【翻訳】Pauper’s Fate Reforged by Alex Ullman 運命再編Pauperレビュー
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【翻訳】Pauper’s Fate Reforged by Alex Ullman 運命再編Pauperレビュー
恒例の最新セットレビューになります。
もう少し早く訳すつもりだったけれど、MOのプレリリースに間に合ったからまあ良しとするか。
拙訳ですがよろしければどうぞ







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Pauper’s Fate Reforged(http://puremtgo.com/articles/paupers-fate-reforged

By: SpikeBoyM, Alex Ullman
Jan 12 2015 12:00pm

今年もまたあの季節がやって来た。カレンダーが掛け替えられ、コモン使い達が、ほとんど歯に詰まったスジみたいなカードを探すためだけにスポイラーに噛り付く時だ。それがエターナルフォーマットの現実さ―その参入障壁は驚くほど高い。

Pauperではこれが深刻化している。全く新しいアーキタイプを生み出す能力や、末端のデッキに信憑性を与えるような能力をコモンが持っていることはとても稀だ。むしろこのレアリティはメカニズムのもっとも基礎的な導入とカラーパイの増強を目立たたせるために利用される。論理的には僕らがPauperで見かけるデッキは、色やギルドの異なる時代精神を反映する傾向がある―与えられたカードプールの中で流れに乗るのは当然だ。カラーホイールの原理を学ぶために必要なのは、基礎をより総合的に理解しようとPauperに目を向けることだけなんだ。

それじゃあ運命再編で再び過去に戻ろう。タルキール覇王譚とタルキール龍紀伝の両方へと繋がる小型セットであることで、何かしらぶっ飛んだカードは少ない可能性がある。このセットのコモンは、2つの(ということになっている)異なるドラフトフォーマットを支えながらも、その両者にまとまりを感じさせなければならないという制限がある。マジックのデザインとして意欲的でファンの視点から素晴らしいものであっても、Pauperプレイヤー達には「このセットは僕らに何をしてくれるんだい?」という疑問が残るかもしれない。

答えはそれ程でもないだ。誤解しないでくれ―このセットは素晴らしく見えるし、僕はリミテッド、キューブ、そして統率者でそれらのカードを手にするのを待ちきれない。Pauperには、《アスフォデルの灰色商人》や《宝船の巡航》の影響を受け止めるための選択肢がまだ少ない。運命再編には、エスパーコンボがベッド下の怪物だとする僕の表明に対して、影響を及ぼすようなカードはない。

Pauper、それはエターナルフォーマットであり、前述した高い参入障壁がある。セットを最初に見る時、僕は軽いカード―1マナか2マナ―に気を配る、それは直ちに影響を及ぼすものだ。3マナ以上では、その影響はだいたいコストに対して指数関数的に小さく見積もらなければいけない。現在、あらゆる種類のコストを軽減する要素がある―探査はこの最新の例だが、重たい緑のカードもここに分類される―しかし、大抵の場合は新しいカードが影響を持つのにはもっと高い水準が必要だ。

運命再編はこの性質を持ったカードをいくつか収録している。《アブザンの優位/Abzan Advantage(FRF)》はそんなカードの1つで、小さいクリーチャーの危険度を上げつつ厄介なエンチャントを排除することができる。呪禁のミラーでこういうカードは面白い。パッとしない選択肢だけどね。《楽園の拡散》や《豊かな成長》を剥がしながら《林間隠れの斥候》をより危険なものにできることもあるだろう。《アブザンの優位》は、サイドに《血まみれの書の呪い》勝ちを入れている青コントロールと戦おうとする際に効果を発揮するかもしれない。《アブザンの優位》の欠点は対象を取れないことで、そのため複数のエンチャントを採用したデッキにはゲームが長引くにつれて弱くなっていく。デッキがエンチャントと戦うために最終的にこれを採用したとしても僕は驚かないだろうが、現時点では古い選択肢が持つ柔軟性のほうが魅力的だ。

《砂草原ののけ者/Sandsteppe Outcast(FRF)》はどちらを選んでも3マナでパワー3相当になる。最高水準とは言えないが、これは両方のタイプの白ウィニー[訳注:トークンと非トークン]で許容できる。《のけ者》は選択肢を持つという特性によってさらに幾らか魅力的になっている。3点の攻撃力を2/1のクリーチャーと1/1の飛行クリーチャーに分割できる能力は実際かなり良いものだ。これを《従者つきの騎士》と《マルドゥの軍族長》と比較すると―両者は同じだけの量のパワーを用意してくれるがそれは地上だけなんだ。《宿命の旅人》や《金切るときの声》のように「タダで」1/1の飛行クリーチャーが得られることが立証されているカードは過小評価しないほうがいい。《砂草原ののけ者》のスピリットのモードにはさらに《チェイナーの布告》耐性が備わっている。これだけで見直す価値があるね。

白ウィニーは、根本的には、相手の除去の無力化を目的としたデッキだ。伝統的なバージョンはArmy In A Canとなるクリーチャーを使っている[訳注:そういう缶詰の兵隊の玩具があるらしい]。そうすると《忠実な聖戦士》へ向けた《稲妻》や《見栄え損ない》は全てその半分の仕事しかしないことになる。《砂草原ののけ者》はこの枠組みにフィットするし、除去呪文を積んでいないデッキに対して3/2が良い脅威になることもある。決してゲームを変えるものではないが、《砂草原ののけ者》は攻撃的な白いデッキの競争力のある枠としては非常に強力な候補になる。

果敢は、興味深いPauperのパズルをもたらす。《秘密を掘り下げる者》、《窯の悪鬼》そして《ニヴィックスのサイクロプス》のようなカードは攻撃用呪文の強さを引きだしてくれる。+1のボーナスでは一撃必殺の機会が減ってしまうということを別にすれば、果敢も同じようなものだ。その代わり、多くの軽い呪文に1点ダメージのキッカーを加えてくれる。《ジェスカイの学徒》への僕の情熱は文章にしてある(http://puremtgo.com/articles/student-teaching-pauper)、その熱狂も《ジェスカイの賢者/Jeskai Sage(FRF)》には程遠い。《賢者》は明らかに脆弱だけれど呪文にとって良い色に属している。それに加えて除去ととても美味しい交換をしてくれるんだ。《ジェスカイの賢者》がより攻撃的な《秘密を掘り下げる者》デッキの2マナ域として《凍結燃焼の奇魔》と入れ替わるのは簡単に想像できるし、もし《フェアリーの大群》が禁止になったら結局枠を獲得するだろう。

《ジェスカイの学徒》を支持する2つの主な理由がある。まず第一に自然な《稲妻》耐性があること―どんな呪文も赤の主要カードへの良い対策になる。第二に白いデッキが《神々の思し召し》を使えるということ。フォーマットの常連ではないとはいえ、《神々の思し召し》は《ジェスカイの学徒》と組み合わさると、次の果敢のお膳立てをしながらあらゆる種類の除去呪文から守ることができる。こんなふうに、《神々の思し召し》は特定の状況でスターを演じてくれる。ほとんどのセットがPauperにもたらすのはまさにこういう種類のカードだ。

前にも触れたように、探査は重たい呪文をはるかに唱えやすくすることでなにかしら本格的なMagicを見せてくれる。《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler(FRF)》はそんなカードの1つだ。《スゥルタイのゴミあさり》と《わめき騒ぐマンドリル》は同じようだがそれぞれタフネスが3と4であり、そのせいで両者とも《炎の斬りつけ》と《感電破》には脆弱だ。《グルマグのアンコウ》は5というタフネスでこれを緩和している。それは5/5で、Pauperで最も軽い殴り手の可能性を秘めている。他のフォーマットに目を向けて、ちょっと《タルモゴイフ》とこのゾンビ魚を比較してみてくれ。モダンとレガシーの常連はだいたい普通は2マナ4/5だ。理想では《グルマグのアンコウ》は同じコストで同等の効果を発揮するはずだ、つまり少なくとも5枚のカードが墓地にあるという意味でね。どうやったらこれが実現できるだろうか?

青を出発点にするのが妥当じゃないかと思う。1ターン目に《広漠なる変幻地》と《ギタクシア派の調査》からスタートすれば、3ターン目の《グルマグのアンコウ》までには後ちょうど《思考掃き》1枚分だ。《秘密を掘り下げる者》とチームを組んだディミーア風味のテンポデッキであれば、これは《グルマグのアンコウ》にとって不可能なことではないと思う。例えば:
青黒デルバー
クリーチャー 12枚
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets(ISD)》
4 《ジェスカイの賢者/Jeskai Sage(FRF)》
4 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler(FRF)》

その他の呪文 28枚
3 《宝船の巡航/Treasure Cruise(KTK)》
4 《マナ漏出/Mana Leak(STH)》
4 《蒸気の絡みつき/Vapor Snag(NPH)》
4 《思案/Ponder(M12)》
4 《定業/Preordain(M11)》
4 《思考掃き/Thought Scour(DKA)》
3 《恐ろしい死/Ghastly Demise(ODY)》
2 《希望の喪失/Lose Hope(5DN)》

土地 20枚
4 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse(TSP)》
4 《陰鬱な僻地/Dismal Backwater(KTK)》
7 《島/Island》
5 《沼/Swamp》
もちろん、他の選択肢は存在する。緑なら《サテュロスの道探し》、《神々との融和》そして他の墓地活用が使える。赤なら《信仰無き物あさり》とブロッカーを排除するための軽い火力を与えてくれる。けれども、《ジェスカイの賢者》と《秘密を掘り下げる者》によって追加のダメージを与える能力のほうがワクワクするね。

赤は運命再編から最も恩恵を受ける立場にある色だ。《巻き添え被害/Collateral Damage(FRF)》は多くのデメリット付きの《稲妻》の内の新しい一枚だ。こいつのデメリットは自らのクリーチャーを1体失うこと。バーンは《欠片の飛来》を大いに活用することが出来るがそのコストとなるのは土地だ、《巻き添え被害》は《モグの戦争司令官》のようなカードのおかげでゴブリンによく馴染む。通常、ゴブリンはお馴染みの《稲妻》を補うカードを使っていて、時にそれは《Chain Lightning》に落ち着くだろう。対戦相手が《山》を使わないことを選択していれば《Chain Lightning》は素晴らしい、しかし《巻き添え被害》は公開されているメタゲームではより安全な選択肢だ。《巻き添え被害》がインスタントであるということも、ゴブリンデッキが対戦相手のターン終了時にゲームを終わらせるのを簡単にしてくれる。

その微妙な差は、疾駆を持つ2体のゴブリンが群れに加わることを考えると重要になってくる。《ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter(FRF)》は黒単コントロールや《尖塔のゴーレム》デッキのように、単独のブロッカーを用意するデッキとのゲーム終盤においてダメージを押し込む後押しができるので面白い。《マルドゥの斥候/Mardu Scout(FRF)》は、その一方でゲームのどの局面でもまあまあの脅威として素晴らしいし、《鋳造所通りの住人》を繰り返し強化することもできる。《マルドゥの斥候》は盤面の構築を邪魔することなく、ゴブリンの終盤のマナをより上手に活用できるようにもしてくれる。テストはしていないが、運命再編後のゴブリンのリストはこんな感じになるかもしれない:
ゴブリン再編
クリーチャー 34枚
4 《鋳造所通りの住人/Foundry Street Denizen(GTC)》
4 《モグの略奪者/Mogg Raider(TMP)》
3 《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder(ONS)》
4 《ゴブリンの群勢/Goblin Cohort(BOK)》
4 《モグの徴集兵部隊/Mogg Conscripts(TMP)》
3 《火花鍛冶/Sparksmith(ONS)》
4 《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker(ZEN)》
4 《モグの戦争司令官/Mogg War Marshal(TSP)》
3 《マルドゥの斥候/Mardu Scout(FRF)》
1 《ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter(FRF)》

その他の呪文 8枚
4 《稲妻/Lightning Bolt(4ED)》
2 《死の火花/Death Spark(ALL)》
2 《巻き添え被害/Collateral Damage(FRF)》

土地 18枚
18 《山/Mountain》


《荒野の囁く者/Whisperer of the Wilds(FRF)》は面白い緑のカードだ、居場所がないという点を別にすればね。1マナから2マナにジャンプすることは重要だが、Pauperのスピードはこのマナクリをちょっと遅すぎるものにしてしまう。同じようにして、《開拓地のマストドン/Frontier Mastodon(FRF)》は1マナ域に《怨恨》を付けて獰猛を達成できるストンピィデッキで馴染みそうだが、単純にもっとマナ効率の良い選択肢があるかもしれない。

金枠のカードのサイクルはPauperに《過酷な命の糧/Harsh Sustenance(FRF)》をくれた。白黒トークンの戦略に最もふさわしく、そのデッキの核は《金切るときの声》と《三つぞろいの霊魂》によって既に存在している。トークンによるインスタントスピードの元気玉を撃つために、《磨かれたやせ地》や《オルゾフのギルド門》の枠をいくつか割くというのは想像に難くない。

このレビューをまとめる前に、予示について語らせてくれ。6枚のコモンが登場しており、各色にあってさらに《天上の待ち伏せ》がある、この新能力はPauperでは強力に見えるが僕はどのくらい強力なのかが正確には分からない。この議論のために《魂の召喚/Soul Summons(FRF)》《スゥルタイの使者/Sultai Emissary(FRF)》そして《実在への書き込み/Write into Being(FRF)》を見てみようと思う、これらはそのマナコスト故にもっとも見かけることになりそうだからね。

予示は君のデッキトップのカード一枚をクリーチャーへと変える。それだけで注目するには十分だ、それはライブラリーからカードを取り除き、拡大解釈かも知れないが場に直接カードを引くということができるからだ。占術やその他のライブラリー操作と組み合わせれば、予示カードはどんなクリーチャーも古代の変異を持ったようなものに変えることができる。

白ウィニーに戻って《魂の召喚》を見てみよう。白ウィニーは伝統的にクリーチャー密度の高いデッキで、《魂の召喚》はクリーチャーを引き当てる可能性が高い。もし《宿命の旅人》や《忠実な聖戦士》が予示されたとしたらワクワクできるね。2/2は大抵の場合は除去を撃ってもらえるが、これら2種類のクリーチャーに表返ったならある意味では君はカード1枚分得したことになる。大抵の場合《ショック》系のカードはこういう除去耐性のあるクリーチャーの処理には使われないからね。

《実在への書き込み》は攻撃のためのクリーチャーとして機能するが、《秘密を掘り下げる者》との関係では呪文である。疑似的な占術能力と組み合わせれば、《実在への書き込み》が使われることも有り得なくはない。そうは言っても、《実在への書き込み》はデルバーとは異なる居場所が必要であり、おそらく《虚空魔道士の弟子》が使えるようになるほど強くはないだろう。

《スゥルタイの使者》は《グールの解体人》と非常によく似ているが、デッキに積まれたクリーチャーは別だ。死亡したときにずっと大きなクリーチャーを引き当てることもあり得るぶん《スゥルタイの使者》は遥かに強力だ。《皮を剥ぐ者》はその《破滅の刃》能力によって魅力的になる。ゾンビはすでに最前線の部族であり、こういったカードはそのデッキをかつてのPauperの一端に押し戻すかもしれない。
ゾンビ再編
クリーチャー 34枚
4 《屍肉喰らい/Carrion Feeder(SCG)》
4 《臓物の予見者/Viscera Seer(M11)》
4 《朽ちゆくネズミ/Rotting Rats(CON)》
4 《皮を剥ぐ者/Skinthinner(LGN)》
4 《グール起こし/Ghoulraiser(ISD)》
4 《臓物を引きずる者/Viscera Dragger(ALA)》
4 《グールの解体人/Butcher Ghoul(AVR)》
4 《スゥルタイの使者/Sultai Emissary(FRF)》
2 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler(FRF)》

その他の呪文 8枚
4 《名も無き転置/Nameless Inversion(LRW)》
4 《強迫/Duress(USG)》

土地 18枚
18 《沼/Swamp》


運命再編はPauperに興味深い選択肢をもたらすが、その環境を変えるものではない。これが僕が取り上げたいカード達だ:
4 《アブザンの優位/Abzan Advantage(FRF)》
4 《砂草原ののけ者/Sandsteppe Outcast(FRF)》
4 《魂の召喚/Soul Summons(FRF)》
4 《ジェスカイの賢者/Jeskai Sage(FRF)》
4 《実在への書き込み/Write into Being(FRF)》
4 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler(FRF)》
4 《スゥルタイの使者/Sultai Emissary(FRF)》
4 《巻き添え被害/Collateral Damage(FRF)》
4 《ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter(FRF)》
4 《マルドゥの斥候/Mardu Scout(FRF)》
4 《ティムールの激闘/Temur Battle Rage(FRF)》
4 《開拓地のマストドン/Frontier Mastodon(FRF)》
4 《荒野の囁く者/Whisperer of the Wilds(FRF)》
4 《過酷な命の糧/Harsh Sustenance(FRF)》


Keep slingin’ commons-

-Alex
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訳注:《ティムールの激闘》の評価は忘れていたらしい。コメントでは、ウィー=ゼロックスで試してみて損はないかな、とのことでした。

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