【翻訳】Eternal Masters’ Initial Impact by Alex Ullman ~EMAでPauper環境はどう変わる?
【翻訳】Eternal Masters’ Initial Impact by Alex Ullman ~EMAでPauper環境はどう変わる?
【翻訳】Eternal Masters’ Initial Impact by Alex Ullman ~EMAでPauper環境はどう変わる?
http://www.gatheringmagic.com/alexullman-06072016-eternal-masters-initial-impact/

Eternal Masters’ Initial Impact
by Alex Ullman, June 7, 2016


エターナルマスターズがMagic Onlineで使用可能になるまでしばらく時間があり、セットが及ぼす影響についての推論が渦巻き続けている。前回、僕は新しいカードを理論上で検討した。今日はエターナルマスターズに関連するPauperの流れをより詳しく見ていきたい。

過去6ヶ月のほとんどの間、Pauperはマナ、クリーチャー、そして除去によって定義されてきた。《流浪のドレイク》の導入によってこれらの関係に別の要素が加えられる。強さとは無関係に、《ドレイク》はPauperにコンボを取り戻させるだろう。エルフやイゼットブリッツと違ってこのコンボは一般的に使われる除去呪文への弱さがなく、回答に特殊な手段を必要とするだろう。

U/G Combo - Pauper | Alex Ullman
クリーチャー (16)
1 《賢者街の住人/Sage’s Row Denizen》
2 《記憶の壁/Mnemonic Wall》
3 《熟考漂い/Mulldrifter》
3 《流浪のドレイク/Peregrine Drake》
3 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
4 《とぐろ巻きの巫女/Coiling Oracle》

呪文 (23)
2 《万の眠り/Gigadrowse》
2 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
3 《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker》
3 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
4 《交錯の混乱/Muddle the Mixture》
1 《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》
2 《肥沃な大地/Fertile Ground》
2 《発生の器/Vessel of Nascency》
4 《楽園の拡散/Utopia Sprawl》

土地 (23)
6 《森/Forest》
6 《島/Island》
2 《光輝の泉/Radiant Fountain》
2 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》
3 《進化する未開地/Evolving Wilds》
4 《シミックの成長室/Simic Growth Chamber
よく知らない人のために、これは《幽霊のゆらめき》で《流浪のドレイク》と《記憶の壁》を対象にとるというコンボだ。これで《とどろく雷鳴》のためのマナを好きなだけ生み出すことができるし、相手のライブラリーが0になるまで《賢者街の住人》の能力を誘発させることができる。今は禁止されてしまった《フェアリーの大群》と違って、《ドレイク》はコスト軽減なしでエンジンを動かし続けるのに十分なだけの土地をアンタップしてくれる。このことによって、重要な部分を守るために追加の要素を加えることができる。《断絶》、《ムラーサの胎動》、そして《墓の刈り取り》はどれも危機に瀕したクリーチャーを守ることができるし、《転覆》は《未達への旅》でクリーチャーが隠されるのを防ぐのに使える。攻撃手段が複数あるのでコンボ阻止を《虹色の断片》だけに頼るのは難しい。そのため、結局コンボパーツを攻めることになるんだ。

それでは《幽霊のゆらめき》コンボにどうやって取り組んでいこうか?これを成し遂げる最高の方法は重要なパーツを追放してしまうことだ。《酷評》は今は居場所のないカードだがコンボデッキ相手にはある程度仕事をしてくれる。同じように《炭化》は《ドレイク》を除去しつつ墓地からも取り除いておける。《損ない》は手頃な呪文だ(《ワイルドファイアの密使》のおかげでほんの少しだけ弱くなったけどね)、そしてその欠色の親戚である《完全無視》は唱えやすいコストながらもすべてのパーツを落とすことができる。もし僕がこれらの中で最も使われるものを1つを選ぶとしたら《完全無視》だろうね。2黒のコストは柔軟なものだし、《尖塔のゴーレム》を落とすことだってできる。

追放する打ち消し呪文もわずかに存在していて、これらは《ドレイク》が支配的にならないようにするためのカギとなる要素かもしれない。《液化》は昔ほど強くはない、コンボパーツのうちの1つにしか効かないからね。一方で《妖精の計略》はどのパーツも止めることができるからはるかに優れている。《存在の否定》は遅い《本質の散乱》だがその追放の部分で《流浪のドレイク》と《記憶の壁》に対して良いものになっている。このコンボが大いに遅くなった状況では速さがカギだ。今なら3マナの回答を引いてきて唱える時間があるかもしれない。

墓地からカードを追放する能力も重要性を増す。《ボジューカの沼》が標準装備され、《大祖始の遺産》がすでにサイドボードで使われていてもさらに対策をとる余地がある。《フェアリーの忌み者》は打ち消されないという点でサイドボード関係なく素晴らしい回答だ。《忌み者》には《憑依された沼墓》で自分の墓地を操作しようとするプレイヤーに干渉できるという利点がある。

《縫合の僧侶》は《幽霊のゆらめき》コンボと戦う方法として使われていた。《フェアリーの大群》の場合、勝利するために必要なループの回数が多くなりがちだった。《流浪のドレイク》は《火の玉》用のマナをはるかに簡単に生み出すので、対策としての《縫合の僧侶》の効果はかなり小さくなる。これは《縫合の僧侶》が使われなくなるということではなく、単にそれが過大評価されて使われるだろうというだけのことだ。



《敏捷なマングース》と《ワイルドファイアの密使》の導入はPauperの除去の性質を変化させるだろう。《未達への旅》は《若き狼》から《グルマグのアンコウ》、果ては《ウラモグの破壊者》まで全てを止めることができるのことから強力な除去手段として支持されてきた。これらのクリーチャーの1つが被覆やプロテクション(白)を持ったなら《未達への旅》の万能さに傷が付くことになる。

《稲妻》もこの新しい殴り手のどちらをも対処できないので価値が下がる。初めは黒の除去が赤の対抗馬をしのぐ様に見えるだろう。なぜなら部分的には黒の除去は連携すると強く、脅威を処理するのに2枚の呪文を必要とするからだ。赤には様々な火力呪文があり対象を取って焼くことにはるかに優れている。

《チェイナーの布告》を例に挙げよう。対象をとる除去とあわせれば《チェイナーの布告》はどんなクリーチャーも除去することができる。《悲劇的な過ち》と組み合わせれば、これら2枚のカードは本当にどんなものでも除去する能力がある。もし僕が新環境でデッキを作るとしたら、なんでも除去できる黒い除去をみることから始めるだろう。もちろん、除去を重ねるためにはそれら呪文を引かなければならない。ありがたいことに黒は《血の署名》、《骨読み》、そして今や《夜の囁き》を使うことができる。ますます黒単コントロールのように見えてきた。新しいメタゲームでは似たようなデッキが良い出発点になるだろう。

こういった変化は何も新しいものではない。黒単コントロールは長い間Pauperの堅実なベースラインを務めている。手札と戦場を攻める手段を持っていて、そして対策の性質からPauper全体によくマッチしている。エターナルマスターズが出てすぐのうちは皆がコンボデッキと競おうとして攻撃的な戦略に偏るかもしれないから、《アスフォデルの灰色商人》と《堕落の触手》によってもたらされるライフゲインが重要となるはずだ。黒単コントロールは現在のデッキと戦うための手段も持ち合わせているから、ここを出発点とするのは理に適っている。

しかし、僕が何の変哲もない旧型の黒単を使うと思うかい?個人的なお気に入りのムラーサブラックに立ち戻れるというのにね。今や《夜の囁き》によってこのデッキはタッチのために緑のソースを増やすことが容易になった。緑はサイドボードにより良いアーティファクト除去も与えてくれる。このデッキは新しい道具として《覚醒舞い》も手に入れた。以前のバージョンでは《末裔招き》を使っていたが《覚醒舞い》は多かれ少なかれ、確実なアップグレードだ。《発掘》が使えれば1枚の《覚醒舞い》から2黒黒で6点のパワーを生み出すことができる。これは《皇帝クロコダイル》よりはるかに優れた数値だ。


Murasa Black - Pauper | Alex Ullman
クリーチャー (18)
2 《墓所のネズミ/Crypt Rats》
2 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
2 《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager》
2 《枝細工下げの古老/Wickerbough Elder》
3 《クォムバッジの魔女/Cuombajj Witches》
3 《覚醒舞い/Wakedancer》
4 《騒がしいネズミ/Chittering Rats》

呪文 (20)
1 《殺害/Murder》
1 《損ない/Unmake》
2 《闇の掌握/Grasp of Darkness》
3 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
3 《悲劇的な過ち/Tragic Slip》
3 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
3 《発掘/Unearth》
4 《夜の囁き/Night’s Whisper》

土地 (22)
1 《森/Forest》
11 《沼/Swamp》
1 《やせた原野/Barren Moor》
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
1 《ジャンドの全景/Jund Panorama》
1 《滑りやすいカルスト/Slippery Karst》
2 《ゴルガリの腐敗農場/Golgari Rot Farm》
4 《ジャングルのうろ穴/Jungle Hollow(FRF)》
エターナルマスターズがどのようにPauperを変えるのか正確なところは分からないが、すぐにコンボデッキが頭角を現すことは保証できる。これに備えるということは、最初のリーグでどの除去呪文が君を手助けしてくれるのかを知ることだ。

そして全ての整理がついたらなら、今度は新しいメタゲームに取り組む時間になるだろう。

コメント

ぴぃ
2016年6月10日8:09

翻訳お疲れ様です。
フェアリーの大群禁止下で流浪のドレイクはびっくりしました。大群とはだいぶ役割が違うので、ファミリアみたいなコスト減らすタイプでなくランドブーストするタイプが出るかもですね。3T目ドレイク、ドレイク、熟考みたいに殴れるコンボになるかも。

覚醒舞いのくだりで皇帝クロコダイルに触れてあげてるAlexがいい。影薄くてみんなコモン落ちするのみんな忘れてそう。

surucucu
2016年6月10日12:42

>>ぴぃさん、ありがとうございます!
流浪のドレイクだとコンボに必要なパーツが少ないんで色んなバリエーションが現れることを期待してます。最速のコンボに特化したり、コントロールのフィニッシャーにコンボをタッチしたり

申し訳程度に取り上げてるけどこんな形なら取り上げられないほうが良かったかもw
Alexさんはゴルガリ大好きでフェアリーの大群コンボには否定的だった人なので全体的にAlexさんらしさが溢れた記事な気がします

お気に入り日記の更新

日記内を検索