A Second Bout Of Madness(http://www.starcitygames.com/article/28760_A-Second-Bout-Of-Madness.html)
※前編翻訳(http://surucucu.diarynote.jp/201406151737402758/)
ALEX ULLMAN
6/23/14
「ヴィンテージマスターズがPauperの景色を変えてしまった」なんて言いたいものだ。「《甲虫背の酋長》と《斑の子猪》がそれをズタズタにしてるよ」って言うのはそんなに面白くない。
少なくとも、公開されている結果では大した変化は無いので、僕はそんなふうに言うことが出来ない。
話はここ数週間変わっていない:手頃なイベントが無く、Pauperの独創性は停滞している。プレミアイベントは立たない―普通のプレイヤーにとっては終了するのに時間がかかり過ぎる。このフォーマットにデイリーイベントは無く、勝ち抜きキューを立たせようとするのは骨が折れる。このような要因から、フォーマットは新技術への適応が遅れている―時代の先を行こうとするための動機が存在しないんだ。
ウィザーズが、例の製品の開発においてPauperというフォーマットを考慮したと公言した(http://urx.nu/9I1K)ということを考えれば、彼らが全コモンの戦いの未来を、良く見通したいということは理解できる。感心を集める最良の方法は、簡単に遊べて参加者にとって時間を費やす価値のあるイベントを設けることだ。ウィザーズがMagic Onlineを現実世界の製品の再現にしたいのであればPauperデイリーイベントは維持できないかもしれないが、Pauperプレイヤーのはけ口を提供するために似たようなものを作ることは出来るだろう。16人スイスキューは新しいトーナメント形式だが、最適解と言えるだろう。これはプレイヤー達に自分の時間を注ぎ込むための(半日かかるプレミアイベントと比べて)手頃な手段を与えてくれるし、実際にいくつかのゲームをしてデッキをテスト出来る十分なラウンドを与えてくれる。
一度統一されたクライアントが出来てしまえば、Magic Onlineをもっと活気のあるコミュニティと遊び場にするために、対戦オプションを拡張する取り組みが起こるだろう。この問題に対して僕が楽観的すぎることは認める。去年の11月からPauperが立ち直るためにはいくつかの事が成されなければならない、そして僕はそれが成される日を辛抱強く待っている。僕は試してみたい素敵なリストを沢山持っているからね。
このリストの最前列は青緑マッドネスだ。今や《尊大なワーム》と《堂々巡り》はPauperで使うことができ、楽しさと利益のためにカードを捨てる以外のことはほとんどしていない。けれども、公平のために言うと、僕は少なくとも4月からカードを捨てることをしていた。僕は《島》と《森》と共にゲームを始めることを熱望し、6月13日がやって来ると前回の記事のリストをプレイし始めた。
いくつかの欠点は急速に明らかになった。《シュラバザメ》、公認のテスト枠は、結局期待よりずっと使えなかった。《尊大なワーム》はこのデッキの最高の部分であることが分かり、協力して4/4で殴る機会を増やすために《熊人間》の数を4枚に増やした。この変更を助けるために、《入念な研究》を投入した。
いやはや、僕が始めにこのソーサリーを抜いていたのは間違いだったね。最初のリストを振り返って見ると僕は複数の道を歩もうとしていた。テンポデッキであり、ビートダウンであり、アグロコントロールだった。《入念な研究》を入れて数ゲームした後、僕がこのデッキを間違ってプレイしていたことが明らかになった。青緑マッドネスはビートダウンだ。たまたま打消し呪文の形で対応力を持っていて、マッドネスとスレッショルドのおかげでコンボっぽく見えるだけだ。
言い換えれば―第一ターンに《島》から2体の《日を浴びるルートワラ》を唱えて新しいカード2枚に替えてこそ、やっと本当に味わうことが出来るってことだ。
じゃあなんで3枚だけなのか?最初の《入念な研究》は君のエンジンを始動させてくれるが、どの後続もその前のものよりちょっと弱いんだ。追加の1枚を入れる事がある時点で正しいこともあり得るが、当分の間、僕は3枚でプレイすることに満足している。
《綿密な分析》は《熟慮》よりはるかに強力だった。それだけで無く、僕は対戦相手のターンの終了時にカードを引くことでこれ以上時間を浪費したくなかった―そのタイミングはワームを出す時だ。僕は自分のマナを、呪文を唱えるか《野生の雑種犬》でディスカードするために積極的に使いたかった、そのため《ウーナの寵愛》は真の価値を引きだされることなくデッキを去ることになった。
マナの最適化への転換は《波止場の用心棒》が重荷になるということを意味していた。追加の《送還》では、マッドネス呪文に余分なマナを上乗せする価値はない。適切に機能させるために、このリストでは少なくとも10枚の共鳴者を持っておきたい。僕は最終的に《波止場の用心棒》を《マーフォークの物あさり》と入れ替えた。元祖ルーターは好印象だったので、結局2枚に増やした。それから3枚だ。君のカードが平均して相手のものより優れているのなら、《マーフォークの物あさり》は積極的なゲームプランで上手く働いてくれる。追加のカードを引いてコストが減った呪文を唱えるか、《堂々巡り》で相手のビッグプレイを狙い撃つのはどんな時でも最高の動きだ。
マナの利用に焦点を当てることによる別の帰結はバウンス呪文の変化だった。《残響する真実》は大抵の場合重い《送還》だったが《送還》は弱い《蒸気の絡みつき》だった、なので今は《蒸気の絡みつき》をメインに入れている。《尊大なワーム》を唱えようとするためにマナを残さないわけにはいかないので、《マナ漏出》も働きが悪かった。《目くらまし》は、その一方でタダだ。2色デッキで《目くらまし》を積むのは特に本物のデュアルランドが無い場合は大きなリスクだが、ここでは利点がリスクを上回った。第一に、君が守っている脅威は対処されなければ十分ゲームに勝つことが出来る。第二に、《島》を戻すことは《野生の雑種犬》や《マーフォークの物あさり》の更なる燃料になる。
これらの所見によって僕はこのリストに行きついた:
僕が新しいデッキをプレイする時に気にすることの1つは、どのくらいの頻度で、負けている状態から勝つことが出来ると感じるかだ。このデッキでは僕は「常に」そのように感じている。盤面とライフで後れを取っていても、わずかなトップデッキでゲームに勝つことが出来るんだ。Pauperの比較的均一なパワーレベルを考えると、これは全ての新しいデッキで起こることではない。その理由は青緑マッドネスが真のシナジーデッキだからだ。フォーマットにおける他の最高のデッキ―デルバーテンポと黒単コントロール―と違って、このデッキは各パーツの総和よりもはるかに強力になるような一本の構造に沿って作られている。もちろん、デルバーには《フェアリーの大群》と《呪文づまりのスプライト》がいるし黒単コンには《アスフォデルの灰色商人》を強化する信心がある。このデッキの全てのカードは他のカードと都合よく相互作用する、「パワー・タフネスを入れ替えるためにディスカードする」という行為でさえね。これは結局、全ての個々のカードが対戦相手のものよりわずかに強力であることを意味する。マッドネスはスパルタだ、彼らは侵略軍なんだ。
マッドネスはPauperのメタゲームの面白い場所を占める。最近僕は現在のPauperのメタゲームについて考察した(http://urx.nu/9Tg8)、デッキは大体同じだが、僕はもう少し先に進んでどの候補も以下の事に対処する必要があると言いたい:
・青単デルバー
・黒単コントロール
・クリーチャーによるビートダウン、バーン、親和
・ウルザトロンのような遅いコントロールデッキ
・エスパーコンボのようなコンボデッキ
何が変わったか?黒単コントロールは単にメタゲームの主要な構成要素として考慮される存在ではなくなった。黒単コンはシングルエリミネーションキューで少なくとも1ラウンドを勝つための堅実な選択で、クリーチャー主体のデッキと《ニヴィックスのサイクロプス》・《窯の悪鬼)》アグロ・コンボのどちらをも支配することが出来る。そのことはデルバーへの優位性を損ないはしないし、このデッキは最近になって《チェイナーの布告》まで手に入れたんだ。
マッドネスはメタゲームの重鎮達と戦う武器を持っている。デルバーよりも上手くインスタントスピードのゲームをすることができる。《尊大なワーム》は《呪文づまりのスプライト》を嘲笑い、一方で《堂々巡り》と《目くらまし)》がデルバーの貧弱なマナベースに対して素晴らしい仕事をする。《野生の雑種犬》も、後半の土地全てを追加のダメージに代えられるので《尖塔のゴーレム》に対してより良いカードだ。デルバー対マッドネスのマッチアップはAdrain Sullivanの戦略的機会(http://urx.nu/9TDG)の典型だ。マッドネス使いは、勝利の実現のためにコントロールからビートダウンへとなめらかに移行しなければならない。通常このタイミングは、何とか4/4を通すことができたときに訪れる。青い仮想的は巨大なクリーチャーへの実質的な回答を持っておらず、1体の殴り手は通常速やかにゲームを終わらせてくれる。
黒単コントロールはほとんどその真逆だ。デルバーに対しては、マッドネスは攻撃すべき時まではコントロールのように戦いたい。黒単コンが相手の場合は、相手の除去を無効化してリソースを守って攻撃をすることが目的となる。これは貧弱な《日を浴びるルートワラ》や《アクアミーバ》は《ゲスの評決》の妨害となる傾向があることを意味する。一たび《熊人間》や《尊大なワーム》に繋がれば、目標は、確実にそれらで殴って自身の仕事をさせることだ。《蒸気の絡みつき》が《送還》よりも役に立つ場合があるとするならここが正にそれだろう。
メタゲームの他の因子に遭遇した場合、マッドネスは典型的なアグロコントロールの領域を占めることになる。親和とその他の攻撃的なデッキには、君のクリーチャーが支配的な地位を確立するまでカウンターやリソース交換をしていかなければならない。コントロールとコンボは早めに踏み潰すべきで、《堂々巡り》はビートダウンプランを後押しするのに使う。デルバーと黒単コンとのマッチアップと違って、マッドネスはこれらの対戦では比較的地味な役割を果たす。コントロールとのマッチアップはその動的な性質から有利になっている。
この多様性こそがマッドネスを魅力的な選択にしてくれている。いつでも、ある役割から別の役割へと移行する準備が整っているということが、簡単にメタゲーム上での独自の位置を占めさせてくれる。分類的には異様だが、マッドネスはタップアウト・テンポ・ポジティヴ・ビートダウンなんだ。このようにして僕が言っているのは、マッドネスは盤面を進展させ脅威を確立するために、毎ターン最大限にマナを使おうとしているということだ。テンポアドバンテージを得ることのできるインチキな巨大クリーチャーがこれを可能にしてくれる。積極的な姿勢でこれを行うことで、ビートダウンへとシフトする。マッドネスを別の姿勢―本当のテンポやアグロコントロール―で構築することは可能だが、僕はこの構成が現在のPauperで戦うには最高のものだと感じている。
このように動作させるために、マッドネスは少なくとも10枚の共鳴者を必要とする。4枚の《野生の雑種犬》は最高の卑怯者として必須で、僕らの全ての戦略を有効にしてくれるだけでなく、何もないところから勝利をもたらしてもくれる。《アクアミーバ》は爆発的ではないがマナも起動コストも無しでディスカード出来る事から同様に必要だ。《マーフォークの物あさり》は夢のようなカードだ。理想的には2枚半を使いたいところだが、これは銀枠世界ではない。1枚を《コー追われの物あさり》にすることも可能だが、マーフォークが《尊大なワーム/Arrogant Wurm(TOR)》をキャントリップに替えつつマッドネスデッキにインスタントスピードのゲームをさせてくれるのに、シャドークリーチャーは僕らをソーサリースピードに押し戻してしまうという点で間違っている。《波止場の用心棒》はいくつかのマッチアップで輝く:親和が盤面を確立させるのを止められるし《窯の悪鬼》と《ニヴィックスのサイクロプス》デッキを大幅に妨害することが出来る。残念ながら、起動にかかる追加のマナコストのせいでサイドボードに降格だ。
このサイドボードは僕がこれまでテストしてきたものだ。このデッキはシナジーに大きく依存しているので、サイドボーディングには悲観的な見通しだ。例えば、エスパーコンボに対する《大祖始の遺産》のようなハッキリとしたバレットは別にして、全てのカードはテンポ・ポジティヴなゲームプランを進めるためのものだ。どのカードもマッチのリズムを操ることが目的なんだ―《帰化》でさえも、《マイアの処罰者》(ついでに言うと《教議会の座席》)に対する世界一の《送還》になる。追加の15枚はダイヤルを調節するためのもので、11枚にしているわけではない。
このデッキを伝統的なテンポデッキに向けて構築するとしたら、僕はいくつかの重要な変更を加えるだろう。まず《アクアミーバ》を最大限に入れ、メインデッキに《波止場の用心棒》のための1,2枚のスペースを作る、おそらく《マーフォークの物あさり》を1枚に減らしそうだ。バウンス呪文を増やすための《目くらまし》を切ることも良く考えたいし、徹底的に《綿密な分析》の「勝ち確のときに雑種犬で捨ててフラッシュバックする」プレイを促進することにも目を向けていきたい。
[訳注:”exactsies”が辞書に載っていないMTG用語だったんですが、”確定した勝利”みたいに訳しました。《雑種犬》の攻撃が必ず通る状況で、《綿密な分析》を3回分のパンプに替えて手札を注ぎ込んで勝利する、というプレイングを意図しています。誤訳だったらご容赦下さい]
ここでは《蒸気の絡みつき》は攻撃的なツールよりも負担になるかもしれない。《送還》を第一のテンポ呪文として考慮し直し、最古のトリックを補完するために《乱動への突入》と《残響する真実》のような選択肢も試してみたい。
潜在的テンポ・マッドネスデッキはこんな感じだろうか:
テンポ重視バージョンのマッドネスは固まったメタゲームにおいてはるかに魅力的で、他の全てのデッキに対してテンポアドバンテージを獲る能力を押し出すことができる。現状では、このデッキは《アスフォデルの灰色商人》の解決を止める手段が少ないために黒単コントロールに対して弱い。《ニヴィックスのサイクロプス》と《マイアの処罰者》に立ち向かうのも心配だ、これらの戦略は、僕らが押し戻すことの出来る状態からすぐに回復することができる。
青緑マッドネスはマジックの歴史の中でも強力なデッキだ。広範囲のデッキと戦うための柔軟性を維持しながら、対応力もある。このデッキはメタゲームが多様なPauperで輝くことができる。理由は単純だ―《尊大なワーム》を瞬速で出すのはコモンのフォーマットにおいて可能な最強のプレイの1つだからだ。
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初っ端にある「《甲虫背の酋長》と《斑の子猪》がどうのこうの」の部分も良く意味が分かりませんでしたがとりあえず訳してみました。何か面白いことでも言ってるのかなこれ?
前回の記事にあったリストをテストプレイして調整してできた、青緑マッドネスの完成版です。毎ターンマナを最大限に使ったテンポの良いビートダウンへと洗練されました。個人的には、《入念な研究》のように単体ではアドバンテージを失うカードは苦手なんですが、しっかりシナジーがあれば使用に耐えるようです。
良さそうだと思いつつも高価なので自分では試さずにいた《目くらまし》、4枚投入とは思い切っていますね。後半腐ってしまってもディスカードに使えるというデッキの特性上、こういうことができる訳ですね。
ちょっと心配なのは《熊人間》。まあまあのカードパワーを持ってはいますが、墓地対策に非常に弱い。墓地対策をとっているデッキは現状そんなに多くはないとはいえ、黒単はほとんど負担なしに《ボジューカの沼》を積むことができる。一度墓地を掃除されてからすぐにスレッショルドを達成しなおすのは難しいので、タイミングの良い《ボジューカ》で戦線が崩壊することもありそうです。
黒単といえば、青単への相性を大幅に改善してくれている《クォムバッジの魔女/Cuombajj Witches(CHR)》がいます。このマッドネスデッキはタフネス1が多いので刺さりそうですねえ。
青緑は除去が乏しい色なので、このデッキではバウンスが多用されていますね。《水流破》、《鎖の呪い》、《珊瑚の網》などを採りたくなりますが、そこはテンポや柔軟性を重視した結果なんでしょう。
記事の冒頭で言及されていたように、7月16日のメンテナンスによってMagic Onlineは完全に新クライアントに移行します。これで色んなことがスッキリすれば、無くなったイベントや新しいイベントの開催もされるかもしれませんね。移行してすぐは皆わちゃわちゃしてそれどころじゃないかもしれませんが、期待したいと思います。
※前編翻訳(http://surucucu.diarynote.jp/201406151737402758/)
ALEX ULLMAN
6/23/14
「ヴィンテージマスターズがPauperの景色を変えてしまった」なんて言いたいものだ。「《甲虫背の酋長》と《斑の子猪》がそれをズタズタにしてるよ」って言うのはそんなに面白くない。
少なくとも、公開されている結果では大した変化は無いので、僕はそんなふうに言うことが出来ない。
話はここ数週間変わっていない:手頃なイベントが無く、Pauperの独創性は停滞している。プレミアイベントは立たない―普通のプレイヤーにとっては終了するのに時間がかかり過ぎる。このフォーマットにデイリーイベントは無く、勝ち抜きキューを立たせようとするのは骨が折れる。このような要因から、フォーマットは新技術への適応が遅れている―時代の先を行こうとするための動機が存在しないんだ。
ウィザーズが、例の製品の開発においてPauperというフォーマットを考慮したと公言した(http://urx.nu/9I1K)ということを考えれば、彼らが全コモンの戦いの未来を、良く見通したいということは理解できる。感心を集める最良の方法は、簡単に遊べて参加者にとって時間を費やす価値のあるイベントを設けることだ。ウィザーズがMagic Onlineを現実世界の製品の再現にしたいのであればPauperデイリーイベントは維持できないかもしれないが、Pauperプレイヤーのはけ口を提供するために似たようなものを作ることは出来るだろう。16人スイスキューは新しいトーナメント形式だが、最適解と言えるだろう。これはプレイヤー達に自分の時間を注ぎ込むための(半日かかるプレミアイベントと比べて)手頃な手段を与えてくれるし、実際にいくつかのゲームをしてデッキをテスト出来る十分なラウンドを与えてくれる。
一度統一されたクライアントが出来てしまえば、Magic Onlineをもっと活気のあるコミュニティと遊び場にするために、対戦オプションを拡張する取り組みが起こるだろう。この問題に対して僕が楽観的すぎることは認める。去年の11月からPauperが立ち直るためにはいくつかの事が成されなければならない、そして僕はそれが成される日を辛抱強く待っている。僕は試してみたい素敵なリストを沢山持っているからね。
このリストの最前列は青緑マッドネスだ。今や《尊大なワーム》と《堂々巡り》はPauperで使うことができ、楽しさと利益のためにカードを捨てる以外のことはほとんどしていない。けれども、公平のために言うと、僕は少なくとも4月からカードを捨てることをしていた。僕は《島》と《森》と共にゲームを始めることを熱望し、6月13日がやって来ると前回の記事のリストをプレイし始めた。
Pauper Madness
Alex Ullman
Creatures (20)
4 《アクアミーバ/Aquamoeba(TOR)》
4 《尊大なワーム/Arrogant Wurm(TOR)》
4 《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla(TOR)》
1 《シュラバザメ/Shambleshark(GTC)》
1 《波止場の用心棒/Waterfront Bouncer(MMQ)》
2 《熊人間/Werebear(ODY)》
4 《野生の雑種犬/Wild Mongrel(ODY)》
Lands (22)
9 《森》
9 《島》
2 《シミックのギルド門/Simic Guildgate(GTC)》
2 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse(TSP)》
Spells (18)
4 《堂々巡り/Circular Logic(TOR)》
2 《残響する真実/Echoing Truth(DST)》
4 《マナ漏出/Mana Leak(STH)》
1 《ウーナの寵愛/Oona’s Grace(EVE)》
3 《熟慮/Think Twice(TSP)》
1 《送還/Unsummon(4ED)》
1 《蒸気の絡みつき/Vapor Snag(NPH)》
2 《綿密な分析/Deep Analysis(TOR)》
いくつかの欠点は急速に明らかになった。《シュラバザメ》、公認のテスト枠は、結局期待よりずっと使えなかった。《尊大なワーム》はこのデッキの最高の部分であることが分かり、協力して4/4で殴る機会を増やすために《熊人間》の数を4枚に増やした。この変更を助けるために、《入念な研究》を投入した。
いやはや、僕が始めにこのソーサリーを抜いていたのは間違いだったね。最初のリストを振り返って見ると僕は複数の道を歩もうとしていた。テンポデッキであり、ビートダウンであり、アグロコントロールだった。《入念な研究》を入れて数ゲームした後、僕がこのデッキを間違ってプレイしていたことが明らかになった。青緑マッドネスはビートダウンだ。たまたま打消し呪文の形で対応力を持っていて、マッドネスとスレッショルドのおかげでコンボっぽく見えるだけだ。
言い換えれば―第一ターンに《島》から2体の《日を浴びるルートワラ》を唱えて新しいカード2枚に替えてこそ、やっと本当に味わうことが出来るってことだ。
じゃあなんで3枚だけなのか?最初の《入念な研究》は君のエンジンを始動させてくれるが、どの後続もその前のものよりちょっと弱いんだ。追加の1枚を入れる事がある時点で正しいこともあり得るが、当分の間、僕は3枚でプレイすることに満足している。
《綿密な分析》は《熟慮》よりはるかに強力だった。それだけで無く、僕は対戦相手のターンの終了時にカードを引くことでこれ以上時間を浪費したくなかった―そのタイミングはワームを出す時だ。僕は自分のマナを、呪文を唱えるか《野生の雑種犬》でディスカードするために積極的に使いたかった、そのため《ウーナの寵愛》は真の価値を引きだされることなくデッキを去ることになった。
マナの最適化への転換は《波止場の用心棒》が重荷になるということを意味していた。追加の《送還》では、マッドネス呪文に余分なマナを上乗せする価値はない。適切に機能させるために、このリストでは少なくとも10枚の共鳴者を持っておきたい。僕は最終的に《波止場の用心棒》を《マーフォークの物あさり》と入れ替えた。元祖ルーターは好印象だったので、結局2枚に増やした。それから3枚だ。君のカードが平均して相手のものより優れているのなら、《マーフォークの物あさり》は積極的なゲームプランで上手く働いてくれる。追加のカードを引いてコストが減った呪文を唱えるか、《堂々巡り》で相手のビッグプレイを狙い撃つのはどんな時でも最高の動きだ。
マナの利用に焦点を当てることによる別の帰結はバウンス呪文の変化だった。《残響する真実》は大抵の場合重い《送還》だったが《送還》は弱い《蒸気の絡みつき》だった、なので今は《蒸気の絡みつき》をメインに入れている。《尊大なワーム》を唱えようとするためにマナを残さないわけにはいかないので、《マナ漏出》も働きが悪かった。《目くらまし》は、その一方でタダだ。2色デッキで《目くらまし》を積むのは特に本物のデュアルランドが無い場合は大きなリスクだが、ここでは利点がリスクを上回った。第一に、君が守っている脅威は対処されなければ十分ゲームに勝つことが出来る。第二に、《島》を戻すことは《野生の雑種犬》や《マーフォークの物あさり》の更なる燃料になる。
これらの所見によって僕はこのリストに行きついた:
U/G Madness
Alex Ullman
Creatures (22)
3 《アクアミーバ/Aquamoeba(TOR)》
4 《尊大なワーム/Arrogant Wurm(TOR)》
4 《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla(TOR)》
3 《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter(EXO)》
4 《熊人間/Werebear(ODY)》
4 《野生の雑種犬/Wild Mongrel(ODY)》
Lands (22)
8 《森》
10 《島》
2 《シミックのギルド門/Simic Guildgate(GTC)》
2 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse(TSP)》
Spells (16)
4 《堂々巡り/Circular Logic(TOR)》
4 《目くらまし/Daze(NEM)》
2 《蒸気の絡みつき/Vapor Snag(NPH)》
3 《入念な研究/Careful Study(ODY)》
3 《綿密な分析/Deep Analysis(TOR)》
Sideboard
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus(ALA)》
2 《波止場の用心棒/Waterfront Bouncer(MMQ)》
2 《残響する真実/Echoing Truth(DST)》
2 《一瞬の平和/Moment’s Peace(ODY)》
3 《帰化/Naturalize(ONS)》
1 《急流/Rushing River(PLS)》
1 《蒸気の絡みつき/Vapor Snag(NPH)》
2 《ワイアウッドのかぎ爪/Claws of Wirewood(SCG)》
僕が新しいデッキをプレイする時に気にすることの1つは、どのくらいの頻度で、負けている状態から勝つことが出来ると感じるかだ。このデッキでは僕は「常に」そのように感じている。盤面とライフで後れを取っていても、わずかなトップデッキでゲームに勝つことが出来るんだ。Pauperの比較的均一なパワーレベルを考えると、これは全ての新しいデッキで起こることではない。その理由は青緑マッドネスが真のシナジーデッキだからだ。フォーマットにおける他の最高のデッキ―デルバーテンポと黒単コントロール―と違って、このデッキは各パーツの総和よりもはるかに強力になるような一本の構造に沿って作られている。もちろん、デルバーには《フェアリーの大群》と《呪文づまりのスプライト》がいるし黒単コンには《アスフォデルの灰色商人》を強化する信心がある。このデッキの全てのカードは他のカードと都合よく相互作用する、「パワー・タフネスを入れ替えるためにディスカードする」という行為でさえね。これは結局、全ての個々のカードが対戦相手のものよりわずかに強力であることを意味する。マッドネスはスパルタだ、彼らは侵略軍なんだ。
マッドネスはPauperのメタゲームの面白い場所を占める。最近僕は現在のPauperのメタゲームについて考察した(http://urx.nu/9Tg8)、デッキは大体同じだが、僕はもう少し先に進んでどの候補も以下の事に対処する必要があると言いたい:
・青単デルバー
・黒単コントロール
・クリーチャーによるビートダウン、バーン、親和
・ウルザトロンのような遅いコントロールデッキ
・エスパーコンボのようなコンボデッキ
何が変わったか?黒単コントロールは単にメタゲームの主要な構成要素として考慮される存在ではなくなった。黒単コンはシングルエリミネーションキューで少なくとも1ラウンドを勝つための堅実な選択で、クリーチャー主体のデッキと《ニヴィックスのサイクロプス》・《窯の悪鬼)》アグロ・コンボのどちらをも支配することが出来る。そのことはデルバーへの優位性を損ないはしないし、このデッキは最近になって《チェイナーの布告》まで手に入れたんだ。
マッドネスはメタゲームの重鎮達と戦う武器を持っている。デルバーよりも上手くインスタントスピードのゲームをすることができる。《尊大なワーム》は《呪文づまりのスプライト》を嘲笑い、一方で《堂々巡り》と《目くらまし)》がデルバーの貧弱なマナベースに対して素晴らしい仕事をする。《野生の雑種犬》も、後半の土地全てを追加のダメージに代えられるので《尖塔のゴーレム》に対してより良いカードだ。デルバー対マッドネスのマッチアップはAdrain Sullivanの戦略的機会(http://urx.nu/9TDG)の典型だ。マッドネス使いは、勝利の実現のためにコントロールからビートダウンへとなめらかに移行しなければならない。通常このタイミングは、何とか4/4を通すことができたときに訪れる。青い仮想的は巨大なクリーチャーへの実質的な回答を持っておらず、1体の殴り手は通常速やかにゲームを終わらせてくれる。
黒単コントロールはほとんどその真逆だ。デルバーに対しては、マッドネスは攻撃すべき時まではコントロールのように戦いたい。黒単コンが相手の場合は、相手の除去を無効化してリソースを守って攻撃をすることが目的となる。これは貧弱な《日を浴びるルートワラ》や《アクアミーバ》は《ゲスの評決》の妨害となる傾向があることを意味する。一たび《熊人間》や《尊大なワーム》に繋がれば、目標は、確実にそれらで殴って自身の仕事をさせることだ。《蒸気の絡みつき》が《送還》よりも役に立つ場合があるとするならここが正にそれだろう。
メタゲームの他の因子に遭遇した場合、マッドネスは典型的なアグロコントロールの領域を占めることになる。親和とその他の攻撃的なデッキには、君のクリーチャーが支配的な地位を確立するまでカウンターやリソース交換をしていかなければならない。コントロールとコンボは早めに踏み潰すべきで、《堂々巡り》はビートダウンプランを後押しするのに使う。デルバーと黒単コンとのマッチアップと違って、マッドネスはこれらの対戦では比較的地味な役割を果たす。コントロールとのマッチアップはその動的な性質から有利になっている。
この多様性こそがマッドネスを魅力的な選択にしてくれている。いつでも、ある役割から別の役割へと移行する準備が整っているということが、簡単にメタゲーム上での独自の位置を占めさせてくれる。分類的には異様だが、マッドネスはタップアウト・テンポ・ポジティヴ・ビートダウンなんだ。このようにして僕が言っているのは、マッドネスは盤面を進展させ脅威を確立するために、毎ターン最大限にマナを使おうとしているということだ。テンポアドバンテージを得ることのできるインチキな巨大クリーチャーがこれを可能にしてくれる。積極的な姿勢でこれを行うことで、ビートダウンへとシフトする。マッドネスを別の姿勢―本当のテンポやアグロコントロール―で構築することは可能だが、僕はこの構成が現在のPauperで戦うには最高のものだと感じている。
このように動作させるために、マッドネスは少なくとも10枚の共鳴者を必要とする。4枚の《野生の雑種犬》は最高の卑怯者として必須で、僕らの全ての戦略を有効にしてくれるだけでなく、何もないところから勝利をもたらしてもくれる。《アクアミーバ》は爆発的ではないがマナも起動コストも無しでディスカード出来る事から同様に必要だ。《マーフォークの物あさり》は夢のようなカードだ。理想的には2枚半を使いたいところだが、これは銀枠世界ではない。1枚を《コー追われの物あさり》にすることも可能だが、マーフォークが《尊大なワーム/Arrogant Wurm(TOR)》をキャントリップに替えつつマッドネスデッキにインスタントスピードのゲームをさせてくれるのに、シャドークリーチャーは僕らをソーサリースピードに押し戻してしまうという点で間違っている。《波止場の用心棒》はいくつかのマッチアップで輝く:親和が盤面を確立させるのを止められるし《窯の悪鬼》と《ニヴィックスのサイクロプス》デッキを大幅に妨害することが出来る。残念ながら、起動にかかる追加のマナコストのせいでサイドボードに降格だ。
このサイドボードは僕がこれまでテストしてきたものだ。このデッキはシナジーに大きく依存しているので、サイドボーディングには悲観的な見通しだ。例えば、エスパーコンボに対する《大祖始の遺産》のようなハッキリとしたバレットは別にして、全てのカードはテンポ・ポジティヴなゲームプランを進めるためのものだ。どのカードもマッチのリズムを操ることが目的なんだ―《帰化》でさえも、《マイアの処罰者》(ついでに言うと《教議会の座席》)に対する世界一の《送還》になる。追加の15枚はダイヤルを調節するためのもので、11枚にしているわけではない。
このデッキを伝統的なテンポデッキに向けて構築するとしたら、僕はいくつかの重要な変更を加えるだろう。まず《アクアミーバ》を最大限に入れ、メインデッキに《波止場の用心棒》のための1,2枚のスペースを作る、おそらく《マーフォークの物あさり》を1枚に減らしそうだ。バウンス呪文を増やすための《目くらまし》を切ることも良く考えたいし、徹底的に《綿密な分析》の「勝ち確のときに雑種犬で捨ててフラッシュバックする」プレイを促進することにも目を向けていきたい。
[訳注:”exactsies”が辞書に載っていないMTG用語だったんですが、”確定した勝利”みたいに訳しました。《雑種犬》の攻撃が必ず通る状況で、《綿密な分析》を3回分のパンプに替えて手札を注ぎ込んで勝利する、というプレイングを意図しています。誤訳だったらご容赦下さい]
ここでは《蒸気の絡みつき》は攻撃的なツールよりも負担になるかもしれない。《送還》を第一のテンポ呪文として考慮し直し、最古のトリックを補完するために《乱動への突入》と《残響する真実》のような選択肢も試してみたい。
潜在的テンポ・マッドネスデッキはこんな感じだろうか:
Tempo Madness
Alex Ullman
Creatures (22)
4 《アクアミーバ/Aquamoeba(TOR)》
4 《尊大なワーム/Arrogant Wurm(TOR)》
4 《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla(TOR)》
1 《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter(EXO)》
1 《波止場の用心棒/Waterfront Bouncer(MMQ)》
4 《熊人間/Werebear(ODY)》
4 《野生の雑種犬/Wild Mongrel(ODY)》
Lands (22)
8 《森》
10 《島》
4 《シミックのギルド門/Simic Guildgate(GTC)》
Spells (16)
4 《堂々巡り/Circular Logic(TOR)》
1 《乱動への突入/Into the Roil(ZEN)》
4 《送還/Unsummon(4ED)》
3 《入念な研究/Careful Study(ODY)》
4 《綿密な分析/Deep Analysis(TOR)》
テンポ重視バージョンのマッドネスは固まったメタゲームにおいてはるかに魅力的で、他の全てのデッキに対してテンポアドバンテージを獲る能力を押し出すことができる。現状では、このデッキは《アスフォデルの灰色商人》の解決を止める手段が少ないために黒単コントロールに対して弱い。《ニヴィックスのサイクロプス》と《マイアの処罰者》に立ち向かうのも心配だ、これらの戦略は、僕らが押し戻すことの出来る状態からすぐに回復することができる。
青緑マッドネスはマジックの歴史の中でも強力なデッキだ。広範囲のデッキと戦うための柔軟性を維持しながら、対応力もある。このデッキはメタゲームが多様なPauperで輝くことができる。理由は単純だ―《尊大なワーム》を瞬速で出すのはコモンのフォーマットにおいて可能な最強のプレイの1つだからだ。
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初っ端にある「《甲虫背の酋長》と《斑の子猪》がどうのこうの」の部分も良く意味が分かりませんでしたがとりあえず訳してみました。何か面白いことでも言ってるのかなこれ?
前回の記事にあったリストをテストプレイして調整してできた、青緑マッドネスの完成版です。毎ターンマナを最大限に使ったテンポの良いビートダウンへと洗練されました。個人的には、《入念な研究》のように単体ではアドバンテージを失うカードは苦手なんですが、しっかりシナジーがあれば使用に耐えるようです。
良さそうだと思いつつも高価なので自分では試さずにいた《目くらまし》、4枚投入とは思い切っていますね。後半腐ってしまってもディスカードに使えるというデッキの特性上、こういうことができる訳ですね。
ちょっと心配なのは《熊人間》。まあまあのカードパワーを持ってはいますが、墓地対策に非常に弱い。墓地対策をとっているデッキは現状そんなに多くはないとはいえ、黒単はほとんど負担なしに《ボジューカの沼》を積むことができる。一度墓地を掃除されてからすぐにスレッショルドを達成しなおすのは難しいので、タイミングの良い《ボジューカ》で戦線が崩壊することもありそうです。
黒単といえば、青単への相性を大幅に改善してくれている《クォムバッジの魔女/Cuombajj Witches(CHR)》がいます。このマッドネスデッキはタフネス1が多いので刺さりそうですねえ。
青緑は除去が乏しい色なので、このデッキではバウンスが多用されていますね。《水流破》、《鎖の呪い》、《珊瑚の網》などを採りたくなりますが、そこはテンポや柔軟性を重視した結果なんでしょう。
記事の冒頭で言及されていたように、7月16日のメンテナンスによってMagic Onlineは完全に新クライアントに移行します。これで色んなことがスッキリすれば、無くなったイベントや新しいイベントの開催もされるかもしれませんね。移行してすぐは皆わちゃわちゃしてそれどころじゃないかもしれませんが、期待したいと思います。
コメント
VMAのレビューも書いたからそれは分かっちゃいたんだけど、どうもしっくり来なくて・・・。
本筋と関係ない導入部分で訳に詰まって出鼻をくじかれることはままある。
堂々巡りと相性が悪過ぎるせいかコー追われの物あさりが使われませんね。
強いのに。
自分が以前作ったPauper青緑マッドネスでは、コー追われはしっかりルーターの仕事をしながらも、怨恨なんかがつくと厄介なクロックになってくれる良いクリーチャーでした。現状、尊大なワームのおかげで打点は十分あり、ルーターは戦闘に参加する必要はない状態なんで、そこで堂々巡りも打ちたいとなれば元祖ルーターを使いたくなっちゃいますねえ。