【Pauper】ウィーゼロ解説その1 デッキ紹介と対青単デルバー
2017年2月28日 ウィーゼロ コメント (12)
僕はPauperが好きだ。それが何故かと言えば、Pauperのウィー=ゼロックスというデッキが好きだから。僕がこのデッキを使い始めたのはイニストラードが出てしばらくした頃。「イニストラードを覆う影」ではなくイニストラードだから、まあ結構長いこと使っていることになる。今回はそんな愛して止まないウィー=ゼロックスについてまとめようと思う。あまり大それたことを言って恥をかくのも嫌だけれど、今回はあえて少し大げさにいってみるつもりだ。少なくとも瞬間的には、僕が世界で一番たくさんウィー=ゼロックスを回していて、一番多く勝っている時期があったと思うんだ、多分。だからまあ、とにかく大目に見てほしい。
一応言っておくと、Pauperとは「マジックオンラインでコモンとして収録されたことのあるカードが使用可能なフォーマット」だ。ウィー=ゼロックスに関してはこれから長々と説明するけれど、イゼット・ブリッツ、あるいはニヴィックス・シュートとも呼ばれていることは先に言っておく。ウィー=ゼロックスという呼び名は、ウィー:「《小柄な竜装者/Wee Dragonauts》のように呪文を唱えてパワーの上がるクリーチャー」とゼロックス:「軽いドロー操作を多く積んで土地を減らした構築」を組み合わせたものくらいに認識してもらえればいい。まずはこのデッキのコンセプトや基本的な動き方について説明し、その後何回かに分けてメタゲーム上の各デッキとの戦い方や具体的なサイドボーディングについて書いていこうと思う。
・ウィー=ゼロックスの動かし方
まずは現在のリストがこちら。
ウィー=ゼロックスの一番の特徴は、《窯の悪鬼》や《ニヴィックスのサイクロプス》に《ティムールの激闘》を唱えることで1回の攻撃で20点以上のダメージを与えてしまえることだ。Pauperでもトップクラスの遂行速度があり、運が良ければ3ターン目に勝つこともあるだろう。相手が多少ブロッカーを出そうが、5ターン目以降にいくら強力な動きを用意していようが、キーカードが揃えば問答無用で勝ってしまえるのがこのデッキの大きな魅力だ。《思案》、《定業》をはじめとする大量のドロー呪文が、コンボパーツを探すとともに《悪鬼》と《サイクロプス》のパワーを上げる役割も果たしている。デッキを安定させるドロー呪文がコンボを動かす原動力にもなっていることが、感染や呪禁オーラのようなデッキにはない強みであり、このデッキを唯一無二のものにしている。
派手なコンボは目を引くものだが、実際に3ターンあるいは4ターンで勝てるゲームはそれほど多くない。《思案》や《定業》でカードをかき集めるにも時間とマナがかかるし、対戦相手だって何とかこちらに干渉しようとする。典型的なのは、《使徒の祝福》や《払拭》のために1マナを構えた状態で《悪鬼》や《サイクロプス》を場に出し、その次のターンに《激闘》で勝利するパターンだ。これがもっと長引いてしまうこともあるし、1ターン目の《秘密を掘り下げる者》と《稲妻》でライフレースをすることもある。
プレイの指針として、ゲームの手順通りに進めるならまずはマリガンからだ。ウィー=ゼロックスは比較的マリガンの多いデッキだ。けれど、優れたマリガン判断が勝利に繋がりやすいデッキでもある。
まず初めに、青マナの出ない手札をキープしてはいけない。赤マナがない場合は《思案》、《定業》で赤マナを探してくればいい。しかし青マナがなければその《思案》、《定業》を打つことができない。1度マリガンをした後なら青マナがなくてもしぶしぶキープするかもしれないが、7枚でキープできるとしたら《山》2、《悪鬼》、《激闘》、《変異原性の成長》、《ギタクシア派の調査》と揃っていて3ターン目の勝利が狙える時くらいだろう。それでもやっぱり、手札に青いカードを抱えたまま負けるリスクは避けるべきだ。
次に、腐りやすいカードの重複は気にするべきだ。《激闘》は基本的に1ゲームに1回唱えればいい呪文で2枚目は無駄になりやすい。《払拭》は1枚あると安心できるカードだが、《使徒の祝福》と違ってパワーを上げるために無駄打ちすることができないので2枚ともなると邪魔になる可能性がある。《噴出》が初手に2枚あったとしても2枚目を打つのはかなり後になる。こういうカードが手札に多い場合はマリガンをするリスクが相対的に低くなる。
そして《ギタクシア派の調査》の1ドローを当てにし過ぎないこと。《ギタクシア派の調査》はこのデッキに無くてはならない強力な呪文だが、アクセスできるカードは《思案》の4分の1でしかない。初手に複数あってもキープ基準を緩めないほうがいい。
手札をキープしたら次はプレイ中の注意点だ。まず、《ギタクシア派の調査》は基本的に後に打った方が強い。《悪鬼》や《サイクロプス》が攻撃できるターンに使い、相手の干渉手段を確認してから《激闘》で勝利するのが理想だ。あまり早いターンに使ってしまってもターンが進むにつれて相手の手札が分からなくなってくるので強さが半減してしまう。とは言っても、例えば2ターン目に《秘密を掘り下げる者》と《窯の悪鬼》と《使途の祝福》が手札にある場合、相手が除去を持っていれば《使徒の祝福》を構えて《秘密を掘り下げる者》を出したいし、そうでなければ《窯の悪鬼》を出して早い勝利を狙いたい。こういう場合には《ギタクシア派の調査》を打ってしまってもいいだろう。「相手の手札の内容によって自分のプレイが変わるかどうか」を考える癖をつけるといい。似たような話として《思案》や《定業》を打つ前には、今自分に必要なカードが何なのかを考えるといい。これは単純に速く正確なプレイをする助けになる。
《ギタクシア派の調査》で相手の手札の妨害手段を確認してから《ティムールの激闘》を使うことに慣れすぎると、相手の手札を予想する習慣がなくなってしまったりする。《ギタクシア派の調査》を打つ前に相手の動きからその手札の中身を予想する遊びをしてみるのも良いかもしれない。
前置きはここまでにして今度はメタゲーム上の各デッキとの戦い方を解説する。
・青単デルバー
アウト
3 《ティムールの激闘》
2 《変異原性の成長》
2 《使徒の祝福》
イン
3 《紅蓮破》
1 《炎の斬りつけ》
2 《電謀》
1 《払拭》
《ニヴィックスのサイクロプス》よりも《秘密を掘り下げる者》の方がはるかに重要になる。《秘密を掘り下げる者》はもちろん単純なクロックとしても除去の避雷針としても優秀なカードだが、ウィー=ゼロックスにおいて採用しているもう1つの理由は《秘密を掘り下げる者》と戦うには自分も《秘密を掘り下げる者》を使うのが一番手っ取り早いからだ。
さらなる《炎の斬りつけ》や《紅蓮破》など、他にサイドインするべきカードを採用しているなら追加でサイドアウトするのは《ニヴィックスのサイクロプス》になる。《サイクロプス》はバウンスによってテンポを損ないやすいからだ。そして、バウンスされたならば再び同じカードをプレイしなおすことになるわけで、手札に控える2枚目以降の《サイクロプス》にまで出番が回ってこないことが多い。
バウンスや打ち消しの多いデッキ相手に《激闘》のコンボが決まるケースは稀だし、赤いカードをたくさんサイドインする分のバランスをとって《激闘》は全部サイドアウトしてしまう。それでも一撃のチャンスを残すために1枚だけデッキに残すというのは十分あり得る。
相手が《鎖の呪い》や《睡眠発作》のような除去を使ってくる場合には《払拭》をサイドインせずに《使徒の祝福》2枚をデッキに残そう。これで相手のターン終了時に《鎖の呪い》を剥がしにいくことができる。ウィー=ゼロックスには珍しく相手のターン中に意味のある行動がとれるので少しだけ主導権が握りやすくなる。
理想の初手は青マナと赤マナ、そして《秘密を掘り下げる者》と《稲妻》をはじめとする火力があることだ。《思案》、《定業》頼みのキープをすると《呪文づまりのスプライト》に捕まって大きく後れを取ってしまう可能性がある。サイド後は赤いカードが多くなるので《広漠なる変幻地》から、《噴出》のための2枚目の《島》より2枚目の《山》を優先して持ってくる場合もあるだろう。
このマッチアップでは序盤に主導権を握ることができるかどうかが重要だ。主導権を握るとはすなわち、相手の場のクリーチャーよりもこちらの場のクリーチャーの方が強く、このまま殴り合いをしていればこちらの勝ちになる状況を作るということだ。そうすれば、後の先をとることが得意な青単デルバーに先に動くことを強いることができる。ゲームの序盤はまず《秘密を掘り下げる者》を展開し、相手のクロックはできるだけ除去していこう。1ターン目に出てくる《フェアリーの悪党》は《呪文づまりのスプライト》の射程を伸ばさせないためにも、2ターン目の忍術を許さないためにも除去したほうがいいだろう。青単デルバーのカードはそれぞれが組み合わさると信じられないくらい強力だが、カード1枚ずつのパワーならこちらの方が上なはずだ。なので《稲妻》、《紅蓮破》、《海賊の魔除け》などによってクロックを処理して、それぞれのカードをシナジーさせずに額面通りの働きしかさせないようにする。相手が単なる時間稼ぎとしてバウンス呪文を使ってくれたり、こちらが呪文を唱えていないタイミングで《呪文づまりのスプライト》をチャンプブロッカーとして出してくれたりすれば勝利は目前だ。
《呪文づまりのスプライト》はその能力の誘発時と解決時とで2回フェアリーの数をチェックするので、能力の解決前にフェアリーを除去することで打ち消しを阻止することができる。そういうプレイをするために青マナでも打てる除去として《海賊の魔除け》が入っている。《呪文づまりのスプライト》への回答がないときは《思案》や《定業》を唱えるのは控えたい。囮として《ギタクシア派の調査》を唱えて残ったマナでクリーチャーを場に出すことは結構ある。
ちなみに《電謀》は超過しても点数で見たマナコストは1なので覚えておこう。超過して複数のクリーチャーを除去することができれば理想だが、青単デルバーは隙の少ないデッキなので高望みはせずに1マナ除去として機能するうちに使っていったほうがいい。
たとえ《秘密を掘り下げる者》が変身したとしても《尖塔のゴーレム》1枚で攻撃が止められてしまう。《炎の斬りつけ》はこれを打破するために採用しているカードだ。より青単デルバーを意識するなら《静電気の稲妻》もかなりいいカードだと思う。
そうしてこちらが主導権を握ることができたなら、ようやく《悪鬼》や《サイクロプス》を相手のクリーチャーよりサイズの大きいクリーチャーとして運用できるようになる。最終的にはこれらで相手を押しつぶすことになる。
対戦記録を採り始めてから青単デルバーには138勝88敗(勝率61%)しているが、2016年1月28日に《フェアリーの大群》が禁止されてからに絞れば21勝6敗(勝率78%)と良い結果が出ているのでどうかこの記事を信頼してほしい。
現在のウィー=ゼロックスにメインから《海賊の魔除け》と《炎の斬りつけ》が入っているのは青単デルバーという上客を手放さないようにするためだ。より青単デルバーを意識するならさらに《静電気の稲妻》(とできれば赤マナ源)を追加するといいかもしれない。
とりあえず今回はここまで。初回でいまいちテンションが掴めていないので何でもいいから感想が欲しい。質問なんかもあったら大変うれしい。次回はおそらくストンピィとか親和とか、とりあえずメタ上位のデッキ複数との戦い方を解説したいと思う。
一応言っておくと、Pauperとは「マジックオンラインでコモンとして収録されたことのあるカードが使用可能なフォーマット」だ。ウィー=ゼロックスに関してはこれから長々と説明するけれど、イゼット・ブリッツ、あるいはニヴィックス・シュートとも呼ばれていることは先に言っておく。ウィー=ゼロックスという呼び名は、ウィー:「《小柄な竜装者/Wee Dragonauts》のように呪文を唱えてパワーの上がるクリーチャー」とゼロックス:「軽いドロー操作を多く積んで土地を減らした構築」を組み合わせたものくらいに認識してもらえればいい。まずはこのデッキのコンセプトや基本的な動き方について説明し、その後何回かに分けてメタゲーム上の各デッキとの戦い方や具体的なサイドボーディングについて書いていこうと思う。
・ウィー=ゼロックスの動かし方
まずは現在のリストがこちら。
クリーチャー(12)
4 《窯の悪鬼/Kiln Fiend》
4 《ニヴィックスのサイクロプス/Nivix Cyclops》
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
呪文(31)
4 《思案/Ponder》
4 《定業/Preordain》
4 《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
3 《噴出/Gush》
3 《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》
3 《使徒の祝福/Apostle’s Blessing》
2 《変異原性の成長/Mutagenic Growth》
2 《払拭/Dispel》
1 《海賊の魔除け/Piracy Charm》
1 《炎の斬りつけ/Flame Slash》
土地(17)
1 《急流の崖/Swiftwater Cliffs》
3 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》
8 《島/Island》
5 《山/Mountain》
サイドボード(15)
3 《紅蓮破/Pyroblast》
2 《水流破/Hydroblast》
2 《電謀/Electrickery》
2 《空中生成エルドラージ/Eldrazi Skyspawner》
1 《炎の斬りつけ/Flame Slash》
1 《払拭/Dispel》
1 《残響する真実/Echoing Truth》
1 《鋭い痛み/Flaring Pain》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
ウィー=ゼロックスの一番の特徴は、《窯の悪鬼》や《ニヴィックスのサイクロプス》に《ティムールの激闘》を唱えることで1回の攻撃で20点以上のダメージを与えてしまえることだ。Pauperでもトップクラスの遂行速度があり、運が良ければ3ターン目に勝つこともあるだろう。相手が多少ブロッカーを出そうが、5ターン目以降にいくら強力な動きを用意していようが、キーカードが揃えば問答無用で勝ってしまえるのがこのデッキの大きな魅力だ。《思案》、《定業》をはじめとする大量のドロー呪文が、コンボパーツを探すとともに《悪鬼》と《サイクロプス》のパワーを上げる役割も果たしている。デッキを安定させるドロー呪文がコンボを動かす原動力にもなっていることが、感染や呪禁オーラのようなデッキにはない強みであり、このデッキを唯一無二のものにしている。
派手なコンボは目を引くものだが、実際に3ターンあるいは4ターンで勝てるゲームはそれほど多くない。《思案》や《定業》でカードをかき集めるにも時間とマナがかかるし、対戦相手だって何とかこちらに干渉しようとする。典型的なのは、《使徒の祝福》や《払拭》のために1マナを構えた状態で《悪鬼》や《サイクロプス》を場に出し、その次のターンに《激闘》で勝利するパターンだ。これがもっと長引いてしまうこともあるし、1ターン目の《秘密を掘り下げる者》と《稲妻》でライフレースをすることもある。
プレイの指針として、ゲームの手順通りに進めるならまずはマリガンからだ。ウィー=ゼロックスは比較的マリガンの多いデッキだ。けれど、優れたマリガン判断が勝利に繋がりやすいデッキでもある。
まず初めに、青マナの出ない手札をキープしてはいけない。赤マナがない場合は《思案》、《定業》で赤マナを探してくればいい。しかし青マナがなければその《思案》、《定業》を打つことができない。1度マリガンをした後なら青マナがなくてもしぶしぶキープするかもしれないが、7枚でキープできるとしたら《山》2、《悪鬼》、《激闘》、《変異原性の成長》、《ギタクシア派の調査》と揃っていて3ターン目の勝利が狙える時くらいだろう。それでもやっぱり、手札に青いカードを抱えたまま負けるリスクは避けるべきだ。
次に、腐りやすいカードの重複は気にするべきだ。《激闘》は基本的に1ゲームに1回唱えればいい呪文で2枚目は無駄になりやすい。《払拭》は1枚あると安心できるカードだが、《使徒の祝福》と違ってパワーを上げるために無駄打ちすることができないので2枚ともなると邪魔になる可能性がある。《噴出》が初手に2枚あったとしても2枚目を打つのはかなり後になる。こういうカードが手札に多い場合はマリガンをするリスクが相対的に低くなる。
そして《ギタクシア派の調査》の1ドローを当てにし過ぎないこと。《ギタクシア派の調査》はこのデッキに無くてはならない強力な呪文だが、アクセスできるカードは《思案》の4分の1でしかない。初手に複数あってもキープ基準を緩めないほうがいい。
手札をキープしたら次はプレイ中の注意点だ。まず、《ギタクシア派の調査》は基本的に後に打った方が強い。《悪鬼》や《サイクロプス》が攻撃できるターンに使い、相手の干渉手段を確認してから《激闘》で勝利するのが理想だ。あまり早いターンに使ってしまってもターンが進むにつれて相手の手札が分からなくなってくるので強さが半減してしまう。とは言っても、例えば2ターン目に《秘密を掘り下げる者》と《窯の悪鬼》と《使途の祝福》が手札にある場合、相手が除去を持っていれば《使徒の祝福》を構えて《秘密を掘り下げる者》を出したいし、そうでなければ《窯の悪鬼》を出して早い勝利を狙いたい。こういう場合には《ギタクシア派の調査》を打ってしまってもいいだろう。「相手の手札の内容によって自分のプレイが変わるかどうか」を考える癖をつけるといい。似たような話として《思案》や《定業》を打つ前には、今自分に必要なカードが何なのかを考えるといい。これは単純に速く正確なプレイをする助けになる。
《ギタクシア派の調査》で相手の手札の妨害手段を確認してから《ティムールの激闘》を使うことに慣れすぎると、相手の手札を予想する習慣がなくなってしまったりする。《ギタクシア派の調査》を打つ前に相手の動きからその手札の中身を予想する遊びをしてみるのも良いかもしれない。
前置きはここまでにして今度はメタゲーム上の各デッキとの戦い方を解説する。
・青単デルバー
2017-02-24, 5-0 by Deeto青単デルバーは《秘密を掘り下げる者》が印刷されてから常にメタゲームで3本の指に入っており、Pauperの絶対王者と言っても差し支えないデッキだ。そのため他のどのアーキタイプよりも多くの対戦経験があり、戦い方が確立できている。
クリーチャー(20)
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
4 《フェアリーの悪党/Faerie Miscreant》
4 《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
4 《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours》
4 《尖塔のゴーレム/Spire Golem》
その他の呪文(23)
4 《思案/Ponder》
4 《定業/Preordain》
2 《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》
4 《対抗呪文/Counterspell》
3 《目くらまし/Daze》
3 《噴出/Gush》
2 《断絶/Snap》
1 《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》
土地(17)
17 《島/Island》
サイドボード(15)
2 《無効/Annul》
2 《珊瑚の網/Coral Net》
2 《払拭/Dispel》
1 《はらわた撃ち/Gut Shot》
3 《水流破/Hydroblast》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
3 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
アウト
3 《ティムールの激闘》
2 《変異原性の成長》
2 《使徒の祝福》
イン
3 《紅蓮破》
1 《炎の斬りつけ》
2 《電謀》
1 《払拭》
《ニヴィックスのサイクロプス》よりも《秘密を掘り下げる者》の方がはるかに重要になる。《秘密を掘り下げる者》はもちろん単純なクロックとしても除去の避雷針としても優秀なカードだが、ウィー=ゼロックスにおいて採用しているもう1つの理由は《秘密を掘り下げる者》と戦うには自分も《秘密を掘り下げる者》を使うのが一番手っ取り早いからだ。
さらなる《炎の斬りつけ》や《紅蓮破》など、他にサイドインするべきカードを採用しているなら追加でサイドアウトするのは《ニヴィックスのサイクロプス》になる。《サイクロプス》はバウンスによってテンポを損ないやすいからだ。そして、バウンスされたならば再び同じカードをプレイしなおすことになるわけで、手札に控える2枚目以降の《サイクロプス》にまで出番が回ってこないことが多い。
バウンスや打ち消しの多いデッキ相手に《激闘》のコンボが決まるケースは稀だし、赤いカードをたくさんサイドインする分のバランスをとって《激闘》は全部サイドアウトしてしまう。それでも一撃のチャンスを残すために1枚だけデッキに残すというのは十分あり得る。
相手が《鎖の呪い》や《睡眠発作》のような除去を使ってくる場合には《払拭》をサイドインせずに《使徒の祝福》2枚をデッキに残そう。これで相手のターン終了時に《鎖の呪い》を剥がしにいくことができる。ウィー=ゼロックスには珍しく相手のターン中に意味のある行動がとれるので少しだけ主導権が握りやすくなる。
理想の初手は青マナと赤マナ、そして《秘密を掘り下げる者》と《稲妻》をはじめとする火力があることだ。《思案》、《定業》頼みのキープをすると《呪文づまりのスプライト》に捕まって大きく後れを取ってしまう可能性がある。サイド後は赤いカードが多くなるので《広漠なる変幻地》から、《噴出》のための2枚目の《島》より2枚目の《山》を優先して持ってくる場合もあるだろう。
このマッチアップでは序盤に主導権を握ることができるかどうかが重要だ。主導権を握るとはすなわち、相手の場のクリーチャーよりもこちらの場のクリーチャーの方が強く、このまま殴り合いをしていればこちらの勝ちになる状況を作るということだ。そうすれば、後の先をとることが得意な青単デルバーに先に動くことを強いることができる。ゲームの序盤はまず《秘密を掘り下げる者》を展開し、相手のクロックはできるだけ除去していこう。1ターン目に出てくる《フェアリーの悪党》は《呪文づまりのスプライト》の射程を伸ばさせないためにも、2ターン目の忍術を許さないためにも除去したほうがいいだろう。青単デルバーのカードはそれぞれが組み合わさると信じられないくらい強力だが、カード1枚ずつのパワーならこちらの方が上なはずだ。なので《稲妻》、《紅蓮破》、《海賊の魔除け》などによってクロックを処理して、それぞれのカードをシナジーさせずに額面通りの働きしかさせないようにする。相手が単なる時間稼ぎとしてバウンス呪文を使ってくれたり、こちらが呪文を唱えていないタイミングで《呪文づまりのスプライト》をチャンプブロッカーとして出してくれたりすれば勝利は目前だ。
《呪文づまりのスプライト》はその能力の誘発時と解決時とで2回フェアリーの数をチェックするので、能力の解決前にフェアリーを除去することで打ち消しを阻止することができる。そういうプレイをするために青マナでも打てる除去として《海賊の魔除け》が入っている。《呪文づまりのスプライト》への回答がないときは《思案》や《定業》を唱えるのは控えたい。囮として《ギタクシア派の調査》を唱えて残ったマナでクリーチャーを場に出すことは結構ある。
ちなみに《電謀》は超過しても点数で見たマナコストは1なので覚えておこう。超過して複数のクリーチャーを除去することができれば理想だが、青単デルバーは隙の少ないデッキなので高望みはせずに1マナ除去として機能するうちに使っていったほうがいい。
たとえ《秘密を掘り下げる者》が変身したとしても《尖塔のゴーレム》1枚で攻撃が止められてしまう。《炎の斬りつけ》はこれを打破するために採用しているカードだ。より青単デルバーを意識するなら《静電気の稲妻》もかなりいいカードだと思う。
そうしてこちらが主導権を握ることができたなら、ようやく《悪鬼》や《サイクロプス》を相手のクリーチャーよりサイズの大きいクリーチャーとして運用できるようになる。最終的にはこれらで相手を押しつぶすことになる。
対戦記録を採り始めてから青単デルバーには138勝88敗(勝率61%)しているが、2016年1月28日に《フェアリーの大群》が禁止されてからに絞れば21勝6敗(勝率78%)と良い結果が出ているのでどうかこの記事を信頼してほしい。
現在のウィー=ゼロックスにメインから《海賊の魔除け》と《炎の斬りつけ》が入っているのは青単デルバーという上客を手放さないようにするためだ。より青単デルバーを意識するならさらに《静電気の稲妻》(とできれば赤マナ源)を追加するといいかもしれない。
とりあえず今回はここまで。初回でいまいちテンションが掴めていないので何でもいいから感想が欲しい。質問なんかもあったら大変うれしい。次回はおそらくストンピィとか親和とか、とりあえずメタ上位のデッキ複数との戦い方を解説したいと思う。
コメント
特に青単相手の思案や定業の使い方は意識していなかったので目から鱗でした。
質問なのですが、例えば1勝1敗で3戦目に入ったときのサイドボードは先攻後攻によって弄ったりしますか?(それまでの2戦で相手デッキに想定外のカードは入っていなかったと仮定して)
先手の方が《激闘》を残して一撃を決める戦略をとりやすいのはありますが、あんまり先手後手を意識したサイドボーディングはしていないですね。
激闘を全部サイドアウトするという発想自体なかったのでそういう行動の理由を説明してくれる記事が大いに助かります。
日本語おかしくてすいません。
他のデッキ対策でも今回くらい具体的な話が聞けると応用しやすいです。
気になる点として、相手の1Tデルバー/悪党から全部除去していては息切れしないのでしょうか?
コメントありがとうございます!参考になれば幸いです。
>>ぴぃさん
取っ付きやすい対青単から始めちゃいましたがハードルを上げてしまったかもしれませんw他のデッキへの対策はこれより分量が少ないんじゃないかな~
>>Tuchanさん、質問ありがたいです
「主導権を握る」って抽象的に書いてしまいましたが、要はこちらのクロックの方が早い状態に持ち込んで、相手に先に動いてもらってそれに対応して動いていきたいということでした。
こちらが攻撃できる状態なら小さいフェアリーは除去せずに普通に殴り合いをしたほうが強いですし、ゴーレム用に《斬りつけ》を温存することもよくありますね。
勝手にリンクさせていただきました。
非常にありがたいコメント励みになります
次回も楽しみにさせて頂きます。
この記事読んだらやりたくなってきたw
良記事ありがとうございます
(テンションに対するコメントがなかったので)
いえいえとんでも無いです。最近《大祖始の遺産》を入れたのでまだ定まってない部分があります。その時の気分で1,2枚出し入れすることが多いですね。次回も頑張ります
>>nakoさん、予想外の反応で嬉しいですw
Pauperはエターナルなので気が向いた時に遊びに来てほしいですね。
>>INTRさん、コメントありがとうございます。
しばらく続けて翻訳してたのでこんな文体が楽になってしまいました。気に入ってもらえたならこの調子でいこうと思います