大きく依存している。一部のバージョンは《感電破》のために赤をタッチしているが、このデッキが3/3をプレイしているうちに親和は4/4をプレイする。そして《エイトグ》がいる。ああ、それに《投げ飛ばし》だ。
クリーチャー(28)
4 《献身的な補充兵/Ardent Recruit》
4 《オーリオックの太陽追い/Auriok Sunchaser》
4 《宮廷のホムンクルス/Court Homunculus》
4 《金属ガエル/Frogmite》
4 《きらめく鷹/Glint Hawk》
4 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
4 《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》
アーティファクト(14)
2 《改革派の貨物車/Renegade Freighter》
4 《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》
4 《歯車工の組細工/Cogworker’s Puzzleknot》
4 《チス=ゴリアの歯/Tooth of Chiss-Goria》
土地(18)
10 《平地/Plains》
4 《古えの居住地/Ancient Den》
4 《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》
サイドボード(15)
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2 《チス=ゴリアの鱗/Scale of Chiss-Goria》
3 《孤独な宣教師/Lone Missionary》
4 《断片化/Fragmentize》
4 《軍旗の旗手/Standard Bearer》
ブルー・ズー - BuddytheFrog, 5-0 Pauper Leagueブルー・ズーはデルバーデッキのデルバーを《雲ヒレの猛禽》とすべて入れ替えたらどうなるかを問いかける。このデッキは《猛禽》をドラゴン並みの鳥に成長させるために大量のクリーチャーを使っていて、そこには攻撃の大御所たる《夢で忍び寄るもの》も含まれている。このデッキはカードを順番通りに引けないと苦戦してしまい、攻めがかなり貧弱になることがある。
クリーチャー(30)
3 《水深の予見者/Fathom Seer》
3 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
4 《雲ヒレの猛禽/Cloudfin Raptor》
4 《夢で忍び寄るもの/Dream Stalker》
4 《フェアリーの悪党/Faerie Miscreant》
4 《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours》
4 《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
4 《尖塔のゴーレム/Spire Golem》
インスタント(6)
1 《対抗呪文/Counterspell》
1 《払拭/Dispel》
2 《目くらまし/Daze》
2 《変異原性の成長/Mutagenic Growth》
ソーサリー(5)
1 《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
4 《定業/Preordain》
アーティファクト(1)
1 《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》
土地(18)
18 《島/Island》
サイドボード(15)
1 《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》
2 《オーラの変転/Aura Flux》
3 《対抗呪文/Counterspell》
3 《払拭/Dispel》
3 《水流破/Hydroblast》
3 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
黒緑アリストクラッツ - Kruppe1, 5-0 Pauper League《屍肉喰らい》は、生け贄シナジーと突発的なダメージを軸にしたデッキを試す強い動機になる。《血の座の吸血鬼》が一撃の力を与えてくれる一方で、《吠え群れの飢え》と《怨恨》はパワーを積み重ねることができる。他の2色の攻撃的戦略と同じように、このデッキは自分の引きの勝負になることがある。
クリーチャー(23)
3 《血の座の吸血鬼/Bloodthrone Vampire》
4 《膨れ鞘/Blisterpod》
4 《斑の子猪/Brindle Shoat》
4 《屍肉喰らい/Carrion Feeder》
4 《巣の侵略者/Nest Invader》
4 《若き狼/Young Wolf》
インスタント(8)
1 《墓の刈り取り/Reaping the Graves》
3 《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》
4 《悲劇的な過ち/Tragic Slip》
ソーサリー(3)
1 《消耗の儀式/Rite of Consumption》
2 《骨読み/Read the Bones》
エンチャント(4)
4 《怨恨/Rancor》
アーティファクト(2)
2 《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》
土地(20)
6 《森/Forest》
7 《沼/Swamp》
1 《やせた原野/Barren Moor》
2 《カルニの庭/Khalni Garden》
4 《ジャングルのうろ穴/Jungle Hollow》
サイドボード(15)
1 《押し寄せる砂/Choking Sands》
1 《ドルイドの講話/Druid’s Deliverance》
2 《汚染された地/Contaminated Ground》
2 《部族養い/Feed the Clan》
2 《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》
2 《無垢の血/Innocent Blood》
2 《減縮/Shrivel》
3 《自然のままに/Natural State》
ドメイン・ズー - wasteman, 5-0 Pauper League《部族の炎》は速やかにゲームを終わらせることができるし、《ナイレアの存在》があれば2ターン目に5種類すべての基本土地タイプを揃えることが可能だ。《存在》は《野生のナカティル》と《マトカの暴動者》を深刻な脅威へと変える。ドメイン・ズーはローグデッキとしてはまあまあ入賞をしているが、2回というのは本格的な入賞デッキとしては振るわなすぎる。
クリーチャー(20)
4 《オーラのナーリッド/Aura Gnarlid》
4 《密林の猿人/Kird Ape》
4 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
4 《マトカの暴動者/Matca Rioters》
4 《野生のナカティル/Wild Nacatl》
インスタント(4)
4 《稲妻/Lightning Bolt》
ソーサリー(4)
4 《部族の炎/Tribal Flames》
エンチャント(12)
4 《豊かな成長/Abundant Growth》
4 《ナイレアの存在/Nylea’s Presence》
4 《怨恨/Rancor》
土地(20)
1 《島/Island》
1 《平地/Plains》
1 《沼/Swamp》
2 《山/Mountain》
8 《森/Forest》
3 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》
4 《進化する未開地/Evolving Wilds》
サイドボード(15)
1 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2 《孤独な宣教師/Lone Missionary》
4 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
4 《電謀/Electrickery》
4 《隠れたる蜘蛛/Hidden Spider》
赤緑トロン - prolin, 5-0 Pauper Leagueウルザトロン(《ウルザの鉱山》、《ウルザの魔力路》そして《ウルザの塔》)に頼ったもう1つのデッキ、赤緑トロンは緑単色のバージョンから進化したデッキだ。カラデシュシーズンの後半で、このデッキはよくある《ファングレンの匪賊》と《ウラモグの破壊者》に加えて《大槌の接合者》と《不憫なグリフ》を《激情の共感者》というツールボックスに入れて出現した。《海門の神官》と《熟考漂い》を諦めたことで赤緑トロンは中盤に息切れする可能性がある。
クリーチャー(14)
1 《大槌の接合者/Maul Splicer》
2 《成し遂げた自動機械/Accomplished Automaton》
2 《激情の共感者/Fierce Empath》
2 《不憫なグリフ/Wretched Gryff》
3 《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher》
4 《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder》
インスタント(5)
1 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
4 《輪作/Crop Rotation》
ソーサリー(6)
2 《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》
4 《古きものの活性/Ancient Stirrings》
アーティファクト(16)
4 《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
4 《彩色の星/Chromatic Star》
4 《探検の地図/Expedition Map》
4 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
土地(19)
1 《山/Mountain》
1 《憑依された沼墓/Haunted Fengraf》
1 《セジーリのステップ/Sejiri Steppe》
1 《未知の岸/Unknown Shores》
3 《伝承の樹/Tree of Tales》
4 《ウルザの鉱山/Urza’s Mine》
4 《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant》
4 《ウルザの塔/Urza’s Tower》
サイドボード(15)
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
2 《平穏/Tranquility》
3 《電謀/Electrickery》
3 《部族養い/Feed the Clan》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
3 《石の雨/Stone Rain》
デルバーMUC - dd_fan, 5-0 Pauper League《秘密を掘り下げる者》はドロー・ゴー型の青いデッキにも居場所があるくらい強力な戦力だ。デルバーMUC(青単コントロール/Mono-Bule Control)はスタックにのったものすべてを打ち消そうとする。《秘密を掘り下げる者》が最後のダメージを与えるまで、場に出るものはすべて《尖塔のゴーレム》にブロックされるだろう。デルバーを使うもっとも遅い青デッキは、パーマネントを実際に処理する手段に欠けているので劣勢を跳ね返すのに苦戦することがある。
クリーチャー(10)
1 《水深の予見者/Fathom Seer》
1 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
4 《尖塔のゴーレム/Spire Golem》
インスタント(28)
2 《剥奪/Deprive》
2 《払拭/Dispel》
2 《除外/Exclude》
2 《ウーナの寵愛/Oona’s Grace》
2 《禁制/Prohibit》
2 《撤廃/Repeal》
4 《対抗呪文/Counterspell》
4 《誤算/Miscalculation》
4 《海賊の魔除け/Piracy Charm》
4 《熟慮/Think Twice》
土地(22)
18 《島/Island》
4 《流砂/Quicksand》
サイドボード(15)
1 《鋼の妨害/Steel Sabotage》
2 《払拭/Dispel》
2 《凍結燃焼の奇魔/Frostburn Weird》
2 《水流破/Hydroblast》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
3 《沿岸の見張り/Coast Watcher》
3 《血まみれの書の呪い/Curse of the Bloody Tome》
スノー・ゴー - BEAFy, 5-0 Pauper Leagueもう1つのドロー・ゴー型のデッキであるスノー・ゴーは、《雪崩し》で大きめの脅威を処理して、《神秘の指導》で状況にあった回答を探すことに頼っている。カードドローとカード選択でまとめられたスノー・ゴーはクリーチャーの少なさが別次元に達していて、メインの勝ち手段は《大量の芽吹き》と《戦場のたかり屋》のたった2枚だ。これら2枚を処理することでこのデッキを骨抜きにすることが可能だ。
クリーチャー(2)
1 《戦場のたかり屋/Battlefield Scrounger》
1 《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
インスタント(34)
1 《電謀/Electrickery》
1 《マグマのしぶき/Magma Spray》
1 《禁制/Prohibit》
1 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
1 《大量の芽吹き/Sprout Swarm》
2 《対抗呪文/Counterspell》
3 《記憶の欠落/Memory Lapse》
4 《蓄積した知識/Accumulated Knowledge》
4 《渦まく知識/Brainstorm》
4 《除外/Exclude》
4 《神秘の指導/Mystical Teachings》
4 《巻き直し/Rewind》
4 《雪崩し/Skred》
土地(24)
1 《冠雪の沼/Snow-Covered Swamp》
2 《ゆらめく岩屋/Shimmering Grotto》
2 《冠雪の森/Snow-Covered Forest》
3 《冠雪の山/Snow-Covered Mountain》
4 《灰のやせ地/Ash Barrens》
4 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》
8 《冠雪の島/Snow-Covered Island》
サイドボード(15)
1 《転覆/Capsize》
1 《電謀/Electrickery》
1 《心に静寂/Serene Heart》
3 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
3 《水流破/Hydroblast》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
3 《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
ターボ・フォグ - basking_devil, 5-0 Pauper LeaguePauperが攻撃的になるとすべての突撃を鈍らせる手段としてターボ・フォグが浮上する。このデッキはダメージで勝利する代わりに《蓄積した知識》やその他のドロー呪文を《ジェイスの消去》の燃料とする。このデッキは準備していない相手に対してゲームのルールを変えてしまうことができる。しかしながら、打ち消し呪文には苦戦させられるしライブラリーを削る以外の勝ち手段を持っていない。
インスタント(42)
2 《噴出/Gush》
2 《誤算/Miscalculation》
2 《中休み/Respite》
4 《蓄積した知識/Accumulated Knowledge》
4 《秘儀の否定/Arcane Denial》
4 《渦まく知識/Brainstorm》
4 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
4 《交錯の混乱/Muddle the Mixture》
4 《もつれ/Tangle》
4 《思案/Ponder》
4 《棚卸し/Take Inventory》
4 《ジェイスの消去/Jace’s Erasure》
土地(18)
3 《森/Forest》
8 《島/Island》
1 《伝承の樹/Tree of Tales》
2 《進化する未開地/Evolving Wilds》
4 《灰のやせ地/Ash Barrens》
サイドボード(15)
1 《自然のままに/Natural State》
2 《払拭/Dispel》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
3 《滋養/Nourish》
3 《物静かな破損/Quiet Disrepair》
4 《散弾の射手/Scattershot Archer》
ゴルガリ拷問生活 - emacs, 5-0 Pauper League
クリーチャー(27)
1 《苛性イモムシ/Caustic Caterpillar》
1 《煙霧吐き/Fume Spitter》
1 《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》
1 《吸血犬/Vampire Hounds》
2 《尊大なワーム/Arrogant Wurm》
2 《墓所のネズミ/Crypt Rats》
2 《ゴルガリの茶鱗/Golgari Brownscale》
2 《墓を掻き回すもの/Grave Scrabbler》
2 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
3 《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla》
3 《療養所の骸骨/Sanitarium Skeleton》
3 《胞子カエル/Spore Frog》
4 《野生の雑種犬/Wild Mongrel》
インスタント(3)
1 《破滅の刃/Doom Blade》
1 《忌まわしい回収/Grisly Salvage》
1 《過去との取り組み/Grapple with the Past》
ソーサリー(3)
3 《神々との融和/Commune with the Gods》
エンチャント(5)
1 《死の重み/Dead Weight》
4 《拷問生活/Tortured Existence》
土地(22)
4 《森/Forest》
7 《沼/Swamp》
2 《やせた原野/Barren Moor》
2 《進化する未開地/Evolving Wilds》
3 《ゴルガリの腐敗農場/Golgari Rot Farm》
4 《ジャングルのうろ穴/Jungle Hollow》
サイドボード(15)
1 《ゴルガリの茶鱗/Golgari Brownscale》
1 《破滅の刃/Doom Blade》
1 《最後の儀式/Last Rites》
1 《散弾の射手/Scattershot Archer》
1 《殺し/Snuff Out》
2 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
2 《強迫/Duress》
2 《フェアリーの忌み者/Faerie Macabre》
2 《骨までの齧りつき/Gnaw to the Bone》
2 《臭い草のインプ/Stinkweed Imp》
マルドゥ拷問生活 - EightSixEightSix, 5-0 Pauper League《拷問生活》はPauperで使える数少ないエンジンカードの1つだ。このストロングホールドのエンチャントは蓄えられた墓地すべてをツールボックスへと変えることができる。これらのデッキは長期戦を見据えて構築され、デッキ名になっているエンチャント無しでは非常に苦しむ傾向がある。この弱点を利点に変えるには《墓を掻き回すもの》を使ったいくつかの操作が必要になる、しかし長期戦で拷問生活に適うデッキはほとんどいない。これらのデッキはかなり人気があるが、技術を要するために無敗のリストに現れることはめったにない。
クリーチャー(20)
1 《甲虫背の酋長/Beetleback Chief》
1 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
1 《孤独な宣教師/Lone Missionary》
1 《禿鷹エイヴン/Vulturous Aven》
2 《墓所のネズミ/Crypt Rats》
2 《ゴルガリの茶鱗/Golgari Brownscale》
2 《墓を掻き回すもの/Grave Scrabbler》
3 《理想主義の修道士/Monk Idealist》
3 《臭い草のインプ/Stinkweed Imp》
4 《戦隊の鷹/Squadron Hawk》
インスタント(4)
1 《死の火花/Death Spark》
1 《虹色の断片/Prismatic Strands》
2 《終止/Terminate》
ソーサリー(4)
4 《信仰無き物あさり/Faithless Looting》
エンチャント(10)
1 《未達への旅/Journey to Nowhere》
1 《破滅の印章/Seal of Doom》
2 《死の重み/Dead Weight》
2 《炎の印章/Seal of Fire》
4 《拷問生活/Tortured Existence》
土地(22)
2 《山/Mountain》
2 《平地/Plains》
4 《沼/Swamp》
2 《オルゾフの聖堂/Orzhov Basilica》
2 《ラクドスの肉儀場/Rakdos Carnarium》
3 《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves》
3 《磨かれたやせ地/Scoured Barrens》
4 《灰のやせ地/Ash Barrens》
サイドボード(15)
1 《墓所のネズミ/Crypt Rats》
1 《死の重み/Dead Weight》
1 《死の火花/Death Spark》
1 《虹色の断片/Prismatic Strands》
1 《エイヴンの裂け目追い/Aven Riftwatcher》
1 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
1 《鋳塊かじり/Ingot Chewer》
2 《紅蓮破/Pyroblast》
2 《浄化の印章/Seal of Cleansing》
4 《最後の儀式/Last Rites》
たくさんのデッキがある。Pauperは、言ったように、とてつもなく多様なフォーマットだ。時々「デッキビルターの楽園」と呼ばれるが、それは誤った呼び方だと思う。もっとも高いレベルにおいてPauperのメタゲームはよく定義されている、そして多くの選択肢が選べる一方で依然として良いかもしれないことが制限されている。次なる一大事を見つけ出すことを目指して、一部の際立って健全なカードをいかに「ぶっ壊す」かという議論がたくさん存在している。けれど、時々ものごとは競技レベルではとても機能しないものだ。
Pauperは競技フォーマットとしての立ち位置を見つけるのに苦労している。これは一部には紙とデジタルの世界との大きなギャップのせいだ。僕は依然としてMagic Onlineに準拠したカードプールへの統合を主張している。オンラインの方がより厳密にテストされているからね。これは使用可能の範囲外にあるカードを取り残してしまうことになるだろうが、デスクトップ上や心地良い地方のゲームショップで同じようにPauperを遊べるようにする上で大きな役割を果たす。
この統合はフォーマットのカバレージにとっても利益になるかもしれない。どうすればPauperについて多くの言葉が語られるようになるかを知るには、最近のフロンティアのコンテンツの拡散を見ればいい。フォーマットにより多くの目が集まれば潜在的により多くのコンテンツが生み出され、その結果デッキの進歩や発展を見つめる上での恩恵となるだろう。
Pauperは現時点で素晴らしい場所にいて、そしてまた別の何かの端に存在している。このシリーズで見たようにPauperには幅広く多様な戦略があり、それなりの戦略的深みがある。瞬きする間にゲームが終わったり、最後のカードを引くまでゲームが長引くこともある。Pauperが今まで以上に必要とするのはさらなる注目を浴びることだ。この入門は導入となることを意図している、そして願わくば君がコモンの世界に身を投じるきっかけになることを。
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-02072017-a-pauper-primer-combo/)
A Pauper Primer: Combo
by Alex Ullman, February 7, 2017
熱烈なPauperプレイヤーを連れてきてPauperとマジック全体の関係について尋ねたならば、おそらくある傾向が現れるだろう。プレイヤーは攻撃的なデッキの強さを解説し、《対抗呪文》ベースのコントロールについて詩を吟じたがる。彼らに独り言を続けさせるとしてもコンボの話になるとおそらく顔をしかめるだろう。メタゲームが安定して多様なデッキがあるのにも関わらず、Pauperのコンボデッキの歴史は悲惨なものだ。
それはコンボデッキが存在してこなかったということではない:禁止されなければならないほど支配的だったということだ。
禁止リストに立ち返るとこの事実が浮き彫りになる。《ぶどう弾》、《巣穴からの総出》そして《時間の亀裂》はすべて禁止されている。最初の2つがそれ自身でゲームを終わらせた一方で、《亀裂》は単に一方的な《抹消》として機能した。《フェアリーの大群》と《流浪のドレイク》は《幽霊のゆらめき》と《記憶の壁》(あるいは《古術師》)と一緒になって無限のマナを生み出す。《大あわての捜索》はマナを得るだけでなくコンボデッキで必要なくなったカードを振るい落としてくれる。Pauperのクリーチャー達とは違い、呪文の方はコンボデッキに適している。軽いカード選択呪文と儀式が豊富にある。《思案》と《定業》が重要呪文を見つけやすくしてくれる一方で、《炎の儀式》と《暗黒の儀式》が噴出するパイプラインのように機能する。これだけでコンボが強くなり過ぎるわけではない。それよりむしろ干渉手段が不足していることで、コンボデッキが現れたときにそれを支配的な強さにしてしまうんだ。
他のフォーマットのコンボデッキを考えてみよう。それらを抑制するためにどんな手段があるだろうか?その金字塔が《意志の力/Force of Will》だ。このピッチカウンターはそれだけでコンボデッキを止めることはできないが、むしろ《狼狽の嵐》のようなサイドカードと一緒に使って役に立つ。《不毛の大地》、《露天鉱床》そして《血染めの月》はどれもマナを拘束するし、《神聖の力線》はコンボの達成を劇的に拘束することができる。《磁石のゴーレム》、《虚空の杯》、《スレイベンの守護者、サリア》その他もろもろの「タックス」カードすべてが存在する。ああそうだ、《師範の占い独楽》と《相殺》は一緒になって呪文の解決させなくできる。
Pauperには《目くらまし》と《強迫》がある。
これは問題の単純化というより総まとめだ。《巣穴からの総出》のようなカードは元からこのフォーマットに多くの対策がある ―《電謀》、《Holy Light》、《残響する衰微》、《残響する真実》― しかしこのことがPauperを「対策を持っているか否か?」のゲームにしてしまう。Pauperは伝統的なコンボデッキのプランを遅らせる予防対策が不足している、そしてその代わりに、相手に対応するカードが豊富にある。《強迫》はとても強いカードだが《陰謀団式療法》と違って1枚しか捨てさせられない。同様に、素晴らしい打ち消し呪文があるとしても、コンボエンジンと戦う際に《対抗呪文》は《意志の力/Force of Will》ではない。
これが合わさった結果、コンボデッキがPauperで強いときそれは完全に支配的なものになる傾向がある。この分かりきった事実は、コンボと戦うために必要な呪文の性質上常に変化しそうにない。コモンはその性質上、ゲームにおいてより大きな機能を果たすために普通のマジックの軸に沿って動作する必要がある。そのためコモンはかなり標準的な効果を持たなければならない。コンボデッキは悪用できるゲームの抜け穴を探すし、その副産物としてコンボへの最高の回答の多くはレアリティが高くなってしまう。
しかしPauperにはコンボデッキが存在する。他のエターナルフォーマットにおけるスタック多用の構築とは似ていないかもしれないが、ゲームにおいて同じようにプレッシャーをかけることができる。今日はより成功しているコンボデッキの一部と根強いファンがいるマイナーな戦略について考察しようと思う。
僕らのアグロの議論は親和で締めくくられた。このデッキは《エイトグ》と《投げ飛ばし》の瞬殺コンボを使うことができる。一部の親和の構築は1枚の《ティムールの激闘》によって異なる角度から攻めることを選択している。僕らのコンボの議論の最初のデッキも獰猛さを享受している。
このデッキのゲームプランは単純だがプレイは思いのほか難しい。目指すのは《窯の悪鬼》や《ニヴィックスのサイクロプス》によって対戦相手に一撃を入れることだ。単純だろう?これを達成するためにこのデッキはたくさんの軽いインスタントとソーサリーを使い、それらがデッキをかき混ぜるのにも役立つんだ。 《使徒の祝福》のようなカードは戦力を除去から守るのとゲームを終わらせる際に回避能力を与えるのと2つの役割をこなす。一部の構築はメインデッキに《払拭》を使うことを選択しているがサイドボードにいる方がずっと一般的だ。イゼット・ブリッツデッキは本当に20点の一撃を与えなくてもいいように《秘密を掘り下げる者》も使っているし、《稲妻》で道を切り開いたり最後の数点を与えたりする。
おそらくこのデッキで一番強力なカードは《噴出》だろう。コンボのターンはよく《噴出》の代替コストが支払われる前に島2枚がタップされることから始まる。土地1枚がすぐにプレイしなおされ、イゼット・ブリッツは《ティムールの激闘》の前に少なくとも3つの呪文が見込めるようになる。大抵の場合それは最終ダメージとして十分過ぎるものだ。ここで《ギタクシア派の調査》はコンボのターンに追加ダメージを与える「無料」のカードとして扱われる。《シャドーの裂け目》と《ひずみの一撃》も攻撃を通すのに役立つし、同時に《シャドーの裂け目》には1体のみのブロッカーにシャドーを与えて退けてしまえるという別の有用性がある。
イゼット・ブリッツは有力なデッキだが重大な欠点がある ―クリーチャーが少なく《チェイナーの布告》に対して脆いんだ。これに対抗するためイゼット・ブリッツデッキの多くは《嵐縛りの霊》や《空中生成エルドラージ》をよくサイドボードに積むことがある。一部の構築は、プレイヤーを対象とする可能性があるソーサリーやその他の呪文を見つけるために《知恵比べ》を採用している。
イゼット・ブリッツは安定した入賞デッキであり、他のデッキにはできない方法でフォーマットにプレッシャーをかけることができる。このデッキをチャンピオンにさせない唯一の理由は、このフォーマットに元から対策があるということそしてこのデッキが安定しない可能性があるということだ。レガシーやヴィンテージと違って《噴出》が戻して出しなおすことができるのは青マナを出す《島》だけだ、《Volcanic Island》やその他本物のデュアルランドとは違う。同様に《広漠なる変幻地》と《進化する未開地》は基本地形を持ってこれるかもしれないが、タップ状態で戦場に出ることでのテンポへの被害は甚大だ。
僕らのリストの次のデッキは同じようなマナの問題は抱えていない。君のマナベースが《山》だけでできているとしたら間違った土地を引くのは難しい。
Pauperのバーンは「火の哲学」を素晴らしく体現している。各呪文が《稲妻》(あるいはそれ以上)のダメージの価値があると、《針落とし》はかなり物足りなく見える。重要なのは追加のカードだ。《針落とし》は大抵の場合別の火力呪文を引かせてくれるので実は4点分の価値があるんだ。《貫かれた心臓の呪い》は、場を離れなければ1ターンをかけるのに見合ったダメージを与えてくれるだろう。これら2枚のカードは何年もこのフォーマットにいるがバーンは特定のメタゲームで有利になるデッキのままだった。《熱錬金術師》がそのすべてを変化させた。
《熱錬金術師》はバーンのインスタントやソーサリーすべてを強化する。《熱錬金術師》が場に出ているとすべての呪文は今や3点ではなく4点のダメージを与える。《針落とし》は常に「オン」の状態になるのでかなり強くなる。《熱錬金術師》はバーンに並外れた「リーチ」を与え、このデッキの長い間の弱点を補強する ―ライフゲインだ。《熱錬金術師》以前のバーンは21点のダメージを与えることにとても長けていた。タルキール覇王譚のゲインランドとその他の二次的なライフゲインは、多くの場合別のデッキが勝利するまでバーンとのゲームを長引かせるのに十分だった。《熱錬金術師》はバーンに25から28点のダメージを与えるのを容易にし、防御的なデッキにさらなるプレッシャーを与えた。《熱錬金術師》を誘発させるドロー1枚と《火炎の裂け目》や《火炎破》はゲームを迅速に終わらせることができる。この異界月のコモンはバーンを完全に別な水準へと押し上げた。
バーンは遅いコンボデッキのように動き、その回復力にも関わらず依然として強固な防御の前にたじろいでしまうことがある。《ムラーサの胎動》は大きな悩みの種であり、《熱錬金術師》か《貫かれた心臓の呪い》のどちらかを無力化して1ターン以上の時間を稼ぐことができる。《熱錬金術師》がいることでもはや除去がバーンに対して完全に腐ることはない。《呪い》はより対処しづらいものの、よく使われている《水流破》によって処理することができる。手札破壊と打ち消しもバーンの行く手を阻むことができるし、軽い回答が豊富にあるのでバーンが最強候補になるのは難しいと判明している。
一部の除去はバーンに対して強くなることがあるが、それは僕らの3番目によく使われるコンボデッキに対しては寄せ集めにすぎない。
エルフはゲームの発展中の段階から最小限のターンで大量のマナまで加速することを目指す。1枚の《森》が《エルフの神秘家》や《クウィリーオン・レインジャー》を生み出すことができる、このデッキはそれによって2ターン目に全力を出すことができる。《ティタニアの僧侶》は序盤のクリーチャーすべてを余剰のマナに変えることができ、そうして《エルフの先兵》や《森林守りのエルフ》が唱えやすくなる。これらのカードがゲームを短時間で終わらせるの役立つ一方、《幸運を祈る者》は生き残るのを簡単にしてくれる。一部のエルフデッキは勝利を確実にするために数枚の《ウラモグの破壊者》を採用している。
エルフは除去に影響を受けやすい。《チェイナーの布告》で失速させられることがあるイゼット・ブリッツや《熱錬金術師》と違い、簡単に横に広げられるデッキ相手にはこのお馴染みのソーサリーはむしろ弱く見える。《墓所のネズミ》や《エヴィンカーの正義》のようなカードはエルフの全軍を一掃するのに活用できるが《エルフの先兵》はこの関係を変化させた。対象をとる除去がエルフに対して弱いことはなかったし、今は少し強くなった。しかしこのデッキは依然として干渉力に乏しい引きを圧倒することができる。エルフはそこそこのマナを持って序盤を生き残らなければならず、序盤のクリーチャーを《炎の稲妻》や《死の重み》で落とされるとその後の1マナ域が意味をなさなくなってしまうだけの時間を稼がれてしまう。
これらは現在のPauperのメタゲームでもっとも成功しているコンボデッキだ。別のコンボデッキも存在しているが、将来入賞デッキになるだけの枠組みをもっているマイナーなアーキタイプは1つだけだ。
ミッドナイト・ゴンドの素晴らしいところはコンボの核以外の部分が非常に柔軟なところだ。《深夜の護衛》と《ゴンドの存在》が占めるスロットはわずかに8枚だし、既存のあらゆるセレズニアの構築に当てはめることができる。カードが印刷されていくに連れてこのデッキが必要とするツールが手に入る可能性は高くなっていく。
コンボはPauperの漠然とした領域に存在している。大いにクリーチャーに依存した環境ではコンボデッキは枠をはみ出して行きたいが、それはよく定義されたパラメータの中で動作しなければならない。現在、コンボは他の戦略を圧迫することなく、一要素として十分な強さを持っている。これらのデッキは活力が追加されても耐えられるだろうが、それが余りに大きければ何かが禁止リストへ送られる可能性がある。
次週はフォーマットの問題点とローグデッキでこのPauper入門を締めくくる。
A Pauper Primer: Combo
by Alex Ullman, February 7, 2017
熱烈なPauperプレイヤーを連れてきてPauperとマジック全体の関係について尋ねたならば、おそらくある傾向が現れるだろう。プレイヤーは攻撃的なデッキの強さを解説し、《対抗呪文》ベースのコントロールについて詩を吟じたがる。彼らに独り言を続けさせるとしてもコンボの話になるとおそらく顔をしかめるだろう。メタゲームが安定して多様なデッキがあるのにも関わらず、Pauperのコンボデッキの歴史は悲惨なものだ。
それはコンボデッキが存在してこなかったということではない:禁止されなければならないほど支配的だったということだ。
禁止リストに立ち返るとこの事実が浮き彫りになる。《ぶどう弾》、《巣穴からの総出》そして《時間の亀裂》はすべて禁止されている。最初の2つがそれ自身でゲームを終わらせた一方で、《亀裂》は単に一方的な《抹消》として機能した。《フェアリーの大群》と《流浪のドレイク》は《幽霊のゆらめき》と《記憶の壁》(あるいは《古術師》)と一緒になって無限のマナを生み出す。《大あわての捜索》はマナを得るだけでなくコンボデッキで必要なくなったカードを振るい落としてくれる。Pauperのクリーチャー達とは違い、呪文の方はコンボデッキに適している。軽いカード選択呪文と儀式が豊富にある。《思案》と《定業》が重要呪文を見つけやすくしてくれる一方で、《炎の儀式》と《暗黒の儀式》が噴出するパイプラインのように機能する。これだけでコンボが強くなり過ぎるわけではない。それよりむしろ干渉手段が不足していることで、コンボデッキが現れたときにそれを支配的な強さにしてしまうんだ。
他のフォーマットのコンボデッキを考えてみよう。それらを抑制するためにどんな手段があるだろうか?その金字塔が《意志の力/Force of Will》だ。このピッチカウンターはそれだけでコンボデッキを止めることはできないが、むしろ《狼狽の嵐》のようなサイドカードと一緒に使って役に立つ。《不毛の大地》、《露天鉱床》そして《血染めの月》はどれもマナを拘束するし、《神聖の力線》はコンボの達成を劇的に拘束することができる。《磁石のゴーレム》、《虚空の杯》、《スレイベンの守護者、サリア》その他もろもろの「タックス」カードすべてが存在する。ああそうだ、《師範の占い独楽》と《相殺》は一緒になって呪文の解決させなくできる。
Pauperには《目くらまし》と《強迫》がある。
これは問題の単純化というより総まとめだ。《巣穴からの総出》のようなカードは元からこのフォーマットに多くの対策がある ―《電謀》、《Holy Light》、《残響する衰微》、《残響する真実》― しかしこのことがPauperを「対策を持っているか否か?」のゲームにしてしまう。Pauperは伝統的なコンボデッキのプランを遅らせる予防対策が不足している、そしてその代わりに、相手に対応するカードが豊富にある。《強迫》はとても強いカードだが《陰謀団式療法》と違って1枚しか捨てさせられない。同様に、素晴らしい打ち消し呪文があるとしても、コンボエンジンと戦う際に《対抗呪文》は《意志の力/Force of Will》ではない。
これが合わさった結果、コンボデッキがPauperで強いときそれは完全に支配的なものになる傾向がある。この分かりきった事実は、コンボと戦うために必要な呪文の性質上常に変化しそうにない。コモンはその性質上、ゲームにおいてより大きな機能を果たすために普通のマジックの軸に沿って動作する必要がある。そのためコモンはかなり標準的な効果を持たなければならない。コンボデッキは悪用できるゲームの抜け穴を探すし、その副産物としてコンボへの最高の回答の多くはレアリティが高くなってしまう。
しかしPauperにはコンボデッキが存在する。他のエターナルフォーマットにおけるスタック多用の構築とは似ていないかもしれないが、ゲームにおいて同じようにプレッシャーをかけることができる。今日はより成功しているコンボデッキの一部と根強いファンがいるマイナーな戦略について考察しようと思う。
僕らのアグロの議論は親和で締めくくられた。このデッキは《エイトグ》と《投げ飛ばし》の瞬殺コンボを使うことができる。一部の親和の構築は1枚の《ティムールの激闘》によって異なる角度から攻めることを選択している。僕らのコンボの議論の最初のデッキも獰猛さを享受している。
イゼット・ブリッツ - Xto2, 5-0 Pauper Leagueイゼット・ブリッツはたくさんの青いドロー操作を活用する。これらはストームコンボを非常に安定させていたのと同じものだ。《思案》と《定業》はゴブリン2体分や《ぶどう弾》のダメージ1点分の仕事をこなしていたが、イゼット・ブリッツにおいては無料の《溶岩の撃ち込み》になる。
クリーチャー(12)
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
4 《窯の悪鬼/Kiln Fiend》
4 《ニヴィックスのサイクロプス/Nivix Cyclops》
インスタント(18)
1 《渦まく知識/Brainstorm》
1 《払拭/Dispel》
1 《シャドーの裂け目/Shadow Rift》
2 《変異原性の成長/Mutagenic Growth》
3 《使徒の祝福/Apostle’s Blessing》
3 《噴出/Gush》
3 《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
ソーサリー(12)
4 《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
4 《思案/Ponder》
4 《定業/Preordain》
土地(18)
3 《山/Mountain》
8 《島/Island》
2 《大焼炉/Great Furnace》
2 《急流の崖/Swiftwater Cliffs》
3 《進化する未開地/Evolving Wilds》
サイドボード(15)
1 《鋭い痛み/Flaring Pain》
2 《電謀/Electrickery》
3 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
3 《水流破/Hydroblast》
3 《知恵比べ/Outwit》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
このデッキのゲームプランは単純だがプレイは思いのほか難しい。目指すのは《窯の悪鬼》や《ニヴィックスのサイクロプス》によって対戦相手に一撃を入れることだ。単純だろう?これを達成するためにこのデッキはたくさんの軽いインスタントとソーサリーを使い、それらがデッキをかき混ぜるのにも役立つんだ。 《使徒の祝福》のようなカードは戦力を除去から守るのとゲームを終わらせる際に回避能力を与えるのと2つの役割をこなす。一部の構築はメインデッキに《払拭》を使うことを選択しているがサイドボードにいる方がずっと一般的だ。イゼット・ブリッツデッキは本当に20点の一撃を与えなくてもいいように《秘密を掘り下げる者》も使っているし、《稲妻》で道を切り開いたり最後の数点を与えたりする。
おそらくこのデッキで一番強力なカードは《噴出》だろう。コンボのターンはよく《噴出》の代替コストが支払われる前に島2枚がタップされることから始まる。土地1枚がすぐにプレイしなおされ、イゼット・ブリッツは《ティムールの激闘》の前に少なくとも3つの呪文が見込めるようになる。大抵の場合それは最終ダメージとして十分過ぎるものだ。ここで《ギタクシア派の調査》はコンボのターンに追加ダメージを与える「無料」のカードとして扱われる。《シャドーの裂け目》と《ひずみの一撃》も攻撃を通すのに役立つし、同時に《シャドーの裂け目》には1体のみのブロッカーにシャドーを与えて退けてしまえるという別の有用性がある。
イゼット・ブリッツは有力なデッキだが重大な欠点がある ―クリーチャーが少なく《チェイナーの布告》に対して脆いんだ。これに対抗するためイゼット・ブリッツデッキの多くは《嵐縛りの霊》や《空中生成エルドラージ》をよくサイドボードに積むことがある。一部の構築は、プレイヤーを対象とする可能性があるソーサリーやその他の呪文を見つけるために《知恵比べ》を採用している。
イゼット・ブリッツは安定した入賞デッキであり、他のデッキにはできない方法でフォーマットにプレッシャーをかけることができる。このデッキをチャンピオンにさせない唯一の理由は、このフォーマットに元から対策があるということそしてこのデッキが安定しない可能性があるということだ。レガシーやヴィンテージと違って《噴出》が戻して出しなおすことができるのは青マナを出す《島》だけだ、《Volcanic Island》やその他本物のデュアルランドとは違う。同様に《広漠なる変幻地》と《進化する未開地》は基本地形を持ってこれるかもしれないが、タップ状態で戦場に出ることでのテンポへの被害は甚大だ。
僕らのリストの次のデッキは同じようなマナの問題は抱えていない。君のマナベースが《山》だけでできているとしたら間違った土地を引くのは難しい。
バーン - Jrickard, 5-0 Pauper Leagueそうだ、僕はバーンをコンボデッキだと考えている。このコンボは十分な呪文を集めて20点のダメージを与える。そういう意味で(1ターンで勝利しようとせずに数ターンに分けることを別にすれば)これはストームと似ている。バーンは極めてマナ効率がよく、簡単に毎ターンすべてのマナを使いきることができる。このデッキは《稲妻》を模したカードがかなり重複して入っている。古い殻を打ち破ったのは《針落とし》、《熱錬金術師》そして《貫かれた心臓の呪い》だ。
クリーチャー(7)
3 《ケルドの匪賊/Keldon Marauders》
4 《熱錬金術師/Thermo-Alchemist(EMN)》
インスタント(18)
2 《火葬/Incinerate》
4 《火炎破/Fireblast》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《針落とし/Needle Drop》
4 《焼尽の猛火/Searing Blaze》
ソーサリー(12)
4 《稲妻の連鎖/Chain Lightning》
4 《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》
4 《火炎の裂け目/Flame Rift》
エンチャント(4)
4 《貫かれた心臓の呪い/Curse of the Pierced Heart》
土地(19)
17 《山/Mountain》
2 《忘れられた洞窟/Forgotten Cave》
サイドボード(15)
1 《はらわた撃ち/Gut Shot》
1 《溶鉄の雨/Molten Rain》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2 《沸血のドワーフ/Bloodfire Dwarf》
2 《電謀/Electrickery》
3 《鋭い痛み/Flaring Pain》
4 《粉々/Smash to Smithereens》
Pauperのバーンは「火の哲学」を素晴らしく体現している。各呪文が《稲妻》(あるいはそれ以上)のダメージの価値があると、《針落とし》はかなり物足りなく見える。重要なのは追加のカードだ。《針落とし》は大抵の場合別の火力呪文を引かせてくれるので実は4点分の価値があるんだ。《貫かれた心臓の呪い》は、場を離れなければ1ターンをかけるのに見合ったダメージを与えてくれるだろう。これら2枚のカードは何年もこのフォーマットにいるがバーンは特定のメタゲームで有利になるデッキのままだった。《熱錬金術師》がそのすべてを変化させた。
《熱錬金術師》はバーンのインスタントやソーサリーすべてを強化する。《熱錬金術師》が場に出ているとすべての呪文は今や3点ではなく4点のダメージを与える。《針落とし》は常に「オン」の状態になるのでかなり強くなる。《熱錬金術師》はバーンに並外れた「リーチ」を与え、このデッキの長い間の弱点を補強する ―ライフゲインだ。《熱錬金術師》以前のバーンは21点のダメージを与えることにとても長けていた。タルキール覇王譚のゲインランドとその他の二次的なライフゲインは、多くの場合別のデッキが勝利するまでバーンとのゲームを長引かせるのに十分だった。《熱錬金術師》はバーンに25から28点のダメージを与えるのを容易にし、防御的なデッキにさらなるプレッシャーを与えた。《熱錬金術師》を誘発させるドロー1枚と《火炎の裂け目》や《火炎破》はゲームを迅速に終わらせることができる。この異界月のコモンはバーンを完全に別な水準へと押し上げた。
バーンは遅いコンボデッキのように動き、その回復力にも関わらず依然として強固な防御の前にたじろいでしまうことがある。《ムラーサの胎動》は大きな悩みの種であり、《熱錬金術師》か《貫かれた心臓の呪い》のどちらかを無力化して1ターン以上の時間を稼ぐことができる。《熱錬金術師》がいることでもはや除去がバーンに対して完全に腐ることはない。《呪い》はより対処しづらいものの、よく使われている《水流破》によって処理することができる。手札破壊と打ち消しもバーンの行く手を阻むことができるし、軽い回答が豊富にあるのでバーンが最強候補になるのは難しいと判明している。
一部の除去はバーンに対して強くなることがあるが、それは僕らの3番目によく使われるコンボデッキに対しては寄せ集めにすぎない。
エルフ - Yz0, 5-0 Pauper LeaguePauperのエルフコンボはレガシーや昔のエクステンデッドのそれとは別物だ。《イラクサの歩哨》と組み合わせて行き過ぎたマナを生み出す《遺産のドルイド》はいないし、途方もない枚数のカードを引くための《垣間見る自然》もない。止めの《孔蹄のビヒモス》もいない。代わりにエルフは《樺の知識のレインジャー》と《イラクサの歩哨》とのコンボで好きな色のマナを生み出す。緑1マナで《垣間見る自然》を唱える代わりに、Pauperのエルフは4マナで《遠くの旋律》を唱えて唱えた側の場にすでに出ているエルフの数だけのカードを引く。《踏み荒らし》効果の代わりにエルフは《リス・アラナの狩りの達人》で横に広げたり《エルフの先兵》と《森林守りのエルフ》で縦に伸ばしたりする。エルフは爆発的なスタートが可能なクリーチャー中心のコンボデッキだ。
クリーチャー(41)
1 《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher》
2 《Fyndhorn Elves》
2 《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》
2 《幸運を祈る者/Wellwisher》
3 《エルフの神秘家/Elvish Mystic》
3 《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
4 《樺の知識のレインジャー/Birchlore Rangers》
4 《エルフの先兵/Elvish Vanguard》
4 《リス・アラナの狩りの達人/Lys Alana Huntmaster》
4 《ティタニアの僧侶/Priest of Titania》
4 《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》
4 《森のレインジャー/Sylvan Ranger》
4 《森林守りのエルフ/Timberwatch Elf》
インスタント(2)
1 《進化の魔除け/Evolution Charm》
1 《ワイアウッドの誇り/Wirewood Pride》
ソーサリー(8)
4 《遠くの旋律/Distant Melody》
4 《土地譲渡/Land Grant》
エンチャント(2)
2 《蜘蛛糸の鎧/Spidersilk Armor》
土地(8)
1 《島/Island》
7 《森/Forest》
サイドボード(15)
3 《散弾の射手/Scattershot Archer》
4 《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》
4 《もつれ/Tangle》
4 《高名への苦役/Toil to Renown》
エルフはゲームの発展中の段階から最小限のターンで大量のマナまで加速することを目指す。1枚の《森》が《エルフの神秘家》や《クウィリーオン・レインジャー》を生み出すことができる、このデッキはそれによって2ターン目に全力を出すことができる。《ティタニアの僧侶》は序盤のクリーチャーすべてを余剰のマナに変えることができ、そうして《エルフの先兵》や《森林守りのエルフ》が唱えやすくなる。これらのカードがゲームを短時間で終わらせるの役立つ一方、《幸運を祈る者》は生き残るのを簡単にしてくれる。一部のエルフデッキは勝利を確実にするために数枚の《ウラモグの破壊者》を採用している。
エルフは除去に影響を受けやすい。《チェイナーの布告》で失速させられることがあるイゼット・ブリッツや《熱錬金術師》と違い、簡単に横に広げられるデッキ相手にはこのお馴染みのソーサリーはむしろ弱く見える。《墓所のネズミ》や《エヴィンカーの正義》のようなカードはエルフの全軍を一掃するのに活用できるが《エルフの先兵》はこの関係を変化させた。対象をとる除去がエルフに対して弱いことはなかったし、今は少し強くなった。しかしこのデッキは依然として干渉力に乏しい引きを圧倒することができる。エルフはそこそこのマナを持って序盤を生き残らなければならず、序盤のクリーチャーを《炎の稲妻》や《死の重み》で落とされるとその後の1マナ域が意味をなさなくなってしまうだけの時間を稼がれてしまう。
これらは現在のPauperのメタゲームでもっとも成功しているコンボデッキだ。別のコンボデッキも存在しているが、将来入賞デッキになるだけの枠組みをもっているマイナーなアーキタイプは1つだけだ。
ミッドナイト・ゴンド - JackMitchellBurns, 5-0 Pauper LeaguePauper版の《欠片の双子》デッキは、《ゴンドの存在》を《深夜の護衛》に貼って好きなだけ大きな数のエルフ・トークンを生成する。《魂の従者》や《魂の管理人》によるライフゲインと《淡色のマイコダーム》の強化能力とを組み合わせると、ミッドナイト・ゴンドは現在のすべてのPauperデッキに「ただ勝つ」ための最高の能力を持っている。このデッキが妨げられているのは、何らかの安定性を持って正しいパーツを探すことができないからだ。白と緑は《思案》に相当するカードが欠けている、しかし《発生の器》はこの回答になるかもしれない。
クリーチャー(23)
3 《セレズニアの福音者/Selesnya Evangel》
4 《深夜の護衛/Midnight Guard》
4 《淡色のマイコダーム/Pallid Mycoderm》
4 《魂の管理人/Soul Warden》
4 《魂の従者/Soul’s Attendant》
4 《古参兵の武具師/Veteran Armorer》
インスタント(9)
2 《種のばら撒き/Scatter the Seeds》
3 《神々の思し召し/Gods Willing》
4 《大量の芽吹き/Sprout Swarm》
エンチャント(7)
1 《蜘蛛糸の鎧/Spidersilk Armor》
2 《未達への旅/Journey to Nowhere》
4 《ゴンドの存在/Presence of Gond》
土地(21)
3 《森/Forest》
7 《平地/Plains》
3 《セレズニアの聖域/Selesnya Sanctuary》
4 《カルニの庭/Khalni Garden》
4 《セレズニアのギルド門/Selesnya Guildgate》
サイドボード(15)
3 《赤の防御円/Circle of Protection: Red》
4 《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》
4 《散弾の射手/Scattershot Archer》
4 《ヴァレロンの異国者/Valeron Outlander》
ミッドナイト・ゴンドの素晴らしいところはコンボの核以外の部分が非常に柔軟なところだ。《深夜の護衛》と《ゴンドの存在》が占めるスロットはわずかに8枚だし、既存のあらゆるセレズニアの構築に当てはめることができる。カードが印刷されていくに連れてこのデッキが必要とするツールが手に入る可能性は高くなっていく。
コンボはPauperの漠然とした領域に存在している。大いにクリーチャーに依存した環境ではコンボデッキは枠をはみ出して行きたいが、それはよく定義されたパラメータの中で動作しなければならない。現在、コンボは他の戦略を圧迫することなく、一要素として十分な強さを持っている。これらのデッキは活力が追加されても耐えられるだろうが、それが余りに大きければ何かが禁止リストへ送られる可能性がある。
次週はフォーマットの問題点とローグデッキでこのPauper入門を締めくくる。
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-01312017-a-pauper-primer-control/)
A Pauper Primer: Control
by Alex Ullman, January 31, 2017
コントロールはPauper界で熱心に議論されるトピックだ。このフォーマットの人生の大半において、多くの「コントロール」と呼称されるデッキは明らかに「ミッドレンジ」に分類される範囲に合致していた。このシリーズの最初の回で考察したように、Pauperには他のフォーマットでコントロールを強くしている要素の多くが欠けている。プレインズウォーカーやその他の何らかの恒久的なカードアドバンテージがない。存在する全体除去は範囲が狭く制限されているため、盤面を埋め尽くす戦略に対して遅いデッキが中盤に逆転することが難しくなっている。最後に、Pauperには優秀なコントロールのフィニッシャーがいない。
その一方でPauperはマジックでも最高の除去のいくつかを使うことができる。《稲妻》は今まで印刷された最高のカードの1つだし、《未達への旅》と《チェイナーの布告》のようなカードはそれぞれ単体で強力だ。Pauperには1対1を基礎としたクリーチャー処理の手段がある。また「2枚引く」効果も豊富だ。そのためPauperのコントロールデッキは、序盤を1対1交換に費やして勝ちすじが見えるまでドロー呪文でゆっくりとカードアドバンテージを増やしていくことが多くなる。
黒単コントロールについて話さずにPauperのコントロールの議論をするは不可能だ。[訳注:全く逆の意味の文だったけれどwithとwithoutのミスタイプだと判断して訳してみた。]黒単(MBCとして知られている)は長い間このフォーマットの常連だったが《流浪のドレイク》の禁止以前からトップのデッキになっていない。今日まで、MBCはクリーチャー主体のデッキがPauperで成功できるかどうかの試金石になっている。
全体を通して黒単コントロールは極めて一貫した核を持っている。《騒がしいネズミ》と《ファイレクシアの憤怒鬼》はどちらもカード1枚以上の価値があり、また《血の署名》(そして時々《夜の囁き》)がカードを提供してくれる。《チェイナーの布告》、《見栄え損ない》、《夜の犠牲》その他のようなカードが道を切り開く助けになる。《よじれた嫌悪者》、《グルマグのアンコウ》、《堕落》あるいは《アスフォデルの灰色商人》のいずれで勝利するにしろ、MBCはゲームが終わるまで生き残る必要がある。そのための最高の手段が《騒がしいネズミ》だ。
《騒がしいネズミ》はPauperのミッドレンジ・コントロールデッキの象徴的存在だ。それは3ターン目にやってきて攻撃クリーチャーと交換しながら対戦相手のドローステップを後退させる。長い間、あるメタゲームにおいて《騒がしいネズミ》が使いたいカードである場合、黒単コントロールは良いデッキだった。このことはもはや当てはまらない。
黒単の魅力の一部はその確固たるマナ基盤だった。最適なターンに呪文を唱えることができることはPauperでは極めて重要であり、何年もの間これを達成する最適な方法は単純に単色デッキを使うことだった。タルキール覇王譚のゲイン土地がこの関係を変化させた。2色にアクセスしながらわずかにライフを増やす能力により、遅いデッキは同じ戦力を抜くことなく新しい色を追加する選択肢を手に入れた。ゆっくりと2対1交換をする黒単コントロールは、《熟考漂い》を簡単にタッチできるデッキについていくことができないんだ。
このデッキは《定業》、《海門の神官》そして《熟考漂い》によってまとめられている。ディミーア・フリッカーはわずかなクリーチャーしか使っていないのにも関わらず極めて頑丈なデッキだ。その理由は1枚の《墓の刈り取り》にある。このスカージのストーム呪文は、タイミングが合えばコンボ中にすべてのクリーチャーを回収することができ、同時に《古術師》で適切なカードタイプを使いまわすこともできる。一たびロックが決まれば妨害するのは難しい場合がある。また、このデッキはより多くのカードを引くことで常にゲームプランを進めていく。カードドローとドロー操作が可能なことでゲームを終わらせるために5マナを払う必要はなくなるが、代わりに複数のパーツから組み立てることができる。
ディミーア・フリッカーは強力なミッドレンジ戦略ではあるものの支配的ではない。下準備に時間がかかるし《幽霊のゆらめき》が止められるとむしろデッキが貧弱になる可能性がある。墓地対策はPauperで普及していて、インスタントタイミングの追放能力はディミーア・フリッカーを小型クリーチャーの寄せ集めに変えてしまう。
ディミーア・フリッカーはクリーチャー主体のコントロールと呪文主体のコントロールとの間に位置している。前者は《騒がしいネズミ》をマスコットとしていて、もう一方は《古術師》がそれを務めている。長い間《記憶の壁》と《イゼットの時術師》が評価されて利用されてきたものの、《流浪のドレイク》以降に限っては《古術師》をベースとしたコントロールデッキがPauperのメタゲームの重要な一部分になっている。《古術師》と《記憶の壁》はどちらも疑似チューターとして役に立つ。Pauperのデッキは呪文を唱えることにとても長けている、そして同じカードを複数デッキに積む傾向があることからこれら2体のクリーチャーは墓地から適切なカードを探し出すことができる。《幽霊のゆらめき》と組み合わせることでこれらのクリーチャーは別のクリーチャーの場に出たときの効果を使いまわすことができる。別のデッキはこれら青いクリーチャーを《ムラーサの胎動》と組み合わせることを選択している。《胎動》はこれらのデッキに序盤に強固な防御を準備させ、後半にライフを増強することを可能にする。《ムラーサの胎動》はもう1つの疑似チューターとしても機能する。《ムラーサの胎動》と《古術師》によってコントロールデッキは早いゲームを生き延びて後半に危機を脱することが可能になる。
デッキとしての影響のされやすさ故に最高のムラーサ・トロンデッキというのは存在しない。トロンのマナベースは《予言のプリズム》に加えて数枚の《未知の岸》や《ゆらめく岩屋》を使わなければならない制限がある。これは簡単に3色を出し、痛手なく潜在的な4色目を使えるようにするのと同じ条件だ。ムラーサ・トロンが目指すのはその圧倒的なマナアドバンテージで強烈なカードを唱えられるようになるまで生き残ることだ。デッキが攻めに転じるターンまでたどり着くには予想されるメタゲームに合致させる必要がある、そのため除去はこのデッキでもっとも流動的な部分だ。《モグの戦争司令官》との戦いに《チェイナーの布告》で挑むのは典型的な負け方だし、ムラーサ・トロンはそんな風にしてメタゲームの観察に対して報いてくれる。
ムラーサ・トロンは《記憶の壁》を偽チューターとして利用する一方で、Pauper最高のチューターである《神秘の指導》も利用する。この時のらせんのカードはスタンダードにいる間オールスターの一員だったし、Pauperでは独自の居場所を作り上げている。ムラーサ・トロンもこのチューターを使っているかもしれないが、Pauperには《神秘の指導》を軸にした別の青と黒のデッキが存在する。
その勝利条件ゆえにディミーア・ティーチングは多くのデッキに対して実質的なカードアドバンテージを得ることができる。クリーチャーはPauperの現実だが、ディミーア・ティーチングはメインデッキにクリーチャーを入れないことで一部のデッキの複数のカードを腐らせることができる。ティーチングの問題はクリーチャーを使っていないために長期戦で勝利することに依存していることだ。大量にカードを引くことができるのにも関わらず、ティーチングの防御を脅威によって圧倒することは可能だ。そうは言っても、ティーチングと戦うために最高のデッキは重要な戦いに勝つために数枚の打ち消し呪文を持っているようなデッキだ。
トロンはどちらかと言うとコンボデッキ的だ。序盤は呪文を唱えたり適切な土地を見つけるために《彩色の宝球》と《彩色の星》を割ることに費やす。トロンが揃えばゲーム中盤は存在せず、発展中の盤面を一気に豊かなものへと加速しようとする。
どのツールを選ぶかに関係なく、Pauperのゲームのコントロール得るためのゲームプランは大体同じだ。これらのデッキはどれもカードを引いて除去を脅威と交換することを望んでいる。どのデッキも最後のダメージを与えてくる脅威が1体も場に残らないことを確実にしたいんだ。方法は違えどそれぞれのデッキがそれぞれのアドバンテージエンジンを持っている。次回はコンボデッキを動かすエンジンを探索するつもりだ。
A Pauper Primer: Control
by Alex Ullman, January 31, 2017
コントロールはPauper界で熱心に議論されるトピックだ。このフォーマットの人生の大半において、多くの「コントロール」と呼称されるデッキは明らかに「ミッドレンジ」に分類される範囲に合致していた。このシリーズの最初の回で考察したように、Pauperには他のフォーマットでコントロールを強くしている要素の多くが欠けている。プレインズウォーカーやその他の何らかの恒久的なカードアドバンテージがない。存在する全体除去は範囲が狭く制限されているため、盤面を埋め尽くす戦略に対して遅いデッキが中盤に逆転することが難しくなっている。最後に、Pauperには優秀なコントロールのフィニッシャーがいない。
その一方でPauperはマジックでも最高の除去のいくつかを使うことができる。《稲妻》は今まで印刷された最高のカードの1つだし、《未達への旅》と《チェイナーの布告》のようなカードはそれぞれ単体で強力だ。Pauperには1対1を基礎としたクリーチャー処理の手段がある。また「2枚引く」効果も豊富だ。そのためPauperのコントロールデッキは、序盤を1対1交換に費やして勝ちすじが見えるまでドロー呪文でゆっくりとカードアドバンテージを増やしていくことが多くなる。
黒単コントロールについて話さずにPauperのコントロールの議論をするは不可能だ。[訳注:全く逆の意味の文だったけれどwithとwithoutのミスタイプだと判断して訳してみた。]黒単(MBCとして知られている)は長い間このフォーマットの常連だったが《流浪のドレイク》の禁止以前からトップのデッキになっていない。今日まで、MBCはクリーチャー主体のデッキがPauperで成功できるかどうかの試金石になっている。
黒単コントロール - andresfelipehiguera, 5-0 Pauper Leage黒単コントロールはミッドレンジ・コントロールデッキだ。その核(有能クリーチャーと除去)は変化していないが、全体的なゲームプランは時とともに変化している。もともとMBCは《ファイレクシアの憤怒鬼》と《騒がしいネズミ》を使ってアドバンテージを稼ぎつつ《堕落》でゲームを終わらせるまでの時間を稼いでいた。《墓所のネズミ》と《無残な収穫》が盤面をきれいに保つとともにクリーチャーの流れを維持させていた。このデッキの最初期のバージョンは、《堕落の触手》で相手のターンをまるまる1ターンを奪うことでこのフォーマットを定義するのに一役買っていた。Pauperが高速化するにつれてこのデッキは同様のクリーチャーを《発掘》で利用するものへと進化を遂げた。テーロスの発売でこのデッキは再びギアチェンジを経験して、今度は同様のクリーチャーを《アスフォデルの灰色商人》の信心を稼ぐために使っている。
クリーチャー(17)
1 《墓所のネズミ/Crypt Rats》
4 《騒がしいネズミ/Chittering Rats》
4 《クォムバッジの魔女/Cuombajj Witches》
4 《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》
4 《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager》
インスタント(9)
2 《堕落の触手/Tendrils of Corruption》
3 《夜の犠牲/Victim of Night》
4 《見栄え損ない/Disfigure》
ソーサリー(11)
2 《堕落/Corrupt》
2 《発掘/Unearth》
3 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
4 《血の署名/Sign in Blood》
土地(23)
20 《沼/Swamp》
3 《やせた原野/Barren Moor》
サイドボード(15)
1 《墓所のネズミ/Crypt Rats》
1 《死の否定/Death Denied》
1 《腐臭の地/Rancid Earth》
2 《吐き気/Nausea》
3 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
3 《強迫/Duress》
4 《押し寄せる砂/Choking Sands》
全体を通して黒単コントロールは極めて一貫した核を持っている。《騒がしいネズミ》と《ファイレクシアの憤怒鬼》はどちらもカード1枚以上の価値があり、また《血の署名》(そして時々《夜の囁き》)がカードを提供してくれる。《チェイナーの布告》、《見栄え損ない》、《夜の犠牲》その他のようなカードが道を切り開く助けになる。《よじれた嫌悪者》、《グルマグのアンコウ》、《堕落》あるいは《アスフォデルの灰色商人》のいずれで勝利するにしろ、MBCはゲームが終わるまで生き残る必要がある。そのための最高の手段が《騒がしいネズミ》だ。
《騒がしいネズミ》はPauperのミッドレンジ・コントロールデッキの象徴的存在だ。それは3ターン目にやってきて攻撃クリーチャーと交換しながら対戦相手のドローステップを後退させる。長い間、あるメタゲームにおいて《騒がしいネズミ》が使いたいカードである場合、黒単コントロールは良いデッキだった。このことはもはや当てはまらない。
黒単の魅力の一部はその確固たるマナ基盤だった。最適なターンに呪文を唱えることができることはPauperでは極めて重要であり、何年もの間これを達成する最適な方法は単純に単色デッキを使うことだった。タルキール覇王譚のゲイン土地がこの関係を変化させた。2色にアクセスしながらわずかにライフを増やす能力により、遅いデッキは同じ戦力を抜くことなく新しい色を追加する選択肢を手に入れた。ゆっくりと2対1交換をする黒単コントロールは、《熟考漂い》を簡単にタッチできるデッキについていくことができないんだ。
ディミーア・フリッカー - tomjab, 5-0 Pauper League青と黒を使ったディミーア・フリッカーは現在最高の《騒がしいネズミ》デッキとしてMBCに取って代わっている。コンボの勝ち手段を備えたミッドレンジデッキであるディミーア・フリッカーは有能なクリーチャーをプレイするというゲームプランを守るために《対抗呪文》や《チェイナーの布告》のような干渉手段をたくさん持っている。最終的にこのデッキは、対戦相手のドローステップに《騒がしいネズミ》と《古術師》を《幽霊のゆらめき》でループさせることで勝利するだろう。このループは対戦相手に何もカードを唱えさせなくすることが可能であり、最終的には十分な2/2達が20点のダメージを与えるだろう。
クリーチャー(14)
2 《古術師/Archaeomancer》
4 《騒がしいネズミ/Chittering Rats》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
4 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
インスタント(14)
1 《残響する衰微/Echoing Decay》
1 《誤算/Miscalculation》
1 《墓の刈り取り/Reaping the Graves》
2 《見栄え損ない/Disfigure》
2 《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker》
3 《破滅の刃/Doom Blade》
4 《対抗呪文/Counterspell》
ソーサリー(9)
1 《発掘/Unearth》
4 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
4 《定業/Preordain》
エンチャント(1)
1 《死の重み/Dead Weight》
土地(22)
5 《沼/Swamp》
6 《島/Island》
1 《やせた原野/Barren Moor》
1 《孤立した砂州/Lonely Sandbar》
1 《光輝の泉/Radiant Fountain》
4 《ディミーアの水路/Dimir Aqueduct》
4 《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
サイドボード(15)
1 《綿密な分析/Deep Analysis》
2 《払拭/Dispel》
2 《強迫/Duress》
3 《水流破/Hydroblast》
2 《吐き気/Nausea》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
3 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
このデッキは《定業》、《海門の神官》そして《熟考漂い》によってまとめられている。ディミーア・フリッカーはわずかなクリーチャーしか使っていないのにも関わらず極めて頑丈なデッキだ。その理由は1枚の《墓の刈り取り》にある。このスカージのストーム呪文は、タイミングが合えばコンボ中にすべてのクリーチャーを回収することができ、同時に《古術師》で適切なカードタイプを使いまわすこともできる。一たびロックが決まれば妨害するのは難しい場合がある。また、このデッキはより多くのカードを引くことで常にゲームプランを進めていく。カードドローとドロー操作が可能なことでゲームを終わらせるために5マナを払う必要はなくなるが、代わりに複数のパーツから組み立てることができる。
ディミーア・フリッカーは強力なミッドレンジ戦略ではあるものの支配的ではない。下準備に時間がかかるし《幽霊のゆらめき》が止められるとむしろデッキが貧弱になる可能性がある。墓地対策はPauperで普及していて、インスタントタイミングの追放能力はディミーア・フリッカーを小型クリーチャーの寄せ集めに変えてしまう。
ディミーア・フリッカーはクリーチャー主体のコントロールと呪文主体のコントロールとの間に位置している。前者は《騒がしいネズミ》をマスコットとしていて、もう一方は《古術師》がそれを務めている。長い間《記憶の壁》と《イゼットの時術師》が評価されて利用されてきたものの、《流浪のドレイク》以降に限っては《古術師》をベースとしたコントロールデッキがPauperのメタゲームの重要な一部分になっている。《古術師》と《記憶の壁》はどちらも疑似チューターとして役に立つ。Pauperのデッキは呪文を唱えることにとても長けている、そして同じカードを複数デッキに積む傾向があることからこれら2体のクリーチャーは墓地から適切なカードを探し出すことができる。《幽霊のゆらめき》と組み合わせることでこれらのクリーチャーは別のクリーチャーの場に出たときの効果を使いまわすことができる。別のデッキはこれら青いクリーチャーを《ムラーサの胎動》と組み合わせることを選択している。《胎動》はこれらのデッキに序盤に強固な防御を準備させ、後半にライフを増強することを可能にする。《ムラーサの胎動》はもう1つの疑似チューターとしても機能する。《ムラーサの胎動》と《古術師》によってコントロールデッキは早いゲームを生き延びて後半に危機を脱することが可能になる。
ムラーサ・トロンhiveking, 5-0 Pauper Leagueムラーサ・トロンは最近Pauperでもっとも優秀なコントロールデッキになった。このデッキは《ウルザの鉱山》、《ウルザの魔力炉》そして《ウルザの塔》からの膨大なマナを使って《とどろく雷鳴》、《ウラモグの破壊者》あるいは《転覆》による圧倒的な勝利を作り上げる。一部のバージョンは《強迫的な研究》で補っているとはいえ、このデッキは《熟考漂い》を主要なカードアドバンテージ源としている。
クリーチャー(10)
1 《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher》
2 《記憶の壁/Mnemonic Wall》
3 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
インスタント(13)
1 《転覆/Capsize》
1 《払拭/Dispel》
1 《マグマのしぶき/Magma Spray》
1 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
1 《撤廃/Repeal》
2 《卑下/Condescend》
2 《稲妻/Lightning Bolt》
2 《神秘の指導/Mystical Teachings》
2 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
ソーサリー(7)
1 《炎の稲妻/Firebolt》
1 《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》
2 《炎の斬りつけ/Flame Slash》
3 《強迫的な研究/Compulsive Research》
アーティファクト(8)
1 《イゼットの印鑑/Izzet Signet》
3 《探検の地図/Expedition Map》
4 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
土地(22)
1 《山/Mountain》
3 《島/Island》
1 《ゆらめく岩屋/Shimmering Grotto》
1 《未知の岸/Unknown Shores》
4 《急流の崖/Swiftwater Cliffs》
4 《ウルザの鉱山/Urza’s Mine》
4 《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant》
4 《ウルザの塔/Urza’s Tower》
サイドボード(15)
1 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
2 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
2 《電謀/Electrickery》
2 《水流破/Hydroblast》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
2 《心に静寂/Serene Heart》
3 《石の雨/Stone Rain》
デッキとしての影響のされやすさ故に最高のムラーサ・トロンデッキというのは存在しない。トロンのマナベースは《予言のプリズム》に加えて数枚の《未知の岸》や《ゆらめく岩屋》を使わなければならない制限がある。これは簡単に3色を出し、痛手なく潜在的な4色目を使えるようにするのと同じ条件だ。ムラーサ・トロンが目指すのはその圧倒的なマナアドバンテージで強烈なカードを唱えられるようになるまで生き残ることだ。デッキが攻めに転じるターンまでたどり着くには予想されるメタゲームに合致させる必要がある、そのため除去はこのデッキでもっとも流動的な部分だ。《モグの戦争司令官》との戦いに《チェイナーの布告》で挑むのは典型的な負け方だし、ムラーサ・トロンはそんな風にしてメタゲームの観察に対して報いてくれる。
ムラーサ・トロンは《記憶の壁》を偽チューターとして利用する一方で、Pauper最高のチューターである《神秘の指導》も利用する。この時のらせんのカードはスタンダードにいる間オールスターの一員だったし、Pauperでは独自の居場所を作り上げている。ムラーサ・トロンもこのチューターを使っているかもしれないが、Pauperには《神秘の指導》を軸にした別の青と黒のデッキが存在する。
ディミーア・ティーチング - mikeyr00r00, 5-0 Pauper Leagueディミーア・ティーチングは往年のドロー・ゴーデッキの実現に努めている。ゲーム序盤は対面の脅威を阻止して《蓄積した知識》や《熟慮》でカードを引くことがすべてだ。これらのデッキは《血まみれの書の呪い》か《エヴィンカーの正義》(効果的な全体除去)と《清純のタリスマン》(ダメージを相殺する)の組み合わせによって勝利する。
インスタント(26)
1 《苦悶のねじれ/Agony Warp》
1 《転覆/Capsize》
1 《墓所への乱入/Crypt Incursion》
1 《剥奪/Deprive》
1 《肉貪り/Devour Flesh》
1 《見栄え損ない/Disfigure》
1 《破滅の刃/Doom Blade》
1 《禁制/Prohibit》
1 《霊魂放逐/Remove Soul》
1 《撤廃/Repeal》
1 《悲劇的な過ち/Tragic Slip》
2 《残響する衰微/Echoing Decay》
2 《除外/Exclude》
3 《神秘の指導/Mystical Teachings》
4 《対抗呪文/Counterspell》
4 《熟慮/Think Twice》
ソーサリー(8)
2 《エヴィンカーの正義/Evincar’s Justice》
2 《無垢の血/Innocent Blood》
4 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
エンチャント(1)
1 《血まみれの書の呪い/Curse of the Bloody Tome》
アーティファクト(2)
2 《清純のタリスマン/Pristine Talisman》
土地(23)
4 《沼/Swamp》
7 《島/Island》
1 《灰のやせ地/Ash Barrens》
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
2 《光輝の泉/Radiant Fountain》
4 《ディミーアの水路/Dimir Aqueduct》
4 《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
サイドボード(15)
1 《血まみれの書の呪い/Curse of the Bloody Tome》
1 《残響する衰微/Echoing Decay》
1 《綿密な分析/Deep Analysis》
2 《払拭/Dispel》
2 《強迫/Duress》
2 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
2 《水流破/Hydroblast》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2 《減縮/Shrivel》
その勝利条件ゆえにディミーア・ティーチングは多くのデッキに対して実質的なカードアドバンテージを得ることができる。クリーチャーはPauperの現実だが、ディミーア・ティーチングはメインデッキにクリーチャーを入れないことで一部のデッキの複数のカードを腐らせることができる。ティーチングの問題はクリーチャーを使っていないために長期戦で勝利することに依存していることだ。大量にカードを引くことができるのにも関わらず、ティーチングの防御を脅威によって圧倒することは可能だ。そうは言っても、ティーチングと戦うために最高のデッキは重要な戦いに勝つために数枚の打ち消し呪文を持っているようなデッキだ。
ディミーア・アルケミー - piantolol, 5-0 Pauper Leagueティーチングはこのリストで最後のディミーアデッキはない。最近落ち込んでいるものの、ディミーア・アルケミーはよく使われているデッキであり、今後複数のメタゲームに適応できる核を備えている。このデッキはカード選択のために《神秘の指導》を使うよりもむしろ《禁忌の錬金術》を使っている。その分、このデッキはより幅広い干渉手段(つまりソーサリー)と脅威(つまり《グルマグのアンコウ》)を使うことができる。ディミーア・アルケミーはミッドレンジデッキでありフリッカータイプの同型によってメタゲームの端へと追いやられている。
クリーチャー(11)
1 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
3 《空中生成エルドラージ/Eldrazi Skyspawner》
3 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
インスタント(20)
1 《苦悶のねじれ/Agony Warp》
1 《本質の散乱/Essence Scatter》
1 《恐ろしい死/Ghastly Demise》
2 《見栄え損ない/Disfigure》
2 《魂の操作/Soul Manipulation》
2 《悲劇的な過ち/Tragic Slip》
3 《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》
4 《蓄積した知識/Accumulated Knowledge》
4 《対抗呪文/Counterspell》
ソーサリー(7)
3 《定業/Preordain》
4 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
土地(22)
4 《沼/Swamp》
7 《島/Island》
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
1 《進化する未開地/Evolving Wilds》
2 《光輝の泉/Radiant Fountain》
3 《ディミーアの水路/Dimir Aqueduct》
4 《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
サイドボード(15)
1 《無効/Annul》
1 《減縮/Shrivel》
1 《吐き気/Nausea》
2 《オーラの変転/Aura Flux》
2 《水流破/Hydroblast》
2 《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
2 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
4 《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
ジェスカイ・ミッドレンジ - 5-0 Pauper League, MadTricks完全なコントロールデッキではないがビートダウンの構築でもない、ジェスカイ・ミッドレンジはカルドーサ・トークンと同様の金属術エンジンを運用している。赤と白のベースに青を加えたこのデッキは、エターナルマスターズの導入まで一般的な選択肢だった。攻撃的なデッキと違ってこちらは飛行クリーチャー(また《熟考漂い》だ)で長期戦を制することと、火力呪文一式で勝つまで盤面に脅威を立ち入らせないことにより焦点を当てている。このデッキは赤白のバージョンの方が速く爆発力があるために人気を失っている。
クリーチャー(15)
1 《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》
2 《孤独な宣教師/Lone Missionary》
4 《きらめく鷹/Glint Hawk》
4 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
インスタント(7)
3 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《感電破/Galvanic Blast》
ソーサリー(4)
2 《炎の稲妻/Firebolt》
2 《カルドーサの再誕/Kuldotha Rebirth》
エンチャント(2)
2 《未達への旅/Journey to Nowhere》
アーティファクト(9)
1 《鋸刃の矢/Serrated Arrows》
4 《胆液の水源/Ichor Wellspring》
4 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
土地(23)
1 《イゼットの煮沸場/Izzet Boilerworks》
1 《亡骸のぬかるみ/Mortuary Mire》
1 《平穏な入り江/Tranquil Cove》
2 《アゾリウスの大法官庁/Azorius Chancery》
2 《隔離されたステップ/Secluded Steppe》
2 《風に削られた岩山/Wind-Scarred Crag》
3 《忘れられた洞窟/Forgotten Cave》
3 《急流の崖/Swiftwater Cliffs》
4 《古えの居住地/Ancient Den》
4 《大焼炉/Great Furnace》
サイドボード(15)
1 《孤独な宣教師/Lone Missionary》
1 《赤の防御円/Circle of Protection: Red》
2 《電謀/Electrickery》
2 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
2 《水流破/Hydroblast》
3 《溶鉄の雨/Molten Rain》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
1 《石の雨/Stone Rain》
トロン - Tyrannical, 5-0 Pauper Leagueトロンは完全なコントロールデッキではない。ムラーサ・トロンと違って、いかなるゲームプランを成立させるにもトロンのマナベースを揃えることに完全に依存している。トロンは脅威に回答するるよりむしろそれらを腐らせようとする。素早い《ウラモグの破壊者》はこのフォーマットの多くのカードを無価値にし、速やかにゲームを終わらせることができる。《ファングレンの匪賊》はデッキに入っているアーティファクトだけでなく親和やカルドーサ・トークンで使われているものからも大量のライフを得ることができる。別の強力なチューター効果である《古きものの活性》が一緒になって、トロンは最近復活してきている。
クリーチャー(13)
1 《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher》
4 《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
4 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
インスタント(2)
2 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
ソーサリー(10)
2 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
2 《炎の稲妻/Firebolt》
2 《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》
4 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
アーティファクト(17)
1 《虹色のレンズ/Prismatic Lens》
4 《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
4 《彩色の星/Chromatic Star》
4 《探検の地図/Expedition Map》
4 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
土地(18)
3 《憑依された沼墓/Haunted Fengraf》
3 《未知の岸/Unknown Shores》
4 《ウルザの鉱山/Urza’s Mine》
4 《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant》
4 《ウルザの塔/Urza’s Tower》
サイドボード(15)
2 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
2 《緑の防御円/Circle of Protection: Green》
2 《赤の防御円/Circle of Protection: Red》
2 《地の裂け目/Earth Rift》
3 《電謀/Electrickery》
1 《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
2 《天啓の光/Ray of Revelation》
1 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
トロンはどちらかと言うとコンボデッキ的だ。序盤は呪文を唱えたり適切な土地を見つけるために《彩色の宝球》と《彩色の星》を割ることに費やす。トロンが揃えばゲーム中盤は存在せず、発展中の盤面を一気に豊かなものへと加速しようとする。
どのツールを選ぶかに関係なく、Pauperのゲームのコントロール得るためのゲームプランは大体同じだ。これらのデッキはどれもカードを引いて除去を脅威と交換することを望んでいる。どのデッキも最後のダメージを与えてくる脅威が1体も場に残らないことを確実にしたいんだ。方法は違えどそれぞれのデッキがそれぞれのアドバンテージエンジンを持っている。次回はコンボデッキを動かすエンジンを探索するつもりだ。
ぼちぼちやっていたら一週間ほど遅れました。
この記事では リーチ/Reach という言葉を ゲームを終わらせる能力/ the ability to close out a game として用いているのでそこに留意して読んでくれればと思います。
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元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-01242017-a-pauper-primer-aggro/)
A Pauper Primer: Aggro
by Alex Ullman, January 24, 2017
前回はみんなにPauperとフォーマットの基礎を紹介した。今日はアグロデッキとそのメタゲーム上での位置について話したいと思う。メタゲームのこの一部分から始めるのは、Pauperでは攻撃を阻止しようとするよりも攻撃する側になる方が簡単だからだ。マジックにはビートダウンに適したコモンの強力クリーチャーの歴史がある。火力や強化呪文のように攻撃的戦略を後押しするカードもこのレアリティに現れる。その反面、プレインズウォーカーや全体除去、その他カードアドバンテージ面で大打撃となるようなカードが欠けていることで、クリーチャーが対戦を定義しやすくなっている。
他のフォーマットでのそれと同じように、Pauperのアグロデッキは速やかにゲームを終わらせて相手の手札のカードを余らせるようにデザインされている。これらのデッキはコストに対してパワーの高いクリーチャーを使おうとするし、また一方でデッキが吐き出せる潜在的なダメージ量を増やせるカードを入れている。「リーチ(ゲームを終わらせる能力)」として広く定義されている能力を持ったカードはこのフォーマットに溢れている。最初に一定の成功を収めたアグロデッキはゴブリンだった。赤いデッキはその後舞台から落ちてしまっているものの、この状況はこのフォーマットで何がアグロデッキを機能させているのかを理解する上で重要だ。
これらの生け贄台は追加のダメージを与える手段でもある。《モグの戦争司令官》のエコーはマナ運用の負担になるが《略奪者》や《そり乗り》は誘発がスタックにあるうちに生け贄にすることで追加のダメージを与えつつ別の生物を場に出すことができる。この二人組は《死の火花》も強化した。
《死の火花》はPauperで困った立場にあるものの1つだ。紙ではコモンで印刷されたことはないがオンラインではある時点で重要なカードだった。《死の火花》は長期戦ではライフの4分の1を削る繰り返し使えるダメージ源になった。《死の火花》は対抗呪文やその同類に対するこのデッキの防御にもなった ―君のクリーチャーが対象に取られているのに対応してこれを唱えればいい― そしてコツコツと最後のダメージを与えるんだ。もっとも人気があった当時は《死の火花》の運用の仕方で最高のゴブリン使いだと判別することができた。
《ゴブリンの奇襲隊》はゲームに勝たせてくれる本当の戦力増強剤だったが《稲妻》と《火炎破》の存在は実際にゲームを短くしていた。ゴブリンは早期にプレッシャーをかけることができ、必要とあらば対戦相手が安全なライフだと感じているのにも関わらずゲームに勝つことができた。ゴブリンを偉大なものにしたのはこれらのカードの内のどれか1つというよりカード同士の組み合わせ方だった。
ではなぜゴブリンはレーダーから退いてしまったのか?時々浮上することはあるものの、このフォーマットはほとんどゴブリンを通り過ぎてしまっている。もはや《堕落の触手》がPauperを定義するのは困難だ ―良くても非主流派だ。クリーチャーは少しずつに良くなっていてゴブリンは《鋳造所通りの住人》と《ゴブリンの踵裂き》でアップグレードされたようだが、他のデッキに追いつくことができていない。この要素だけではまだゴブリンを抑えるのに不十分だ。というよりも、このデッキのリーチが変わっていないんだ。タルキール覇王譚のゲイン土地により22点程度のライフからゲームを始めるのが簡単になった、その一方でゴブリンは20点のダメージを与えることに特化していて数点の追加ダメージのやりくりに苦労させられた。同様にゴブリンは《稲妻》と《火炎破》より優れたカードを使うことができない。まとめると、攻撃的戦略はこの前線から後退してしまったんだ。
カルドーサ・トークンとゴブリンとにはある大きな共通点がある、1枚の呪文から複数の戦力を生み出すこと、そのリーチ、そして横に広げる力と縦に伸ばす力。それらは2つの大きな方向に分岐している。初めに、カルドーサ・トークンは新しいカードを引く能力を向上させている。このボロスデッキは、オンスロートのサイクリング土地、《予言のプリズム》、《胆液の水源》そして《スレイベンの検査官》などによって、実際のカードアドバンテージを得るのは大変でもたくさんのカードを引く能力がある。ゴブリンデッキが《ゴブリンの女看守》を採用したとしてもカルドーサ・トークンのレベルに近づくことはできない。
もう1つの大きな違いはダメージの与え方だ。ゴブリンは《稲妻》の効率の下で動作していて簡単に3点の塊でダメージを与える。《ゴブリンの奇襲隊》はパワー2のクリーチャーと堅実なブーストをすることができる;《モグの戦争司令官》はパワー3の価値のあるクリーチャーだ。カルドーサ・トークンは《稲妻》を最大限に使用している。
つまり、最大ということは4枚だ。
《感電破》は攻撃的戦略の計算を変化させる。カルドーサ・トークンを見てみると、ライフ全体の15%ではなく20%のダメージを与えられることにより任務をこなすことがはるかに簡単になっている。《金切るときの声》は4点;《コーの空漁師》と《きらめく鷹》は2人合わせて4点;《農民の結集》はクリーチャー1体につき追加で4点のダメージを与える。Pauperにおける最初の10年と現在とのアグロの違いを明らかにしたいならば、それは《感電破》と《稲妻》の違いだと要約することができる。Pauperのデッキを攻撃性の軸にプロットすると、カルドーサ・トークンは中間に落ち着き、ミッドレンジの領域に近づいて行っているのが分かるだろう。次のデッキは原点に近づくものだ。
ストンピィはゴブリンと並ぶ純粋なアグロデッキだ。カードアドバンテージは、実際のカードしてではなく相手の呪文を腐らせる事で得ることが多い。ストンピィは把握するメタゲームに合わせて2マナ域を交換できることでかなり柔軟に構成になっている。《リバー・ボア》、《マイアー・ボア》、《ガラクの仲間》、《巣の侵略者》そして《シラナの岩礁渡り》は異なった状況でどれも的確だ。ストンピィには強力な1マナ域がいるという利点もあり、これはフォーマットと基本となるデッキ(デルバー)を乗り越える上で不可欠だ。強力な対飛行のサイドボードをとることも苦ではない。
ストンピィはマナ効率の典型だが、攻撃の出力には限界がある。僕は(そのダメージを与える力にも関わらず)カルドーサ・トークンよりストンピィの方が良いデッキだと思っている。その一方で、ライフを攻めるためのより恒久的な回答を持ったもう1つの《怨恨》デッキが存在する。
呪禁、カルドーサ・トークンそしてストンピィはどれも一般的にアグロと呼ばれる範囲の内に収まっている。呪禁はガラスの砲台なのが一番はっきりしているが、これらのデッキは第一に攻撃によって勝利する。アグロ-コントロールデッキはPauperではあまり一般的ではないが存在している。より積極的な構築のデルバーについて考えるには、これらのデッキがどう動くのかを見てやれば良い。
もう1つの成功しているアグロ-コントロールデッキは、やはりデルバーとその他の軽い戦力の支援に頼っている。
それでもディミーア・デルバーは時々メタゲームで支配力を発揮しにくくなることがある。例えば《金切るときの声》はこのデッキに対してとても有効で《苦花》並みの壁を生み出して数ターンを稼ぐことができる。同様に除去も強く、青黒デッキに立ち向かう時には《未達への旅》と《チェイナーの布告》の両者が真価を発揮する。《嵐縛りの霊》をサイドインしていてもディミーア・デルバーが押されている場合には地上クリーチャーを止められないことが致命的になることがよくある。
鋭い観察者は僕がとても重要なアグロデッキをここまで残しておいたことに気づいたかもしれない。親和はPauperのメタゲームを定義する助けとなるデッキだ。4/4を並べる能力は比類がなく、そればかりか軽いドロー呪文による再供給能力と《感電破》による止めも持ち合わせている。親和は《エイトグ》と《投げ飛ばし》も使うことができ、これは僕にとっては完全にアグロ-コンボ側だ。
それでも親和はこのフォーマットでもっとも脆弱なデッキの1つだ。Pauperはエターナルで使われるアーティファクト除去の多くを使うことができる、《自然のままに》、《断片化》、《古えの遺恨》そして《鋳塊かじり》。これらはどれも機械と戦う上で素晴らしいカードだ、しかし《ゴリラのシャーマン》の前ではかすんで見える。
《ゴリラのシャーマン》は親和を抑制するカードだ。これが居なければこのフォーマットである種のデッキは禁止になっていたかもしれない。《ゴリラのシャーマン》が使えるということはアーティファクト土地を使うことが本当に重荷になるということだ。赤いプレイヤーは一方的な《ハルマゲドン》を使えるんだからね。《ダークスティールの城塞》と《バネ葉の太鼓》は確かに助けになるが2ターン目のモックスモンキーはしばしばそれだけでゲームを終わらせることができる。
Pauperはビートダウンすることが可能なフォーマットだ。深遠なカードプールが火の哲学に従うデッキにたくさんの材料を与える。これらは比較的人気のある攻撃的戦略のサンプルの一部に過ぎない、そしていくつかの非主流の構築はこのシリーズで後々カバーするだろう。しかしながら、僕らの次のエントリーはコントロールに関して網羅するつもりだ。
この記事では リーチ/Reach という言葉を ゲームを終わらせる能力/ the ability to close out a game として用いているのでそこに留意して読んでくれればと思います。
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元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-01242017-a-pauper-primer-aggro/)
A Pauper Primer: Aggro
by Alex Ullman, January 24, 2017
前回はみんなにPauperとフォーマットの基礎を紹介した。今日はアグロデッキとそのメタゲーム上での位置について話したいと思う。メタゲームのこの一部分から始めるのは、Pauperでは攻撃を阻止しようとするよりも攻撃する側になる方が簡単だからだ。マジックにはビートダウンに適したコモンの強力クリーチャーの歴史がある。火力や強化呪文のように攻撃的戦略を後押しするカードもこのレアリティに現れる。その反面、プレインズウォーカーや全体除去、その他カードアドバンテージ面で大打撃となるようなカードが欠けていることで、クリーチャーが対戦を定義しやすくなっている。
他のフォーマットでのそれと同じように、Pauperのアグロデッキは速やかにゲームを終わらせて相手の手札のカードを余らせるようにデザインされている。これらのデッキはコストに対してパワーの高いクリーチャーを使おうとするし、また一方でデッキが吐き出せる潜在的なダメージ量を増やせるカードを入れている。「リーチ(ゲームを終わらせる能力)」として広く定義されている能力を持ったカードはこのフォーマットに溢れている。最初に一定の成功を収めたアグロデッキはゴブリンだった。赤いデッキはその後舞台から落ちてしまっているものの、この状況はこのフォーマットで何がアグロデッキを機能させているのかを理解する上で重要だ。
ゴブリン 2011頃のPauper今はそう見えないかもしれないが、その最盛期ゴブリンはPauperで最高のデッキだった。当時は《堕落の触手》がメタゲームを定義しており《ゴブリンのそり乗り》と《モグの略奪者》の存在がこの強力な時のらせんのインスタントを無効にしていた。《触手》は攻め手と交換しながら唱えた側のライフ総量を増やすことで、約1ターン分の価値のある働きをしていた。ゴブリンは生け贄によってライフゲインを立ち消えさせられる戦力を使うことで、この交換を4マナ呪文には見合わないものへと一変させた。
クリーチャー(35)
3 《火花鍛冶/Sparksmith》
4 《ゴブリンの付け火屋/Goblin Arsonist》
4 《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》
4 《ゴブリンの群勢/Goblin Cohort》
4 《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》
4 《モグの徴集兵部隊/Mogg Conscripts》
4 《モグの下働き/Mogg Flunkies》
4 《モグの略奪者/Mogg Raider》
4 《モグの戦争司令官/Mogg War Marshal》
インスタント(8)
2 《死の火花/Death Spark》
2 《炎の稲妻/Firebolt》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
土地(17)
17 《山/Mountain》
これらの生け贄台は追加のダメージを与える手段でもある。《モグの戦争司令官》のエコーはマナ運用の負担になるが《略奪者》や《そり乗り》は誘発がスタックにあるうちに生け贄にすることで追加のダメージを与えつつ別の生物を場に出すことができる。この二人組は《死の火花》も強化した。
《死の火花》はPauperで困った立場にあるものの1つだ。紙ではコモンで印刷されたことはないがオンラインではある時点で重要なカードだった。《死の火花》は長期戦ではライフの4分の1を削る繰り返し使えるダメージ源になった。《死の火花》は対抗呪文やその同類に対するこのデッキの防御にもなった ―君のクリーチャーが対象に取られているのに対応してこれを唱えればいい― そしてコツコツと最後のダメージを与えるんだ。もっとも人気があった当時は《死の火花》の運用の仕方で最高のゴブリン使いだと判別することができた。
《ゴブリンの奇襲隊》はゲームに勝たせてくれる本当の戦力増強剤だったが《稲妻》と《火炎破》の存在は実際にゲームを短くしていた。ゴブリンは早期にプレッシャーをかけることができ、必要とあらば対戦相手が安全なライフだと感じているのにも関わらずゲームに勝つことができた。ゴブリンを偉大なものにしたのはこれらのカードの内のどれか1つというよりカード同士の組み合わせ方だった。
ではなぜゴブリンはレーダーから退いてしまったのか?時々浮上することはあるものの、このフォーマットはほとんどゴブリンを通り過ぎてしまっている。もはや《堕落の触手》がPauperを定義するのは困難だ ―良くても非主流派だ。クリーチャーは少しずつに良くなっていてゴブリンは《鋳造所通りの住人》と《ゴブリンの踵裂き》でアップグレードされたようだが、他のデッキに追いつくことができていない。この要素だけではまだゴブリンを抑えるのに不十分だ。というよりも、このデッキのリーチが変わっていないんだ。タルキール覇王譚のゲイン土地により22点程度のライフからゲームを始めるのが簡単になった、その一方でゴブリンは20点のダメージを与えることに特化していて数点の追加ダメージのやりくりに苦労させられた。同様にゴブリンは《稲妻》と《火炎破》より優れたカードを使うことができない。まとめると、攻撃的戦略はこの前線から後退してしまったんだ。
カルドーサ・トークン - swiftwarkite2, 5-0 Pauper Leagueリーチについて語りたいならばこのブロックで最新のデッキから始めなければならない。カルドーサ・トークンはミッドレンジのボロスやジェスカイの金属術デッキから進化したもので、《予言のプリズム》と《胆液の水源》を《カルドーサの再誕》、《きらめく鷹》、そして《感電破》の燃料として活用する。これらのデッキは早期にゲームに勝利することができたが、大抵の場合はゲームを長引かせて飛行クリーチャーと頑強な火力一式によって勝利していた。《スレイベンの検査官》の印刷と《農民の結集》のコモン落ちがそのクロックを変化させた。この1マナ域はこのデッキがゲームの序盤からライフを攻め立てることを可能にするとともに、《金切るときの声》の支援を容易にさせてくれた。《農民の結集》によって追加されたリーチは《ゴブリンの奇襲隊》4枚分の働きをする。カルドーサ・トークンは純粋なアグロとは程遠いがこのフォーマットでも最高レベルのリーチがあるし《稲妻》と《感電破》の連打によって終わるゲームも1つではない。
クリーチャー(12)
4 《きらめく鷹/Glint Hawk》
4 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
4 《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》
インスタント(10)
2 《農民の結集/Rally the Peasants》
4 《感電破/Galvanic Blast》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
ソーサリー(7)
1 《炎の稲妻/Firebolt》
3 《金切るときの声/Battle Screech》
3 《カルドーサの再誕/Kuldotha Rebirth》
エンチャント(2)
2 《未達への旅/Journey to Nowhere》
アーティファクト(8)
4 《胆液の水源/Ichor Wellspring》
4 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
土地(21)
1 《平地/Plains》
2 《忘れられた洞窟/Forgotten Cave》
2 《光輝の泉/Radiant Fountain》
2 《隔離されたステップ/Secluded Steppe》
2 《風に削られた岩山/Wind-Scarred Crag》
4 《ボロスの駐屯地/Boros Garrison》
4 《古えの居住地/Ancient Den》
4 《大焼炉/Great Furnace》
サイドボード(15)
2 《赤の防御円/Circle of Protection: Red》
2 《電謀/Electrickery》
2 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
4 《溶鉄の雨/Molten Rain》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
2 《軍旗の旗手/Standard Bearer》
カルドーサ・トークンとゴブリンとにはある大きな共通点がある、1枚の呪文から複数の戦力を生み出すこと、そのリーチ、そして横に広げる力と縦に伸ばす力。それらは2つの大きな方向に分岐している。初めに、カルドーサ・トークンは新しいカードを引く能力を向上させている。このボロスデッキは、オンスロートのサイクリング土地、《予言のプリズム》、《胆液の水源》そして《スレイベンの検査官》などによって、実際のカードアドバンテージを得るのは大変でもたくさんのカードを引く能力がある。ゴブリンデッキが《ゴブリンの女看守》を採用したとしてもカルドーサ・トークンのレベルに近づくことはできない。
もう1つの大きな違いはダメージの与え方だ。ゴブリンは《稲妻》の効率の下で動作していて簡単に3点の塊でダメージを与える。《ゴブリンの奇襲隊》はパワー2のクリーチャーと堅実なブーストをすることができる;《モグの戦争司令官》はパワー3の価値のあるクリーチャーだ。カルドーサ・トークンは《稲妻》を最大限に使用している。
つまり、最大ということは4枚だ。
《感電破》は攻撃的戦略の計算を変化させる。カルドーサ・トークンを見てみると、ライフ全体の15%ではなく20%のダメージを与えられることにより任務をこなすことがはるかに簡単になっている。《金切るときの声》は4点;《コーの空漁師》と《きらめく鷹》は2人合わせて4点;《農民の結集》はクリーチャー1体につき追加で4点のダメージを与える。Pauperにおける最初の10年と現在とのアグロの違いを明らかにしたいならば、それは《感電破》と《稲妻》の違いだと要約することができる。Pauperのデッキを攻撃性の軸にプロットすると、カルドーサ・トークンは中間に落ち着き、ミッドレンジの領域に近づいて行っているのが分かるだろう。次のデッキは原点に近づくものだ。
ストンピィ - TinyTim123, 5-0 Pauper Leagueストンピィは見事なビートダウンデッキだ。土地を最小限にして《クウィリーオン・レインジャー》でセットしなおす。《巨森の蔦》と《若き狼》のおかげで除去への耐性がある。このデッキも《感電破》サイズのダメージを与えるよう最適化されている。《蔦》は強力な強化呪文でもあり、また《地うねり》は《巨大化》を上回る。《吠え群れの飢え》は3点分のパワーにしかならないかもしれないが、その修正は残り続ける。最後に《怨恨》がすべての《ショック》を《火炎破》へと変化させゲームを締めくくる助けとなる。
クリーチャー(26)
2 《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla》
2 《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》
3 《リバー・ボア/River Boa》
3 《野生の雑種犬/Wild Mongrel》
4 《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》
4 《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》
4 《スカルガンの穴潜み/Skarrgan Pit-Skulk》
4 《若き狼/Young Wolf》
インスタント(11)
1 《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》
2 《変異原性の成長/Mutagenic Growth》
4 《地うねり/Groundswell》
4 《巨森の蔦/Vines of Vastwood》
ソーサリー(1)
1 《勇壮な対決/Epic Confrontation》
エンチャント(4)
4 《怨恨/Rancor》
アーティファクト(1)
1 《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》
土地(17)
17 《森/Forest》
サイドボード(15)
2 《勇壮な対決/Epic Confrontation》
3 《部族養い/Feed the Clan》
3 《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》
2 《はらわた撃ち/Gut Shot》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
3 《散弾の射手/Scattershot Archer》
ストンピィはゴブリンと並ぶ純粋なアグロデッキだ。カードアドバンテージは、実際のカードしてではなく相手の呪文を腐らせる事で得ることが多い。ストンピィは把握するメタゲームに合わせて2マナ域を交換できることでかなり柔軟に構成になっている。《リバー・ボア》、《マイアー・ボア》、《ガラクの仲間》、《巣の侵略者》そして《シラナの岩礁渡り》は異なった状況でどれも的確だ。ストンピィには強力な1マナ域がいるという利点もあり、これはフォーマットと基本となるデッキ(デルバー)を乗り越える上で不可欠だ。強力な対飛行のサイドボードをとることも苦ではない。
ストンピィはマナ効率の典型だが、攻撃の出力には限界がある。僕は(そのダメージを与える力にも関わらず)カルドーサ・トークンよりストンピィの方が良いデッキだと思っている。その一方で、ライフを攻めるためのより恒久的な回答を持ったもう1つの《怨恨》デッキが存在する。
呪禁 - JamesFrancisMTG, 5-0 Pauper League呪禁は直線的なデッキがPauperで成功できることを示している。最小限のクリーチャーを使い、このデッキは一撃で大ダメージを与えることのできる対処困難な戦力を作り上げようとする。《怨恨》と《アルマジロの外套》はダメージを通すのにとてつもなく重要だし、《天上の鎧》と《祖先の仮面》は力仕事をしてくれる。これら2枚は序盤の《豊かな生長》と《楽園の拡散》を後半でのダメージへと変換してくれる。呪禁の潜在能力は高いが同じくらいに弱点もある。オーラを引くことができなければ出てくるのは非常に小さい生物のチームだ。《オーラのナーリッド》が手に入ったとしても依然としてこのデッキは《チェイナーの布告》と《墓所のネズミ》の影響を受けやすい。《電謀》も致命的な働きをするし、また《痕跡消し》、《貴族階級の嘲笑》そして《心なごむ詩句》のような回答は呪禁を使うことの魅力をなくしてしまう。それでも対象を取らない除去が低迷していれば、このデッキは依然としてメタゲームにおける堅実な選択肢だ。
クリーチャー(16)
4 《オーラのナーリッド/Aura Gnarlid》
4 《林間隠れの斥候/Gladecover Scout》
4 《シラナの岩礁渡り/Silhana Ledgewalker》
4 《ぬめるボーグル/Slippery Bogle》
ソーサリー(1)
1 《神々との融和/Commune with the Gods》
エンチャント(25)
1 《超者の意向/Favor of the Overbeing》
4 《豊かな成長/Abundant Growth》
4 《祖先の仮面/Ancestral Mask》
4 《アルマジロの外套/Armadillo Cloak》
4 《天上の鎧/Ethereal Armor》
4 《怨恨/Rancor》
4 《楽園の拡散/Utopia Sprawl》
土地(18)
14 《森/Forest》
4 《花咲く砂地/Blossoming Sands》
サイドボード(15)
1 《鋭い痛み/Flaring Pain》
2 《絆魂/Lifelink》
1 《天啓の光/Ray of Revelation》
4 《散弾の射手/Scattershot Archer》
3 《軍旗の旗手/Standard Bearer》
4 《若き狼/Young Wolf》
呪禁、カルドーサ・トークンそしてストンピィはどれも一般的にアグロと呼ばれる範囲の内に収まっている。呪禁はガラスの砲台なのが一番はっきりしているが、これらのデッキは第一に攻撃によって勝利する。アグロ-コントロールデッキはPauperではあまり一般的ではないが存在している。より積極的な構築のデルバーについて考えるには、これらのデッキがどう動くのかを見てやれば良い。
デルバー - Pheonix35, 5-0 Pauper League《幻影の熊》を入れたデルバーの構築はプレッシャーをかける1マナ域のために《尖塔のゴーレム》を控えている。このフォーマットの除去のほとんどはタフネス2のクリーチャーをすぐに無条件に殺すだろうから、《幻影の熊》の固有の脆弱性によって損失が生じることはほとんどない。これらの構築は従来のデルバーほどは見かけない ―《尖塔のゴーレム》は強いんだ―しかしこのフォーマットにおける青の多才さを示している。
クリーチャー(20)
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
4 《フェアリーの悪党/Faerie Miscreant》
4 《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours》
4 《幻影の熊/Phantasmal Bear》
4 《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
インスタント(14)
2 《噴出/Gush》
4 《対抗呪文/Counterspell》
4 《目くらまし/Daze》
4 《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》
ソーサリー(11)
3 《定業/Preordain》
4 《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
4 《思案/Ponder》
土地(15)
15 《島/Island》
サイドボード(15)
3 《無効/Annul》
3 《珊瑚の網/Coral Net》
1 《鎖の呪い/Curse of Chains》
2 《はらわた撃ち/Gut Shot》
2 《水流破/Hydroblast》
1 《否認/Negate》
3 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
もう1つの成功しているアグロ-コントロールデッキは、やはりデルバーとその他の軽い戦力の支援に頼っている。
ディミーア・デルバー - FranPi, 5-0 Pauper Leagueディミーア・デルバーはクリーチャーが少なく、予算を抑えたレガシーデッキと類似点がある。呪禁と同じく、ディミーア・デルバーはクリーチャーの数が少ない。もともと除去耐性のあるクリーチャーを使うよりも、このデッキは《対抗呪文》や《剥奪》のような防御手段を取ることを選んでいる。《グルマグのアンコウ》や《秘密を掘り下げる者》を守ることがこのデッキの勝利への道だ。このデッキにはストンピィのようなデッキには欠けているまとまった量の除去と干渉手段がある。このデッキにはクリーチャーが少なく、それらがいなければゲームに勝てないため防御手段は必要だ。また、ディミーア・デルバーはそのリストの大部分を《グルマグのアンコウ》を確実に軽くするために捧げている。
クリーチャー(10)
1 《熟考漂い/Mulldrifter》
1 《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger》
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
4 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
インスタント(27)
1 《苦悶のねじれ/Agony Warp》
1 《破滅の刃/Doom Blade》
2 《剥奪/Deprive》
3 《恐ろしい死/Ghastly Demise》
4 《蓄積した知識/Accumulated Knowledge》
4 《渦まく知識/Brainstorm》
4 《対抗呪文/Counterspell》
4 《留意/Mental Note》
4 《思考掃き/Thought Scour》
Soceries (5)
1 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
1 《綿密な分析/Deep Analysis》
1 《定業/Preordain》
2 《思案/Ponder》
土地(18)
1 《沼/Swamp》
7 《島/Island》
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
1 《亡骸のぬかるみ/Mortuary Mire》
4 《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
4 《進化する未開地/Evolving Wilds》
サイドボード(15)
1 《無効/Annul》
1 《オーラの変転/Aura Flux》
1 《見栄え損ない/Disfigure》
2 《払拭/Dispel》
2 《強迫/Duress》
1 《残響する衰微/Echoing Decay》
1 《奇怪な突然変異/Grotesque Mutation》
1 《否認/Negate》
1 《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
2 《減縮/Shrivel》
2 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
それでもディミーア・デルバーは時々メタゲームで支配力を発揮しにくくなることがある。例えば《金切るときの声》はこのデッキに対してとても有効で《苦花》並みの壁を生み出して数ターンを稼ぐことができる。同様に除去も強く、青黒デッキに立ち向かう時には《未達への旅》と《チェイナーの布告》の両者が真価を発揮する。《嵐縛りの霊》をサイドインしていてもディミーア・デルバーが押されている場合には地上クリーチャーを止められないことが致命的になることがよくある。
鋭い観察者は僕がとても重要なアグロデッキをここまで残しておいたことに気づいたかもしれない。親和はPauperのメタゲームを定義する助けとなるデッキだ。4/4を並べる能力は比類がなく、そればかりか軽いドロー呪文による再供給能力と《感電破》による止めも持ち合わせている。親和は《エイトグ》と《投げ飛ばし》も使うことができ、これは僕にとっては完全にアグロ-コンボ側だ。
親和 - IamPd_, 5-0 Pauper LeaguePauperにおけるコンボデッキは大部分がクリーチャーを基礎としている(特に《ぶどう弾》と《巣穴からの総出》が除外されてからは)、しかし個人的には親和はその中で唯一真のビートダウンデッキを兼ねている。発想は単純だ:アーティファクト土地をプレイし相手が良いブロックをできるまで《甲殻の鍛冶工》と《マイアの処罰者》で攻撃する。それが単純に機能しなくても、盤面を構築し《投げ飛ばし》と《エイトグ》で勝利する。あるいはもう少し長引いて《歯車襲いの海蛇》へと繋げる。親和は脆弱であるにもかかわらず回復力があり、コンボでいきなり勝利する力がある。
クリーチャー(17)
1 《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent》
4 《エイトグ/Atog》
4 《甲殻の鍛冶工/Carapace Forger》
4 《金属ガエル/Frogmite》
4 《マイアの処罰者/Myr Enforcer》
インスタント(8)
2 《投げ飛ばし/Fling》
2 《危険な研究/Perilous Research》
4 《感電破/Galvanic Blast》
ソーサリー(4)
4 《物読み/Thoughtcast》
アーティファクト(15)
2 《皮剥ぎの鞘/Flayer Husk》
2 《胆液の水源/Ichor Wellspring》
3 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
4 《彩色の星/Chromatic Star》
4 《バネ葉の太鼓/Springleaf Drum》
土地(16)
4 《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》
4 《大焼炉/Great Furnace》
4 《教議会の座席/Seat of the Synod》
4 《伝承の樹/Tree of Tales》
サイドボード(15)
2 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
1 《払拭/Dispel》
2 《電謀/Electrickery》
1 《部族養い/Feed the Clan》
2 《水流破/Hydroblast》
2 《クラーク族のシャーマン/Krark-Clan Shaman》
1 《自然のままに/Natural State》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
1 《心に静寂/Serene Heart》
それでも親和はこのフォーマットでもっとも脆弱なデッキの1つだ。Pauperはエターナルで使われるアーティファクト除去の多くを使うことができる、《自然のままに》、《断片化》、《古えの遺恨》そして《鋳塊かじり》。これらはどれも機械と戦う上で素晴らしいカードだ、しかし《ゴリラのシャーマン》の前ではかすんで見える。
《ゴリラのシャーマン》は親和を抑制するカードだ。これが居なければこのフォーマットである種のデッキは禁止になっていたかもしれない。《ゴリラのシャーマン》が使えるということはアーティファクト土地を使うことが本当に重荷になるということだ。赤いプレイヤーは一方的な《ハルマゲドン》を使えるんだからね。《ダークスティールの城塞》と《バネ葉の太鼓》は確かに助けになるが2ターン目のモックスモンキーはしばしばそれだけでゲームを終わらせることができる。
Pauperはビートダウンすることが可能なフォーマットだ。深遠なカードプールが火の哲学に従うデッキにたくさんの材料を与える。これらは比較的人気のある攻撃的戦略のサンプルの一部に過ぎない、そしていくつかの非主流の構築はこのシリーズで後々カバーするだろう。しかしながら、僕らの次のエントリーはコントロールに関して網羅するつもりだ。
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-01172017-a-pauper-primer-part-1/)
A Pauper Primer: Part 1
by Alex Ullman, January 17, 2017
このシリーズには前々から取り組もうと思っていたんだ。少し前にChannel Fireballで Reid Duke が書いたレガシーを取り扱った記事(https://goo.gl/8Q2LvY)が、Pauperで同様のシリーズを始めるために必要だったきっかけを与えてくれた。
なぜ今なのか?《流浪のドレイク》の禁止によってこのフォーマットは再び活気づいている。リーグの参加だけを見ればこのフォーマットが健全であることが容易に見て取れる; 禁止があってからPauperはおよそ100%の成長を遂げた。けれど、Magic Onlineとこのゲームのより大きな意識上でのPauperの存在感にもかかわらず、僕はPauperがまだ誤解をされていると考えている。これらの記事における僕の意図は、このフォーマットの広範な紹介をすること、そしてPauperのプレイを勧めるだけでなくPauperをユニークしているものを探求することだ。
それでは、出発点にふさわしいのはこれだろう...
Pauperとは何か?
簡単に言えば、Pauperとはコモン限定の競技マジックだ。
それだけであれば事は簡単だったろう。
Pauperはあるグループの友達同士が、限られた予算で競い合うためにMagic Online上で始めたものだ。かつてのWizardsの公式フォーラム上で彼らは寄付された賞品をめぐるトーナメント(プレイヤー・ラン・イベントあるいはPRE)を開催していた、そしてPauper Deck Challenge(あるいはPDC)が始まった。もともとPDCは16週のシーズンに分かれていてその各シリーズでプレイオフが行われていた。禁止制限リストはプレイヤー自らによる議論と投票によって決定されていた。
徐々にPDCイベントは増えていき、各シリーズにそれぞれのシーズンと選手権があった。最終的に昔のセットが追加されて(※)PDCとスタンダードPDCとの分裂が起こった。2008年にPauperはMagic Olineで公式に制定され、公式の禁止リストを備えたフォーマットになった。(※Magic Onlineはオデッセイ発売当時にできたので、それ以前の昔のセットは段階的に追加されてきた歴史がある)
オンラインのPauperはシングルエリミネーション・トーナメント、多くの挑戦者、そしてその他の寄付とともに成長してきた。プラットフォームの安定性のためにサポートは一進一退であったが、PauperはMagic Onlineの主力であることを示し、今はリーグ形式のおかげで繁栄している。
Pauperは最高に安価なフォーマットとして始まったものの、デュエルデッキの発売によりそのイメージは過去のものとなった。《鋸刃の矢》、《殺し》、《噴出》、《目くらまし》、そして《ゴリラのシャーマン》までもがすべてデッキ製品から出現するので、それらは比較的手に入りにくく高額になった。コモンになることで一たびそれらのカードがPauperで使えるようになると、格安要素はフォーマットの精神(コモン限定の競技マジック)に対してあまり重要でなくなってしまった。
まだそれほど単純ではない。紙市場の急成長(はっきり言って爆発)によって別の歪みが生まれている。オンラインのフォーマットでは常連でも実際の物質ではコモンで印刷されていないカードがある ―《チェイナーの布告》そして《金切るときの声》。同様にデジタルでは黒いエキスパンションシンボルを付けられたこのとないコモンカードがある ―《トーラックの賛歌》、《陥没孔》、《砂漠》、《ゴブリンの手投げ弾》。オンラインのルールエンジンはフォーマット全体を管理できる一方で、現実の世界はさまざまな主催者に依存している。
僕はこのスペースを使ってオンラインの禁止リストを支持していきたい。単純にこのバージョンのフォーマットは他のバージョンよりも多くのデータがあるし、少なくとも最近は活力と健全さに満ちていることを示している。紙の世界でそれを参照していくつかのカードを使えなくするのは面倒かもしれないが、僕はストロングホールドの《罠の橋》やザ・ダークの《血染めの月》がモダンで使われているのとそう変わらないことだと思う。というわけで、以降このシリーズでPauperについて話す際はオンラインに準拠したPauperを意味する。紙の遊び仲間のみんなにもこのリストに従うことを勧めるよ。
パズルのピース
カードが定まったら、そこに何があるかを議論することにしよう;そして、大体はそこに何がないかが重要だ。
禁止リストから始めよう。《頭蓋囲い》は親和での強さからフォーマット開始当初からの禁止メンバーで、それが解除される様子もない。《大あわての捜索》はストームデッキのためのマナを生み出せることですぐにこのリストに加わった。《ぶどう弾》と《巣穴からの総出》―これらはストームカードとしてペアでリストに加わった。《激励》も同様だ(これは感染に信頼性のある2ターンキルを可能にさせていた)。次のラウンドでは別のストームカード、《時間の亀裂》が現れた。これは《雲上の座》と同時にランクに加わった。《時間の亀裂》は一方的な《抹消》を唱えることを可能にしていたし、《雲上の座》は《微光地》と組み合わさってアグロを過去のものとしていた。《宝船の巡航》は印刷されて間もなく禁止になった。最後に、妨害困難なコンボデッキでの強さのために《フェアリーの大群》と《流浪のドレイク》がこのリストに行き着いた。
コモンをベースにしているためにPauperには必須効果の大部分が満たされている。火力、除去、打ち消し、クリーチャー ―もしエキスパンションから消えたなら皆が気が付くものだ。このゲームの歴史の大部分を自由に使えることで、Pauperはしばしばこれらの効果の中でもっとも軽いバージョンが手に入る。《稲妻》、《地うねり》、《悲劇的な過ち》、その他すべてがよく使われているのは正にこの理由からだ。また、攻撃の先頭に立つ《鋳造所通りの住人》と《若き狼》のように、有能なクリーチャーもマナカーブのもっとも軽いところにいる傾向がある。高密度の軽い呪文とクリーチャーはアグロデッキを魅了し、そして多くの場合それはかなり強力だ。
コントロールが死んだといっているわけではない。コモン枠に必須な別の要素が有用なクリーチャーだ ―《騒がしいネズミ》と《熟考漂い》。そしてこれらは長期戦を見据えた多くのデッキの根幹をなしている。これらのカードが軽い除去や打ち消し呪文と組み合わさると、1体の2/2がとどめを刺せるまでゲームが長引かせることもできる。コントロールはここ最近、タルキール覇王譚のゲインランドによる恩恵を受けた。これらのカードはマナを安定させるだけでなく回復によってアグロの突撃を鈍らせる助けにもなる。
そう言えば、マナの融通というのはおそらくPauperで最も理解されていない側面だろう。アンタップ状態で場に出る2色土地や使える状態で土地を探し出せるフェッチランドがないことで、複数の色を使うデッキはしばしばマナベースの準備に時間を費やさなければならない。ゲインランドはこのプランを増強するし、最近印刷された《灰のやせ地》によって3色デッキが実現した。さらなる選択肢が利用可能になったことで使われるデッキのタイプも拡大した。現在、Pauperではゲインランドだけでなくラヴニカのバウンスランド、《進化する未開地》、そして《灰のやせ地》が有効に活用されている。
Pauperのコンボデッキは変わって見える。極端に呪文に基づいたコンボはフォーマットから締め出され、一方で《フェアリーの大群》と《流浪のドレイク》によるループもクビになった。代わりに近頃のPauperのコンボデッキはクリーチャーに大きく依存している。《ニヴィックスのサイクロプス》と《窯の悪鬼》を、軽い呪文と《ティムールの激闘》と組み合わせたデッキは3ターンキルが可能だ。親和は確かなアグロのベースに《エイトグ》と《投げ飛ばし》を組み合わせを融合したものだ。《孔蹄のビヒモス》をサーチする能力が欠けたエルフもまた《リス・アラナの狩りの達人》によって大量のトークンを吐き出し《遠くの旋律》で10枚以上のカードを引いてくる。その呼び名のついた伝統的なデッキに似ていなくてもコンボは方法を見出す。
Pauperには他のフォーマットにある要素がいくつか欠けている。もっとも分かりやすいのはプレインズウォーカーの不在だ。プレインズウォーカーの多くの効果に本当の代わりは存在しないので、プレインズウォーカーの不在はデッキの機能のしかたを変化させる。大雑把に、一たび場に出ると継続的に効果を発揮するカードはコモンのフォーマットでは非常に貴重だ。僕は数週間前にこのことを考察した(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-12132016-rocking-out-in-pauper/)、そして毎ターン何かをする呪文はとても少ないというのが実情だ。おそらく一番人気は《熱錬金術師》かもしれないが、他に《貫かれた心臓の呪い》、《血まみれの書の呪い》、そして《無残な収穫》が思い浮かぶ。《古術師》とそれを使いまわす手段を用いたデッキは永続的な効果を模倣する手段として台頭してきている。継続的な効果なしでダメージに特化していないデッキが勝つにはやや異なるアプローチを取る必要がある。
コントロールデッキの強力なフィニッシャーも同様に不足している。強く早い戦力や十分に有用なクリーチャーはいるものの、場に出して一気にゲームを終わらせることのできるカードはごく僅かだ。《グルマグのアンコウ》はおそらくこのフォーマットで最高の単体の戦力だが、フォーマットにある多くの回答で簡単に処理されてしまう。単体除去はPauperの戦力の大部分を上回っているし、全体除去は非常に少ない。盤面が膠着することがあり、すべてをぶち壊すフィニッシャーがいないことはPauperを特徴づける要素の1つだ。
Pauperの全体除去は良くても条件付きだ。ほとんどは《電謀》や《減縮》の亜種でもっぱら小さいクリーチャーにしか効果がない。《墓所のネズミ》は好きなだけ大きいものにも効くが相当な高値になっている。《エヴィンカーの正義》は日の目を見ているが、《渦巻く砂嵐》と《ワイアウッドのかぎ爪》も一般的に使われるために頑張っている。横に並べるプレイヤーを咎める呪文は非常に少ないが、それですぐさまトークン軍団が最高の戦力となるわけではない。これらのデッキは早い段階でオールインしなければならないことがよくあり、悪いタイミングで全体除去が当たると無力化されてしまう。
忌まわしき青
この記事で今まで語ることを避けてきたPauperの要素が1つある。Pauperがマジックの歴史すべてを使えるという事実と過去の偏見により、言うまでもなく(それでも言わなければならない)青はこのフォーマットで圧倒的に最高の色だ。《対抗呪文》や《マナ漏出》を含む最高級の打ち消し呪文を持っていて、《蓄積した知識》や《思案》のような軽いドローやフィルタリングを使うことができる。青にはコントロールデッキにとって最高の戦力の1つである《尖塔のゴーレム》とヴィンテージでさえ使われるクリーチャー:《秘密を掘り下げる者》がいる。
簡単に言えば、青は何でもできるのだ。
《秘密を掘り下げる者》は強固な戦力であり、《呪文づまりのスプライト》の支援があるとなおさらだ。《フェアリーの悪党》は速さをくれる一方で、《深き刻の忍者》は《悪党》や《スプライト》の再利用をしつつ継続的なカードアドバンテージにもなってくれる。《尖塔のゴーレム》は終局に向けて攻撃に転じる前に防御を固めてくれる。
《対抗呪文》は最高の打ち消し呪文だし、これをデルバーよりうまく使えるデッキはない。《目くらまし》、《論理の結び目》、そして《剥奪》はどれも役立つ呪文だが、《呪文づまりのスプライト》もクリーチャーとして同じ仕事をこなす。《蒸気の絡みつき》と《断絶》は進路を空けておくのを助け、一方で《思案》と《定業》はデッキをつなぎ合わせるのに役立つ。
もし君がPauperをするならデルバーデッキに出会うことだろう。でもこのデッキをもう一度見てみてくれ ―つまらないドラフトデッキみたいに見えないかい?デルバーはPauperへの大きな誤解を説目するのに役立つ。すなわち、飛び抜けたコモンしか使われないという誤解だ。その代わり、このフォーマットには実際に制限要素があり、それぞれのデッキは何かしら強力なことをする能力がある。それらを今後数週間にわたって君たちと共有していくのが楽しみだ。
A Pauper Primer: Part 1
by Alex Ullman, January 17, 2017
このシリーズには前々から取り組もうと思っていたんだ。少し前にChannel Fireballで Reid Duke が書いたレガシーを取り扱った記事(https://goo.gl/8Q2LvY)が、Pauperで同様のシリーズを始めるために必要だったきっかけを与えてくれた。
なぜ今なのか?《流浪のドレイク》の禁止によってこのフォーマットは再び活気づいている。リーグの参加だけを見ればこのフォーマットが健全であることが容易に見て取れる; 禁止があってからPauperはおよそ100%の成長を遂げた。けれど、Magic Onlineとこのゲームのより大きな意識上でのPauperの存在感にもかかわらず、僕はPauperがまだ誤解をされていると考えている。これらの記事における僕の意図は、このフォーマットの広範な紹介をすること、そしてPauperのプレイを勧めるだけでなくPauperをユニークしているものを探求することだ。
それでは、出発点にふさわしいのはこれだろう...
Pauperとは何か?
簡単に言えば、Pauperとはコモン限定の競技マジックだ。
それだけであれば事は簡単だったろう。
Pauperはあるグループの友達同士が、限られた予算で競い合うためにMagic Online上で始めたものだ。かつてのWizardsの公式フォーラム上で彼らは寄付された賞品をめぐるトーナメント(プレイヤー・ラン・イベントあるいはPRE)を開催していた、そしてPauper Deck Challenge(あるいはPDC)が始まった。もともとPDCは16週のシーズンに分かれていてその各シリーズでプレイオフが行われていた。禁止制限リストはプレイヤー自らによる議論と投票によって決定されていた。
徐々にPDCイベントは増えていき、各シリーズにそれぞれのシーズンと選手権があった。最終的に昔のセットが追加されて(※)PDCとスタンダードPDCとの分裂が起こった。2008年にPauperはMagic Olineで公式に制定され、公式の禁止リストを備えたフォーマットになった。(※Magic Onlineはオデッセイ発売当時にできたので、それ以前の昔のセットは段階的に追加されてきた歴史がある)
オンラインのPauperはシングルエリミネーション・トーナメント、多くの挑戦者、そしてその他の寄付とともに成長してきた。プラットフォームの安定性のためにサポートは一進一退であったが、PauperはMagic Onlineの主力であることを示し、今はリーグ形式のおかげで繁栄している。
Pauperは最高に安価なフォーマットとして始まったものの、デュエルデッキの発売によりそのイメージは過去のものとなった。《鋸刃の矢》、《殺し》、《噴出》、《目くらまし》、そして《ゴリラのシャーマン》までもがすべてデッキ製品から出現するので、それらは比較的手に入りにくく高額になった。コモンになることで一たびそれらのカードがPauperで使えるようになると、格安要素はフォーマットの精神(コモン限定の競技マジック)に対してあまり重要でなくなってしまった。
まだそれほど単純ではない。紙市場の急成長(はっきり言って爆発)によって別の歪みが生まれている。オンラインのフォーマットでは常連でも実際の物質ではコモンで印刷されていないカードがある ―《チェイナーの布告》そして《金切るときの声》。同様にデジタルでは黒いエキスパンションシンボルを付けられたこのとないコモンカードがある ―《トーラックの賛歌》、《陥没孔》、《砂漠》、《ゴブリンの手投げ弾》。オンラインのルールエンジンはフォーマット全体を管理できる一方で、現実の世界はさまざまな主催者に依存している。
僕はこのスペースを使ってオンラインの禁止リストを支持していきたい。単純にこのバージョンのフォーマットは他のバージョンよりも多くのデータがあるし、少なくとも最近は活力と健全さに満ちていることを示している。紙の世界でそれを参照していくつかのカードを使えなくするのは面倒かもしれないが、僕はストロングホールドの《罠の橋》やザ・ダークの《血染めの月》がモダンで使われているのとそう変わらないことだと思う。というわけで、以降このシリーズでPauperについて話す際はオンラインに準拠したPauperを意味する。紙の遊び仲間のみんなにもこのリストに従うことを勧めるよ。
パズルのピース
カードが定まったら、そこに何があるかを議論することにしよう;そして、大体はそこに何がないかが重要だ。
禁止リストから始めよう。《頭蓋囲い》は親和での強さからフォーマット開始当初からの禁止メンバーで、それが解除される様子もない。《大あわての捜索》はストームデッキのためのマナを生み出せることですぐにこのリストに加わった。《ぶどう弾》と《巣穴からの総出》―これらはストームカードとしてペアでリストに加わった。《激励》も同様だ(これは感染に信頼性のある2ターンキルを可能にさせていた)。次のラウンドでは別のストームカード、《時間の亀裂》が現れた。これは《雲上の座》と同時にランクに加わった。《時間の亀裂》は一方的な《抹消》を唱えることを可能にしていたし、《雲上の座》は《微光地》と組み合わさってアグロを過去のものとしていた。《宝船の巡航》は印刷されて間もなく禁止になった。最後に、妨害困難なコンボデッキでの強さのために《フェアリーの大群》と《流浪のドレイク》がこのリストに行き着いた。
コモンをベースにしているためにPauperには必須効果の大部分が満たされている。火力、除去、打ち消し、クリーチャー ―もしエキスパンションから消えたなら皆が気が付くものだ。このゲームの歴史の大部分を自由に使えることで、Pauperはしばしばこれらの効果の中でもっとも軽いバージョンが手に入る。《稲妻》、《地うねり》、《悲劇的な過ち》、その他すべてがよく使われているのは正にこの理由からだ。また、攻撃の先頭に立つ《鋳造所通りの住人》と《若き狼》のように、有能なクリーチャーもマナカーブのもっとも軽いところにいる傾向がある。高密度の軽い呪文とクリーチャーはアグロデッキを魅了し、そして多くの場合それはかなり強力だ。
コントロールが死んだといっているわけではない。コモン枠に必須な別の要素が有用なクリーチャーだ ―《騒がしいネズミ》と《熟考漂い》。そしてこれらは長期戦を見据えた多くのデッキの根幹をなしている。これらのカードが軽い除去や打ち消し呪文と組み合わさると、1体の2/2がとどめを刺せるまでゲームが長引かせることもできる。コントロールはここ最近、タルキール覇王譚のゲインランドによる恩恵を受けた。これらのカードはマナを安定させるだけでなく回復によってアグロの突撃を鈍らせる助けにもなる。
そう言えば、マナの融通というのはおそらくPauperで最も理解されていない側面だろう。アンタップ状態で場に出る2色土地や使える状態で土地を探し出せるフェッチランドがないことで、複数の色を使うデッキはしばしばマナベースの準備に時間を費やさなければならない。ゲインランドはこのプランを増強するし、最近印刷された《灰のやせ地》によって3色デッキが実現した。さらなる選択肢が利用可能になったことで使われるデッキのタイプも拡大した。現在、Pauperではゲインランドだけでなくラヴニカのバウンスランド、《進化する未開地》、そして《灰のやせ地》が有効に活用されている。
Pauperのコンボデッキは変わって見える。極端に呪文に基づいたコンボはフォーマットから締め出され、一方で《フェアリーの大群》と《流浪のドレイク》によるループもクビになった。代わりに近頃のPauperのコンボデッキはクリーチャーに大きく依存している。《ニヴィックスのサイクロプス》と《窯の悪鬼》を、軽い呪文と《ティムールの激闘》と組み合わせたデッキは3ターンキルが可能だ。親和は確かなアグロのベースに《エイトグ》と《投げ飛ばし》を組み合わせを融合したものだ。《孔蹄のビヒモス》をサーチする能力が欠けたエルフもまた《リス・アラナの狩りの達人》によって大量のトークンを吐き出し《遠くの旋律》で10枚以上のカードを引いてくる。その呼び名のついた伝統的なデッキに似ていなくてもコンボは方法を見出す。
Pauperには他のフォーマットにある要素がいくつか欠けている。もっとも分かりやすいのはプレインズウォーカーの不在だ。プレインズウォーカーの多くの効果に本当の代わりは存在しないので、プレインズウォーカーの不在はデッキの機能のしかたを変化させる。大雑把に、一たび場に出ると継続的に効果を発揮するカードはコモンのフォーマットでは非常に貴重だ。僕は数週間前にこのことを考察した(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-12132016-rocking-out-in-pauper/)、そして毎ターン何かをする呪文はとても少ないというのが実情だ。おそらく一番人気は《熱錬金術師》かもしれないが、他に《貫かれた心臓の呪い》、《血まみれの書の呪い》、そして《無残な収穫》が思い浮かぶ。《古術師》とそれを使いまわす手段を用いたデッキは永続的な効果を模倣する手段として台頭してきている。継続的な効果なしでダメージに特化していないデッキが勝つにはやや異なるアプローチを取る必要がある。
コントロールデッキの強力なフィニッシャーも同様に不足している。強く早い戦力や十分に有用なクリーチャーはいるものの、場に出して一気にゲームを終わらせることのできるカードはごく僅かだ。《グルマグのアンコウ》はおそらくこのフォーマットで最高の単体の戦力だが、フォーマットにある多くの回答で簡単に処理されてしまう。単体除去はPauperの戦力の大部分を上回っているし、全体除去は非常に少ない。盤面が膠着することがあり、すべてをぶち壊すフィニッシャーがいないことはPauperを特徴づける要素の1つだ。
Pauperの全体除去は良くても条件付きだ。ほとんどは《電謀》や《減縮》の亜種でもっぱら小さいクリーチャーにしか効果がない。《墓所のネズミ》は好きなだけ大きいものにも効くが相当な高値になっている。《エヴィンカーの正義》は日の目を見ているが、《渦巻く砂嵐》と《ワイアウッドのかぎ爪》も一般的に使われるために頑張っている。横に並べるプレイヤーを咎める呪文は非常に少ないが、それですぐさまトークン軍団が最高の戦力となるわけではない。これらのデッキは早い段階でオールインしなければならないことがよくあり、悪いタイミングで全体除去が当たると無力化されてしまう。
忌まわしき青
この記事で今まで語ることを避けてきたPauperの要素が1つある。Pauperがマジックの歴史すべてを使えるという事実と過去の偏見により、言うまでもなく(それでも言わなければならない)青はこのフォーマットで圧倒的に最高の色だ。《対抗呪文》や《マナ漏出》を含む最高級の打ち消し呪文を持っていて、《蓄積した知識》や《思案》のような軽いドローやフィルタリングを使うことができる。青にはコントロールデッキにとって最高の戦力の1つである《尖塔のゴーレム》とヴィンテージでさえ使われるクリーチャー:《秘密を掘り下げる者》がいる。
簡単に言えば、青は何でもできるのだ。
デルバーPauper | Ahuacatl, 5-0 Pauper Leagueデルバーはこのフォーマットの基準となるデッキだ。それは長い間もっとも人気がある(もしくはギリギリ2番目の)デッキだ。デルバー検定に落ちてしまうと青い脅威に打ち勝つことができないので、それを変身させる根拠があった方が良い。デルバーが共演するのは《思案》と《定業》というモダンでは強すぎるカードで、前者はヴィンテージでも制限されている。《噴出》はレガシーで禁止されヴィンテージで複数のエンジンの一部になっている。力がそこにある。
クリーチャー(20)
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
4 《フェアリーの悪党/Faerie Miscreant》
4 《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours》
4 《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
4 《尖塔のゴーレム/Spire Golem》
インスタント(14)
1 《剥奪/Deprive》
1 《論理の結び目/Logic Knot》
2 《目くらまし/Daze》
2 《噴出/Gush》
4 《対抗呪文/Counterspell》
4 《断絶/Snap》
ソーサリー(8)
4 《思案/Ponder》
4 《定業/Preordain》
アーティファクト(1)
1 《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》
土地(17)
17 《島/Island》
サイドボード(15)
2 《無効/Annul》
2 《鎖の呪い/Curse of Chains》
1 《払拭/Dispel》
4 《水流破/Hydroblast》
3 《鋸刃の矢/Serrated Arrows》
3 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
《秘密を掘り下げる者》は強固な戦力であり、《呪文づまりのスプライト》の支援があるとなおさらだ。《フェアリーの悪党》は速さをくれる一方で、《深き刻の忍者》は《悪党》や《スプライト》の再利用をしつつ継続的なカードアドバンテージにもなってくれる。《尖塔のゴーレム》は終局に向けて攻撃に転じる前に防御を固めてくれる。
《対抗呪文》は最高の打ち消し呪文だし、これをデルバーよりうまく使えるデッキはない。《目くらまし》、《論理の結び目》、そして《剥奪》はどれも役立つ呪文だが、《呪文づまりのスプライト》もクリーチャーとして同じ仕事をこなす。《蒸気の絡みつき》と《断絶》は進路を空けておくのを助け、一方で《思案》と《定業》はデッキをつなぎ合わせるのに役立つ。
もし君がPauperをするならデルバーデッキに出会うことだろう。でもこのデッキをもう一度見てみてくれ ―つまらないドラフトデッキみたいに見えないかい?デルバーはPauperへの大きな誤解を説目するのに役立つ。すなわち、飛び抜けたコモンしか使われないという誤解だ。その代わり、このフォーマットには実際に制限要素があり、それぞれのデッキは何かしら強力なことをする能力がある。それらを今後数週間にわたって君たちと共有していくのが楽しみだ。
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-01102017-pauper-revolt/)
Pauper Revolt
by Alex Ullman, January 10, 2017
僕は霊気紛争がPauperにとって素晴らしいものだとは思わない。霊気紛争のカードは面白いが具体的に際立ったようなカードはない。
それでもこのセットは影響を与えると思う。
僕にとって霊気紛争は、ここ最近でもっとも「以前のカードとの相性が良い」セットだ。
Magicの面白さの1つはすべてのものが組み合わさることだ。Magicには(今のところ)数十年にわたってデザインされてきたゲーム要素の間に相互作用を見出すような、何らかの根本的なものが存在している。他のゲームでこれがどうなっているか考えてみよう。オリジナルのファミリーコンピューターのマリオをスーパーマリオ64のクッパと戦わせることはできない、これらは根本的に別のゲームだからね。その対極にあるのがチェスのポーンだ。それはいつだって同じように機能するものだ。しまった。タイム。チェスのプレイのパターンに名前が付けられている理由がそこにある ―良く知られていて定量化できるものだ。
Magicは不変ではない。アルファの《暗黒の儀式》は《吸血鬼の夜鷲》とちょうど同じくらい簡単に《惑乱の死霊》を唱えることができる。少なくとも僕にとっては、霊気紛争のカードは独自の価値を持つというより、以前からのPauperの常連の強さを高めるものだ。具体的に言うと《粗石の魔道士》と《巣の侵略者》のことだ。
《粗石の魔道士》・《巣の侵略者》
これらは霊気紛争のベストカードだ、次にリリースされるものを最大限に活用できるという点でね。《粗石の魔道士》は2/2が備わった強力な教示者だ。場に出たときの能力を持つ《灰色オーガ》はPauperにおける必需品だ。しかし明らかな強さにも関わらず、《粗石の魔道士》はほとんど使用可能ラインの外側にとどまっている。アーティファクト土地のおかげでどの色のマナでも探しに行ける能力があるにも関わらず、現時点ではこのフィフスドーンのコモンは大いに使われているデッキは1つだ:
《万能溶剤/Universal Solvent》
《万能溶剤》はPauperで2番目のサーチ可能な《名誉回復》効果だ。1つ目は《存在の一掃》で、これは《神秘の指導》でサーチすることができる。《一掃》は非常に強力であらゆるパーマネントを取り除くことができる。この戦乱のゼンディカーの呪文の問題はコストが7だということだ。《万能溶剤》はより大きいコスト(8マナ)を要求するが1ターン目に場に出すこともできる。《目くらまし》は存在しているし人々はアーティファクト対策を使っているが、《溶剤》が役割を果たす可能性のほうがはるかに高い。ゲーム後半の脅威をなんでも除去できるもの(あるいはウルザトロンを崩壊させるもの)を1ターン目に置くことは強力な抑止力となる可能性がある。
《溶剤》の強さの1つは《粗石の魔道士》デッキをどのように変えることができるのかにかかっている。上記のリストを見てみよう。《粗石の魔道士》は《シルヴォクの生命杖》、《処刑人の薬包》、または土地を持ってくることができる。どのカードも立派だが長期戦での妥当性に欠けている。もっとも妥当性があるのは《薬包》だが、展開のすすんだ盤面では比較的コスト効率が悪い。《万能溶剤》の存在によって終盤での《粗石の魔道士》は今やはるかに妥当性がある。コモンの《名誉回復》を手助けするためにウルザトロンに《粗石の魔道士》が居場所を見つけることは今やありえない話ではない。
《増強自動機械》・《改革派の地図》
他に注目すべき2つの粗石が《増強自動機械》と《改革派の地図》だ。《改革派の地図》は《旅人のガラクタ》、《旅行者の護符》、そして《放浪者の小枝》と同じ役割に適合する。他のものと違ってこれは場に出たターンには使えないが《地図》は起動にマナがかからない利点がある。このカードがよく使われるかは疑問だが覚えておくべき選択肢だ。これは紛争を(0マナで)達成しつつ、親和、金属術、そして即席を手助けできるのでデッキ構築において考慮に値する本質的な価値を十分に有している。
《自動機械》は《粗石の魔道士》で探すことのできる初めての本物の脅威だ。その点で他とは違った役割を果たす。《結束した構築物》と《皮剥ぎの鞘》はマナの条件に見合うがターンが進むにつれて酷く無力なものになってしまう。《増強自動機械》はどんな盤面でも最高の脅威というわけではないだろうが、相当に大きくなれる能力はこれまで《粗石の魔道士》の弱点だった部分を強化してくれる。
《精緻会の改革派》・《造命物騎兵》・《絹織りの精鋭》
紛争は自然なゲームの進行に見返りをくれるので面白い。カードは場を離れるものだし、Pauperにはものを場から離れさせる方法がたくさんある。《巣の侵略者》と《空中生成エルドラージ》はすでによく使われている。付随するエルドラージ・落とし子とエルドラージ・末裔トークンは呪文を唱える助けになるだけでなく、かってに紛争を達成してくれる。《造命物騎兵》は素晴らしい、たとえ重いとしても(エルドラージトークンや《献身のドルイド》によって)4ターン目に場に出て生き残ることができたなら完全にゲームを終わらせる可能性がある。
《絹織りの精鋭》は複雑なカードだ。《ファイレクシアの憤怒鬼》はPauperで重要なカードであり、それに到達を付けてライフロスを無くせるのは興味深い。《絹織りの精鋭》はそれだけで《昆虫の逸脱者》と《きらめく鷹》と相打ちができ、エルフシナジーの強化をしてくれる。一たび紛争すれば《絹織り》はこのフォーマットでも最高の3マナ域の1つへと姿を変える。下準備は難しくないが、問題なのは《巣の侵略者》からの《絹織り》という流れが《巣の侵略者から》からの《吠え群れの飢え》よりも優れているのかということだ。現在、僕はこの陰鬱インスタントを狙いすぎて失敗することが多いのだが、白い飛行クリーチャーの支配率がこのままであればそれも変化するだろう。
《精緻会の改革派》は最高の紛争クリーチャーかもしれない。《改革派》が加わった色は、《きらめく鷹》と《コーの空漁師》のおかげで戦場から自分のパーマネントを離れさせるが大好きな色だ。そして他の紛争カードと違って紛争なしでも最低限の性能がある。2マナで3点のパワーは立派なものだし、3ターン目に下準備をするのは比較的簡単だ。1ターン目か2ターン目に《古えの居住地》をプレイしておき、3ターン目に《きらめく鷹》を場に出してから《居住地》を出しなおして(土地は合計2枚)《改革派》へと繋げれば4ターン目に少なくとも5点のパワーが得られる。そしてこれは、この紛争ドワーフができることのほんの一部でしかない。
《凍り付け》・《自然廃退》
霊気紛争の残りの部分はPauperに面白いツールをもたらしてくれる。《凍り付け》と《自然廃退》はどちらも親和に対して有用性がある。この緑のインスタントは《ダークスティールの城塞》を処理できる数少ないカードの1つだ。親和は土地を16枚に切り詰めているしシャッフル手段もないので重要な土地をデッキの底に送るのは致命傷になりえる。《凍り付け》は早いターンに土地をロックできるという点でよく似ていて、なおかつ《バネ葉の太鼓》や《予言のプリズム》によるマナフィルター能力を低下させることもできる。これらの呪文は《マイアの処罰者》からのダメージを抑えることもできるが、一たび《エイトグ》が場に出ると同様の強さを発揮することができない。
《第四橋をうろつく者》
《第四橋をうろつく者》は1/1に付いてくる効果としては僕らが初めて目にするものだ。《水膨れ虫》と《煙霧吐き》を足して2で割ったような《第四橋をうろつく者》は《炉の小悪魔》を思い起こさせる。時として、重要なタフネス1クリーチャーへの回答として《炉の小悪魔》を使うことは正しい。《煙霧吐き》は同様の役割を果たすが場には残らない。時にはこのクリーチャーが重要になるし、そういう場合には《うろつく者》が《煙霧吐き》と一緒に使われる可能性がある。
《暁羽の鷲》・《強気な回収者》
僕が注目した最後のカードはどれも特定の役割を演じるものだ。《暁羽の鷲》はトークン軍団を強化することのできる確かな脅威だ。警戒を与える能力は《金切るときの声》などと合わさった時にライフレースを大きく変えることができる。先に隙を見せた方が負けるミラーマッチにおいて、目を光らせてくれる《暁羽の鷲》が重要カードになることが想像できる。
《強気な回収者》のソーサリースピードの制限は極めてきついものだ。《血の座の吸血鬼》や《屍肉喰らい》のようなカードは死にそうなクリーチャーをボーナスに変えられることが強みだった。《回収者》にはそういう動きができない。その代わりに《大霊堂の信奉者》入りの親和におけるもう1つのサクり台になってくれる。緑と《甲殻の鍛冶工》を控えて黒の《回収者》と《信奉者》を取ればよりコンボに特化した構築の選択肢になる。
《たかり猫猿》・《枷はずれな成長》
《たかり猫猿》はPauperにこれまでなかった効果を与えてくれる。カウンターを移動させる能力は強力だ:さらに《鱗の召使い》や《シミックの信徒》と組み合わせれば、この《猫猿》は中期戦で大幅なパワーブーストを与えてくれる。
《枷はずれな成長》は紛争、《オーラ術師》、そして《血茨》と相性のいい《豊かな成長》だ。《豊かな成長》と同じようにこれはそれ自身が別のカードになることができるが、《天上の鎧》や《祖先の仮面》と相性のいいカードではない。僕は《枷はずれな成長》が使われるのに十分だとは思わない。でも僕は以前に間違ったことがある。
霊気紛争ではPauperのパワーレベルが大幅に変わるような選択肢は得られなかった。その代わり、既存のカードや戦略を強化するようなツールをたくさんもたらしてくれた。このセットは使われるだろう、しかし劇的な変化が起こるとは考えていないよ。
Pauper Revolt
by Alex Ullman, January 10, 2017
僕は霊気紛争がPauperにとって素晴らしいものだとは思わない。霊気紛争のカードは面白いが具体的に際立ったようなカードはない。
それでもこのセットは影響を与えると思う。
僕にとって霊気紛争は、ここ最近でもっとも「以前のカードとの相性が良い」セットだ。
Magicの面白さの1つはすべてのものが組み合わさることだ。Magicには(今のところ)数十年にわたってデザインされてきたゲーム要素の間に相互作用を見出すような、何らかの根本的なものが存在している。他のゲームでこれがどうなっているか考えてみよう。オリジナルのファミリーコンピューターのマリオをスーパーマリオ64のクッパと戦わせることはできない、これらは根本的に別のゲームだからね。その対極にあるのがチェスのポーンだ。それはいつだって同じように機能するものだ。しまった。タイム。チェスのプレイのパターンに名前が付けられている理由がそこにある ―良く知られていて定量化できるものだ。
Magicは不変ではない。アルファの《暗黒の儀式》は《吸血鬼の夜鷲》とちょうど同じくらい簡単に《惑乱の死霊》を唱えることができる。少なくとも僕にとっては、霊気紛争のカードは独自の価値を持つというより、以前からのPauperの常連の強さを高めるものだ。具体的に言うと《粗石の魔道士》と《巣の侵略者》のことだ。
《粗石の魔道士》・《巣の侵略者》
これらは霊気紛争のベストカードだ、次にリリースされるものを最大限に活用できるという点でね。《粗石の魔道士》は2/2が備わった強力な教示者だ。場に出たときの能力を持つ《灰色オーガ》はPauperにおける必需品だ。しかし明らかな強さにも関わらず、《粗石の魔道士》はほとんど使用可能ラインの外側にとどまっている。アーティファクト土地のおかげでどの色のマナでも探しに行ける能力があるにも関わらず、現時点ではこのフィフスドーンのコモンは大いに使われているデッキは1つだ:
ディミーア・トリンケット - darvish霊気紛争は、1つの重要な追加によってこのデッキを変えるはずだ。
クリーチャー(15)
1 《古術師/Archaeomancer》
1 《ボトルのノーム/Bottle Gnomes》
2 《墓所のネズミ/Crypt Rats》
3 《煙霧吐き/Fume Spitter》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
1 《療養所の骸骨/Sanitarium Skeleton》
3 《粗石の魔道士/Trinket Mage》
インスタント(13)
1 《苦悶のねじれ/Agony Warp》
4 《対抗呪文/Counterspell》
1 《悪魔の布告/Diabolic Edict》
1 《見栄え損ない/Disfigure》
1 《残響する衰微/Echoing Decay》
1 《無残な収穫/Grim Harvest》
1 《交錯の混乱/Muddle the Mixture》
2 《神秘の指導/Mystical Teachings》
1 《魂の操作/Soul Manipulation》
ソーサリー(4)
4 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
エンチャント(1)
1 《死の重み/Dead Weight》
アーティファクト(5)
3 《処刑人の薬包/Executioner’s Capsule》
1《清純のタリスマン/Pristine Talisman》
1 《シルヴォクの生命杖/Sylvok Lifestaff》
土地(22)
2 《教議会の座席/Seat of the Synod》
1 《囁きの大霊堂/Vault of Whispers》
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
4 《ディミーアの水路/Dimir Aqueduct》
2 《ディミーアのギルド門/Dimir Guildgate》
4 《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
3 《島/Island》
1 《亡骸のぬかるみ/Mortuary Mire》
1 《光輝の泉/Radiant Fountain》
3 《沼/Swamp》
サイドボード(15)
2 《ボトルのノーム/Bottle Gnomes》
1 《無効/Annul》
1 《転覆/Capsize》
2 《押し寄せる砂/Choking Sands》
1 《払拭/Dispel》
2 《強迫/Duress》
2 《水流破/Hydroblast》
1 《吐き気/Nausea》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
1 《減縮/Shrivel》
《万能溶剤/Universal Solvent》
《万能溶剤》はPauperで2番目のサーチ可能な《名誉回復》効果だ。1つ目は《存在の一掃》で、これは《神秘の指導》でサーチすることができる。《一掃》は非常に強力であらゆるパーマネントを取り除くことができる。この戦乱のゼンディカーの呪文の問題はコストが7だということだ。《万能溶剤》はより大きいコスト(8マナ)を要求するが1ターン目に場に出すこともできる。《目くらまし》は存在しているし人々はアーティファクト対策を使っているが、《溶剤》が役割を果たす可能性のほうがはるかに高い。ゲーム後半の脅威をなんでも除去できるもの(あるいはウルザトロンを崩壊させるもの)を1ターン目に置くことは強力な抑止力となる可能性がある。
《溶剤》の強さの1つは《粗石の魔道士》デッキをどのように変えることができるのかにかかっている。上記のリストを見てみよう。《粗石の魔道士》は《シルヴォクの生命杖》、《処刑人の薬包》、または土地を持ってくることができる。どのカードも立派だが長期戦での妥当性に欠けている。もっとも妥当性があるのは《薬包》だが、展開のすすんだ盤面では比較的コスト効率が悪い。《万能溶剤》の存在によって終盤での《粗石の魔道士》は今やはるかに妥当性がある。コモンの《名誉回復》を手助けするためにウルザトロンに《粗石の魔道士》が居場所を見つけることは今やありえない話ではない。
《増強自動機械》・《改革派の地図》
他に注目すべき2つの粗石が《増強自動機械》と《改革派の地図》だ。《改革派の地図》は《旅人のガラクタ》、《旅行者の護符》、そして《放浪者の小枝》と同じ役割に適合する。他のものと違ってこれは場に出たターンには使えないが《地図》は起動にマナがかからない利点がある。このカードがよく使われるかは疑問だが覚えておくべき選択肢だ。これは紛争を(0マナで)達成しつつ、親和、金属術、そして即席を手助けできるのでデッキ構築において考慮に値する本質的な価値を十分に有している。
《自動機械》は《粗石の魔道士》で探すことのできる初めての本物の脅威だ。その点で他とは違った役割を果たす。《結束した構築物》と《皮剥ぎの鞘》はマナの条件に見合うがターンが進むにつれて酷く無力なものになってしまう。《増強自動機械》はどんな盤面でも最高の脅威というわけではないだろうが、相当に大きくなれる能力はこれまで《粗石の魔道士》の弱点だった部分を強化してくれる。
《精緻会の改革派》・《造命物騎兵》・《絹織りの精鋭》
紛争は自然なゲームの進行に見返りをくれるので面白い。カードは場を離れるものだし、Pauperにはものを場から離れさせる方法がたくさんある。《巣の侵略者》と《空中生成エルドラージ》はすでによく使われている。付随するエルドラージ・落とし子とエルドラージ・末裔トークンは呪文を唱える助けになるだけでなく、かってに紛争を達成してくれる。《造命物騎兵》は素晴らしい、たとえ重いとしても(エルドラージトークンや《献身のドルイド》によって)4ターン目に場に出て生き残ることができたなら完全にゲームを終わらせる可能性がある。
《絹織りの精鋭》は複雑なカードだ。《ファイレクシアの憤怒鬼》はPauperで重要なカードであり、それに到達を付けてライフロスを無くせるのは興味深い。《絹織りの精鋭》はそれだけで《昆虫の逸脱者》と《きらめく鷹》と相打ちができ、エルフシナジーの強化をしてくれる。一たび紛争すれば《絹織り》はこのフォーマットでも最高の3マナ域の1つへと姿を変える。下準備は難しくないが、問題なのは《巣の侵略者》からの《絹織り》という流れが《巣の侵略者から》からの《吠え群れの飢え》よりも優れているのかということだ。現在、僕はこの陰鬱インスタントを狙いすぎて失敗することが多いのだが、白い飛行クリーチャーの支配率がこのままであればそれも変化するだろう。
《精緻会の改革派》は最高の紛争クリーチャーかもしれない。《改革派》が加わった色は、《きらめく鷹》と《コーの空漁師》のおかげで戦場から自分のパーマネントを離れさせるが大好きな色だ。そして他の紛争カードと違って紛争なしでも最低限の性能がある。2マナで3点のパワーは立派なものだし、3ターン目に下準備をするのは比較的簡単だ。1ターン目か2ターン目に《古えの居住地》をプレイしておき、3ターン目に《きらめく鷹》を場に出してから《居住地》を出しなおして(土地は合計2枚)《改革派》へと繋げれば4ターン目に少なくとも5点のパワーが得られる。そしてこれは、この紛争ドワーフができることのほんの一部でしかない。
《凍り付け》・《自然廃退》
霊気紛争の残りの部分はPauperに面白いツールをもたらしてくれる。《凍り付け》と《自然廃退》はどちらも親和に対して有用性がある。この緑のインスタントは《ダークスティールの城塞》を処理できる数少ないカードの1つだ。親和は土地を16枚に切り詰めているしシャッフル手段もないので重要な土地をデッキの底に送るのは致命傷になりえる。《凍り付け》は早いターンに土地をロックできるという点でよく似ていて、なおかつ《バネ葉の太鼓》や《予言のプリズム》によるマナフィルター能力を低下させることもできる。これらの呪文は《マイアの処罰者》からのダメージを抑えることもできるが、一たび《エイトグ》が場に出ると同様の強さを発揮することができない。
《第四橋をうろつく者》
《第四橋をうろつく者》は1/1に付いてくる効果としては僕らが初めて目にするものだ。《水膨れ虫》と《煙霧吐き》を足して2で割ったような《第四橋をうろつく者》は《炉の小悪魔》を思い起こさせる。時として、重要なタフネス1クリーチャーへの回答として《炉の小悪魔》を使うことは正しい。《煙霧吐き》は同様の役割を果たすが場には残らない。時にはこのクリーチャーが重要になるし、そういう場合には《うろつく者》が《煙霧吐き》と一緒に使われる可能性がある。
《暁羽の鷲》・《強気な回収者》
僕が注目した最後のカードはどれも特定の役割を演じるものだ。《暁羽の鷲》はトークン軍団を強化することのできる確かな脅威だ。警戒を与える能力は《金切るときの声》などと合わさった時にライフレースを大きく変えることができる。先に隙を見せた方が負けるミラーマッチにおいて、目を光らせてくれる《暁羽の鷲》が重要カードになることが想像できる。
《強気な回収者》のソーサリースピードの制限は極めてきついものだ。《血の座の吸血鬼》や《屍肉喰らい》のようなカードは死にそうなクリーチャーをボーナスに変えられることが強みだった。《回収者》にはそういう動きができない。その代わりに《大霊堂の信奉者》入りの親和におけるもう1つのサクり台になってくれる。緑と《甲殻の鍛冶工》を控えて黒の《回収者》と《信奉者》を取ればよりコンボに特化した構築の選択肢になる。
《たかり猫猿》・《枷はずれな成長》
《たかり猫猿》はPauperにこれまでなかった効果を与えてくれる。カウンターを移動させる能力は強力だ:さらに《鱗の召使い》や《シミックの信徒》と組み合わせれば、この《猫猿》は中期戦で大幅なパワーブーストを与えてくれる。
《枷はずれな成長》は紛争、《オーラ術師》、そして《血茨》と相性のいい《豊かな成長》だ。《豊かな成長》と同じようにこれはそれ自身が別のカードになることができるが、《天上の鎧》や《祖先の仮面》と相性のいいカードではない。僕は《枷はずれな成長》が使われるのに十分だとは思わない。でも僕は以前に間違ったことがある。
霊気紛争ではPauperのパワーレベルが大幅に変わるような選択肢は得られなかった。その代わり、既存のカードや戦略を強化するようなツールをたくさんもたらしてくれた。このセットは使われるだろう、しかし劇的な変化が起こるとは考えていないよ。
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-12202016-magical-christmas-lands/)
Magical Christmas Lands
by Alex Ullman, December 20, 2016
僕がPauperのミッドレンジデッキの記事を書いている過程で何かが起こった。僕は黒か緑で「カードを1枚引く」という輝かしいテキストが書かれたあらゆるカードを検索していた。僕は《ファイレクシアの闘技場》を探していた ―何らかの戦場に残る定期的なカードアドバンテージだ。《無残な収穫》は素晴らしいが限られたことしかしないし、《拷問生活》はたくさんの複雑な手順を要求する。僕がこの次元の混乱の美女に遭遇した時の驚きを想像してみてくれ:
《ファーディヤーの予見者/Fa’adiyah Seer》
《ファーディヤーの予見者》はカラーシフトした《シンドバッド》だ。このカードはそれが土地である限り一定のカードの流れを提供できるという独特の有用性を持っている。現在これを和らげる方法がある ―Pauperには多数の墓地中心メカニズムがある ―昂揚、フラッシュバック、マッドネス、スレッショルド、蘇生 ―ディスカードによって恩恵を受けるカードも同様だ ―《グルマグのアンコウ》と《アンデッドの召使い》も思い浮かぶ。
しかし僕が最初に思い至ったのはそこではなかった。その代わりに《流浪のドレイク》時代にTiwitterで見たデッキへと向かった。その正確なリストを暴くことできなかったものの、そのデッキはこのようなものだった:
このデッキの他の要素はその土地に接地されている。《カラスの罪》は対戦相手の手札をはぎ取ってトップデッキモードにさせるために有効な手段だ。《耕すツリーフォーク》はこの3マナ域が解決できればドローが打ち消されないという利点をもった君独自の《熟考漂い》を作り上げてくれる。《グルマグのアンコウ》は仕事を締めくくる上でうまく働くし、デッキの残りの部分は核を支援するように努める。
ゴルガリ・ランズには好ましい点がたくさんある。大量に土地をプレイすることを要求する妨害しにくいアドバンテージエンジンを持っている。このデッキは回顧から《無残な収穫》までの間に撃への対処手段をいくつか持っている。長期戦に非常に向いているが現在のメタゲームを戦うのには必要な手段が欠けている。
Pauperはアグロの側にむかって歪んでいる。親和、デルバー、そしてストンピィは依然として順位表の上部にいるが、それらは幅広いデッキの集まりによって統合されている。エルフ、ゴブリン、そしてカルドーサ・トークン(《カルドーサの再誕》と《金切るときの声》を備えている)は早期に支配力のある軍勢を確立することに長けている。ゲームの締めくくるために《墓所のネズミ》と《エヴィンカーの正義》を頼りにするのは素晴らしいがこれらのカードはライフで大きく後れを取っている時には効率がいくらか落ちてしまう。この問題への答えは僕らをイーブンタイドへと引き戻すが、僕らに別の色を強いるものだ。
僕がゴルガリ・ランズを使うというアイディアを思いついた時、いつも協力してくれているJason Sirichokeは《炎の突き》のために赤を足すように勧めてきた。僕は初めは懐疑的でこのソーサリーが1枚のリストを見せつけた。Jasonはすぐに3枚のリストを送り返した。いくつかのテストマッチの後、彼が正しいことが分かった。
機能する《炎の突き》1枚は小さいクリーチャーに依存したデッキが盤面に脅威を残すのを非常に難しくする。《耕すツリーフォーク》のおかげで土地を回収できるのならば、ライフを高く保つために複数枚の土地を差し出すのは簡単だ。同じツリーフォークが場合によっては死ぬまでに1,2回の攻撃を吸収するブロッカーにもなる。これらすべてと《ムラーサの胎動》が組み合わされば全体除去が使えるまでゴルガリ・ランズが生き残るのを助けることができる。この強力な防御手段はサイドボードに新たな居場所を見出した《カラスの罪》を犠牲にして得たものだ。
僕が《清純のタリスマン》の熱心なファンであったことはないが《吸命》は同じ役割に適合する。これはモダンマスターズからのコモンで、自分のライフ回復と勝利条件との両方として機能する能力はこのスタイルのデッキにとって魅力的だ。このデッキを仕上げるのはゲームが長引きすぎたときのための《戦場のたかり屋》1枚、追加の除去としての《絞殺の煤》2枚、そして《無残な収穫》と濃霧型のロックを狙うための《胞子カエル》1枚だ。このデッキの最初の設計図は有望でPauperリーグで前向きな結果をもたらしてくれた。
サイドボードはここで多くの重労働をする。多くのデッキが2、3ゲーム目に《大祖始の遺産》を積んでくるだろうから、《古えの遺恨》をめくるのはそれを引くのと同じくらい良いことだ。《最後の儀式》はちょっとしたガラクタ入れだが、2ターン目の《根囲い》のお膳立てがあれば壊滅的な打撃となる可能性がある。
ジャンド・ランズにはいくつかの問題がある。《ムラーサの胎動》は素晴らしかったが時として序盤に手札を渋滞させることがあった。加えて《ファーディヤーの予見者》は素晴らしかったものの4枚は多すぎた。僕は《不気味な発見》の居場所を作ることを含めて少し変更をしてリーグへと戻った。3-2への挑戦は4-1の記録へと改善された。
サイドボードの変更は親和と戦うためになされたものだ。《恐ろしい死》は親和が出せるものほとんどすべてを処理することができる、一方で《ファングレンの匪賊》は《エイトグ》を否定できる脅威となる。《苛性イモムシ》は《無残な収穫》と相性がいいのに加えて《貫かれた心臓の呪い》や《Oubliette》を処理できるというオマケがある。
ジャンド・ランズは特定のメタゲームのためのデッキだ。Pauperが攻撃的に歪めばこのデッキはビートダウンのプレイヤー達に大混乱をもたらす可能性がある。このデッキは他のコントロールデッキ、特に黒を基調としたものに苦戦する。黒単コントロールはトップデッキで非常にうまく戦えるし、青黒の《熟考漂い》デッキも同じ理由で苦戦を強いられる。トップから補給呪文が引けてそれを軽い除去へと活用できる場合には、相手をいかに暴勇させるかは問題にならない。《熟考漂い》入りのディミーアデッキは特に問題だ、彼らは自分の《ボジューカの沼》を《ディミーアの水路》で再利用することもできるからね。
それはそれとして、もしビートダウンを立ち往生させることのできる何か変わったものを探しているのなら、ジャンド・ランズは君のためのデッキだ。《対抗呪文》を若干くだらないものにすることもできる。
マッチアップについて話そう。
・デルバー
デルバーは現在Pauperでナンバー1のデッキだが以前ほど支配的ではない。タフネス1のクリーチャーに依存しているのでこのマッチアップで《炎の突き》はたくさんの仕事をする。初手に《突き》と赤マナ源があれば、青いデッキはわずかな攻め手を確立することさえ困難になるだろう。2、3ゲーム目では《大祖始の遺産》と《嵐縛りの霊》との遭遇に備えて《古えの遺恨》の投入が必須だ。《苛性イモムシ》も、相手の攻め手を《嵐縛りの霊》だけに絞りたい場合には理にかなっている。《墓所のネズミ》を5で起動できるようにライフを高く保とう ―《ネズミ》に3マナを注ぎ込み、それに対応して2マナで起動すれば《嵐縛りの霊》の両面を処理できる― そして《カラスの罪》を投入するのも良い。《吸命》はゲインランドから《ムラーサの胎動》までの間のライフを高く保ってくれるだろうからこのマッチアップを引き延ばすことができる。
・ストンピィ
再び《炎の突き》が黄金のような価値を持つ。全体除去が始動するまでこれを使って盤面を支配下に置く。ブロックのためだけに《ツリーフォーク》を場に出すのは完全に許容できる。《カラスの罪》はここでは有用性が低くいので抜いて他の除去を入れる。《輪作》も《吸命》のために抜いてしまう。目指すのは生き残ることと場のすべてを殺すことだ。《嵐縛りの霊》と同じ技が《若き狼》にも機能する、ただ単に2マナで起動してそれに対応して1マナで起動するだけだ。ストンピィに対してはしばしば《チェイナーの布告》でのバックアップが重要になる、彼らは《墓所のネズミ》に1枚の《吠え群れの飢え》で対応してくるかもしれないからだ。
・親和
親和はビッグスリーのなかで最も辛い。サイド後でさえ、親和がその手札を1枚でも使えば打ち負かすのは不可能に近い。サイド後は《カラスの罪》、《炎の突き》、《エヴィンカーの正義》、そして《輪作》を抜いて《ファングレンの匪賊》はもちろんアーティファクト除去呪文をすべて投入する。《最後の儀式》は君が盤面を構築する間に親和使いにトップデッキモードを強制できるので姿を現すかもしれない。《エイトグ》+《投げ飛ばし》コンボを完全に止めることができるので《ファングレンの匪賊》を解決することが重要だ。《炎の突き》をサイドアウトするときは時々《山》もサイドアウトしてさらなる《吸命》のスペースを作ることがある。もし《大霊堂の信奉者》がいたら念のため2,3枚の《炎の突き》を残すだろう。
・カルドーサトークン
これは《稲妻》と《感電破》があること以外はストンピィとよく似ている。ライフを火力圏外にするために《きらめく鷹》と《コーの空漁師》を場に残さないことが重要だ。サイドボードはアーティファクト除去が欲しいという点で親和と似ている。《カラスの罪》も《炎の突き》も同じく有用性を保っているが《輪作》はカットしていい。スペースを作るために《ファーディヤーの予見者》も抜く必要があるかもしれない。このマッチアップで重要なのは《ムラーサの胎動》で楽に回収できるようになるまで《ゴルガリの腐敗農場》をプレイしないことだ、これらのデッキは君のマナを拘束するために《溶鉄の雨》を入れてくるかもしれないからね。《墓所のネズミ》がこちらの最強カードだ、そして再び必要なのはこれを起動するまで生き残ることだけだ。
・エルフ
おそらくよくあるマッチアップの中では最も簡単だろう、目指すのは彼らが場に出すものすべてを殺すことだ。《炎の突き》がまたしても真価を発揮する、そしてあるいは全体除去が解決できれば勝利には十分だ。2、3ゲーム目では《蜘蛛糸の鎧》で防御を固めてくるかもしれないし、それが壊せれば非常に楽になるので《苛性イモムシ》を入れる。
・トロン
《炎の突き》が最も弱いマッチアップで1ゲーム目は不利だ。2、3ゲーム目ではトロンの進展を取り除くためにジャンド・ランズは手札破壊を詰め込む。一たび彼らの手札が空になったら《カラスの罪》に土地を消費するのをやめて《吸命》に切り替える。結局のところトロンは今引いたカードで戦うことができるだろうから、彼らのライフを攻めるより呪文を唱えさせなくすることのほうが重要になってくる。《無残な収穫》と2枚目の《戦場のたかり屋》を入れるべきだ。《虹色のレンズ》や《予言のプリズム》で特定のマナにアクセスをさせないために、《正義》と《ネズミ》1枚を抜いて《苛性イモムシ》と《古えの遺恨》を入れてもいい。
・黒単コントロール/ディミーア《熟考漂い》デッキ
これらは最も辛いマッチアップだ。どちらのデッキも簡単に補充をして軽い除去を引いて前方をきれいに保つことができる。黒単コントロールは《アスフォデルの灰色商人》のトップデッキというほとんど止めようのないものも持っている。これらのデッキ両方に対して互角でいるためには序盤に《最後の儀式》と《カラスの罪》が必要だ。黒単に対しては《黒死病》と《Oubliette》と戦うために《苛性イモムシ》を投入する、また《古えの遺恨》はディミーアデッキの追加の墓地対策を止めるために必要だ。《戦場のたかり屋》は後者との対戦で長期戦を生き延びる手段として重要だ。
ジャンド・ランズはPauperで最高のデッキではないかもしれないが、間違いなく普通ではないものだ。《耕すツリーフォーク》がデッキを溶かす素晴らしい手段である一方で回顧呪文は土地をゲームを終わらせる呪文へと変換することができる。最後に、《ファーディヤーの予見者》を試したくない人へ。もし使い古されていないデッキを使ってみたいならば、ジャンド・ランズは君のためのデッキだ。
Magical Christmas Lands
by Alex Ullman, December 20, 2016
僕がPauperのミッドレンジデッキの記事を書いている過程で何かが起こった。僕は黒か緑で「カードを1枚引く」という輝かしいテキストが書かれたあらゆるカードを検索していた。僕は《ファイレクシアの闘技場》を探していた ―何らかの戦場に残る定期的なカードアドバンテージだ。《無残な収穫》は素晴らしいが限られたことしかしないし、《拷問生活》はたくさんの複雑な手順を要求する。僕がこの次元の混乱の美女に遭遇した時の驚きを想像してみてくれ:
《ファーディヤーの予見者/Fa’adiyah Seer》
《ファーディヤーの予見者》はカラーシフトした《シンドバッド》だ。このカードはそれが土地である限り一定のカードの流れを提供できるという独特の有用性を持っている。現在これを和らげる方法がある ―Pauperには多数の墓地中心メカニズムがある ―昂揚、フラッシュバック、マッドネス、スレッショルド、蘇生 ―ディスカードによって恩恵を受けるカードも同様だ ―《グルマグのアンコウ》と《アンデッドの召使い》も思い浮かぶ。
しかし僕が最初に思い至ったのはそこではなかった。その代わりに《流浪のドレイク》時代にTiwitterで見たデッキへと向かった。その正確なリストを暴くことできなかったものの、そのデッキはこのようなものだった:
ゴルガリ・ランズ - Pauper| Alex Ullman正確なリストとは違っているかもしれないが要点は同じだ。目指すのはキレイな盤面を確立し、《清純のタリスマン》と《エヴィンカーの正義》の組み合わせでゲームを締めくくることだ。Pauperでは知名度の低くないこの組み合わせは一般的にディミーアティーチングデッキで使われる。《墓所のネズミ》と《チェイナーの布告》は盤面にクリーチャーを近づかせない、特に2/2より大きいものは。
クリーチャー(10)
1 《髑髏の占い師/Augur of Skulls》
2 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
3 《墓所のネズミ/Crypt Rats》
4 《耕すツリーフォーク/Tilling Treefolk》
インスタント(7)
2 《無残な収穫/Grim Harvest》
2 《堕落の触手/Tendrils of Corruption》
3 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
ソーサリー(12)
2 《夜の囁き/Night’s Whisper》
3 《エヴィンカーの正義/Evincar’s Justice》
3 《カラスの罪/Raven’s Crime》
4 《根囲い/Mulch》
アーティファクト(3)
3 《清純のタリスマン/Pristine Talisman》
土地(28)
5 《森/Forest》
5 《沼/Swamp》
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
2 《憑依された沼墓/Haunted Fengraf》
2 《ジャングルのうろ穴/Jungle Hollow》
3 《やせた原野/Barren Moor》
3 《進化する未開地/Evolving Wilds》
3 《平穏な茂み/Tranquil Thicket》
4 《ゴルガリの腐敗農場/Golgari Rot Farm》
このデッキの他の要素はその土地に接地されている。《カラスの罪》は対戦相手の手札をはぎ取ってトップデッキモードにさせるために有効な手段だ。《耕すツリーフォーク》はこの3マナ域が解決できればドローが打ち消されないという利点をもった君独自の《熟考漂い》を作り上げてくれる。《グルマグのアンコウ》は仕事を締めくくる上でうまく働くし、デッキの残りの部分は核を支援するように努める。
ゴルガリ・ランズには好ましい点がたくさんある。大量に土地をプレイすることを要求する妨害しにくいアドバンテージエンジンを持っている。このデッキは回顧から《無残な収穫》までの間に撃への対処手段をいくつか持っている。長期戦に非常に向いているが現在のメタゲームを戦うのには必要な手段が欠けている。
Pauperはアグロの側にむかって歪んでいる。親和、デルバー、そしてストンピィは依然として順位表の上部にいるが、それらは幅広いデッキの集まりによって統合されている。エルフ、ゴブリン、そしてカルドーサ・トークン(《カルドーサの再誕》と《金切るときの声》を備えている)は早期に支配力のある軍勢を確立することに長けている。ゲームの締めくくるために《墓所のネズミ》と《エヴィンカーの正義》を頼りにするのは素晴らしいがこれらのカードはライフで大きく後れを取っている時には効率がいくらか落ちてしまう。この問題への答えは僕らをイーブンタイドへと引き戻すが、僕らに別の色を強いるものだ。
僕がゴルガリ・ランズを使うというアイディアを思いついた時、いつも協力してくれているJason Sirichokeは《炎の突き》のために赤を足すように勧めてきた。僕は初めは懐疑的でこのソーサリーが1枚のリストを見せつけた。Jasonはすぐに3枚のリストを送り返した。いくつかのテストマッチの後、彼が正しいことが分かった。
機能する《炎の突き》1枚は小さいクリーチャーに依存したデッキが盤面に脅威を残すのを非常に難しくする。《耕すツリーフォーク》のおかげで土地を回収できるのならば、ライフを高く保つために複数枚の土地を差し出すのは簡単だ。同じツリーフォークが場合によっては死ぬまでに1,2回の攻撃を吸収するブロッカーにもなる。これらすべてと《ムラーサの胎動》が組み合わされば全体除去が使えるまでゴルガリ・ランズが生き残るのを助けることができる。この強力な防御手段はサイドボードに新たな居場所を見出した《カラスの罪》を犠牲にして得たものだ。
僕が《清純のタリスマン》の熱心なファンであったことはないが《吸命》は同じ役割に適合する。これはモダンマスターズからのコモンで、自分のライフ回復と勝利条件との両方として機能する能力はこのスタイルのデッキにとって魅力的だ。このデッキを仕上げるのはゲームが長引きすぎたときのための《戦場のたかり屋》1枚、追加の除去としての《絞殺の煤》2枚、そして《無残な収穫》と濃霧型のロックを狙うための《胞子カエル》1枚だ。このデッキの最初の設計図は有望でPauperリーグで前向きな結果をもたらしてくれた。
ジャンド・ランズ - Pauper | Alex Ullma, Pauperデッキ案《ファーディヤーの予見者》が君のエンジンを加速する優れた手段であることが分かった。2ターン目の《予見者》はデッキを揺り動かし、より多くのカードを見せるとともに重要なピースを墓地へ落としてくれる。手札に土地を補充するためだけに回顧を持つ呪文をめくることは、重要な呪文を引くのと同じくらい効果的だ。《絞殺の煤》と《チェイナーの布告》の2周目は重いものの《予見者》でそれらをめくるのが最悪ということはないだろう。
クリーチャー(13)
1 《戦場のたかり屋/Battlefield Scrounger》
1 《胞子カエル/Spore Frog》
3 《墓所のネズミ/Crypt Rats》
4 《ファーディヤーの予見者/Fa’adiyah Seer》
4 《耕すツリーフォーク/Tilling Treefolk》
インスタント(7)
1 《無残な収穫/Grim Harvest》
2 《絞殺の煤/Strangling Soot》
4 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
ソーサリー(12)
1 《エヴィンカーの正義/Evincar’s Justice》
1 《カラスの罪/Raven’s Crime》
1 《吸命/Syphon Life》
3 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
3 《炎の突き/Flame Jab》
3 《根囲い/Mulch》
土地(28)
3 《森/Forest》
3 《山/Mountain》
4 《沼/Swamp》
1 《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves》
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
1 《憑依された沼墓/Haunted Fengraf》
1 《岩だらけの高地/Rugged Highlands》
2 《やせた原野/Barren Moor》
2 《忘れられた洞窟/Forgotten Cave》
2 《ジャングルのうろ穴/Jungle Hollow》
2 《平穏な茂み/Tranquil Thicket》
3 《灰のやせ地/Ash Barrens》
3 《ゴルガリの腐敗農場/Golgari Rot Farm》
サイドボード(15)
3 《枝細工下げの古老/Wickerbough Elder》
2 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
2 《斑の猪/Brindle Boar》
2 《最後の儀式/Last Rites》
1 《恐ろしい死/Ghastly Demise》
1 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
1 《無残な収穫/Grim Harvest》
1 《吸命/Syphon Life》
1 《カラスの罪/Raven’s Crime》
1 《戦場のたかり屋/Battlefield Scrounger》
サイドボードはここで多くの重労働をする。多くのデッキが2、3ゲーム目に《大祖始の遺産》を積んでくるだろうから、《古えの遺恨》をめくるのはそれを引くのと同じくらい良いことだ。《最後の儀式》はちょっとしたガラクタ入れだが、2ターン目の《根囲い》のお膳立てがあれば壊滅的な打撃となる可能性がある。
ジャンド・ランズにはいくつかの問題がある。《ムラーサの胎動》は素晴らしかったが時として序盤に手札を渋滞させることがあった。加えて《ファーディヤーの予見者》は素晴らしかったものの4枚は多すぎた。僕は《不気味な発見》の居場所を作ることを含めて少し変更をしてリーグへと戻った。3-2への挑戦は4-1の記録へと改善された。
ジャンド・ランズ改訂版 - Pauper| Alex Ullman, Pauperデッキ案1番目と2番目のバージョンとの最大の違いは《輪作》パッケージだ。2015年のGPシアトルでのJarvis Yuのマッチを見た後で、僕はインスタントスピードで土地を得ることが特定のマッチアップで役立つ可能性に気付いた。エンドステップに《亡骸のぬかるみ》を得るためにこれを唱えてドローを固定するのは素晴らしいが、不死クリーチャーのいる場を一掃してインスタントスピードの《ボジューカの沼》で対応すればとんでもないことになりそうだ。《不気味な発見》は《ムラーサの胎動》の上質な代替品であり、ライフゲインができないのを大抵の場合2枚のカードを得ることで補っている。
クリーチャー(12)
1 《戦場のたかり屋/Battlefield Scrounger》
1 《胞子カエル/Spore Frog》
3 《墓所のネズミ/Crypt Rats》
3 《ファーディヤーの予見者/Fa’adiyah Seer》
4 《耕すツリーフォーク/Tilling Treefolk》
インスタント(7)
1 《無残な収穫/Grim Harvest》
1 《絞殺の煤/Strangling Soot》
2 《輪作/Crop Rotation》
3 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
ソーサリー(13)
1 《エヴィンカーの正義/Evincar’s Justice》
1 《不気味な発見/Grim Discovery》
1 《カラスの罪/Raven’s Crime》
1 《吸命/Syphon Life》
3 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
3 《炎の突き/Flame Jab》
3 《根囲い/Mulch》
土地(28)
3 《森/Forest》
3 《山/Mountain》
4 《沼/Swamp》
1 《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves》
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
1 《亡骸のぬかるみ/Mortuary Mire》
1 《岩だらけの高地/Rugged Highlands》
2 《やせた原野/Barren Moor》
2 《忘れられた洞窟/Forgotten Cave》
2 《ジャングルのうろ穴/Jungle Hollow》
2 《平穏な茂み/Tranquil Thicket》
3 《灰のやせ地/Ash Barrens》
3 《ゴルガリの腐敗農場/Golgari Rot Farm》
サイドボード(15)
2 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
2 《苛性イモムシ/Caustic Caterpillar》
2 《斑の猪/Brindle Boar》
2 《最後の儀式/Last Rites》
2 《恐ろしい死/Ghastly Demise》
1 《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder》
1 《無残な収穫/Grim Harvest》
1 《吸命/Syphon Life》
1 《カラスの罪/Raven’s Crime》
1 《戦場のたかり屋/Battlefield Scrounger》
サイドボードの変更は親和と戦うためになされたものだ。《恐ろしい死》は親和が出せるものほとんどすべてを処理することができる、一方で《ファングレンの匪賊》は《エイトグ》を否定できる脅威となる。《苛性イモムシ》は《無残な収穫》と相性がいいのに加えて《貫かれた心臓の呪い》や《Oubliette》を処理できるというオマケがある。
ジャンド・ランズは特定のメタゲームのためのデッキだ。Pauperが攻撃的に歪めばこのデッキはビートダウンのプレイヤー達に大混乱をもたらす可能性がある。このデッキは他のコントロールデッキ、特に黒を基調としたものに苦戦する。黒単コントロールはトップデッキで非常にうまく戦えるし、青黒の《熟考漂い》デッキも同じ理由で苦戦を強いられる。トップから補給呪文が引けてそれを軽い除去へと活用できる場合には、相手をいかに暴勇させるかは問題にならない。《熟考漂い》入りのディミーアデッキは特に問題だ、彼らは自分の《ボジューカの沼》を《ディミーアの水路》で再利用することもできるからね。
それはそれとして、もしビートダウンを立ち往生させることのできる何か変わったものを探しているのなら、ジャンド・ランズは君のためのデッキだ。《対抗呪文》を若干くだらないものにすることもできる。
マッチアップについて話そう。
・デルバー
デルバーは現在Pauperでナンバー1のデッキだが以前ほど支配的ではない。タフネス1のクリーチャーに依存しているのでこのマッチアップで《炎の突き》はたくさんの仕事をする。初手に《突き》と赤マナ源があれば、青いデッキはわずかな攻め手を確立することさえ困難になるだろう。2、3ゲーム目では《大祖始の遺産》と《嵐縛りの霊》との遭遇に備えて《古えの遺恨》の投入が必須だ。《苛性イモムシ》も、相手の攻め手を《嵐縛りの霊》だけに絞りたい場合には理にかなっている。《墓所のネズミ》を5で起動できるようにライフを高く保とう ―《ネズミ》に3マナを注ぎ込み、それに対応して2マナで起動すれば《嵐縛りの霊》の両面を処理できる― そして《カラスの罪》を投入するのも良い。《吸命》はゲインランドから《ムラーサの胎動》までの間のライフを高く保ってくれるだろうからこのマッチアップを引き延ばすことができる。
・ストンピィ
再び《炎の突き》が黄金のような価値を持つ。全体除去が始動するまでこれを使って盤面を支配下に置く。ブロックのためだけに《ツリーフォーク》を場に出すのは完全に許容できる。《カラスの罪》はここでは有用性が低くいので抜いて他の除去を入れる。《輪作》も《吸命》のために抜いてしまう。目指すのは生き残ることと場のすべてを殺すことだ。《嵐縛りの霊》と同じ技が《若き狼》にも機能する、ただ単に2マナで起動してそれに対応して1マナで起動するだけだ。ストンピィに対してはしばしば《チェイナーの布告》でのバックアップが重要になる、彼らは《墓所のネズミ》に1枚の《吠え群れの飢え》で対応してくるかもしれないからだ。
・親和
親和はビッグスリーのなかで最も辛い。サイド後でさえ、親和がその手札を1枚でも使えば打ち負かすのは不可能に近い。サイド後は《カラスの罪》、《炎の突き》、《エヴィンカーの正義》、そして《輪作》を抜いて《ファングレンの匪賊》はもちろんアーティファクト除去呪文をすべて投入する。《最後の儀式》は君が盤面を構築する間に親和使いにトップデッキモードを強制できるので姿を現すかもしれない。《エイトグ》+《投げ飛ばし》コンボを完全に止めることができるので《ファングレンの匪賊》を解決することが重要だ。《炎の突き》をサイドアウトするときは時々《山》もサイドアウトしてさらなる《吸命》のスペースを作ることがある。もし《大霊堂の信奉者》がいたら念のため2,3枚の《炎の突き》を残すだろう。
・カルドーサトークン
これは《稲妻》と《感電破》があること以外はストンピィとよく似ている。ライフを火力圏外にするために《きらめく鷹》と《コーの空漁師》を場に残さないことが重要だ。サイドボードはアーティファクト除去が欲しいという点で親和と似ている。《カラスの罪》も《炎の突き》も同じく有用性を保っているが《輪作》はカットしていい。スペースを作るために《ファーディヤーの予見者》も抜く必要があるかもしれない。このマッチアップで重要なのは《ムラーサの胎動》で楽に回収できるようになるまで《ゴルガリの腐敗農場》をプレイしないことだ、これらのデッキは君のマナを拘束するために《溶鉄の雨》を入れてくるかもしれないからね。《墓所のネズミ》がこちらの最強カードだ、そして再び必要なのはこれを起動するまで生き残ることだけだ。
・エルフ
おそらくよくあるマッチアップの中では最も簡単だろう、目指すのは彼らが場に出すものすべてを殺すことだ。《炎の突き》がまたしても真価を発揮する、そしてあるいは全体除去が解決できれば勝利には十分だ。2、3ゲーム目では《蜘蛛糸の鎧》で防御を固めてくるかもしれないし、それが壊せれば非常に楽になるので《苛性イモムシ》を入れる。
・トロン
《炎の突き》が最も弱いマッチアップで1ゲーム目は不利だ。2、3ゲーム目ではトロンの進展を取り除くためにジャンド・ランズは手札破壊を詰め込む。一たび彼らの手札が空になったら《カラスの罪》に土地を消費するのをやめて《吸命》に切り替える。結局のところトロンは今引いたカードで戦うことができるだろうから、彼らのライフを攻めるより呪文を唱えさせなくすることのほうが重要になってくる。《無残な収穫》と2枚目の《戦場のたかり屋》を入れるべきだ。《虹色のレンズ》や《予言のプリズム》で特定のマナにアクセスをさせないために、《正義》と《ネズミ》1枚を抜いて《苛性イモムシ》と《古えの遺恨》を入れてもいい。
・黒単コントロール/ディミーア《熟考漂い》デッキ
これらは最も辛いマッチアップだ。どちらのデッキも簡単に補充をして軽い除去を引いて前方をきれいに保つことができる。黒単コントロールは《アスフォデルの灰色商人》のトップデッキというほとんど止めようのないものも持っている。これらのデッキ両方に対して互角でいるためには序盤に《最後の儀式》と《カラスの罪》が必要だ。黒単に対しては《黒死病》と《Oubliette》と戦うために《苛性イモムシ》を投入する、また《古えの遺恨》はディミーアデッキの追加の墓地対策を止めるために必要だ。《戦場のたかり屋》は後者との対戦で長期戦を生き延びる手段として重要だ。
ジャンド・ランズはPauperで最高のデッキではないかもしれないが、間違いなく普通ではないものだ。《耕すツリーフォーク》がデッキを溶かす素晴らしい手段である一方で回顧呪文は土地をゲームを終わらせる呪文へと変換することができる。最後に、《ファーディヤーの予見者》を試したくない人へ。もし使い古されていないデッキを使ってみたいならば、ジャンド・ランズは君のためのデッキだ。
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-12062016-capitalizing-on-mistakes/)
元記事はで文中にカード画像があってそれに沿って文章が書かれています。DNでは文中に画像を貼れないので太字テキストで置き換えてみました。なので良かったら元記事の方も見てみてください。
それと、記事末尾の文の訳が正直よくわかりませんでした。
追記:コメントを参考に手直ししてみました。
拙訳ですがよろしければどうぞ。
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Capitalizing On Mistakes
by Alex Ullman, December 6, 2016
Pauperは誤りによって規定されている。ゲーム中のプレイの誤りではなく、印刷された中で上位を占めるカードのことだ。フォーマットの禁止リストを見ることは過ぎし日のつまづきの教訓になる。使用を禁じられているカードの大半はマナシステムをごまかし、コストを完全に無視すかチャンスに変えるかしている。マナシステムの破壊と直接関係のないカードは《頭蓋囲い》だけだが、これは親和というキャスティング・コストの回避を基礎とした完璧なデッキの強さのためにこのリスト上での地位を得た。
これらのカードがフォーマットからいなくなってもPauperは依然としてコモンの限界を押し上げるカードを中心に回っている。《怨恨》、《稲妻》、そして《熟考漂い》―極めて強力なカードの3人組― は最近アンコモンとして再録されている。《秘密を掘り下げる者》と《アスフォデルの灰色商人》はレアリティを格上げされるほど強いと主張する人もいるだろう、しかしこれらがPauperに彩を添えているのはそれぞれのセットの主要なメカニズムを代表しているからだ。
なので当然、僕はいくつかの誤りを利用することにした。そして白単ビートダウンデッキを使うことを決めたんだ。
・《骨断ちの矛槍》、《改革派の貨物車》
これらのカードはデザインの上で素晴らしいものではない。むしろ印刷時に新しいメカニズムを強調するためにはっきりと後押しされたカードだ(《秘密を掘り下げる者》と《アスフォデルの灰色商人》みたいに)。《骨断ちの矛槍》は最初の装備品セットの出身でミラディンのしくじったスケールでは低くランク付けされている。《骨断ちの矛槍》は1マナでどんなクリーチャーをも強化することができる。《怨恨》と違い、《骨断ちの矛槍》は攻撃後のクリーチャーから移動することができるので防御との二役をこなすことができる。この斧にはトランプルがないので単独では《怨恨》ほど攻撃的でないかもしれないが、序盤の数段階を過ぎて進行するゲームで使うのにより適している。《骨断ちの矛槍》は明らかに強力なカードだが親和と肩を並べるほどではない。
機体はクリーチャーを強化できるパーマネントという点で装備品と似ている。《改革派の貨物車》はパズルだ。3マナ域なので4ターン目までは攻撃に参加できない;しかし、攻撃したならばブロックを要求するのに十分強烈な打撃になる。《貨物車》は《骨断ちの矛槍》と違い、今引いたクリーチャーにある種の速攻を与えることができるし、さらに実際の戦闘から守ることもできる。この列車によってアグロデッキは序盤への分配を諦めることなく中盤でも持ちこたえることができる。もう1つの明らかに後押しを受けたカードである《貨物車》はPauperにおいて独特なことをする。
これら2つのアーティファクトはぶっ壊れとは程遠いがどちらもマナカーブに乗っている。さらに、それらはゲームの段階が進んでいってもビートダウンデッキがプレッシャーをかけ続けられるようにしてくれる。永続的なアドバンテージはPauperにおいて貴重であり、《骨断ちの矛槍》と《改革派の貨物車》の組み合わせはビートダウンデッキに終盤でも上手く戦うチャンスをくれる。これらのいずれかがどんなクリーチャーでもなかなかの脅威に変えてくれるので対戦相手が何枚カードを引いたかは問題にならない。
それでは、なぜ白なのか?Pauperにおいてトップのアグロデッキはストンピィであり、このデッキは《巨森の蔦》や《地うねり》のような強化呪文を活用するときに本領を発揮する。一部のバージョンは《骨断ちの矛槍》と《改革派の貨物車》を採用しているが、これら2つは《怨恨》ほど良くはない。赤いデッキは《稲妻》と《炎の稲妻》に手が届く。白はその核である頑丈なクリーチャーの存在もあって、この組み合わせを活用するのに最高の構成だ。
・《コーの空漁師》、《スレイベンの検査官》、《忠実な聖戦士》
《コーの空漁師》はPauperで最高の白いクリーチャーだ。2/3なので《尖塔のゴーレム》を一日中ブロックして、フェアリーを討ち取り、《秘密を掘り下げる者》と相打ちすることができる。2マナというのは破格だが落とし穴がある ―君のパーマネントを手札に戻さなければならない。それが白の残りの部分にとって便利なところだ。《コーの空漁師》は《予言のプリズム》と《胆液の水源》を繰り返し使えるカードドロー源として活用しようとするデッキにおいて中心的な存在だが、白いアグロデッキにおいて君が引ける最高のものは土地かクリーチャーかであり、《コーの空漁師》はその両方を与えてくれる。
これが《スレイベンの検査官》と《忠実な聖戦士》が名を連ねる理由だ。《聖戦士》は白いデッキの常連であり単色であることの恩恵をくれる。パワー2の2マナ域なのでアグロの構築のカーブとしては劣っているがこのフォーマットに大量にいる3マナ域よりも優れている。《聖戦士》の利点は2/1の攻撃的な戦力として生き返る能力だ。これだけではあまり印象的ではないが、《空漁師》が《不浄の聖戦士》を回収してくれて別の2/2の戦力として再利用できる。《骨断ちの矛槍》と組み合わせるとこれは恐ろしく攻撃的な連携になる。
《スレイベンの検査官》は攻撃性能ではなんの利点もない。もちろんこれは《骨断ちの矛槍》を持つことができるが、それはどのクリーチャーだってできる。《検査官》の素晴らしいところは、その能力を《コーの空漁師》と合わせて《手掛かり》を並べて、引換券のかたちでカードを得られることだ。《検査官》はマナの使い道を提供してくれる(このマナはさもなければ使用されなかったものかもしれない)、そしてそれを新しいカードに変換してくれる。なにもしないと息切れしてしまう可能性のあるデッキでは、《手掛かり》トークンはゲームが長引いても遅れをとらないためのチャンスに相当する。攻め立てるのが最善の選択肢である場合には、《手掛かり》は《空漁師》で回収しやすいパーマネントなのでテンポが失われることはない。
この白いカード3枚の組み合わせとアーティファクトのペアはミッドレンジのアグロ戦略の強固な核になる。緑や赤のデッキとは違い、白いアグロはカードの循環を保つことができる。これを念頭に置いて、僕がPauperリーグでプレイしていたデッキがこれだ。
《心優しきボディガード》はこのデッキの縁の下の力持ちで、《改革派の貨物車》を完全無欠の獣にしてくれる。対象を取る除去から列車を守ったりブロッカーをかわしたりできるのは大きい。《骨断ちの矛槍》と組み合わせれば《ボディガード》自身で《貨物車》に搭乗することができ、斧を手渡せば無傷で7点ダメージの攻撃をさせてくれる。フレーバーに反して、しばしば装備品を携えた列車がゲームを終わらせるだろう。
《希望の幻霊》は他のアグロデッキに対する備えだ。このテーロスのコモンは《大霊堂のスカージ》と似た役割を果たしながら他の殴り手を潜在的に強化してもくれる。《皮剥ぎの鞘》は攻撃することもできる装備品の1つだ。この選択肢の中から、未知の相手に対して1ターン目にプレイしたい1マナ域をランク付けするならば;《投槍兵》、《先兵》、《検査官》、《鞘》、《ボディガード》、そして《幻霊》だ。より遅い相手やレースをしなければならない場合には《先兵》が上になる。カードがより重要なマッチアップでは無条件で《検査官》だ、「絶対に必要」な2マナ域を持っていないときは特にね。
2マナ域と言えば、《戦隊の鷹》によってこのデッキはさえずることができるようになる。《鷹》は多大な攻撃力となるだけでなく、装備品を持ってレッドゾーンに突っ込むことに長けている。この《鷹》は潜在的な航空戦力を完全に止めてしまえるので、デルバーにとって悪夢になるという追加ボーナスを持っている。
白アグロにはいくつかの面白くも難しい、優先順位決定の選択がある。通常、アグロにおいてはすぐに効果を発揮しないカードに3ターン目を費やすのは見込みがないかもしれない。《改革派の貨物車》は未来への投資であり、除去が難しいことから他のクリーチャーより先に唱えることが正解なことが多い。《貨物車》は君のクリーチャーに傷を負わせることなく複数のブロッククリーチャーと相打ちすることができるので、大抵は最前線にいるべきだ。
白アグロは圧倒的に有利なマッチアップのあるデッキではない。その代わり、柔軟な枠組みを提供しつつ多くの上位デッキと戦うことができる。白はいくつかのPauper最高のサイドボードの選択肢をもっていて、さらに一般的なサイドボード要員である《水流破》と《紅蓮破》を無視することができる。
・デルバー
このデッキはデルバーに対して若干有利だと考えているが、1ターン目の《投槍兵》が勝率を引き上げてくれる。このマッチアップで目指すのは積極的に相打ちをして《空漁師》と《貨物車》がゲームを終わらせられるようにデルバー側のクリーチャーを使い果たさせることだ。《戦隊の鷹》と《骨断ちの矛槍》が重要カードである一方で、《心優しきボディガード》は重要性が低い。《希望の幻霊》と《改革派の貨物車》を支持して《損ない》と《忘却の輪》を取り入れれば《尖塔のゴーレム》や潜在的な《鋸歯の矢》を退けることができる。もし《矢》が入ってくるなら《断片化》の追加を考える。
・ストンピィ
もう1つの白が若干有利なマッチアップ。《若き狼》に対しては《未達への旅》が考えうる最高の回答ではあるが、《太陽の槍》でどんな脅威でも処理することがる。《コー空漁師》と《忠実な聖戦士》は上手い交換ができるし、ストンピィは航空戦力の対処に難があるので《空漁師》と《鷹》でゲームを決めることができる。ゲーム2ではストンピィはよく《散弾の射手》を入れてくるので僕は《戦隊の鷹》と《貨物車》をサイドアウトするだろう。その場所に《虹色の断片》と《軍旗の旗手》を追加するつもりだ。ストンピィにとって《軍旗の旗手》の処理は困難だが、彼らはしばしば対策として《勇壮な対決》を入れてくる。そうなったら可能な限り《心優しきボディガード》の後に《旗手》を場に出すことだ。
・親和
大きなクリーチャー、《投げ飛ばし》、そして《エイトグ》のせいで白はここでは若干不利だ。またしても、目指すのは積極的に相打ちをしてライフを高く保とうとすることだ。《未達への旅》を《エイトグ》と《歯車襲いの海蛇》に取っておくのは理想だがいつでもできることではない。ゲーム2と3では《断片化》、《損ない》、《神への捧げ物》、そして《虹色の断片》を入れて《投槍兵》、《太陽の槍》、そして《皮剥ぎの鞘》を抜く。《断片化》はアーティファクト・土地と《バネ葉の太鼓》に積極的に使っていくべきで、一方で《神への捧げ物》は《マイアの処罰者》のために取っておくべきだ。
・トロン
確実に困難な戦いだ。すべてのマナ域を出して《海門の神官》のようなカードを盤面からどかしておければ白が勝つことができる。トロンが《ファングレンの匪賊》を場に出してライフを得始めてしまったならばゲームは完全に終わりだ。サイドボード後は《電謀》で盤面を壊滅させられる可能性があるのでさらに困難になるだけだ。《虹色の断片》、《損ない》、《忘却の輪》、そして《古参兵の武具師》を入れるために《投槍兵》と《太陽の槍》を抜く。
・黒単コントロール
意外にも、プレイヤーが《墓所のネズミ》を放棄すれば互角のマッチアップだ。目指すのは早期に盤面を確立し、《忠実な聖戦士》の潜在的な損失を軽減するために《コーの空漁師》を温存することだ。《灰色商人》が4点以上持っていくのならば立ち直るのは難しい。《改革派の貨物車》は彼らにとって処理しづらいのでこれを生き残らせておくことが重要だ。《投槍兵》と《先兵》を犠牲に《損ない》、《忘却の輪》、そして《古参兵の武具師》のスペースを作れば後の盤面に白の勝ち目を残すのに役立つ。
・ボロス・ミッドレンジ/カルドーサ・トークンズ
別の《コーの空漁師》/《スレイベンの検査官》デッキは広いリーチを持ち、《孤独な宣教師》を何度も唱えて難題を突き付けてくるだろう。このデッキがさらに人気になったら僕は白アグロをあきらめるかもしれない。
ありがたいことに、これらは現時点のPauperのマッチアップのほんの一握りでしかない。白アグロはゲームの最初の数ターンを過ぎてもビートダウンする手段をもった堅実な選択肢だ。《コーの空漁師》エンジンと攻撃効率を上げるカードとの組み合わせでは、白はどこにも行き着きはしない ―君の平地から他に何を唱えるのかを見出すことが問題だ。
元記事はで文中にカード画像があってそれに沿って文章が書かれています。DNでは文中に画像を貼れないので太字テキストで置き換えてみました。なので良かったら元記事の方も見てみてください。
追記:コメントを参考に手直ししてみました。
拙訳ですがよろしければどうぞ。
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Capitalizing On Mistakes
by Alex Ullman, December 6, 2016
Pauperは誤りによって規定されている。ゲーム中のプレイの誤りではなく、印刷された中で上位を占めるカードのことだ。フォーマットの禁止リストを見ることは過ぎし日のつまづきの教訓になる。使用を禁じられているカードの大半はマナシステムをごまかし、コストを完全に無視すかチャンスに変えるかしている。マナシステムの破壊と直接関係のないカードは《頭蓋囲い》だけだが、これは親和というキャスティング・コストの回避を基礎とした完璧なデッキの強さのためにこのリスト上での地位を得た。
これらのカードがフォーマットからいなくなってもPauperは依然としてコモンの限界を押し上げるカードを中心に回っている。《怨恨》、《稲妻》、そして《熟考漂い》―極めて強力なカードの3人組― は最近アンコモンとして再録されている。《秘密を掘り下げる者》と《アスフォデルの灰色商人》はレアリティを格上げされるほど強いと主張する人もいるだろう、しかしこれらがPauperに彩を添えているのはそれぞれのセットの主要なメカニズムを代表しているからだ。
なので当然、僕はいくつかの誤りを利用することにした。そして白単ビートダウンデッキを使うことを決めたんだ。
・《骨断ちの矛槍》、《改革派の貨物車》
これらのカードはデザインの上で素晴らしいものではない。むしろ印刷時に新しいメカニズムを強調するためにはっきりと後押しされたカードだ(《秘密を掘り下げる者》と《アスフォデルの灰色商人》みたいに)。《骨断ちの矛槍》は最初の装備品セットの出身でミラディンのしくじったスケールでは低くランク付けされている。《骨断ちの矛槍》は1マナでどんなクリーチャーをも強化することができる。《怨恨》と違い、《骨断ちの矛槍》は攻撃後のクリーチャーから移動することができるので防御との二役をこなすことができる。この斧にはトランプルがないので単独では《怨恨》ほど攻撃的でないかもしれないが、序盤の数段階を過ぎて進行するゲームで使うのにより適している。《骨断ちの矛槍》は明らかに強力なカードだが親和と肩を並べるほどではない。
機体はクリーチャーを強化できるパーマネントという点で装備品と似ている。《改革派の貨物車》はパズルだ。3マナ域なので4ターン目までは攻撃に参加できない;しかし、攻撃したならばブロックを要求するのに十分強烈な打撃になる。《貨物車》は《骨断ちの矛槍》と違い、今引いたクリーチャーにある種の速攻を与えることができるし、さらに実際の戦闘から守ることもできる。この列車によってアグロデッキは序盤への分配を諦めることなく中盤でも持ちこたえることができる。もう1つの明らかに後押しを受けたカードである《貨物車》はPauperにおいて独特なことをする。
これら2つのアーティファクトはぶっ壊れとは程遠いがどちらもマナカーブに乗っている。さらに、それらはゲームの段階が進んでいってもビートダウンデッキがプレッシャーをかけ続けられるようにしてくれる。永続的なアドバンテージはPauperにおいて貴重であり、《骨断ちの矛槍》と《改革派の貨物車》の組み合わせはビートダウンデッキに終盤でも上手く戦うチャンスをくれる。これらのいずれかがどんなクリーチャーでもなかなかの脅威に変えてくれるので対戦相手が何枚カードを引いたかは問題にならない。
それでは、なぜ白なのか?Pauperにおいてトップのアグロデッキはストンピィであり、このデッキは《巨森の蔦》や《地うねり》のような強化呪文を活用するときに本領を発揮する。一部のバージョンは《骨断ちの矛槍》と《改革派の貨物車》を採用しているが、これら2つは《怨恨》ほど良くはない。赤いデッキは《稲妻》と《炎の稲妻》に手が届く。白はその核である頑丈なクリーチャーの存在もあって、この組み合わせを活用するのに最高の構成だ。
・《コーの空漁師》、《スレイベンの検査官》、《忠実な聖戦士》
《コーの空漁師》はPauperで最高の白いクリーチャーだ。2/3なので《尖塔のゴーレム》を一日中ブロックして、フェアリーを討ち取り、《秘密を掘り下げる者》と相打ちすることができる。2マナというのは破格だが落とし穴がある ―君のパーマネントを手札に戻さなければならない。それが白の残りの部分にとって便利なところだ。《コーの空漁師》は《予言のプリズム》と《胆液の水源》を繰り返し使えるカードドロー源として活用しようとするデッキにおいて中心的な存在だが、白いアグロデッキにおいて君が引ける最高のものは土地かクリーチャーかであり、《コーの空漁師》はその両方を与えてくれる。
これが《スレイベンの検査官》と《忠実な聖戦士》が名を連ねる理由だ。《聖戦士》は白いデッキの常連であり単色であることの恩恵をくれる。パワー2の2マナ域なのでアグロの構築のカーブとしては劣っているがこのフォーマットに大量にいる3マナ域よりも優れている。《聖戦士》の利点は2/1の攻撃的な戦力として生き返る能力だ。これだけではあまり印象的ではないが、《空漁師》が《不浄の聖戦士》を回収してくれて別の2/2の戦力として再利用できる。《骨断ちの矛槍》と組み合わせるとこれは恐ろしく攻撃的な連携になる。
《スレイベンの検査官》は攻撃性能ではなんの利点もない。もちろんこれは《骨断ちの矛槍》を持つことができるが、それはどのクリーチャーだってできる。《検査官》の素晴らしいところは、その能力を《コーの空漁師》と合わせて《手掛かり》を並べて、引換券のかたちでカードを得られることだ。《検査官》はマナの使い道を提供してくれる(このマナはさもなければ使用されなかったものかもしれない)、そしてそれを新しいカードに変換してくれる。なにもしないと息切れしてしまう可能性のあるデッキでは、《手掛かり》トークンはゲームが長引いても遅れをとらないためのチャンスに相当する。攻め立てるのが最善の選択肢である場合には、《手掛かり》は《空漁師》で回収しやすいパーマネントなのでテンポが失われることはない。
この白いカード3枚の組み合わせとアーティファクトのペアはミッドレンジのアグロ戦略の強固な核になる。緑や赤のデッキとは違い、白いアグロはカードの循環を保つことができる。これを念頭に置いて、僕がPauperリーグでプレイしていたデッキがこれだ。
白単アグロ - Pauper| Alex Ullmanこれらのカードの一部について語ってみよう。1マナ域は攻撃的かつ柔軟だ。《先兵の精鋭》はプレッシャーをかける上では最高の1ターン目の動きだが、個人的な好みでは1ターン目には《アイケイシアの投槍兵》を出したい。《モグの狂信者》の前任である《投槍兵》は《秘密を掘り下げる者》、《フェアリーの悪党》、そして《クウィリーオン・レインジャー》に対する確かな抑止力の役割を果たす。ではなぜこれを3枚しか使っていないのか?《投槍兵》の利便性はターンが進むにつれて失われていく一方で《先兵の精鋭》は常に2点の攻撃をすることができる。いつもなら僕はこのエタナール・マスターズのコモンを脆弱性から敬遠するかもしれないが、これはトップから引いてすぐに《貨物車》に搭乗することができる。
クリーチャー(28)
1 《希望の幻霊/Hopeful Eidolon》
4 《心優しきボディガード/Benevolent Bodyguard》
4 《先兵の精鋭/Elite Vanguard》
3 《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers》
4 《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》
4 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
4 《忠実な聖戦士/Loyal Cathar》
4 《戦隊の鷹》
ソーサリー(3)
3 《太陽の槍/Sunlance》
エンチャント(4)
4 《未達への旅/Journey to Nowhere》
アーティファクト(7)
1 《皮剥ぎの鞘/Flayer Husk》
3 《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》
3 《改革派の貨物車/Renegade Freighter》
土地(18)
18 《平地/Plains》
サイドボード(15)
3 《断片化/Fragmentize》
3 《軍旗の旗手/Standard Bearer》
2 《縫合の僧侶/Suture Priest》
2 《古参兵の武具師/Veteran Armorer》
2 《虹色の断片/Prismatic Strands》
1 《神への捧げ物/Divine Offering》
1 《損ない/Unmake》Unmake
1 《忘却の輪/Oblivion Ring》
《心優しきボディガード》はこのデッキの縁の下の力持ちで、《改革派の貨物車》を完全無欠の獣にしてくれる。対象を取る除去から列車を守ったりブロッカーをかわしたりできるのは大きい。《骨断ちの矛槍》と組み合わせれば《ボディガード》自身で《貨物車》に搭乗することができ、斧を手渡せば無傷で7点ダメージの攻撃をさせてくれる。フレーバーに反して、しばしば装備品を携えた列車がゲームを終わらせるだろう。
《希望の幻霊》は他のアグロデッキに対する備えだ。このテーロスのコモンは《大霊堂のスカージ》と似た役割を果たしながら他の殴り手を潜在的に強化してもくれる。《皮剥ぎの鞘》は攻撃することもできる装備品の1つだ。この選択肢の中から、未知の相手に対して1ターン目にプレイしたい1マナ域をランク付けするならば;《投槍兵》、《先兵》、《検査官》、《鞘》、《ボディガード》、そして《幻霊》だ。より遅い相手やレースをしなければならない場合には《先兵》が上になる。カードがより重要なマッチアップでは無条件で《検査官》だ、「絶対に必要」な2マナ域を持っていないときは特にね。
2マナ域と言えば、《戦隊の鷹》によってこのデッキはさえずることができるようになる。《鷹》は多大な攻撃力となるだけでなく、装備品を持ってレッドゾーンに突っ込むことに長けている。この《鷹》は潜在的な航空戦力を完全に止めてしまえるので、デルバーにとって悪夢になるという追加ボーナスを持っている。
白アグロにはいくつかの面白くも難しい、優先順位決定の選択がある。通常、アグロにおいてはすぐに効果を発揮しないカードに3ターン目を費やすのは見込みがないかもしれない。《改革派の貨物車》は未来への投資であり、除去が難しいことから他のクリーチャーより先に唱えることが正解なことが多い。《貨物車》は君のクリーチャーに傷を負わせることなく複数のブロッククリーチャーと相打ちすることができるので、大抵は最前線にいるべきだ。
白アグロは圧倒的に有利なマッチアップのあるデッキではない。その代わり、柔軟な枠組みを提供しつつ多くの上位デッキと戦うことができる。白はいくつかのPauper最高のサイドボードの選択肢をもっていて、さらに一般的なサイドボード要員である《水流破》と《紅蓮破》を無視することができる。
・デルバー
このデッキはデルバーに対して若干有利だと考えているが、1ターン目の《投槍兵》が勝率を引き上げてくれる。このマッチアップで目指すのは積極的に相打ちをして《空漁師》と《貨物車》がゲームを終わらせられるようにデルバー側のクリーチャーを使い果たさせることだ。《戦隊の鷹》と《骨断ちの矛槍》が重要カードである一方で、《心優しきボディガード》は重要性が低い。《希望の幻霊》と《改革派の貨物車》を支持して《損ない》と《忘却の輪》を取り入れれば《尖塔のゴーレム》や潜在的な《鋸歯の矢》を退けることができる。もし《矢》が入ってくるなら《断片化》の追加を考える。
・ストンピィ
もう1つの白が若干有利なマッチアップ。《若き狼》に対しては《未達への旅》が考えうる最高の回答ではあるが、《太陽の槍》でどんな脅威でも処理することがる。《コー空漁師》と《忠実な聖戦士》は上手い交換ができるし、ストンピィは航空戦力の対処に難があるので《空漁師》と《鷹》でゲームを決めることができる。ゲーム2ではストンピィはよく《散弾の射手》を入れてくるので僕は《戦隊の鷹》と《貨物車》をサイドアウトするだろう。その場所に《虹色の断片》と《軍旗の旗手》を追加するつもりだ。ストンピィにとって《軍旗の旗手》の処理は困難だが、彼らはしばしば対策として《勇壮な対決》を入れてくる。そうなったら可能な限り《心優しきボディガード》の後に《旗手》を場に出すことだ。
・親和
大きなクリーチャー、《投げ飛ばし》、そして《エイトグ》のせいで白はここでは若干不利だ。またしても、目指すのは積極的に相打ちをしてライフを高く保とうとすることだ。《未達への旅》を《エイトグ》と《歯車襲いの海蛇》に取っておくのは理想だがいつでもできることではない。ゲーム2と3では《断片化》、《損ない》、《神への捧げ物》、そして《虹色の断片》を入れて《投槍兵》、《太陽の槍》、そして《皮剥ぎの鞘》を抜く。《断片化》はアーティファクト・土地と《バネ葉の太鼓》に積極的に使っていくべきで、一方で《神への捧げ物》は《マイアの処罰者》のために取っておくべきだ。
・トロン
確実に困難な戦いだ。すべてのマナ域を出して《海門の神官》のようなカードを盤面からどかしておければ白が勝つことができる。トロンが《ファングレンの匪賊》を場に出してライフを得始めてしまったならばゲームは完全に終わりだ。サイドボード後は《電謀》で盤面を壊滅させられる可能性があるのでさらに困難になるだけだ。《虹色の断片》、《損ない》、《忘却の輪》、そして《古参兵の武具師》を入れるために《投槍兵》と《太陽の槍》を抜く。
・黒単コントロール
意外にも、プレイヤーが《墓所のネズミ》を放棄すれば互角のマッチアップだ。目指すのは早期に盤面を確立し、《忠実な聖戦士》の潜在的な損失を軽減するために《コーの空漁師》を温存することだ。《灰色商人》が4点以上持っていくのならば立ち直るのは難しい。《改革派の貨物車》は彼らにとって処理しづらいのでこれを生き残らせておくことが重要だ。《投槍兵》と《先兵》を犠牲に《損ない》、《忘却の輪》、そして《古参兵の武具師》のスペースを作れば後の盤面に白の勝ち目を残すのに役立つ。
・ボロス・ミッドレンジ/カルドーサ・トークンズ
別の《コーの空漁師》/《スレイベンの検査官》デッキは広いリーチを持ち、《孤独な宣教師》を何度も唱えて難題を突き付けてくるだろう。このデッキがさらに人気になったら僕は白アグロをあきらめるかもしれない。
ありがたいことに、これらは現時点のPauperのマッチアップのほんの一握りでしかない。白アグロはゲームの最初の数ターンを過ぎてもビートダウンする手段をもった堅実な選択肢だ。《コーの空漁師》エンジンと攻撃効率を上げるカードとの組み合わせでは、白はどこにも行き着きはしない ―君の平地から他に何を唱えるのかを見出すことが問題だ。
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-11292016-new-challengers/)
New Challengers
by Alex Ullman, November 29, 2016
Pauperが面白いことになっている。最近の改革によってまるで3つの新セット ―エターナルマスターズ、異界月、そしてカラデシュ― が同時に発売されたかのようだ。このような大盤振る舞いは本当に珍しいことであり、メタゲームが劇的に異なって見えるというのはかなり控えめな言い方だろう。
古くからあるデッキは今でも素晴らしい。デルバー、親和、そしてストンピィは依然として強い選択肢であり、トロンは競争相手として再浮上している。
トロンは現在ビッグマナデッキの王冠を手にしている。以前は《流浪のドレイク》デッキに押しのけられていたかつての重鎮が再始動している。
トロンはその強烈な一撃を背景に繁栄している。《海門の神官》は間をつなぐカードだ ―ブロッカーとして現状を維持しながら最高のドローへとフィルタリングしてくれる。《熟考漂い》がカードアドバンテージを強固にする一方で、《ファングレンの匪賊》はこのフォーマットのほぼすべてのものと戦闘しながら常識外れのライフを得ることができる。《匪賊》はゲームの序盤数ターンの立ち上がりで失敗したときの安全網としてこのデッキでは重要だ。マナカーブの最後を締めくくるのは強烈な一撃でゲームを終わらせる数枚の《ウラモグの破壊者》と《とどろく雷鳴》だ。
トロンデッキはさまざまな除去を一式揃えているが《炎の稲妻》や《チェイナーの布告》のようにカードアドバンテージが備わった呪文に重点が置かれる傾向がある。《ムラーサの胎動》はパズルの重要ピースを回収しながらライフを増強できることでさらに一般的なパーツになっている。《卑下》はドローを整えてくれて他のマナの注ぎ先よりもよく使われる。これらのカードは両方ともムラーサ・トロン ―勝ち手段にトロンエンジンを用いたイゼットベースのコントロールデッキに― おいて重要な役割を果たす 。
これを単純に対戦相手を無理やりやっつける伝統的なトロンと比較してみよう。多くのデッキは単純に《ファングレンの匪賊》と墓地に行くアーティファクトの組み合わせに降参してしまうのでこのような戦略は5-0しやすい。このことが一部のとても不安定な構築(多くのトロンデッキは《ゆらめく岩屋》と《憑依された沼墓》を優先して元から色マナを出せる土地を完全に無視している)を補っている。《ファングレン》は除去を腐らせることができるがデッキを重要なアーティファクトにさらに依存させる。これこそが本質的な脆弱性を強調している。このデッキを倒すには土地を攻めるのではなく、脅威とそのもととなる色マナを攻めることだ。トロンは《プリズム》や《レンズ》無しだと呪文を唱えるのに苦労することがある。これらのリソースをすべて壊しクリーチャーもすべて処理するのは困難だが実現可能だ。
トロンとアグロデッキの隆盛は、Pauperで重要な欠けているものを際立たせる ―全体除去だ。ゲーム後半まで生き残ったクリーチャー頼みのデッキは、他のフォーマットでは様々な全体除去により脆弱性が高まっている。Pauperはこれらのカードがとても少なく、どれも条件が非常に限られている。《電謀》と《エヴィンカーの正義》はどちらもよく使われているが大きな脅威に対してはほとんど何もしてくれない。《ワイアウッドのかぎ爪》が何の結果も出していない一方で、《墓所のネズミ》は大きな人気を得ている。《溶暗》、《Holy Light》、《砂嵐》、そして《減縮》はどれもサイドボードのオールスターだ。最後の1つはちょっと目立っていなけれどね。
《渦巻く砂嵐》には注意が必要だ。ほぼすべての地上生物(ああ、《歯車襲いの海蛇》のことはわかっている)を倒すにはさらなる試験を必要とする。その条件 ―スレッショルド― は《ボジューカの沼》や《大祖始の遺産》がよく使われるフォーマットでは当たり前に達成できるものではない、しかし見返りは大きい。ストンピィ、レッドデックウィンズ、親和、トロン、エルフ、などなど ―これらはすべて盤面の脅威に傾倒している。《渦巻く砂嵐》は”オン”の時にはカードアドバンテージ源となることができる。このジャッジメントのコモンの最高の居場所は、《信仰無き物あさり》と《安堵の再会》を使って墓地を肥やして《グール呼びの共犯者》や《アンデッドの召使い》のようなカードを活かす黒赤の除去デッキかもしれない。全体除去の後にゾンビトークンの群れを繋げるのはまともなプレイのように思えるしメタゲームに新たな趣向をもたらす可能性がある。
他に何があるだろうか?《農民の結集》はエターナル・マスターズでコモン落ちして、フォーマットから締め出される以前は一部のトークン主体のデッキで使われた。先週はハイブリッドのボロス・ミッドレンジ ―トークン生成を《カルドーサの再誕》に大きく頼ったトークンデッキ― が見かけられた。カルドーサ・トークンはボロス・ミッドレンジを踏襲しそれをさらに攻撃的にしたものだ。
僕の経験では、カルドーサ・トークンは勝ちに行く前のターンにミッドレンジからコンボデッキへとシフトする。十分なライフを持って《金切るときの声》のためにタップアウトしたなら必殺の《結集》がすぐやって来そうだ。頌歌/Anthem効果が1ターンの内に4点のパワーを追加できることで、白単の《護衛の制約》ようなカードよりもトークンがはるかに爆発的なものになる。一般的に使われる《濃霧》効果である《虹色の断片》の効き目を減らすことができるので、この構築が2つの色のトークンを生み出せることは重要だ。
それでもカルドーサ・トークンは根本的にはアグロデッキであり、前述した全体除去の多くでその攻撃を受けることができる。《残響する衰微》と《屍賊の嘆き》はこのマッチアップで有用性が増しているし、それらはより頑丈なクリーチャーを処理するために他の黒い除去とよくペアになっている。
黒い除去といえば《チェイナーの布告》がすごい勢いで帰ってくる。悪いカードではないが、1対1交換が大幅に遅れを取るような環境では間違いなく苦戦させられていた。今やこのフォーマットは1対1交換がはるかに合理的になったので、黒ベースのコントロールデッキは再び記録を残す可能性がある。
黒いデッキはクリーチャーが除去を回避できる場合に苦戦する傾向がある。《若き狼》や《嵐縛りの霊》は厄介だし《金切るときの声》の《チェイナーの布告》に対する防御力のせいで他のクリーチャーが仕事を終えてしまうことは珍しくない。黒単デッキはその除去が場とかみ合わなくても苦戦する ―《グルマグのアンコウ》は黒と戦う上での最高の脅威だ、《破滅の刃》も《夜の犠牲》もこのゾンビ・魚には役に立たない。黒ベースのコントロールと言われるすべてのデッキは全勝デッキの内の5%程度を推移していて、禁止以前の環境の1.1%とはかけ離れている。
Pauperは現在多様化している。《流浪のドレイク》の禁止はかつての標準デッキから新しい構築への可能性を広げた。そして、僕らはほんの一部を学び始めたばかりなのだと思う。霊気紛争はほぼ2ヶ月も先の話で、僕らはこの古くも新しいPauperの世界をたっぷり探検することができるだろう。
New Challengers
by Alex Ullman, November 29, 2016
Pauperが面白いことになっている。最近の改革によってまるで3つの新セット ―エターナルマスターズ、異界月、そしてカラデシュ― が同時に発売されたかのようだ。このような大盤振る舞いは本当に珍しいことであり、メタゲームが劇的に異なって見えるというのはかなり控えめな言い方だろう。
古くからあるデッキは今でも素晴らしい。デルバー、親和、そしてストンピィは依然として強い選択肢であり、トロンは競争相手として再浮上している。
トロンは現在ビッグマナデッキの王冠を手にしている。以前は《流浪のドレイク》デッキに押しのけられていたかつての重鎮が再始動している。
トロン - Bitmaximus, 5-0 Pauper League, November 23, 2016トロンはピースを的確に場に出せるなら他の戦略を圧倒することができる。マナスクリューの状態から瞬く間に大量のマナを手に入れられるのは強力だ。これを実現させるために、トロンは重要な呪文を確実に唱えるための多くの枠を割く必要がある。《探検の地図》は当然だが、《彩色の宝球》と《彩色の星》のようなカードは的確なマナを供給しながら見えるカードの枚数を増やしてくれる。《予言のプリズム》は同じような役割を果たしながら盤面にしっかりと残ってくれる。《虹色のレンズ》は最新の追加枠(流行ったのはイニストラードを覆う影の直前)でたまに色マナを供給しつつマナカーブを8までジャンプさせてくれる(すなわち《ウラモグの破壊者》のマナだ)。
クリーチャー(13)
2 《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher》
3 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
4 《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
呪文(30)
2 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
2 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
2 《炎の稲妻/Firebolt》
2 《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》
4 《古きものの活性/Ancient Stirrings》
2 《虹色のレンズ/Prismatic Lens》
4 《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
4 《彩色の星/Chromatic Star》
4 《探検の地図/Expedition Map》
4 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
土地(17)
1 《ゆらめく岩屋/Shimmering Grotto》
1 《未知の岸/Unknown Shores》
3 《憑依された沼墓/Haunted Fengraf》
4 《ウルザの鉱山/Urza’s Mine》
4 《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant》
4 《ウルザの塔/Urza’s Tower》
サイドボード(15)
2 《緑の防御円/Circle of Protection: Green》
3 《赤の防御円/Circle of Protection: Red》
2 《エヴィンカーの正義/Evincar’s Justice》
2 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
2 《未達への旅/Journey to Nowhere》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
1 《天啓の光/Ray of Revelation》
トロンはその強烈な一撃を背景に繁栄している。《海門の神官》は間をつなぐカードだ ―ブロッカーとして現状を維持しながら最高のドローへとフィルタリングしてくれる。《熟考漂い》がカードアドバンテージを強固にする一方で、《ファングレンの匪賊》はこのフォーマットのほぼすべてのものと戦闘しながら常識外れのライフを得ることができる。《匪賊》はゲームの序盤数ターンの立ち上がりで失敗したときの安全網としてこのデッキでは重要だ。マナカーブの最後を締めくくるのは強烈な一撃でゲームを終わらせる数枚の《ウラモグの破壊者》と《とどろく雷鳴》だ。
トロンデッキはさまざまな除去を一式揃えているが《炎の稲妻》や《チェイナーの布告》のようにカードアドバンテージが備わった呪文に重点が置かれる傾向がある。《ムラーサの胎動》はパズルの重要ピースを回収しながらライフを増強できることでさらに一般的なパーツになっている。《卑下》はドローを整えてくれて他のマナの注ぎ先よりもよく使われる。これらのカードは両方ともムラーサ・トロン ―勝ち手段にトロンエンジンを用いたイゼットベースのコントロールデッキに― おいて重要な役割を果たす 。
ムラーサ・トロン - menglong, 5-0 Pauper League, November 17, 2016ムラーサ型はより多くの土地が入っているのと、トロンが揃わない時でも機能できるのでより安定したデッキだ。しかしこれは長期戦を勝つために構築されていて、伝統的なトロンや他の長期戦を見据えたデッキとは苦戦を強いられる。これらのデッキが成功できないというわけではないが、その苦労が報われるのはかなり難しいだろう。ムラーサ・トロンのようなデッキは多くのマッチアップに勝てるよう細かく調整することができるがすべてに勝つことはできない。ムラーサデッキが無視することを決めたアグロデッキが1つ出現するだけで突然初期の記録は問題にされなくなってしまう。
クリーチャー(9)
2 《記憶の壁/Mnemonic Wall》
3 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
呪文(28)
1 《転覆/Capsize》
1 《対抗呪文/Counterspell》
1 《残響する真実/Echoing Truth》
1 《除外/Exclude》
1 《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker》
1 《双雷弾/Twin Bolt》
2 《卑下/Condescend》
2 《稲妻/Lightning Bolt》
2 《マナ漏出/Mana Leak》
2 《神秘の指導/Mystical Teachings》
2 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
1 《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》
2 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
2 《強迫的な研究/Compulsive Research》
3 《炎の斬りつけ/Flame Slash》
4 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
土地(23)
2 《島/Island》
1 《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
1 《茨森の滝/Thornwood Falls》
1 《未知の岸/Unknown Shores》
2 《ゆらめく岩屋/Shimmering Grotto》
4 《急流の崖/Swiftwater Cliffs》
4 《ウルザの鉱山/Urza’s Mine》
4 《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant》
4 《ウルザの塔/Urza’s Tower》
サイドボード(15)
1 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
1 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
1 《払拭/Dispel》
2 《電謀/Electrickery》
2 《水流破/Hydroblast》
2 《マグマのしぶき/Magma Spray》
2 《否認/Negate》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
1 《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher》
これを単純に対戦相手を無理やりやっつける伝統的なトロンと比較してみよう。多くのデッキは単純に《ファングレンの匪賊》と墓地に行くアーティファクトの組み合わせに降参してしまうのでこのような戦略は5-0しやすい。このことが一部のとても不安定な構築(多くのトロンデッキは《ゆらめく岩屋》と《憑依された沼墓》を優先して元から色マナを出せる土地を完全に無視している)を補っている。《ファングレン》は除去を腐らせることができるがデッキを重要なアーティファクトにさらに依存させる。これこそが本質的な脆弱性を強調している。このデッキを倒すには土地を攻めるのではなく、脅威とそのもととなる色マナを攻めることだ。トロンは《プリズム》や《レンズ》無しだと呪文を唱えるのに苦労することがある。これらのリソースをすべて壊しクリーチャーもすべて処理するのは困難だが実現可能だ。
トロンとアグロデッキの隆盛は、Pauperで重要な欠けているものを際立たせる ―全体除去だ。ゲーム後半まで生き残ったクリーチャー頼みのデッキは、他のフォーマットでは様々な全体除去により脆弱性が高まっている。Pauperはこれらのカードがとても少なく、どれも条件が非常に限られている。《電謀》と《エヴィンカーの正義》はどちらもよく使われているが大きな脅威に対してはほとんど何もしてくれない。《ワイアウッドのかぎ爪》が何の結果も出していない一方で、《墓所のネズミ》は大きな人気を得ている。《溶暗》、《Holy Light》、《砂嵐》、そして《減縮》はどれもサイドボードのオールスターだ。最後の1つはちょっと目立っていなけれどね。
《渦巻く砂嵐》には注意が必要だ。ほぼすべての地上生物(ああ、《歯車襲いの海蛇》のことはわかっている)を倒すにはさらなる試験を必要とする。その条件 ―スレッショルド― は《ボジューカの沼》や《大祖始の遺産》がよく使われるフォーマットでは当たり前に達成できるものではない、しかし見返りは大きい。ストンピィ、レッドデックウィンズ、親和、トロン、エルフ、などなど ―これらはすべて盤面の脅威に傾倒している。《渦巻く砂嵐》は”オン”の時にはカードアドバンテージ源となることができる。このジャッジメントのコモンの最高の居場所は、《信仰無き物あさり》と《安堵の再会》を使って墓地を肥やして《グール呼びの共犯者》や《アンデッドの召使い》のようなカードを活かす黒赤の除去デッキかもしれない。全体除去の後にゾンビトークンの群れを繋げるのはまともなプレイのように思えるしメタゲームに新たな趣向をもたらす可能性がある。
他に何があるだろうか?《農民の結集》はエターナル・マスターズでコモン落ちして、フォーマットから締め出される以前は一部のトークン主体のデッキで使われた。先週はハイブリッドのボロス・ミッドレンジ ―トークン生成を《カルドーサの再誕》に大きく頼ったトークンデッキ― が見かけられた。カルドーサ・トークンはボロス・ミッドレンジを踏襲しそれをさらに攻撃的にしたものだ。
カルドーサ・トークン - madarameBK, 5-0 Pauper League, November 23, 2016僕はボロスとジェスカイどちらのミッドレンジも遅いバーンデッキだという考え方をしている。それらは《胆液の水源》のようなカードを《きらめく鷹》や《コーの空漁師》と一緒に使って《稲妻》や《感電破》を引く。これらのカードが適度な航空戦力と組み合わさることでゲームを迅速に終わらせることができる。《金切るときの声》と《カルドーサの再誕》を活用することでこのデッキは急転回して《農民の結集》で勝利することができる。青が入っていないにも関わらず、カルドーサ・トークンは驚くほどのカードアドバンテージを持っている。《炎の稲妻》、《金切るときの声》、そして《農民の結集》はすべてフラッシュバックを持っている。《金切るときの声》と《カルドーサの再誕》はどちらも複数のクーリチャーを生み出す、《再誕》には欠点があるが《結集》にとっての生物の重要性によって緩和されている。
クリーチャー(11)
3 《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》
4 《きらめく鷹/Glint Hawk》
4 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
呪文(28)
2 《農民の結集/Rally the Peasants》
4 《感電破/Galvanic Blast》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
2 《炎の稲妻/Firebolt》
3 《金切るときの声/Battle Screech》
3 《カルドーサの再誕/Kuldotha Rebirth》
2 《未達への旅/Journey to Nowhere》
4 《胆液の水源/Ichor Wellspring》
4 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
土地(21)
1 《山/Mountain》
1 《平地/Plains》
1 《忘れられた洞窟/Forgotten Cave》
2 《ボロスの駐屯地/Boros Garrison》
2 《光輝の泉/Radiant Fountain》
2 《隔離されたステップ/Secluded Steppe》
4 《風に削られた岩山/Wind-Scarred Crag》
4 《古えの居住地/Ancient Den》
4 《大焼炉/Great Furnace》
サイドボード(15)
2 《赤の防御円/Circle of Protection: Red》
2 《電謀/Electrickery》
2 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
3 《溶鉄の雨/Molten Rain》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
3 《軍旗の旗手/Standard Bearer》
僕の経験では、カルドーサ・トークンは勝ちに行く前のターンにミッドレンジからコンボデッキへとシフトする。十分なライフを持って《金切るときの声》のためにタップアウトしたなら必殺の《結集》がすぐやって来そうだ。頌歌/Anthem効果が1ターンの内に4点のパワーを追加できることで、白単の《護衛の制約》ようなカードよりもトークンがはるかに爆発的なものになる。一般的に使われる《濃霧》効果である《虹色の断片》の効き目を減らすことができるので、この構築が2つの色のトークンを生み出せることは重要だ。
それでもカルドーサ・トークンは根本的にはアグロデッキであり、前述した全体除去の多くでその攻撃を受けることができる。《残響する衰微》と《屍賊の嘆き》はこのマッチアップで有用性が増しているし、それらはより頑丈なクリーチャーを処理するために他の黒い除去とよくペアになっている。
黒い除去といえば《チェイナーの布告》がすごい勢いで帰ってくる。悪いカードではないが、1対1交換が大幅に遅れを取るような環境では間違いなく苦戦させられていた。今やこのフォーマットは1対1交換がはるかに合理的になったので、黒ベースのコントロールデッキは再び記録を残す可能性がある。
黒単コントロール - lupi, 5-0 Pauper League, November 23, 2016
クリーチャー(19)
1 《大牙の衆の忍び/Okiba-Gang Shinobi》
2 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
4 《騒がしいネズミ/Chittering Rats》
4 《クォムバッジの魔女/Cuombajj Witches》
4 《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》
4 《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager》
呪文(19)
2 《見栄え損ない/Disfigure》
2 《夜の犠牲/Victim of Night》
3 《堕落の触手/Tendrils of Corruption》
2 《血の署名/Sign in Blood》
2 《発掘/Unearth》
4 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
4 《夜の囁き/Night’s Whisper》
土地(22)
19 《沼/Swamp》
3 《やせた原野/Barren Moor》
サイドボード(13)
4 《押し寄せる砂/Choking Sands》
1 《墓所のネズミ/Crypt Rats》
1 《死の否定/Death Denied》
2 《ゲスの評決/Geth’s Verdict》
2 《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
3 《精神ねじ切り/Wrench Mind》
黒単コントロール - Andor2, 5-0 Pauper League November 24, 2016黒単コントロールの目標は脅威を食い止めながら徐々にアドバンテージを獲得していくことだ。最終的に十分なリソースが得られて、これまでのターンが勝利の足掛かりへと変わるだろう。前述のデッキ達は少し異なった方法でこの道のりを歩む。Lupi は《アスフォデルの灰色商人》の見返りのために信心を稼ぐというお馴染みの道を進む、一方で Andor2 はこのテーロスの常連を避けることで《墓所のネズミ》による疑似《火の玉》に対して十分なライフゲインと《堕落》を1枚を入れている。両方のデッキは2/2の群れの道を開けるために除去をたっぷり使っている。
クリーチャー(18)
1 《墓所のネズミ/Crypt Rats》
2 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
3 《リリアナの死霊/Liliana’s Specter》
4 《騒がしいネズミ/Chittering Rats》
4 《クォムバッジの魔女/Cuombajj Witches》
4 《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager》
呪文(19)
2 《ゲスの評決/Geth’s Verdict》
2 《夜の犠牲/Victim of Night》
3 《見栄え損ない/Disfigure》
3 《堕落の触手/Tendrils of Corruption》
1 《堕落/Corrupt》
2 《血の署名/Sign in Blood》
2 《発掘/Unearth》
4 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
土地(23)
20 《沼/Swamp》
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
2 《やせた原野/Barren Moor》
サイドボード(15)
1 《墓所のネズミ/Crypt Rats》
2 《困窮/Distress》
4 《強迫/Duress》
1 《無残な収穫/Grim Harvest》
2 《Icequake》
2 《大牙の衆の忍び/Okiba-Gang Shinobi》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
1 《減縮/Shrivel》
黒いデッキはクリーチャーが除去を回避できる場合に苦戦する傾向がある。《若き狼》や《嵐縛りの霊》は厄介だし《金切るときの声》の《チェイナーの布告》に対する防御力のせいで他のクリーチャーが仕事を終えてしまうことは珍しくない。黒単デッキはその除去が場とかみ合わなくても苦戦する ―《グルマグのアンコウ》は黒と戦う上での最高の脅威だ、《破滅の刃》も《夜の犠牲》もこのゾンビ・魚には役に立たない。黒ベースのコントロールと言われるすべてのデッキは全勝デッキの内の5%程度を推移していて、禁止以前の環境の1.1%とはかけ離れている。
ムラーサ・ブラック - Sixes, 5-0 Pauper League, November 24, 2016その内の1つがこのバージョンのムラーサ・ブラックだ。《チェイナーの布告》を軸にしたもう1つの構築であり、ムラーサ・ブラックは信心を無視して《ムラーサの胎動》でライフ回復とじわじわとアドバンテージを取ることができるクリーチャーを回収することに磨きをかけている。上記のリストは《スレイベンの異血種》をゲームの締めくくりとして使ってもいる。これを促進するためにこのデッキは昂揚の燃料として《死の重み》と《金属紡績工の組細工》も使っている。1枚の《死の否定》はゲームの中盤で複数のカードを「引く」手段として機能して、しばしば滅多打ちにして勝利を確実なものにしている。
クリーチャー(19)
2 《墓所のネズミ/Crypt Rats》
2 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
2 《暗影の蜘蛛/Penumbra Spider》
3 《クォムバッジの魔女/Cuombajj Witches》
3 《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager》
3 《スレイベンの異血種/Thraben Foulbloods》
4 《騒がしいネズミ/Chittering Rats》
呪文(19)
1 《死の否定/Death Denied》
1 《破滅の刃/Doom Blade》
1 《残響する衰微/Echoing Decay》
1 《夜の犠牲/Victim of Night》
3 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
2 《発掘/Unearth》
3 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
3 《死の重み/Dead Weight》
4 《金属紡績工の組細工/Metalspinner’s Puzzleknot》
土地(22)
2 《森/Forest》
8 《沼/Swamp》
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
1 《平穏な茂み/Tranquil Thicket》
2 《やせた原野/Barren Moor》
2 《進化する未開地/Evolving Wilds》
2 《ゴルガリの腐敗農場/Golgari Rot Farm》
4 《ジャングルのうろ穴/Jungle Hollow》
サイドボード(15)
1 《破滅の刃/Doom Blade》
1 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
1 《夜の犠牲/Victim of Night》
3 《強迫/Duress》
2 《吐き気/Nausea》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2 《もつれ/Tangle》
3 《枝細工下げの古老/Wickerbough Elder》
Pauperは現在多様化している。《流浪のドレイク》の禁止はかつての標準デッキから新しい構築への可能性を広げた。そして、僕らはほんの一部を学び始めたばかりなのだと思う。霊気紛争はほぼ2ヶ月も先の話で、僕らはこの古くも新しいPauperの世界をたっぷり探検することができるだろう。