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Visiting Hour
by Alex Ullman, July 25, 2017

Magic Onlineに破滅の刻がやってきてから2週間余りが過ぎた。コモンのパワーが比較的に低いにも関わらず、このセットはすでにPauperのメタゲームに影響を及ぼし始めている。共有されるデータが削減されたのをよそに、すでに多くの破滅の刻のカードがPauperリーグとPauperチャレンジの両方で姿を現している。今日はこれらのデッキの一部を見ていこう。
バーン fwwwwibib, 5-0 Pauper League
クリーチャー(8)
4 《火付け射手/Firebrand Archer》
4 《熱錬金術師/Thermo-Alchemist》
インスタント(16)
1 《欠片の飛来/Shard Volley》
3 《焼尽の猛火/Searing Blaze》
4 《火炎破/Fireblast》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《針落とし/Needle Drop》
ソーサリー(16)
4 《稲妻の連鎖/Chain Lightning》
4 《火炎の裂け目/Flame Rift》
4 《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》
4 《裂け目の稲妻/Rift Bolt》
エンチャント(2)
2 《貫かれた心臓の呪い/Curse of the Pierced Heart》
土地(18)
16 《山/Mountain》
2 《忘れられた洞窟/Forgotten Cave》
サイドボード(15)
1 《電謀/Electrickery》
2 《鋭い痛み/Flaring Pain》
3 《灰の殉教者/Martyr of Ashes》
3 《溶鉄の雨/Molten Rain》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
3 《粉々/Smash to Smithereens》
最後から2番目となる小型セットが発売された翌日、《火付け射手》がリーグの全勝リストに紛れ込んだ。バーンはほとんど常にPauperに存在していて、《火付け射手》は繰り返し使えるダメージ源として《熱錬金術師》の素晴らしい予備要員になる。2つのカードにはあるはっきりとした違いがある。
1つ目は、《熱錬金術師》を彩る能力よりも《火付け射手》の能力の方が果敢と同等だということだ。これはすなわち《貫かれた心臓の呪い》やサイドボードに入る可能性のある《大祖始の遺産》のようなカードも同じように1点のボーナスダメージを与えるということだ。墓地を使うデッキの人気が高まった場合に人気の対策カードである《遺産》に注意するのは重要だし、追加のダメージをひねり出す機会は考慮に入れるべきだ。多くの場合、ダメージ枠の浪費になるためにバーンはこの選択肢を無視しなければならない、しかし《射手》が使えるならばそれは何かをやってのける力がある。

《射手》には2点の攻撃をすることができるという利点もある。トップデッキした場合、《熱錬金術師》は単体で毎ターン1点のダメージを与えるだろう。その他一切の助けがなくても《射手》は空っぽの戦場で2点のダメージを与えることができる。しかし戦場が空っぽであることは稀だし、《錬金術師》による確実な1点ダメージは魅力的だ。

上記のリストは《熱錬金術師》と同時に《火付け射手》を使う代わりに《ケルドの匪賊》を置き換えることを選択していた。これは興味深い選択だし、確実に賛成できるものではない。これらのクリーチャーが解決されるという仮定の下で考えると(Pauperでは難しいことだ)、《ケルドの匪賊》の方がバーンデッキへの投入を正当化するのに十分なダメージを与えやすいと思う。これらのデッキは火の哲学に沿って組まれている ―各カードが、勝らずとも《ショック》相当であるべきというコンセプト。Pauperのバーンは各カードが《稲妻》に近い強さを持っているが、そのアイディアはまだ成立する。《匪賊》が解決されればほぼ確実に(それが場に出たときと離れたときの誘発で)2点のダメージを与えるだろう、そして戦闘に関与できた場合の5点という上限を持っている。その攻撃が通らなかったとしても、ブロッカーを食べつつ2点のダメージを与えることは多いだろう。《火付け射手》には使用期限はないかもしれないがその体は脆弱だ。《秘密を掘り下げる者》や《呪文づまりのスプライト》を殺すことによく左右されるフォーマットではタフネス1というのは大きな障害だ。《射手》は長期戦で優れているかもしれないが、それはバーンのやろうとしていることに逆行している。

最後に、これは古い標準の興味深い解釈であると思う。《火付け射手》は明らかに強いカードだが、バーンがもっとも適したデッキなのかは自信がない。これが強いサイドボードの選択肢になることがあるとしたら、バーンがもう少し長いゲームを勝たなければいけないときか、デッキが《黄鉄の呪文爆弾》と《発火器具》のようなカードに頼るようになった場合だろう。大抵の場合、《射手》はこれらのデッキにとっての罠になるだろうと思う。

僕が言及したことを考慮するに、《火付け射手》は《無謀な炎織り》とチームを組むかもしれない。Pauperにはすでに《きらめく鷹》で《胆液の水源》と《予言のプリズム》を再利用してカードを引くデッキが豊富に存在する。《無謀な炎織り》はこれらのリストに数回現れたことがあり、さらに《火付け射手》を加えることでさらなるダメージを通すのに役立つかもしれない。

グリクシス・スタッフ TEIMTEIM, 5-0 Pauper League
クリーチャー(13)
1 《イゼットの時術師/Izzet Chronarch》
2 《夜景学院の使い魔/Nightscape Familiar》
3 《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
3 《王神の信者/God-Pharaoh’s Faithful》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
インスタント(10)
1 《恐ろしい死/Ghastly Demise》
1 《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker》
1 《悲劇的教訓/Tragic Lesson》
3 《捨て身の狂乱/Desperate Ravings》
4 《断絶/Snap》
ソーサリー(13)
1 《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》
2 《炎の稲妻/Firebolt》
2 《ケアヴェクの火吹き/Kaervek’s Torch》
2 《最後の儀式/Last Rites》
3 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
3 《綿密な分析/Deep Analysis》
アーティファクト(2)
2 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
土地(22)
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
2 《亡骸のぬかるみ/Mortuary Mire》
3 《崩壊する痕跡/Crumbling Vestige》
3 《ディミーアの水路/Dimir Aqueduct》
3 《光輝の泉/Radiant Fountain》
3 《ゆらめく岩屋/Shimmering Grotto》
3 《未知の岸/Unknown Shores》
4 《イゼットの煮沸場/Izzet Boilerworks》
サイドボード(15)
1 《綿密な分析/Deep Analysis》
1 《最後の儀式/Last Rites》
1 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
1 《青の防御円/Circle of Protection: Blue》
1 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
2 《電謀/Electrickery》
2 《水流破/Hydroblast》
2 《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
4 《紅蓮破/Pyroblast》
このリストについて語るとしよう。操縦者であるTEIMTEIMには、ラヴニカのバウンスランドとコスト軽減とを軸にした青黒赤デッキを使ってきた長い歴史がある。このデッキもそれと変わりはなく、複雑なやり方で組み合わされている。グリクシス・スタッフにおいて、TEIMTEIMは破滅の刻からの追加として3枚の《王神の信者》と1枚の《悲劇的教訓》に取り掛かった。

根本的にこれは有用なデッキで、《夜景学院の使い魔》と合わせて《断絶》を追加のマナを生み出すために活用しようとしながら、《幽霊のゆらめき》と《イゼットの時術師》を使って《熟考漂い》とのループを作りもする。《炎の稲妻》、《チェイナーの布告》、《捨て身の狂乱》、そして《綿密な分析》、さらに1枚の《渦巻く砂嵐》が仕事をこなす上でこのデッキは墓地に頼っている。マナ基盤は《ゆらめく岩屋》のようなフィルターランドに大いに依存していて、《崩壊する痕跡》を使い倒そうとしている ―このデッキには普通の白マナ源がない。

本当に正直に言うと、僕はこのデッキがどれほど強いのか確信が持てない。僕は同じリストを使うこの操縦者と過去に戦ったことがあり、常に少し複雑な印象を受けた。このデッキに何らかの利点があるとすれば、次に何が来るのかが完全には分からないことだ。確立されたフォーマットにおいてそれは大きなアドバンテージになる。しかし僕はこのデッキからダクトテープで繋ぎ合わされたような印象も受けた。マナ基盤を準備するのに大変な時間がかかるし、豊富な枚数の無色土地によって適切なタイミングで唱えるのに苦労するであろう呪文がいくつかある。《悲劇的教訓》は土地を1枚手札に戻すのでここでは場違いに見えるが、《ディミーアの水路》と《イゼットの煮沸場》がたくさんある中で適切なターンにそれができることはせいぜい稀なものに思える。

時として完璧に構築されているかどうかに関わらず、あるデッキが5-0したりチャレンジで好成績を収めることがある。これこそがデータの削減がPauperを傷つけている理由だ。わずかな量のデータではグリクシス・スタッフのようなデッキが本物なのか単に一時的なものなのかを確かめるのは難しいだろう。個人的には後者だと思うが、僕はこの考えが間違いだと証明されることを望む。
ディミーア・リアニメイト kungfutress, Top 8, July 16 Pauper Challenge
クリーチャー(14)
1 《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
1 《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger》
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
4 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
4 《縞カワヘビ/Striped Riverwinder》
インスタント(23)
1 《活力の奔出/Rush of Vitality》
2 《払拭/Dispel》
2 《噴出/Gush》
3 《留意/Mental Note》
3 《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》
4 《渦まく知識/Brainstorm》
4 《対抗呪文/Counterspell》
4 《思考掃き/Thought Scour》
ソーサリー(5)
2 《思案/Ponder》
3 《死体発掘/Exhume》
アーティファクト(1)
1 《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
土地(17)
3 《灰のやせ地/Ash Barrens》
4 《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
1 《冠雪の沼/Snow-Covered Swamp》
9 《冠雪の島/Snow-Covered Island》
サイドボード(15)
1 《払拭/Dispel》
1 《オーラの変転/Aura Flux》
1 《綿密な分析/Deep Analysis》
1 《剥奪/Deprive》
1 《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder》
1 《吸血の絆/Vampiric Link》
2 《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
2 《減縮/Shrivel》
2 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
3 《突発的変化/Spontaneous Mutation》
ディミーア・リアニメイト STLZACH, Top 32, July 16 Pauper Challenge
クリーチャー(16)
4 《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
4 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
4 《縞カワヘビ/Striped Riverwinder》
4 《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher》
インスタント(8)
4 《留意/Mental Note》
4 《思考掃き/Thought Scour》
ソーサリー(16)
4 《入念な研究/Careful Study》
4 《死体発掘/Exhume》
4 《思案/Ponder》
4 《巧みな軍略/Strategic Planning》
エンチャント(2)
2 《ドラゴンの息/Dragon Breath》
土地(18)
10 《島/Island》
4 《沼/Swamp》
4 《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
サイドボード(15)
1 《対抗呪文/Counterspell》
1 《払拭/Dispel》
2 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
2 《減縮/Shrivel》
3 《無効/Annul》
3 《強迫/Duress》
3 《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
異なる2つの《死体発掘》デッキが7月16日のPauper Challengeでトップ32に入った。1つ目のデッキを操っていたのはKungfutreesだ。《死体発掘》デッキによる2回目の成功だ ―1回目は《大いなるサンドワーム》を搭載したもので、このアモンケットのコモンは《縞カワヘビ》にすっかり置き換えられた。呪禁をもつ5/5は盤面から取り除くのが難しく、《死体発掘》のおかげで2ターン目に出せるのは非常に魅力的だ。Kungfutreesはかなり標準的なディミーア・デルバーの枠組みの中でリアニメイトのパッケージを用いた。複数の角度(《秘密を掘り下げる者》と《グルマグのアンコウ》によるテンポアグロ、もしくは素早い《死体発掘》)から攻められることでこのデッキは興味をそそる選択肢になっている。

STLZACHはよりコンボ寄りのアプローチを選択した。《秘密を掘り下げる者》を諦めた代わりに、《ドラゴンの息》を支えに《ウラモグの破壊者》をフル投入した。《巧みな軍略》はPauperにとって新しいものではないが、ここで再録が喜ばれるのはやはり嬉しいことだ。《ドラゴンの息》の構築は《グルマグのアンコウ》をそのまま唱えるというやや弱いのバックアッププランを持っているが、《死体発掘》を4枚使っているのと同様に《入念な研究》、《留意》、そして《思考掃き》が最大限に使われている。《縞カワヘビ》は1ターン目に簡単に捨てて2ターン目の脅威の準備ができるので、再び脅威として姿を現している。7月16日のチャレンジのすべてのデッキの中でこれが僕のお気に入りだ。

これを書いている時点で別のチャレンジが開催されている。初めの数週間から何らかの兆しが感じられるとするなら、破滅の刻のカードは成功したPauperデッキの中に現れ続けることだろう。それらはゲームを壊すものではなく、むしろアーキタイプを競技レベルへと後押しするツールとなるだろう。君は最新セットのどのカードに活躍してほしいだろうか?個人的には、《オアシスの祭儀師》がコンボデッキの中でも外でも活躍するのを見てみたい。

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