元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-05302017-why-you-should-play-pauper/

Why You Should Play Pauper
by Alex Ullman, May 30, 2017

来週は最初の2つのPauper Challengeの分析記事をお届けするつもりだ。最初のChallengeがすでにメタゲームデータの恵みを与えてくれているが、それはまだ単一の時点の情報でしかない。次のトップ32の結果を待てばPauperの実際の環境への理解が深まるだろうし、他の確立されたフォーマットと同様にメタゲームがどのように変化するのか(さらに重要なのは変化したのかどうか)を見ることができる。

しかしそれは来週の話だ。今日は君が(そう、君のことだ)Pauperをプレイすべき理由について話したいと思う。

良く知らない人のために、Pauperとはコモンで印刷されたことのあるカードのみを使った競技フォーマットである。マジック・オンラインで公式に認定されていて、公式使用可能リストはデジタルでのカードセットと一致している。すなわち、《チェイナーの布告》、《金切るときの声》、そして《甲虫背の酋長》のすべてが使える。その一方で《High Tide》、《ゴブリンの手投げ弾》、そして《トーラックへの賛歌》は使えない。大きなフォーマットにしては禁止リストは比較的小さい:《フェアリーの大群》、《雲上の座》、《頭蓋囲い》、《巣穴からの総出》、《大慌ての捜索》、《ぶどう弾》、《激励》、《流浪のドレイク》、《時間の亀裂》、そして《宝船の巡航》。以上だ。マジック・オンラインのプログラムをロードしてコモンのフィルターをかけると多数の選択肢がある。これこそがおそらくPauperの一番のセールスポイントである、手軽さだ。

一旦正直になろう:マジックは高価な趣味だ。さまざまな遊び方があるものの、最高のレベルで競い合いたいのなら時間とお金の両方を真剣に投資する必要がある。相当な人がマジックの競技的な部分を楽しんでいるが、常に最も重要なカードをそろえ続けるのには限界がある。ローテーションしないフォーマットでは数ヶ月どころか数年も使える確立したデッキにこだわることができるので、これらのプレイヤーにとって素晴らしいものだ。多くの場合、これらのフォーマットを追い続けるのに必要な金額はスタンダードと比較して安い。Pauperはその中でもさらに安く、一たびこのフォーマットに参入すれば新しいセットにつきほんの数ドルでコレクションを維持することができる。繰り返しになるが、マジックに使える金額は各々の生活環境によって異なっているとは言え、大きな視点でみればPauperに必要な金銭的投資は(オンラインであろうとなかろうと)他の競技フォーマットと比べてはるかに少ない。

この手軽さのおかげでPauperは大きく開けた競技プレイへの素晴らしい足掛かりとなっている。以前話したように(https://goo.gl/UIuVDb)、Pauperには多種多様なデッキと戦略がある。Pauperにはコントロール、アグロ、コンボ、そしてミッドレンジデッキがあり、このメタゲームの乗り切り方を理解することはPauper以外へと応用できるスキルだ。これとフォーマットの手軽な性質とが合わさり、複数のマッチアップを学んでさまざまなデッキ同士がどのように作用し合っているかを深く理解することがかなり簡単になる。さまざまなデッキの回し方を学べるというのはPauperに限ったことではないが、低価格な分ギアの切り替えが簡単になりさまざまな技術の組み合わせを習得しやすくなる。

Pauperはゲームの細かいプレイングに対して見返りのあるフォーマットでもある。ミラディン時代のスタンダード、《電結の荒廃者》はそのあまりの強さでミスを帳消しにしてしまうため Fairy Godmother[訳注:困ったときに助けてくれる妖精]と呼ばれていた。Pauperにもミスを塗りつぶせるカードはあるものの ―《祖先の仮面》、《投げ飛ばし》、《感電破》、《熟考漂い》― それでもこれだけしかない。Pauperはマジックすべての競技フォーマットと同じように、緻密なプレイとプラン立てに対する見返りがある。しかしながら、僕はPauperにおけるプレイングの余地が非常に薄いことと、Fairy Godmotherが上記のようにパワーが低く適切にプレイすることがより重要であるということに気が付いた。

例としてアグロとコントロールのマッチアップを仮定すると、そこには信頼できる全体除去が存在しない。《エヴィンカーの正義》はそれに近いがそれでも条件付きだ。ビートダウン側のプレイヤーがタフネス3のクリーチャーに《吠え群れの飢え》を使ったらどうなる?コントロールのプレイヤーは《破滅の刃》を温存しておいたのか?それともデッキトップから《チェイナーの布告》のプレイするのか?コントロールのプレイヤーのライフが十分低かったらこの選択が問題になるだろうか?

さらに、Pauperではプレインズウォーカーを計算に入れなくてよい。プレインズウォーカーはあらゆる盤面でプレイを一段階複雑にする。そしてマジックの一部始終を学ぶのにライフとパーマネントのどちらを攻めるのが正しいのかを理解する必要がないというのは利点となりえる。一たび特定のアーキタイプのマッチアップで何が重要かを理解できれば、それからプレインズウォーカーを攻撃するのが正しいのかどうかを考え始めることができる。Paueprはより複雑で入り組んだ形のプレイへの入口になってくれる。

もう1つ仮定する:《ニヴィックスのサイクロプス》をコントロールするプレイヤーが今《噴出》を唱えた ―君はどうやってこのゲームに勝つ?

ミスを補える大量のカードがなくても、Pauperは信じられないほどパワフルだ。他のフォーマットで使えないカードもここでは4枚積みが許される。《思案》、《定業》、6種のアーティファクト土地、そして《噴出》でさえもすべて堂々と使うことができる。それだけでなく、これらのカードの大部分はどれもこのフォーマットでは比較的健全だ。《思案》はPauperでは少し強すぎるという議論があるかもしれないが、掘り当てるカードがどれも同じパワーレベルであれば《思案》が何かを壊してしまう可能性は低くなる。強力なカードや戦略をプレイしたい人にとってこれは望ましいことだ。Pauperでは君は《火炎破》で死ぬかもしれないし、《怨恨》でも、そろったウルザトロンによっても同じように死ぬかもしれない。コモンだけであることは何らマジックらしさを損ないはしない。

一たびこれらのスキルがまとめ上げられて、プレイヤーがPauperに熟練すると目に見えた利益がある。オンラインのリーグを連打するのは他の選択肢ほど効率的ではないが、3-2以上ならほどほどの利益を得ることができる。これを十分に行えば他のフォーマットに参入するための資産を築き上げることができる。Pauperはスキルだけでなくコレクションの面においてもマジック・オンラインの最高の足掛かりだ。Pauperは高いレベルでのゲームの仕方を教えてくれるし次のステップへの財政面での準備もしてくれる。

同様にして、デッキ構築をすることにも見返りがある。現在のPauperは、タルキール覇王譚のゲインランド、旧ラヴニカのバウンスランド、《広漠なる変幻地》、《進化する未開地》、そして新しく加わった《灰のやせ地》とその歴史の中でもっともマナ基盤が充実している。適切なマナ基盤の組み方を知ることは重要だし、為すべきことに対して正しいカードを選択することは勝利に大きく貢献する。繰り返しになるが、これはPauperに限ったことではないが、Pauperのマナ基盤における上記の制限を考えると適切な構成を組み上げるのは簡単な作業ではない。

Pauperはコモンだけのマジックだ。それは魅力であるだけでなくフォーマットの基本理念でもある。僕にとってこれがPauperのあるべき姿だし、このフォーマットに何が欠けているかにこだわっているプレイヤーを見るといつも失望させられる。Pauperを素晴らしくするのにより良いマナや全体除去は必要ない。より良い除去やプレインズウォーカーは必要ない。Pauperを素晴らしくするのに必要なのは単純なもの:より多くのプレイヤーだ。Pauperはこのフォーマットを研究してくれるより多くの目と精神を必要としている。Pauperはより高い水準で目立つためにより多くのコンテンツ制作者を必要としている。より多くのものがあれば、Pauperはずっと大きくなることができる。

なぜ君がPauperをプレイすべきなのか?君は自分自身の理由を見つけなければならない。僕は大学生としての予算を破綻させずにスパイクとしての腕を磨きたかったからこのフォーマットに関わった。僕はフォーマットの深さだけでなく未踏の領域の広さにも惹きこまれた。改善のために努力するプレイヤーばかりのコミュニティに出会ったので、僕は魅了された続けた。僕はPauperそれ自体を愛しているだけでなく、僕らの共同体のゲームのより広い世界でPauperができることも愛している。僕にとって一番のフォーマットを君がプレイすべき理由を教えることはできない。しかし、君にPauperに目を向ける理由を与えられたことを願っている。

コメント

お気に入り日記の更新

日記内を検索