思ったよりも早いタイミングでフルスポイラーが出ました。
プレビューでは派手な神話やレアが先に公開されるので、Pauperプレイヤーとしては最後に一度にコモンが公開されるこのタイミングが一番興奮しますね。

色別に順番に見ていくことにしましょう。









まずは白から。
《アクロスの空護衛/Akroan Skyguard(BNG)》
小型の《天馬の乗り手/Wingsteed Rider(THS)》。《天馬の乗り手/Wingsteed Rider(THS)》はPauperでは重すぎたけれどスタンダードPauperでは使用されるレベルのクリーチャーでした。《アクロスの空護衛/Akroan Skyguard(BNG)》はより軽くなって使いやすくなったと思います。しかし、白にはクリーチャーを対象にする良い呪文が少ないです(特に緑と比較して)。有望なのは《天上の鎧/Ethereal Armor(RTR)》や《希望の幻霊/Hopeful Eidolon(THS)》でしょうか。後に登場する授与クリーチャーと合わせて英雄的デッキを組んでみるのも面白いかもしれません。クリーチャータイプが人間・兵士というのもポイントですね。

《忠実なペガサス/Loyal Pegasus(BNG)》
素晴らしいコストパフォーマンスのクリーチャー。しかし無視できない制限が付いています。良く似ている《軍用隼/War Falcon(M13)》と比較するとデメリットが目立ちます。《軍用隼/War Falcon(M13)》はPauperで使われた実績を持ちますが、特に優秀だったのは《昆虫の逸脱者/Insectile Aberration(ISD)》をブロックして討ち取ることが出来たことでした。もちろん単独で。《忠実なペガサス/Loyal Pegasus(BNG)》にはこれが出来ません。さらに《軍用隼/War Falcon(M13)》にはクリーチャータイプの制限はあるものの、2ターン目に攻撃できる利点もありました。《忠実なペガサス/Loyal Pegasus(BNG)》が《軍用隼/War Falcon(M13)》の位置を奪うのは難しそうです。

《ニクス生まれの盾の仲間/Nyxborn Shieldmate(BNG)》
軽い授与クリーチャーです。授与クリーチャーの素晴らしい点は《天上の鎧/Ethereal Armor(RTR)》をパワーアップさせることです。それ故に緑白呪禁オーラにとって検討する余地があります。残念なのは、あまりにも特徴が無いことですね。これを使うくらいならば1マナ余分に払って《希望の幻霊/Hopeful Eidolon(THS)》や《葉冠のドライアド/Leafcrown Dryad(THS)》を使った方がいいと思います。





次は青です。
《保護色/Crypsis(BNG)》
基本的には攻撃してきた相手を討ち取る使い方を考えますね。体にペイントを施すだけでダメージも負わなくなるとは凄い。もちろんブロックされなくすることを利用して最後の一撃を通しても良い。しかしこの使い方だと、《巧みな回避/Artful Dodge(DKA)》、《シャドーの裂け目/Shadow Rift(TMP)》などを押しのけるのは無理でしょうね。現状だと入るデッキが思い付かないけれど面白いカードですね。

《無効化/Nullify(BNG)》
《本質の散乱/Essence Scatter(M10)》の色拘束が強くなったらオーラ呪文も打ち消せるようになりました。環境に存在するオーラ呪文と言えば、まず《怨恨/Rancor(ULG)》。そして緑白呪禁オーラが使用する各種のオーラ。これらのデッキと戦うときは《剥奪/Deprive(ROE)》より優先してもいいかもしれません。テーロスブロックではかなりの数のオーラが出たので、スタンダードPauperでは青の定番カードになるかも?

《スフィンクスの信奉者/Sphinx’s Disciple(BNG)》
これは重い。《熟考漂い/Mulldrifter》と同じくらい重い。それでも《熟考漂い/Mulldrifter(LRW)》よりもアドバンテージを稼げる可能性を持っています。継続的に攻撃出来れば良いアドバンテージ源になってくれるし、《現実からの遊離/Freed from the Real(SOK)》と組み合わせてみるのも面白い。場に出てすぐに仕事をしない点から、コンボ的に運用するのが似合っていると思います。神々の軍勢では沢山のタップ能力を与えるオーラが登場しているから、それらと組み合わせてみたいですね。デッキを考えてみましょう。






続いては黒。
《目抉り/Eye Gouge(BNG)》
待て待て待て。テーロス次元にどれだけサイクロプスが居るんだ。《都市国家の破壊者/Polis Crusher(THS)》くらいのものか?何でこんなにピンポイントな除去が印刷されてしまったのか、僕は真剣に《ニヴィックスのサイクロプス/Nivix Cyclops(DGM)》がPauperで暴れすぎたからではないかと懸念しています。但し、サイクロプス以外には-1/-1にしかならないということから、サイドカードに採られることは無いと思っています。もしこれがソーサリーで-2/-2の修整であったなら涙が止まらなかったところです。
そういえば環境には最強のサイクロプスが居ましたね。《変わり谷/Mutavault(M14)》には目が1つしかないらしい。

《湿原霧のタイタン/Marshmist Titan(BNG)》
まるで親和みたいな能力です。《湿原霧のタイタン/Marshmist Titan(BNG)》の4/5というサイズは親和の主力である4/4クリーチャーを一方的に打ち取れることから、Pauperではかなり重要ですね。2ターン目に《貪欲なるネズミ/Ravenous Rats(UDS)》、3ターン目に《騒がしいネズミ/Chittering Rats(DST)》と展開すれば、4ターン目に登場することも出来ます。しかしこれが軽く展開出来るということは、十分に展開が終わっているということでもあるのでオーバーキルなカードかもしれません。《ダウスィーの殺害者/Dauthi Slayer(TMP)》などを入れた黒単ウィニーに入れるとかなりの脅威になりそうです。これでクリーチャータイプがゾンビであったらもっと良かったんですけどね。

《ティマレットの召使い/Servant of Tymaret(BNG)》
再生と神啓の組み合わせは面白いです。もっと軽くてタフネスが低かった方が再生する機会が多くて強かったかもしれません。再生コストが重いのが気になりますが、良い時間稼ぎにはなってくれそうです。多人数戦では鬱陶しいクリーチャーになること間違いないでしょう。
あの殺人王、ティマレットの召使いとは、長生きできなそうな仕事だなあ。






いよいよ赤。
《一つ目峠のサイクロプス/Cyclops of One-Eyed Pass(BNG)》
なるほど。《目抉り/Eye Gouge(BNG)》はこいつのためのカードだったのか。こういうフレーバーもマジックの面白いところ。

《クラグマの解体者/Kragma Butcher(BNG)》
3マナで4/3と考えればコストパフォーマンスは上々か?素のサイズは2/3で3マナとしては普通。流石にPauperで活躍するレベルではないかな。

《ニクス生まれのお調子者/Nyxborn Rollicker(BNG)》
とにかく軽い授与。それにしたって普通過ぎる。何かこの軽さを生かす手段は無いかな。うーん、厳しいか。

《洗い流す砂/Scouring Sands(BNG)》
《電謀/Electrickery(RTR)》と比較すると、2マナでしか打てないこと、ソーサリーであることがデメリット。そうまでして占術がしたいかが問題ですが、多分したくないでしょう。《電謀/Electrickery(RTR)》は偉大ですねえ。





最後に緑。
《ハイドラの血/Aspect of Hydra(BNG)》
信心が3つでようやく《巨大化/Giant Growth(RTR)》。信心が4つ以上あれば《地うねり/Groundswell(WWK)》クラスのカードになります。緑単ストンピィでは、《ガラクの仲間/Garruk’s Companion(M12)》を使えば信心を稼ぎやすくなります。+5まで望めるならデッキに入れてもいいと思います。エルフでの使用を考えるなら、《ワイアウッドの誇り/Wirewood Pride(ONS)》と競合することになりますが、ダブルシンボルのエルフが少ないのと、エルフトークンを出す《リス・アラナの狩りの達人/Lys Alana Huntmaster(LRW)》の存在を考えるとやはり《ワイアウッドの誇り/Wirewood Pride(ONS)》の方が良いかな。信心というメカニズムはデッキの構築段階に影響を与えて面白いですね。

《ケイラメトラの好意/Karametra’s Favor(BNG)》
これは緑白呪禁オーラの追加の白マナ源になるかもしれません。とにかく、カードを引けるのが素晴らしいですね。2マナというのは若干重いですが選択肢にはなると思います。

《フィーリーズ団の精鋭兵/Pheres-Band Tromper(BNG)》
専用のデッキを組めば相当大きくなる可能性を秘めているクリーチャー。普通に運用しても、一度攻撃し始めることが出来ればどんどん対処するのが難しくなります。悠長過ぎるかもしれませんが、4マナ3/3という最低限のサイズは備えています。マナ加速から速いターンに出して攻撃し始めれば楽しいかもしれません。

《セテッサの誓約者/Setessan Oathsworn(BNG)》
3マナ1/1というのは当然重すぎますが、+1/+1カウンター2つというのは無視できないです。例えば、《エルフの神秘家/Elvish Mystic(M14)》から2ターン目に《セテッサの誓約者/Setessan Oathsworn(BNG)》。3ターン目に《怨恨/Rancor(ULG)》を付けて5/3トランプル。土地をプレイして《ハイドラの血/Aspect of Hydra(BNG)》2枚で17/15で攻撃。後には9/7が残る。もちろんこれは上手くいった場合ですが、緑には英雄的を誘発する素晴らしい呪文が多く揃っているので試してみてもいいかもしれない。






今回、多色とアーティファクトにはコモンは存在しません。
《バネ葉の太鼓/Springleaf Drum(LRW)》がアンコモンに格上げになってしまったのは、神啓との組み合わせがスタンダードPauperで実現できなくなってしまって少し悲しいですね。





特に注目するカードは、

《アクロスの空護衛/Akroan Skyguard(BNG)》

《スフィンクスの信奉者/Sphinx’s Disciple(BNG)》

《湿原霧のタイタン/Marshmist Titan(BNG)》

《ハイドラの血/Aspect of Hydra(BNG)》

《セテッサの誓約者/Setessan Oathsworn(BNG)》

他に注目するコモンがあったら是非とも教えて下さい。

コメント

藤丼
2014年1月24日20:37

湿原霧のタイタンは黒単信心で大活躍でしょう
これまで戦線を支えるクリーチャーが欠けていたので、
レガシーの墓忍びの様なポジションになりそうです

他では撤回のらせんですね
消し去りの才覚の同型再販ですが、以前ぴぃさんが開発されておられた
ミラディン人のスパイがMOを賑やかしてくれそうな予感がします

surucucu
2014年1月25日16:26

なるほど、同型再版である以上環境に影響は与えまいと思ったんですが、単純に8枚積めるようになったことは意味を持ちますね。神啓との組み合わせも考えてみたくなります

nophoto
One
2014年1月26日0:12

今回の神々の軍勢のコモンはちょっとの工夫でなんやかんやシナジーに
なりそうなカードが多い気がします。
特にエンチャント・クリーチャーはスピリットであることが多いので
オーラ術師や樹海の古松でアドバンテージが稼げないものか思案

ぴぃ
2014年1月26日12:08

コメント書こうとしたら藤丼さんが言いたいこと書いてくれてました。
《湿原霧のタイタン》は黒信心に入る可能性ありますね。堕落と商人以外に殴りに行くって勝ちパターンが増えるのが厄介。ただ《ドロスのゴーレム》が現状使われてないところを見るに、コスト軽減クリーチャーはこのデッキでは重要でないかもですね。むしろ両方で組んだら神話並に展開する黒単デッキが出来るかもしれない。

撤回のらせんは暴れさせるつもりでおります。

surucucu
2014年1月26日13:46

>>Oneさん
スピリットってところには注目していませんでした。戦隊の鷹とブレストのように、地味な方法でアドをとるようなデッキも作れそうですね。むしろ拷問生活デッキの方が近いかな?

>>ぴぃさん
ドロスのゴーレムに黒マナが含まれていたらそれこそ金属カエルとマイアの処罰者のような関係ができてステキでしたね。それでも十分デッキになる可能性は秘めていると思います

撤回のらせんには期待させて頂きます

藤丼
2014年1月26日15:54

>>ぴぃさん
人様のコメント欄で恐縮ですが、ミラディン人のスパイのレシピは衝撃的でした
ただ、目くらましの呪文だけはご自身でも不満の残る点ではなかったでしょうか
今回ラストピースが埋まったことで上位を狙えるデッキだと思います

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