【翻訳】Crushing Hopes by Alex Ullman ~ラクドス・リアニメイト構築【Pauper】
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-05092017-crushing-hopes/

Crushing Hopes
by Alex Ullman, May 9, 2017

Pauperを特徴づけているものの1つに真の全体除去の欠如がある。《神の怒り》効果の不在はフォーマットのあらゆる面に明確に影響を与えている。盤面に展開をしすぎることのコストは最小限であり、コントロールデッキは早期に優位に立とうとしなければならず、カードも維持しなければならない。《墓所のネズミ》や《エヴィンカーの正義》といった条件付きの全体除去がいくつかあり、黒いデッキはこの組を上手く活用している。《電謀》はトークンやタフネスの低いクリーチャーを処理する手段としてよく使われている。しかしこれらは大きいクリーチャーに対しては何もしない。

数年間、Pauperはこれらのカードだけで問題なくやってきた。バランスはとれていたが、明らかに不安定なものだった。しかしながら、最近のPauperでは多数のクリーチャーを除去するために条件の異なった方法に頼る必要がある。賢明な読者は上記のリストに重要な全体除去が1枚欠けているのに気付いたかもしれない、そしてそのカードこそこれから僕らが注目するものだ。

《渦巻く砂嵐》はスレッショルドを達成していないと何もしないカードだ。君の墓地に7枚以上のカードがあればこれはクリーチャーだけに効く《地震》になる。これにはたくさんの準備が必要だし墓地対策にも弱い。それはすべて間違いないことだが、それでもこのカードはPauperで使われる脅威の大部分を除去することができる。ではなぜ《エヴィンカーの正義》のような安定したカードよりこのカードを使うべきなのだろうか?

アモンケットは呪禁に《結束のカルトーシュ》を与え、デッキをさらなるレベルへと押し上げた。呪禁はすでに《エヴィンカーの正義》を生き残れる大きさの怪物を作り上げること長けていたが、その同じ怪物は《チェイナーの布告》に簡単に屈してしまってた。《カルトーシュ》が生成する戦士トークンによって呪禁が呼び出せるクリーチャーの除去難易度が高くなる。ストンピィは何も新しいカードを得ていないが《吠え群れの飢え》でもまた《正義》を回避することができる。どちらのデッキも《渦巻く砂嵐》に耐性を持つことができるが、この赤いソーサリーは《祖先の仮面》や《天上の鎧》を複数付けているクリーチャー以外対しては相当な働きをすることができる。複数の《グルマグのアンコウ》を除去することができるという利点はいずれにしろ悪いものではない。

1週間の大半をマルドゥを回すこと費やした後で僕はこのメタゲームが変化し始めていることに気づいた。《結束のカルトーシュ》によって僕の除去
はもはや呪禁に対して上手く機能しなかったし、またストンピィは《吠え群れの飢え》の枚数を増やしているように見えた。僕は《渦巻く砂嵐》が合理的なカードであるという仮説をテストしてみようと考えた。そのために僕はここ数ヶ月取り上げてこなかったデッキへと向かった。

《渦巻く砂嵐》が単体でどう働くかが見たかったのでこのカードをマルドゥに投入することには反対した。周囲を取り囲む除去のおかげでそれはマルドゥで機能したかもしれない。その代わり、僕は安定して早期にスレッショルドを達成できる居場所とともに、このカードがプランの中心となるチャンスを与えたかったんだ。
ラクドス・リアニメイトAlex Ullman
クリーチャー(14)
1 《無政府主義者/Anarchist》
2 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
3 《臭い草のインプ/Stinkweed Imp》
4 《傲慢な新生子/Insolent Neonate》
4 《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher》
インスタント(8)
2 《稲妻の斧/Lightning Axe》
2 《引き裂かれた記憶/Shred Memory》
4 《魔力変/Manamorphose》
ソーサリー(14)
3 《強迫/Duress》
3 《信仰無き物あさり/Faithless Looting》
4 《死体発掘/Exhume》
4 《苦しめる声/Tormenting Voice》
エンチャント(3)
3 《ドラゴンの息/Dragon Breath》
土地(21)
3 《沼/Swamp》
5 《山/Mountain》
2 《ラクドスの肉儀場/Rakdos Carnarium》
3 《進化する未開地/Evolving Wilds》
4 《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves》
4 《鋭き砂岩/Sandstone Needle》
サイドボード(15)
1 《野望のカルトーシュ/Cartouche of Ambition》
1 《大いなるサンドワーム/Greater Sandwurm》
2 《電謀/Electrickery》
2 《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder》
2 《鋳塊かじり/Ingot Chewer》
3 《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》
4 《紅蓮破/Pyroblast》
そういうわけで僕はラクドス・リアニメイトの構築に至った。僕は2,3ターン目に《ウラモグの破壊者》を出して複数のパーマネントを貪り始めることができるという理由で、《流浪のドレイク》が全盛期のころに同様のデッキを支持したことがある。このデッキはディスカードと《臭い草のインプ》のエンジンで動いている。墓地に1枚の《ウラモグの破壊者》と《ドラゴンの息》が一緒に必要で、両者を《死体発掘》で復活させる。リアニメイトは中盤を戦う力のあるコンボデッキだが、一たび両方のプレイヤーがマナの豊富な状態になると自分を見失うことがある。

コンボ同士を互いに結び付けるためにこのデッキは《傲慢な新生子》、《信仰無き物あさり》そして《苦しめる声》を使っている。これらのカードはどれも《死体発掘》を探しながら適切なカードを墓地へと送ることができる。《臭い草のインプ》が墓地にいて《死体発掘》が手札にあれば、正しい2枚を探しにカードを一気に墓地に送り始めることができるので理想的だ。《引き裂かれた記憶》は《死体発掘》を探しながらその対称性を破壊するという2つの役割を果たす。

ラクドス・リアニメイトが取り組むべき正しいプレイは、《ウラモグの破壊者》のための《死体発掘》を解決する最良のチャンスを作り出すことだ。この目的のためにゲームの序盤は《苦しめる声》と《信仰無き物あさり》でデッキを掘り進めて正しいカードを探し出すことに費やされる。《鋭き砂岩》は一気にマナを生み出して2ターン目の《物あさり》からの《死体発掘》をお膳立てすることができるので重要な意味がある。《鋭き砂岩》は《魔力変》とも相性が良く、見た目では赤い土地で《死体発掘》が唱えられるようになる(そしてピンチの時にはサイドボード後の緑のカードを唱えられる)。《砂岩》は後半において大きな脅威を唱えるのを可能にしてもくれるし、《ウラモグの破壊者》を素のコストで唱える可能性はないわけでない。理想的にはその時点でゲームに勝ちたいだろうが、時として思うように物事を壊せないこともある。

リアニメイトを機能させるためには《臭い草のインプ》の取り扱いが重要だ。まだ《死体発掘》を手に入れていない場合は発掘するのは回避したい。一たびそれを手に入れたなら、欲しいカードの組み合わせを墓地に集めるためにすべての機会で絶対に発掘をしたい。モダンのファンはすでにこれらのデッキにおける《傲慢な新生子》の強さを知っている。この吸血鬼は驚くべき仕事をする、手札の《臭い草のインプ》を捨ててそれを直ちに発掘して墓地を満タンにすることができるんだ。最近のモダンにおける《安堵の再会》の活躍にもかかわらず、リアニメイトでは2枚のカードを捨てる余裕がないので《苦しめる声》の方が好ましい。発掘デッキとは違い、このデッキの墓地シナジーを持つカードの密度は追加コストを追加のドローに匹敵させるほどのものではない。

《渦巻く砂嵐》が見つけた居場所はサイドボードだ。このデッキはいつでもこの手の効果が必要なわけではない ―このカードが何もしないマッチアップが多く存在する― そしてストンピィと呪禁に対してはこのカードを入れられることが重要になると思う。親和の増加をかんがみると《ファングレンの匪賊》を入れておきたかった。《匪賊》は堅実なサイズと《エイトグ》と《投げ飛ばし》による勝利を困難にさせるライフ回復効果を持っている。もともとは3枚積んでいたが1枚をカットして2枚の《鋳塊かじり》を加えた、これはアーティファクト、とりわけ《大祖始の遺産》と戦うためだ。《紅蓮破》は《死体発掘》をめぐる戦いに勝利するためのもので、《電謀》は主に呪禁と《金切るときの声》で横に広げてくるデッキに対する追加の防衛手段だ。サイドボードの最後の2枚は説明が必要だね。

Pauperリーグの常連の Kungfutrees は前シーズンに彼が流行らせたイゼット・デルバーで大きな仕事をした。ここ数週間、彼は《大いなるサンドワーム》を特色とした青黒《死体発掘》デッキを回していた。このアモンケットのコモンは自分自身で墓地へ行けるという利点があり、《大祖始の遺産》や《虚無の呪文爆弾》と戦う時には重要になる。《死体発掘》がまだスタック上にあり、追放効果が解決された後にサイクリングをすることで確実にかなりの大さの怪物を場に出すことができる。《サンドワーム》はパーマネントを食べることはしないが簡単にチャンプブロックされることはない。エルフのようなデッキ相手には決定打になりえる。

2枚目のカードは《野望のカルトーシュ》だ。Kungfutrees はバーンやその他の積極的にライフを攻めてくるデッキから圏外へと逃げる手段として《吸血の絆》を使っていた。僕が《野望のカルトーシュ》を選択したのは小さいクリーチャーを処理できるからだけではなく、それが絆魂を与えてくれるからだ。《吸血の絆》のライフ回復は誘発系能力でありスタックを用いるのでこれは重要だ。これにより、バーンの使い手はダメージに対応して呪文を畳みかけることでゲームを終わらせることができる。
ディミーア・リアニメイトkungfutrees, 5-0 Pauper League MTGO
クリーチャー(14)
1 《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger》
1 《よじれた嫌悪者/Twisted Abomination》
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
4 《大いなるサンドワーム/Greater Sandwurm》
4 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
インスタント(23)
1 《目くらまし/Daze》
1 《払拭/Dispel》
1 《残響する衰微/Echoing Decay》
1 《恐ろしい死/Ghastly Demise》
1 《噴出/Gush》
1 《活力の奔出/Rush of Vitality》
1 《呪文貫き/Spell Pierce》
1 《熟慮/Think Twice》
3 《留意/Mental Note》
4 《渦まく知識/Brainstorm》
4 《対抗呪文/Counterspell》
4 《思考掃き/Thought Scour》
ソーサリー(6)
2 《思案/Ponder》
4 《死体発掘/Exhume》
土地(17)
2 《沼/Swamp》
8 《島/Island》
1 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》
2 《灰のやせ地/Ash Barrens》
2 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
2 《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
サイドボード(15)
1 《払拭/Dispel》
1 《綿密な分析/Deep Analysis》
1 《エヴィンカーの正義/Evincar’s Justice》
1 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
1 《吸血の絆/Vampiric Link》
2 《オーラの変転/Aura Flux》
2 《破滅の刃/Doom Blade》
2 《水流破/Hydroblast》
2 《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
2 《減縮/Shrivel》


ではラクドスに戻ろう。このデッキは週の初めに立派にパフォーマンスを発揮した。ストンピィと呪禁だけでなく、親和とバーンに対しての強さに僕は感心した。緑との対戦では多くの場合、早期に巨大な脅威を展開する能力は手に負えないものだとわかった。サイド後はあらゆる突撃を鈍らせることのできる《渦巻く砂嵐》でゲームが決まることが多かった。バーンは信じられないくらい安定しているにもかかわらず、《ウラモグの破壊者》を効果的に防御できるだけのパーマネントを盤面に維持することができない。親和が素早く勝利することはあるが《ファングレンの匪賊》のための《死体発掘》が解決されれば早期に決着をつけることができる。

しかしながら、週が進むにつれてリアニメイトに対して強いデッキをより見かけるようになった。レッドデックウィンズは速攻持ちのクリーチャーがデッキに多いために非常に厄介であることがわかった。《チェイナーの布告》と《破滅の刃》が《破壊者》に対してとても良く効くのであらゆる黒主体のデッキは悪夢であり、それらのデッキは復活してきたようだ(《ボジューカの沼》は言うまでもない)。様々な《胆液の水源》―《コーの空漁師》デッキも、《破壊者》の最初の攻撃が4ターン目以降では間に合わないくらい十分なカードを獲得できるので辛いマッチアップだ。より遅いデッキ相手では早期の《大祖始の遺産》が致命的だ。これらの要素から、ラクドス・リアニメイトは主にメタゲームデッキに留まっている。

前進すると、僕は間違いなく《渦巻く砂嵐》の居場所をもっとたくさん探すだろう。このカードはその価値を示したし、ゲームの様相を完全に変えてしまうだけの素質がある。もしかしたらこのデッキは《安堵の再会》と一緒に白い不朽クリーチャーと《金切るときの声》で墓地から脅威を生み出すことを特色にするかもしれない。ラクドス・リアニメイトを進めると、僕は逆転勝利のために75枚のうちのどこからに《ティムールの激闘》を入れてみたい。《大祖始の遺産》をすり抜ける方法として《遺棄地の恐怖》にも興味をそそられる。墓地追放効果を回避して攻撃することが可能になるので、《恐怖》によって《信仰無き物あさり》と《苦しめる声》は強化される。さらにこれはサイクリングを持っているのでリアニメイトが2ターン目に脅威を展開するさらなる手段になる。

時として、新しいカードをテストする最良の方法は君が良く知ったデッキでそれがどう動くのかを見ることだ。ラクドス・リアニメイトは先頭を走るデッキではないが、僕はそれの回し方とメタゲーム上での位置についてのおおよその理解を持っていた。このデッキが崩れたとしても《渦巻く砂嵐》が美しく機能することが分かった。もしかしたら破滅の刻が墓地から巨人を召喚する別の方法を与えてくれるかもしれない。でも僕は驚きはしないだろう。

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