土日にPEに出続けていたら、なかなか時間が取れずに短い記事の翻訳がこんなに遅くなってしまいました。
1月2日に掲載された2013年のPauperを振り返る記事です。
AlexさんはPauper界で最も精力的な人間の1人でしょう。今年の活躍にも期待したいです。

拙訳ですがよろしければどうぞ




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A Pauper’s Year In Review(http://www.starcitygames.com/article/27631_A-Paupers-Year-In-Review-.html


ALEX ULLMAN
1/02/14

Pauperは流動的なフォーマットだ。2013年から2014年へとカレンダーをめくるに際して、コモンフォーマットはその最大の手荒な修整を経ながら、ウィザーズから注目と参加を集める当たり年を外れていっている。ウィザーズがPauperをデイリーイベントのローテーションから外したことをきっかけに、過去12ヶ月でPauperがどこまで来たのかの正確なところは忘れられがちだ。2回の禁止と(隠れていたとはいえ)モダンマスターズのいくつかの恩恵、そして突然のPauperの供給の変化はおそらくもはや配置転換ではなく終末に見える。

一月:《巣穴からの総出/Empty the Warrens(TSP)》、《ぶどう弾/Grapeshot(TSP)》、《激励/Invigorate(CMD)》禁止
これらの禁止の前のPauperは、使っているデッキよりもシルバーバレットを持っているかどうかのフォーマットになってしまっていた。《巣穴からの総出/Empty the Warrens》は《残響する衰微/Echoing Decay(DST)》、《残響する真実/Echoing Truth(DST)》、《Holy Light(DRK)》そして《電謀/Electrickery(RTR)》によって最も簡単に解答することが出来た。緑でさえも《砂嵐/Sandstorm(MIR)》で楽しんでいた!《ぶどう弾/Grapeshot(TSP)》は、一方、はるかに解答が難しかった。唯一《心優しき一角獣/Benevolent Unicorn(MIR)》のみがコモンのストームのフィニッシュ呪文を完全に撃退出来たが、それは信じられないくらい簡単にクリーチャーと全ての物を処理することが出来た。

コンボはフォーマットにとって良いものだったという一般的な総意にも関わらず、これらの2つのカードは取り除かれる必要があった。ストームはコモンでは回答できないメカニズムのままだ。最も手に入れやすいカードは同時に最も扱いやすいべきだ;コモンで印刷されたストームへの回答は未だに理に適っていないし、新世界秩序はそれを変えていない。コモンは世界の光景を描くとともにリミテッドのバックボーンを提供してくれる―マジックの歴史の中で最も壊れたメカニズムの1つへの回答は調和できていない。Pauperがこれら2つのモダンマスターズでの素晴らしい新アートを利用できなかったのはもったいないことだ。

《激励/Invigorate(MMQ)》は全く話が別だ。壊れていたのはそれ自身というよりむしろ、「無料」の強化呪文と感染クリーチャーとの組み合わせだった。代替コストのライフゲインは毒によって勝つには実質無意味だった。《ぎらつかせのエルフ/Glistener Elf(NPH)》や《水蓮の花びら/Lotus Petal(TMP)》経由の《胆液爪のマイア/Ichorclaw Myr(SOM)》は感染デッキが2ターンという速さで勝てることを意味していた。効果的で限定的な除去(《消灯/Curfew(USG)》のような)が無ければ、ゲームは終わっていた。

ストームカードと違って、《激励/Invigorate(MMQ)》の問題を直したりするのは簡単では無かった。それはエターナルマジックの犠牲者だった―10年以上離れて印刷されたカードの意図しない相互作用だ。このカードはどんなデッキも1ターン目のクリーチャーに回答出来ないという抑圧的な環境を生み出した。《激励/Invigorate(MMQ)》は他のデッキの繁栄を許容するために去らなければならなかった。

これらの禁止は直接の影響を与えた。フォーマットは遥かに遅くなり、よりクリーチャー主体のデッキが候補として浮上した。白ウィニーとラッツ(《発掘/Unearth(ULG)》ベース)のようなデッキは一月の禁止を受けて真価を発揮した。

しかしながら、前述のカードをPauperから取り除いたことは遥かに油断ならない何かを解き放った。結局のところ、感染と伝統的ストームは《雲上の座/Cloudpost(MRD)》と《時間の亀裂/Temporal Fissure(SCG)》の強力なコンビを抑え込んでいたんだ。しかしそれ以上のことは後にしよう。

モダンマスターズはPauperにわずかに新しいツールをくれた、まだ多大な影響を与えたものは無いがね。僕は《巣穴からの総出/Empty the Warrens(TSP)》と《ぶどう弾/Grapeshot(TSP)》の新しいアートはPauperへの贈り物だったと考えている。これらのカードは他のフォーマットで使われているのが見られるが、モダンマスターズの開発中にはPauperで支配的だった。もちろん、これらのカードは新アートを楽しむ前に摘出されてしまったが、僕は新アートがコモン使い達にとって喜ばしいものだったとまだ信じているよ。

9月:《雲上の座/Cloudpost(MRD)》&《時間の亀裂/Temporal Fissure(SCG)》禁止
第一弾の禁止の後、フォーマットは健全になったように見えた。それは違っていた。感染とストームはフォーマットにとって良くなかったが、それらはフォーマットの最重要ターンを短く保って《雲上の座/Cloudpost(MRD)》に睨みをきかせていた。これらの制限要素が無くなって、ミラディンから来たマナエンジンは繁栄することが出来た。神座には2つの特色がある。まず、「公平な」有力なコントロールデッキであるイゼットポストだ、これは最高の打消し呪文と赤のボードコントロール要素で他のコントロールデッキをフォーマットから駆逐した。《とどろく雷鳴/Rolling Thunder(TMP)》か《転覆/Capsize(TMP)》ロックによるゲームエンドは他の色が出来ることに比べて単純に良いものだった。これは《雲上の座/Cloudpost(MRD)》の1つの功績だ。

他のものは、《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker(AVR)》を《フェアリーの大群/Cloud of Faeries(ULG)》と《記憶の壁/Mnemonic Wall(ROE)》で回して任意の大きさのストームカウントを生み出して対戦相手の全てのパーマネントに《時間の亀裂/Temporal Fissure(SCG)》を唱えるというものだ。これはメタゲームでの呪禁オーラを妥当なものにし、《ニヴィックスのサイクロプス/Nivix Cyclops(DGM)》による1撃死をビート戦略へと変えた。ウィザーズは1月の段階で明らかに《時間の亀裂/Temporal Fissure(SCG)》の禁止の可能性を検討していたが、その激しい関係ほどに支配的であると証明されないことを期待してカードを通過させてしまった。

これらのカードをPauperのプールから取り除くことは、フォーマットにおける盤面で戦うデッキへの不利を低下させた。白ウィニーとラッツ―1月の禁止以降最初に見られるようになったが《時間の亀裂/Temporal Fissure(SCG)》との対戦に問題の有るデッキ―を戻ってこさせた。デルバーデッキはストームの年の間もフォーマットのトップかその近くに居続けたが、それらは10月に使われ始めたデッキを抑制してしまうほど強力ではなかった。現在は、分析したり試したりするためのデイリーイベントが無くなってしまったために何が最高のデッキかははっきりとは分からない。

現在の状況
僕が以前述べたように、Pauperは過渡期にあるフォーマットだ。ウィザーズがパウパーのデイリーイベントが戻ってこない代わりに8人勝ち抜きキューと最低65人のプレミアイベント[訳注:今は最低33人上限64人です]がスタートし、見える結果の様相は変化した。今は1日3ダース以上のデッキリストの代わりに、僕らは1週間にたった8個とプレミアイベントのTop16しか見ることが出来ない。これまでたった2つのプレミアイベントしか開催されていない(そしてスタンダードとテーロスシールドを除いては、全てのプレミアイベントは必要な参加者を獲得する問題を抱えている)。複数の要因が有るかもしれないが(休日、ホリデイキューブ)、Pauperをしている人は少ないように見える。

Peta Jhanはこの記事(http://puremtgo.com/articles/state-program-december-20th-2013)で上手く的を射ている。Pauperは入門的フォーマットとして見ることが出来る。デイリーイベントによる堅実な見返りは、フォーマットを続ける新規の(Pauperに打ち込む)プレイヤーが少ないことを意味し、代わりにコモンでのマジックのゲームがビルダーたちを補足するのを助けていた(Peteは彼の記事でこれを分析する素晴らしい仕事をする)。問題は、解決策が提示されていなかったことだ。だから、僕は自分でもいくつかアイディアを提供するかもしれないと思ったんだ。

2014年のPauper
来たる年で、僕はPauperの為に提供してみたいものが沢山ある。僕はこれらの提案は、マジックオンラインの競技的な構築フォーマットでありながら、もっとレアの多い60枚の束への入り口としても機能するPauperの絆を強めると感じている。

スイス8人構築キューの提案:金を支払って最初のラウンドで負けてしまうのは不愉快に感じる。デイリーイベントの魅力的な要素の1つは、夜や午後に遊ぶのに十分短く、デッキをテストすることも出来るというところだ。僕は多くの人が2回目の負けでドロップするだろうと思うが、遊び続ける機会と別のデッキと試してみることが出来るのは、新しいプレイヤーにとって明らかな魅力だ。Pauperにおけるスイスでの勝利に応じたパックのキューの提案は、皆のお気に入りのデッキで複数回ゲームをするチャンスをくれるし悪い気分も減らしてくれる。

デイリーイベントの復活:金銭上の判断から、以前と同じようにPauperのデイリーイベントが復活するとは考えていない。堅実な見返りのある4回戦のスイスイベントをすることには恩恵は有ると思う、特に新規プレイヤーの参加を保ったり、競技的な環境で自分のデッキを試すことが出来るからね。もしPauperにデイリーイベントが戻って来るなら、賞品の減額と参加費の減少が見られると思う。加えて、これらのイベントは他のデイリーイベントが日に3,4回あるのに比べて日に、2回しかないかもしれない。

スタンダードPaueprの制定と紙の世界へのリンク:クラシックPauperは最高のフォーマットだ。均衡が取れている時は、パワーが高くなるし、ゲームやマッチアップで大量の「プレイ」が退化する。それは(新規プレイヤーがすぐにレガシーに飛びこまない限り)構築マジックへの大きな足掛かりではない。スタンダードPauperは過給されたリミテッドと似ていて、8セット全て(2つのコアセットと2つのフルブロック)があるとそれは健全なブロック構築と同じくらい多くのデッキが現れる。

スタンダードPauperは、全てのカードが最新のものであるしあからさまに強烈なことが少ないので新規プレイヤーにとって遥かにとっつきやすい。クラシックPauperには(オンライン限定のマスターズエディションによって)いくらかルール的な差異がある、しかしスタンダードPauperはこの点での問題は無いだろう。紙のフォーマットにすることは、さらにリミテッドから構築への良き移行にもなるだろう。

もしこの道筋が辿られたなら、ウィザーズがスタンダードとクラシックのPauperで大きなPauperイベント(デイリーとプレミアイベント)を回転させるのも見てみたい。このことはスタンダードPauperという小さい(あまりに早く解答されてしまうことに苦しむ)フォーマットに十分な休憩を取らせながらフォーマットを新鮮に保ってくれるだろう。

Pauperチャンピオンシップの提案:毎年の資格取得が必要な招待制トーナメントを設けることは、フォーマットに人を参加させるための大きな動機になる(僕はどこからこのアイディアを得たんだっけな・・・)。スタンダードとクラシックでのプレミアイベントを設けることは、Pauperチャンピオンシップのための資格を獲ったプレイヤー達が成功の評価のレベルを得ながらフォーマットを成長させるのを助けてくれる。

2014年のAlex
嘘はつかない―去年は僕にとって素晴らしい年だった。僕はSCGで書き続けることが出来たし、様々な方法でコンテンツを生み出すことが出来た。Pauper関連のコンテンツがほとんどのフェイスブックページ(https://www.facebook.com/nerdtothecore)を始めた、リアルタイムのメタゲームのアップもあるよ。僕は自分の個人のブログ(http://www.nerdtothecore.blogspot.com/)を使って様々なコモンのデザインとそれがどのようにPauperに関わっているかの分析を始めた。最後に、友達のMikeとPauperのポッドキャスト(http://www.castingcommons.com/series/common-cause/)を始めた、これは僕に実際に聴衆と話す新しい方法になったね。

2014年は、Pauperのコンテンツを生み出し続けたいし、モダンのデザインがPauperフォーマットにどう影響しているかを分析してみたい。君たち、読者とももっと交流して君たちが何を読みたいのかについて知りたいな。プレイングについては、自分のゲームを発展させ続けたいしもっと手を広げていきたい。Pauperをプレイするのも記事にするのも止まらないだろうが、僕は2014年を99枚のカードと統率者を含まないリアルの構築マジックをする年にしたいと思う。僕には素晴らしいローカルコミュニティがあり、今年は君たちと北東部のプロツアー予選で出会うかもしれないね。

しかし、直ぐにこれを始めよう―君たちは2014年僕の記事で何が見たい?もっとローグデッキが欲しい?それともスタンダードPauper?

Happy New Year, and keep slingin’ commons!

-Alex

SpikeBoyM on Magic Online
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次の記事ももう上がってるから空いた時間で取り掛からないとなー

コメント

藤丼
2014年1月21日18:14

翻訳お疲れ様です
Pauperチャンピオンシップ、実現するといいなぁ・・・

surucucu
2014年1月21日23:38

>>藤丼さん、ありがとうございます
自分には「スイス」8人構築が魅力的に見えますかね
2~30分卓が立つのを待った末に1没すると本当に辛いんですよw

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