Cloud Burst
http://puremtgo.com/articles/cloud-burst
By: SpikeBoyM, Alex Ullman
Jan 18 2016 12:00pm
これは僕が1年以上も前から書きたがっていた記事だ。それは僕が特定のカードや戦略を見下しているというわけではなく、むしろPauperのことを心から案じてフォーマットの繁栄を願っているからだ。
それは金曜の深夜か土曜の朝の兆しが見え始めた頃だった。君たちがどこに一日の境目を置くかによるが、僕の電話が騒ぎ始めたのはそんな時だった。僕はいつも通知を全部オフにしておくんだけれど、あるアプリが僕の安眠への願いを上書きしたらしい。朦朧として電話に目をやるとこのサイトのマネージャーであるJoshの歓喜だけが見えたんだ。「逝った! 大群がいなくなった!」
僕が常にPauperのことを考えているわけではない証拠に、僕の返信はただの「?」だった。
妻を邪魔しないように僕は寝室を出てからメッセージを見た、「禁止されたんだ。」
すぐにソースを確認してそれが真実であることを知った。公式リリースを読むと色の偏りを招いたことが禁止の理由であるとわかった。フォーマットに圧力をかけるので僕は《フェアリーの大群》を禁止すべきだと感じているが、よく言うように、敵の敵は味方だ。
そして彼らの理由は決して間違ってはいない。戦乱のゼンディカーシーズンにおいて、全勝デッキでもっとも使われたカードトップ10の内の7枚が青いカードだ。親和とカルドーサ・ジェスカイの2つのデッキがカードを引くために青をタッチしているが、同じ戦略で青タッチをしていないものより遥かに良くなっている。声明では、ウィザーズが集めたデータではこのフォーマットでもっとも使われている土地でないカードの、トップ10の内の9枚が青いカードだと言っている。そしてMTGGoldfishがこれを裏付けている。
こういう姿勢は問題の核心を無視している。《フェアリーの大群》はこのフォーマットにおける対話要素を無視するカードを代表していた。それは単純に強すぎた。青単デルバーでは「ノー」というためのマナを残しながら盤面に脅威を展開するという、最高の2ターン目のアクションだった。それはさまざまなコンボデッキでエンジンの役割を果たしていて、フォーマットの最善の努力にもかかわらず対策への信じられないほどの耐性があった。
禁止の歴史はPauperが「フェア」なフォーマットへ近づいていっていることを示している。ストーム、《雲上の座》、《激励》、そして《宝船の巡航》の排除はウィザーズがコモン全体の歴史よりも現在のコモンの視点でフォーマットを見ていることをほのめかしている。デザイン・開発の最近の例によって僕らがフォーマットに期待すべきパワーレベルの最高値が示されているんだ。ヴィンテージ・マスターズは《金切るときの声》をくれたが《大群》はアンコモンに移された、そしてテンペスト・リマスタードではリミテッドで大活躍の《とどろく雷鳴》が同様に格上げされた。一方でモダンマスターズ2015では《野生の末裔》がレアからコモンに降格した。《熟考漂い》はアンコモンとして印刷され続けているが、僕はそれがフォーマットのパワーの上限になっているんじゃないかと思っている。
この禁止は僕に一時の猶予も与えてはくれない。僕は《大群》がこのフォーマットには強力すぎると信じているが、他の古えのコモンがPauperの中心に取って代わるんじゃないかと慎重になっている。そうはならないと思うけれど、古いカードは残りカスしか使えないようなPauperは見たくない。ありがたいことに、僕は大丈夫だと信じている。
禁止は過ぎたことだ。1月27日以降のフォーマットが未来だ。
《フェアリーの大群》を基礎とするコンボは「生存可能」という地位を直ちに失う。《記憶の壁》と《フェアリーの大群》で《幽霊のゆらめき》をループさせて《賢者街の住人》を繰り返し誘発させることができなければ、どんなコンボデッキも大幅に異なったものになるだろう。《断絶》がフォーマットに残っているなどファミリアの今後に希望がないわけではない。《壁》と《断絶》を使って同じ枠組みでループさせることは依然として可能だが、それはハード・モードでプレイしているようなものだ。
シミック系統の(《肥沃な大地》と《はびこり》で強化された)コンボでマナを生み出そうとしている人へ、いくつかの面白い選択肢がある。《クローサの修復者》と《旅するサテュロス》は驚くほど大量にマナを生み出してくれるし、《精神のくぐつ》や《日夜の苦役》のようなカードと組み合わされば《ケアヴェクの火吹き》で必殺となる量のマナを生みだすことができる。これは Jacob Van Lunen が2009年に提案したこの手のデッキの古いヴァージョンだ(http://archive.wizards.com/Magic/magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/boab/36)。
勝利手段を変える必要はあるだろうがカードの選択は改善されている。《目くらましの呪文》で《火吹き》を探しにいくこともできるし、《万の眠り》でコンボを守ることもできる。
昔からお気に入りの《現実からの遊離》も姿を現すかもしれない。ほとんどエスパーコンボと同じように複雑な形で、現実からの遊離デッキは《旅するサテュロス》のようなカードにデッキ名となっているオーラを配置して、2マナ以上生み出せるようにした土地から無限のマナを生成する。《交錯の混乱》は《とどろく雷鳴》や《連弾炎》を探してくることができる―後者は《赤の防御円》をうまく回避する。
《欠片の双子》が禁止なったからと言ってPauperでも同様の禁止措置をしなければならないわけではない。《ゴンドの存在》と《深夜の護衛》はしばらくの間フォーマットの隅に存在しているデッキだ。《フェアリーの大群》がゲームの長さを縮めてしまわなければ、このデッキがより大きな成功を収めることもあるかもしれない。《神々との融和》と《ヘリオッドの巡礼者》のようなカードがパーツを集めるのを簡単にし、《巨森の蔦》や《使徒の祝福》が《深夜の護衛》が《稲妻》ですんなり除去されることを防いでくれる。
最後に、これからは《キヅタ小径の住人》を試して最高の住人にしてやる理由がでてくる。《ナントゥーコの鞘虫》や《屍肉喰らい》と《安寧砦の精鋭》と組み合わせることで、こいつは無限のパワーを持ったクリーチャーを作ることができる。《引き裂かれた記憶》や《ディミーア家の護衛》(こいつはサクり台にもなる)があれば、このデッキは《裏切り者の手中》か《消耗の儀式》で非常に簡単に勝利することができる。[訳注]
フォーマットはこれからどうなるだろうか?青単デルバーが突然いなくなることは無いと思う。このデッキは依然として素晴らしいカードが高密度に詰まっている。このデッキは今や《フェアリーの大群》無しで2ターン目における最善の行動を考えなければならないだろう、しかし依然として危険なターンであることに変わりはない。青単デルバーは《呪文づまりのスプライト》のお膳立てとして《フェアリーの悪党》へと移行できそうだ。青いデッキはより攻撃的な1マナ域として《幻影の熊》に立ち返ることもできるし、《ジェスカイの賢者》であれば除去に対抗することができる。《雲ヒレの猛禽》は3番手になるが、この鳥を進化させるためにデッキのいくつかの呪文をクリーチャーにする必要があるだろう。
《目くらまし》も遥かに重要になるだろう。2マナを残しながらクロックを展開することができなくなれば、盤面に干渉し、相手の追撃を止める能力が重要になる。《目くらまし》はすでにいくつかの青単デルバーで使われていて人気は上がっていきそうだ。
デルバーではないデッキは、このことによって1、2ターン目の重要度が高まる。現時点では、このターンには青単デルバーの初動に対応する必要があった。序盤のプレイで小さいクリーチャーに回答できるかもしれない。最初の数ターンで致命的な呪文や飛行クリーチャーを出せるかもしれない、しかしこれらは戦略上重要な要素ではない。たしかに、(ゴブリンやストンピィのように)重複したピースを使うこともないことはないが、これらの1体に頼ろうとするのは疑わしいだろう。《エルフの神秘家》は強力なカードで、かつ現在ほとんど使われていない。《神秘家》とその系譜は依然として脆弱ではあるがマナ加速が除去や打ち消しをされても大きく後れをとる恐れはなく、マナエルフに頼った戦略がもっと増えることになるかもしれない。さらに普段デルバーやフェアリーを処理するための除去の枠を削るような人がいれば、これらのカードが恩恵を受けることになる。
実際、おそらくPauperにおいては今や2ターン目が最重要ターンになるだろう。そのデッキが勝利(あるいは捌ききる)ターンを意味する基本ターン/Fundamental Turnと違って、これは主導権を握れるかどうかのタイミングということだ。禁止が適用されれば、《朽ちゆくヒル》やその類の脅威を2ターン目に展開しようとすることのリスクは小さくなる。今までは君の場に何も出せずに相手には5点のクロックを出されるリスクがあった。これからは、クリーチャーを出しながら《朽ちゆくヒル》のような脅威が止められる場合、最悪でも相手のクロックは3点だ(2体の1/1からの《深き刻の忍者》)。クロックが遅くなることで、序盤に立ち遅れることはもはや致命的ではなくなる。《フェアリーの大群》の禁止は既存の《対抗呪文》を基礎とした戦略を止めはしないだろうが、最高の《対抗呪文》デッキと最高のアグロ・コントロール型との差は広がるだろう。
その他すべてのデッキは新しい常識に適応するのに時間を要するだろう。最高のデッキと最低のデッキとの差は縮まるはずだ。メタゲームは再調整され、今や他の人気のあるデッキと戦うためにサイドボードの枠を割く必要があるだろう。僕が思うには、デッキの人気分布は標準的なものに近づいていくはずだし、毎週ランキングが変化するようなダイナミックなメタゲームが見られるかもしれない。現在のようにハッキリとした上下関係があるのではなくてね。
フォーマットが減速すれば多色デッキが浮上してくる可能性が高い。タルキール覇王譚のゲイン土地はこのフォーマットにとってこの1年で最も重要な収穫だったかもしれない。これらのカードはマナの柔軟性を高めながらビートダウンデッキの攻撃を鈍らせてくれる。ここ最近でこれらのカードに多大な恩恵を受けているデッキと言えばカルドーサ・ジェスカイだ。僕はこれらのカードが、より良いマナのためにターンを飛ばすリスクを負わなければならないという今のフォーマットの常識を変えてくれることを期待している。
これからの数週間でさまざまな構築が見られることだろう。でも1つだけ確かなことがある―すべては変わろうとしている。
そしてそれは素晴らしいことだ。
Keep slingin’ commons-
-Alex
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[訳注] 4マナの《ディミーア家の護衛》では5マナの《裏切り者の咆哮》を変成で探すことはできないですね。
http://puremtgo.com/articles/cloud-burst
By: SpikeBoyM, Alex Ullman
Jan 18 2016 12:00pm
これは僕が1年以上も前から書きたがっていた記事だ。それは僕が特定のカードや戦略を見下しているというわけではなく、むしろPauperのことを心から案じてフォーマットの繁栄を願っているからだ。
それは金曜の深夜か土曜の朝の兆しが見え始めた頃だった。君たちがどこに一日の境目を置くかによるが、僕の電話が騒ぎ始めたのはそんな時だった。僕はいつも通知を全部オフにしておくんだけれど、あるアプリが僕の安眠への願いを上書きしたらしい。朦朧として電話に目をやるとこのサイトのマネージャーであるJoshの歓喜だけが見えたんだ。「逝った! 大群がいなくなった!」
僕が常にPauperのことを考えているわけではない証拠に、僕の返信はただの「?」だった。
妻を邪魔しないように僕は寝室を出てからメッセージを見た、「禁止されたんだ。」
すぐにソースを確認してそれが真実であることを知った。公式リリースを読むと色の偏りを招いたことが禁止の理由であるとわかった。フォーマットに圧力をかけるので僕は《フェアリーの大群》を禁止すべきだと感じているが、よく言うように、敵の敵は味方だ。
そして彼らの理由は決して間違ってはいない。戦乱のゼンディカーシーズンにおいて、全勝デッキでもっとも使われたカードトップ10の内の7枚が青いカードだ。親和とカルドーサ・ジェスカイの2つのデッキがカードを引くために青をタッチしているが、同じ戦略で青タッチをしていないものより遥かに良くなっている。声明では、ウィザーズが集めたデータではこのフォーマットでもっとも使われている土地でないカードの、トップ10の内の9枚が青いカードだと言っている。そしてMTGGoldfishがこれを裏付けている。
こういう姿勢は問題の核心を無視している。《フェアリーの大群》はこのフォーマットにおける対話要素を無視するカードを代表していた。それは単純に強すぎた。青単デルバーでは「ノー」というためのマナを残しながら盤面に脅威を展開するという、最高の2ターン目のアクションだった。それはさまざまなコンボデッキでエンジンの役割を果たしていて、フォーマットの最善の努力にもかかわらず対策への信じられないほどの耐性があった。
禁止の歴史はPauperが「フェア」なフォーマットへ近づいていっていることを示している。ストーム、《雲上の座》、《激励》、そして《宝船の巡航》の排除はウィザーズがコモン全体の歴史よりも現在のコモンの視点でフォーマットを見ていることをほのめかしている。デザイン・開発の最近の例によって僕らがフォーマットに期待すべきパワーレベルの最高値が示されているんだ。ヴィンテージ・マスターズは《金切るときの声》をくれたが《大群》はアンコモンに移された、そしてテンペスト・リマスタードではリミテッドで大活躍の《とどろく雷鳴》が同様に格上げされた。一方でモダンマスターズ2015では《野生の末裔》がレアからコモンに降格した。《熟考漂い》はアンコモンとして印刷され続けているが、僕はそれがフォーマットのパワーの上限になっているんじゃないかと思っている。
この禁止は僕に一時の猶予も与えてはくれない。僕は《大群》がこのフォーマットには強力すぎると信じているが、他の古えのコモンがPauperの中心に取って代わるんじゃないかと慎重になっている。そうはならないと思うけれど、古いカードは残りカスしか使えないようなPauperは見たくない。ありがたいことに、僕は大丈夫だと信じている。
禁止は過ぎたことだ。1月27日以降のフォーマットが未来だ。
《フェアリーの大群》を基礎とするコンボは「生存可能」という地位を直ちに失う。《記憶の壁》と《フェアリーの大群》で《幽霊のゆらめき》をループさせて《賢者街の住人》を繰り返し誘発させることができなければ、どんなコンボデッキも大幅に異なったものになるだろう。《断絶》がフォーマットに残っているなどファミリアの今後に希望がないわけではない。《壁》と《断絶》を使って同じ枠組みでループさせることは依然として可能だが、それはハード・モードでプレイしているようなものだ。
シミック系統の(《肥沃な大地》と《はびこり》で強化された)コンボでマナを生み出そうとしている人へ、いくつかの面白い選択肢がある。《クローサの修復者》と《旅するサテュロス》は驚くほど大量にマナを生み出してくれるし、《精神のくぐつ》や《日夜の苦役》のようなカードと組み合わされば《ケアヴェクの火吹き》で必殺となる量のマナを生みだすことができる。これは Jacob Van Lunen が2009年に提案したこの手のデッキの古いヴァージョンだ(http://archive.wizards.com/Magic/magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/boab/36)。
勝利手段を変える必要はあるだろうがカードの選択は改善されている。《目くらましの呪文》で《火吹き》を探しにいくこともできるし、《万の眠り》でコンボを守ることもできる。
昔からお気に入りの《現実からの遊離》も姿を現すかもしれない。ほとんどエスパーコンボと同じように複雑な形で、現実からの遊離デッキは《旅するサテュロス》のようなカードにデッキ名となっているオーラを配置して、2マナ以上生み出せるようにした土地から無限のマナを生成する。《交錯の混乱》は《とどろく雷鳴》や《連弾炎》を探してくることができる―後者は《赤の防御円》をうまく回避する。
《欠片の双子》が禁止なったからと言ってPauperでも同様の禁止措置をしなければならないわけではない。《ゴンドの存在》と《深夜の護衛》はしばらくの間フォーマットの隅に存在しているデッキだ。《フェアリーの大群》がゲームの長さを縮めてしまわなければ、このデッキがより大きな成功を収めることもあるかもしれない。《神々との融和》と《ヘリオッドの巡礼者》のようなカードがパーツを集めるのを簡単にし、《巨森の蔦》や《使徒の祝福》が《深夜の護衛》が《稲妻》ですんなり除去されることを防いでくれる。
最後に、これからは《キヅタ小径の住人》を試して最高の住人にしてやる理由がでてくる。《ナントゥーコの鞘虫》や《屍肉喰らい》と《安寧砦の精鋭》と組み合わせることで、こいつは無限のパワーを持ったクリーチャーを作ることができる。《引き裂かれた記憶》や《ディミーア家の護衛》(こいつはサクり台にもなる)があれば、このデッキは《裏切り者の手中》か《消耗の儀式》で非常に簡単に勝利することができる。[訳注]
フォーマットはこれからどうなるだろうか?青単デルバーが突然いなくなることは無いと思う。このデッキは依然として素晴らしいカードが高密度に詰まっている。このデッキは今や《フェアリーの大群》無しで2ターン目における最善の行動を考えなければならないだろう、しかし依然として危険なターンであることに変わりはない。青単デルバーは《呪文づまりのスプライト》のお膳立てとして《フェアリーの悪党》へと移行できそうだ。青いデッキはより攻撃的な1マナ域として《幻影の熊》に立ち返ることもできるし、《ジェスカイの賢者》であれば除去に対抗することができる。《雲ヒレの猛禽》は3番手になるが、この鳥を進化させるためにデッキのいくつかの呪文をクリーチャーにする必要があるだろう。
《目くらまし》も遥かに重要になるだろう。2マナを残しながらクロックを展開することができなくなれば、盤面に干渉し、相手の追撃を止める能力が重要になる。《目くらまし》はすでにいくつかの青単デルバーで使われていて人気は上がっていきそうだ。
デルバーではないデッキは、このことによって1、2ターン目の重要度が高まる。現時点では、このターンには青単デルバーの初動に対応する必要があった。序盤のプレイで小さいクリーチャーに回答できるかもしれない。最初の数ターンで致命的な呪文や飛行クリーチャーを出せるかもしれない、しかしこれらは戦略上重要な要素ではない。たしかに、(ゴブリンやストンピィのように)重複したピースを使うこともないことはないが、これらの1体に頼ろうとするのは疑わしいだろう。《エルフの神秘家》は強力なカードで、かつ現在ほとんど使われていない。《神秘家》とその系譜は依然として脆弱ではあるがマナ加速が除去や打ち消しをされても大きく後れをとる恐れはなく、マナエルフに頼った戦略がもっと増えることになるかもしれない。さらに普段デルバーやフェアリーを処理するための除去の枠を削るような人がいれば、これらのカードが恩恵を受けることになる。
実際、おそらくPauperにおいては今や2ターン目が最重要ターンになるだろう。そのデッキが勝利(あるいは捌ききる)ターンを意味する基本ターン/Fundamental Turnと違って、これは主導権を握れるかどうかのタイミングということだ。禁止が適用されれば、《朽ちゆくヒル》やその類の脅威を2ターン目に展開しようとすることのリスクは小さくなる。今までは君の場に何も出せずに相手には5点のクロックを出されるリスクがあった。これからは、クリーチャーを出しながら《朽ちゆくヒル》のような脅威が止められる場合、最悪でも相手のクロックは3点だ(2体の1/1からの《深き刻の忍者》)。クロックが遅くなることで、序盤に立ち遅れることはもはや致命的ではなくなる。《フェアリーの大群》の禁止は既存の《対抗呪文》を基礎とした戦略を止めはしないだろうが、最高の《対抗呪文》デッキと最高のアグロ・コントロール型との差は広がるだろう。
その他すべてのデッキは新しい常識に適応するのに時間を要するだろう。最高のデッキと最低のデッキとの差は縮まるはずだ。メタゲームは再調整され、今や他の人気のあるデッキと戦うためにサイドボードの枠を割く必要があるだろう。僕が思うには、デッキの人気分布は標準的なものに近づいていくはずだし、毎週ランキングが変化するようなダイナミックなメタゲームが見られるかもしれない。現在のようにハッキリとした上下関係があるのではなくてね。
フォーマットが減速すれば多色デッキが浮上してくる可能性が高い。タルキール覇王譚のゲイン土地はこのフォーマットにとってこの1年で最も重要な収穫だったかもしれない。これらのカードはマナの柔軟性を高めながらビートダウンデッキの攻撃を鈍らせてくれる。ここ最近でこれらのカードに多大な恩恵を受けているデッキと言えばカルドーサ・ジェスカイだ。僕はこれらのカードが、より良いマナのためにターンを飛ばすリスクを負わなければならないという今のフォーマットの常識を変えてくれることを期待している。
これからの数週間でさまざまな構築が見られることだろう。でも1つだけ確かなことがある―すべては変わろうとしている。
そしてそれは素晴らしいことだ。
Keep slingin’ commons-
-Alex
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[訳注] 4マナの《ディミーア家の護衛》では5マナの《裏切り者の咆哮》を変成で探すことはできないですね。
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