【翻訳】帰ってきたなんて言わせない:Pauperの黒単Rats by Alex Ullman
【翻訳】帰ってきたなんて言わせない:Pauperの黒単Rats by Alex Ullman
【翻訳】帰ってきたなんて言わせない:Pauperの黒単Rats by Alex Ullman
今回は、Pauperの黒単ネズミデッキ、Ratsのお話です。
拙訳ですがよろしければどうぞ。

















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Don’t Call It A Comeback: Rats In Pauper
ALEX ULLMAN
7/04/13
http://www.starcitygames.com/article/26453_Dont-Call-It-A-Comeback-Rats-In-Pauper.html

黒単コントロールは多くのローグデッキビルダーにとっての聖杯だ。どのセットのリリースも、「黒単コントロールが帰ってきた!」という飽き飽きした叫びをもたらす。このデッキはたまに1週間、あるいは2週間ほど姿を現して。現在も「沼」を使ったコントロールデッキは存在している、というのは《草むした墓/Overgrown Tomb(RTR)》を数えるからだ。でもこの歓喜の叫びはリリースからすぐに忌まわしい悲鳴に変わるんだ、黒コンってのはもう滅多に存在しないんだから。

Pauperを除いてはな。

コモンの世界では、黒単コントロールは始めっから使われ続けている。もし君が強力なるコモンの歴史とともに沼地の中でプレイしたいっていうんなら、Pauperをやれ。僕は以前にもこのサイトで黒コンのコンセプトについて説明したけど(http://www.starcitygames.com/article/22144_Mono-Black-In-Pauper.html)、ここでは手短に復習する。

Pauperは大いにクリーチャー依存の(既存のコンボデッキもクリーチャーを利用している)フォーマットだ。だから黒の除去の性質は優秀なものになる。手ごろなパワー(少なくとも2)を持った鬱陶しいクリーチャーもいるから、黒いデッキは相手に脅威を叩きつけながら苦しめてやることが出来る。こういった側面は《血の署名/Sign in Blood(M13)》のドローと合わさってまとまったデッキを形作る。

黒単コントロールはPauperでは煮詰まった存在ではなかった。その初期段階では、《貪欲なるネズミ/Ravenous Rats(UDS)》、《騒がしいネズミ/Chittering Rats(DST)》、そして《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager(APC)》で地上を固めて1,2枚の巨大な《堕落/Corrupt(USG)》でゲームを決めていた。ここでのカギとなる呪文は、クリーチャーを除去しつつライフゲインで1,2回の攻撃をなかったことにする《堕落の触手/Tendrils of Corruption(TSP)》だった。このテンポのあるゲインは相当に良くて、ゴブリンは《モグの略奪者/Mogg Raider(TMP)》/《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder(ONS)》(こいつらでライフゲインを阻止できる)に大きく傾倒するようになって最高のアグレッシブデッキになった。それ以来、Pauperは素早いフォーマットになって6マナの《堕落/Corrupt(USG)》に頼ることはもはや有効な戦略ではなくなってしまった。

黒単コントロールは、すべての偉大なるものがそうするように、しばらく地下に潜って、滑らかで洗練されたデッキとして戻って来た。《堕落/Corrupt(USG)》のようなゲームエンドは過去の物;今や《雲上の座/Cloudpost(MRD)》デッキの領分だ。代わりに黒単コントロールはネズミ、手札破壊、そして除去を使い続けた。それはより早く、より強く、より優れている。僕の好みの武器はこんなのさ
Rats
Sneakattackkid
1st Place at Magic Online Daily Event on 6/9/2013

Creatures (19)
3 《髑髏の占い師/Augur of Skulls(FUT)》
4 《騒がしいネズミ/Chittering Rats(DST)》
3 《墓所のネズミ/Crypt Rats(7ED)》
2 《大牙の衆の忍び/Okiba-Gang Shinobi(BOK)》
4 《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager(APC)》
3 《貪欲なるネズミ/Ravenous Rats(UDS)》

Lands (23)
17 《沼/Swamp》
4 《やせた原野/Barren Moor(ONS)》
2 《汚染されたぬかるみ/Polluted Mire(USG)》

Spells (18)
3 《死の重み/Dead Weight(ISD)》
2 《残響する衰微/Echoing Decay(DST)》
4 《ゲスの評決/Geth’s Verdict(NPH)》
2 《強迫/Duress(USG)》
4 《血の署名/Sign in Blood(M13)》
3 《発掘/Unearth(ULG)》

Sideboard
1 《大牙の衆の忍び/Okiba-Gang Shinobi(BOK)》
2 《裂き爪のトロウ/Rendclaw Trow(EVE)》
1 《殺し/Snuff Out(MMQ)》
1 《ソリンの渇き/Sorin’s Thirst(M12)》
2 《堕落の触手/Tendrils of Corruption(TSP)》
1 《夜の犠牲/Victim of Night(ISD)》
4 《押し寄せる砂/Choking Sands(MIR)》
2 《堕落/Corrupt(USG)》
1 《強迫/Duress(USG)》

《死の重み/Dead Weight(ISD)》は《見栄え損ない/Disfigure(ZEN)》と比べて変わった選択に見えるかもしれないが、いくつかの明確な利点がある。《払拭/Dispel(WWK)》はそれなりにプレイされているし、《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets(ISD)》や《エイトグ/Atog(MRD)》やパンプアップできる能力だけを持っているクリーチャーをやっつけることが出来る。他のクリーチャーから牙を抜くことに使っても、ネズミで討ち取ることが出来るようになるだろう。

《残響する衰微/Echoing Decay(DST)》は大体の場合は”より悪い”《闇の掌握/Grasp of Darkness(SOM)》かもしれないが、Pauperの大体のクリーチャーは熊と変わらない。《残響する衰微/Echoing Decay(DST)》は戦闘時の計算に干渉して2(かそれ以上)対1交換をやってのける。とりわけ、《フェアリーの大群/Cloud of Faeries(ULG)》の群れを除去することも出来る。こいつは《時間の亀裂/Temporal Fissure(SCG)》のゲームプランを思いっきり落ち込ませるね。的確な枚数は2枚、今や大量のゴブリントークンが闊歩してるわけじゃないからね。《ゲスの評決/Geth’s Verdict(NPH)》は対象をとりづらいデメリットを上手く回避している。《軍旗の旗手/Standard Bearer(APC)》や《ギルドパクトの守護者/Guardian of the Guildpact(DIS)》や何か除去しづらいクリーチャーを好むデッキを《ゲスの評決/Geth’s Verdict(NPH)》は気にしない。他の除去と組み合わせれば狙ったクリーチャーを確実に除去することは難しくない。

最後は《墓所のネズミ/Crypt Rats(7ED)》、別名Pauper最高の《神の怒り/Wrath of God》だ。このカードは今のところ良い位置にいて、両方のコンボデッキに対応するとき(《時間の亀裂/Temporal Fissure(SCG)》とエルフだ)独力でそれらのコンボピースを取り除いてくれる。《墓所のネズミ/Crypt Rats(7ED)》はX呪文にアクセスできるという知識によってゲームを作り上げることも出来る。今や、1/1や2/2達で全てのダメージを削る必要は無く、代わりに相手のライフを小さく齧りとったら十分な量の《墓所のネズミ/Crypt Rats(7ED)》の能力を起動して勝つことが出来る。

1つ《墓所のネズミ/Crypt Rats(7ED)》に関して覚えておくべきインターフェイス上のトリックがある。不死や頑強を持っているか、トークンを残すようなクリーチャーを相手にするとき”Ctrl”キーを押したまま《墓所のネズミ/Crypt Rats(7ED)》の能力を起動することだ―これで優先権は保たれる。まず最初の起動で後に残る奴らを倒すのに十分なだけ起動して、次に現在盤面にある奴らを倒すのに十分なだけ払えばいい。

例えば、《若き狼/Young Wolf(DKA)》を倒すとき、最初に2で起動して次に1で起動するんだ。《安寧砦の精鋭/Safehold Elite(SHM)》だったらこれと逆になるね。

残りは何かな?《破滅の刃/Doom Blade(M12)》と《夜の犠牲/Victim of Night(ISD)》は両方とも完璧に妥当な回答だが、いくつか重要な制限があるね。黒いデッキはメタゲームにおいて全くいないわけではないし、仕事のできない呪文には枠を割く価値が無い。《夜の犠牲/Victim of Night(ISD)》は居場所を見つけられるかもしれないがメタゲームの変化に大いに依存している。《ニヴィックスのサイクロプス/Nivix Cyclops(DGM)》と《使徒の祝福/Apostle’s Blessing(NPH)》の組み合わせが主な攻撃的戦略だから、対象をとる除去に頼るのはリスキーなんだ(それでも《夜の犠牲/Victim of Night(ISD)》は後に書くように堅実なサイドボード要員になってくれる)。

《騒がしいネズミ/Chittering Rats(DST)》と《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager(APC)》には誰も驚かないはずだ―こいつらはフォーマット中でも最高の3マナ圏だろう。両クリーチャーの存在は別のゲームを作り出す;両方とも使えるなら君はどっちを使う?

たまには答えが簡単な時もある。カードが引きたい?《憤怒鬼》を唱えよう。ライフが1点しかない?じゃあ《ネズミ》だ。大体において事態はもっと複雑だ。親和と対戦していて、概ね安全な15点のライフがあるとしよう。対戦相手は《金属ガエル/Frogmite(MRD)》を2体と《マイアの処罰者/Myr Enforcer(MRD)》を展開してきて残る手札は2枚だ(それといくつかのマナソースだね)、そして君はこのターン土地を置いて5枚の《沼》が場に出ている。君の手札には《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager(APC)》と《騒がしいネズミ/Chittering Rats(DST)》がいる。このような状況を考えると、僕は殆ど疑いなく《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager(APC)》を繰り出すね。可能性があるのは(それが空っぽでなければ)相手の手札が両方とも《感電破/Galvanic Blast(SOM)》の場合で、君は除去を引かなければならない状態にある。

《騒がしいネズミ/Chittering Rats(DST)》は、絶対にドローをさせたくない時に遥かに効果的だ。上記の例を見てみて、親和の青マナ源が全部使われているとしよう。抱えてる2枚のカードは《物読み/Thoughtcast(MRD)》と他の何かだ。ドローをさせなければ、実質《物読み/Thoughtcast(MRD)》は1枚ドローになる。

確固たるルールはないけれど、僕の方針はトップデッキが君をやっつけ得るなら《騒がしいネズミ/Chittering Rats(DST)》を唱えようってことだ。もし君がトップデッキを必要としているか、状況を改善したいなら《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager(APC)》にしよう。例外は常に存在するし、どちらを唱えるのかを決める最高の方法はカーネギー・ホールで公演するようなものさ:練習、練習、練習だ。

《貪欲なるネズミ/Ravenous Rats(UDS)》と《髑髏の占い師/Augur of Skulls(FUT)》を分けているのは奇妙に見えるかもしれないけど、これが上手くいってるんだ。《貪欲なるネズミ/Ravenous Rats(UDS)》は防止帯[訳注:車に速度出させないための出っ張ったアレ]でありながら確実に何かを落としていくから序盤により強い。《髑髏の占い師/Augur of Skulls(FUT)》はゲームが進んで他の手札破壊と組み合わせて使えるときにより評価が上がる。《髑髏の占い師/Augur of Skulls(FUT)》は対戦相手に手札を失うかもしれないという恐怖を与えて、抱えておきたいカードを使わせるように強いるんだ。

《強迫/Duress(USG)》の話をすると、2枚というのは少なく見えるかもしれないが、このカードは入れ過ぎるとむしろ効果を発揮しにくくなるんだ。フォーマットにおける最高のコンボデッキはクリーチャーで動いていて(すでにかなり対策しているものだ)、コントロールはそれほど普及していない。しかしながら、相手が何を持っているか知りたいときや、ゲームを決め得るカードを落としたいときがある。メインに2枚の《強迫/Duress(USG)》を積んでサイドに1枚を分けるのが正解さ。《大牙の衆の忍び/Okiba-Gang Shinobi(BOK)》は打撃力を低下させてくれる―毎ターンの《荒廃稲妻/Blightning(ALA)》(そして更なる手札破壊や追加ドロー)は素晴らしいし骨が折れるだろうさ。

最後はマナだ。もちろん、《沼》を使うのは明らかだが、《やせた原野/Barren Moor(ONS)》/《汚染されたぬかるみ/Polluted Mire(USG)》の枚数が論点だ。《やせた原野/Barren Moor(ONS)》はサイクリングしたい(したがって場に出にくい)カードであり、オンスロートランドは低コストでサイクリング出来るから《ぬかるみ》より《原野》を多く入れるのが理に適っている。そのことから、まず場に出すのは《汚染されたぬかるみ/Polluted Mire(USG)》からだ。君が6枚の土地を出しているなら、土地をサイクリングし始めて間違いないだろう。

このデッキは、少なくとも1戦目は以前の黒単のスタイルとは大きく異なったプレイをする。《堕落/Corrupt(USG)》によるゲームエンドに向けた組み立てではなく、2/2達と《墓所のネズミ/Crypt Rats(7ED)》の組み合わせに頼っている。《堕落/Corrupt(USG)》と《墓所のネズミ/Crypt Rats(7ED)》での大きな違いはライフで、前者はライフが1以上あればいいが、《墓所のネズミ/Crypt Rats(7ED)》の場合はライフを出来るだけ多く保っている必要がある。終盤に《墓所のネズミ/Crypt Rats(7ED)》を引くことは君に必要な奇跡かもしれないね。ただし《忌むべき者のかがり火/Bonfire of the Damned(AVR)》と違ってこっちは痛いぜ。

Ratsの別の勝ち筋は、最終的に2/2を生き残らせることだ―《発掘/Unearth(ULG)》が光るところだね。君の《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager(APC)》が最後に生き残るクリーチャーになることが確信できるまで、ミニ《ゾンビ化/Zombify(ODY)》を抱えておくのは多くの場合正解だ。他には、《発掘/Unearth(ULG)》でカードを引くか、《髑髏の占い師/Augur of Skulls(FUT)》の大量手札破壊に使うかを見極めることがあるだろうね。

除去の順位付けもこのデッキを使う上で重要な点だ。ゲームの序盤ではユーティリティ・クリーチャーを狙い撃つことがはるかに重要。ゲームが進行するにつれて攻撃的な脅威を排除したくなってくる。この例外は《エイトグ/Atog(MRD)》で、瞬きする間に「ふーん、そう」から「やっべえ」ことになるから見たら即殺そう。僕はこんな風に優先的に除去をつかっている:まずは《死の重み/Dead Weight(ISD)》で次に《残響する衰微/Echoing Decay(DST)》。《ゲスの評決/Geth’s Verdict(NPH)》は確実に殺したいもののために取っておく。




これら全ての教訓は1戦目で重要だ。なぜならサイドボードがこのデッキの傑作だからね。いくつかの重要なインとアウトによってこのデッキは、保守的なタップアウト黒単も含めた様々なオプションに変身することが出来る。サイドボーディングのプランを提示するより、僕はAdrian Sullivan(Brian KowalとGerry Thompsonを真似ている人)のような人を真似して、違ったカードをプレイしてることについて議論してみるつもりだ。

《押し寄せる砂/Choking Sands(MIR)》は対戦相手へのショック効果がついたステキな《石の雨/Stone Rain(MMQ)》だね。「沼でない」って部分は《雲上の座/Cloudpost(MRD)》や《アゾリウスの大法官庁/Azorius Chancery(DIS)》のようなカードを相手にするとき大体意味の無いテキストだ。もし1マナ以上のマナを生み出す土地が入ったデッキならサイドインしよう。ギルド門に大きく依存して見えるデッキもテンポの面からこれを入れるかもしれない。

以前のフィニッシャーだった《堕落/Corrupt(USG)》は、強硬手段をとる必要があるなら加わることになるだろう。大体はミラーマッチと打消し呪文を使っていないコントロール相手に対して、《堕落/Corrupt(USG)》はゲームの決め手になる。これがデッキに入ることで、十分デカい《堕落/Corrupt(USG)》を解決して、勝利するか、Rob Castellonが力ずくで振り落とさなきゃいけないくらいしっかりと運転席に座るまで生き延びるっていうゲームプランになる。

メインの2枚に加えて3枚目の《強迫/Duress(USG)》を入れるのは、どうしても序盤にその内の1枚を引きたいときだ。ほとんどの場合これは《時間の亀裂/Temporal Fissure(SCG)》コンボと対戦するときだが、《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets(ISD)》デッキとやるときでも、重要な呪文を落としながら手札の情報が得られるから良く使える。《大牙の衆の忍び/Okiba-Gang Shinobi(BOK)》も同じような役割を果たしていて、これら2種類のカードは一緒に入ることが多い。《時間の亀裂/Temporal Fissure(SCG)》と《雲上の座/Cloudpost(MRD)》デッキと対戦するとき、《荒廃稲妻/Blightning(ALA)》マシンが4ターン目に起動すれば詰むことが出来るだろう。

《殺し/Snuff Out(MMQ)》、《ソリンの渇き/Sorin’s Thirst(M12)》、《堕落の触手/Tendrils of Corruption(TSP)》そして《夜の犠牲/Victim of Night(ISD)》はどれも特定の相手に対してデッキを整えてくれる。超アグレッシブなデッキに対してもっと時間が欲しい?《堕落の触手/Tendrils of Corruption(TSP)》と《ソリンの渇き/Sorin’s Thirst(M12)》を入れよう。何にも関係なく誰かを殺したい?《殺し/Snuff Out(MMQ)》と《夜の犠牲/Victim of Night(ISD)》を入れるのが良いだろう。これらのカードの存在は、除去一式のダイアルを調整できるようにしてくれる―誰に対しても良く効く呪文がメインに入っている。ここの呪文は三振かホームランなんだ―勝利への長い道のりを歩むか足止めをするかだね。

最後に、サイドボードで僕一番のお気に入りは《裂き爪のトロウ/Rendclaw Trow(EVE)》だ。このトロールはそんなに見かけないかもしれないが、テンポとカードアドバンテージの源なんだ。クリーチャーが重要なフォーマットで、1枚で2体分の価値があるってのはデカい。僕の不死クリーチャーへの愛は知るところだろうが、そのおじいちゃんに当たる頑強だって悪くはないさ。2/2萎縮と1/1萎縮が(複数ターンでの分割とはいえ)たった3マナで得られるのは素晴らしい。萎縮は、フォーマットがほとんどクリーチャーによって決められているならとても強い能力だ。ブロックして《窯の悪鬼/Kiln Fiend(ROE)》や《エイトグ/Atog(MRD)》と確実に交換できるのは現在のPauper環境の鍵となる。だから《裂き爪のトロウ/Rendclaw Trow(EVE)》は足の生えた《死の重み/Dead Weight(ISD)》のように振舞うのさ。2人目がすぐに戻ってくるのもイカしてるよ。コイツはこのデッキの宿敵と交換するという偉大な仕事をやってのける:《ギルドパクトの守護者/Guardian of the Guildpact(DIS)》だ。最後に、単にスゴく良いアタッカーにもなるね。



上記のように、これはRatsの構築の内の1つでしかない。沢山のデイリー・イベントの結果に目を通せば、この75枚に含まれていない、他に良く使われているカードに気づくだろう。ここからはいくつかの別の選択肢の話だ:

《クォムバッジの魔女/Cuombajj Witches(CHR)》は素晴らしい対アグロツールだ。《破滅小径の悪党/Bane Alley Blackguard(DGM)》の体があって疑似《投火師/Fireslinger(TMP)》能力を持つこの魔女は、X/1達を撃退するのに素晴らしい仕事をしてくれる。問題なのは欠点の方で、君のクリーチャーが全部X/2かそれより小さいときかなり問題になる。《墓所のネズミ/Crypt Rats(7ED)》は似たような役割を果たすしゲームを決めるときにはより良い仕事をしてくれるよ。

《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》はなかなかの要素だが、このデッキは既に3マナ域が詰まっている。《貪欲なるネズミ/Ravenous Rats(UDS)》は2マナで同じ効果を発揮するので、《散弾の射手/Scattershot Archer(CON)》や《フェアリーの大群/Cloud of Faeries(ULG)》がコモンにいる以上は《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》を優先する価値は無い。

《闇の旋動/Spinning Darkness(WTH)》は”無料”で対象を選ばない素晴らしい追加候補かもしれない。ゲームの中盤と終盤で《発掘/Unearth(ULG)》を使いたいことを考えると、このデッキでは”無料”のコストはすこし高めかな。2枚目の《ソリンの渇き/Sorin’s Thirst(M12)》を1枚の《闇の旋動/Spinning Darkness(WTH)》に変えてすぐに試してみよう。

《無残な収穫/Grim Harvest(CSP)》はながーく退屈なマッチでのサイドボードカードとしては大好きだ。ここではちょっと場違いに見えるね。他の長期戦が好みの黒デッキと違って、Ratsは《髑髏の占い師/Augur of Skulls(FUT)》と《大牙の衆の忍び/Okiba-Gang Shinobi(BOK)》で扉をバタンと閉めときたいんだ。《無残な収穫/Grim Harvest(CSP)》はこのプランと正反対って訳じゃないから、76枚目か77枚目にはなるかもね。


もう君は手に入れた:Pauperでもっとも辛抱強く、かつ可愛らしいアーキタイプの最新版だ。除去呪文の性質から、《沼》は世の中のコモンでもかなり良い位置に付けている。でも帰って来たなんて言わせない―黒コントロールはそもそも消えたことなんてないんだから。

Keep slingin’ commons-

-Alex

SpikeBoyM on Magic Online

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《裂き爪のトロウ/Rendclaw Trow(EVE)》はなかなかの選択に見えますね。ホントに使われてないのが不思議なくらい。僕自身、黒単は対戦したことはあれ回したことはなく、読んでいて結構新しい発見がありました。月並みですが、黒単にもいろいろあるんだなあという感想です。

実は黒はコモンに3マナの土地破壊が最も多い色なのでポストが増えるメタだとかなり強いんですよね。他のデッキには割と有利が付くし、本当にしぶとくて、居なくなることのないデッキです。正にRatsということか

コメント

Laffine
2013年7月10日9:29

Pauperやり始めたころにRats使ってましたね。
最近は堕落とか生命吸収多めのヘビーコンをトナプラで使ってたんですが、親和のエイトグ投げ飛ばしを手札にそろえて優先権盛ったままドーンされるとどうしようもないのでちょっと心が折れかけました。
ドレインでライフ圏外まで持っていくのが早いかエイトグ投げ飛ばしがそろうのが早いかみたいな感じはしましたがw

黒単は速度によって内容いじれて楽しいですね。

surucucu
2013年7月10日18:58

>>Laffineさん
やっぱりエイトグはみたら即除去なんですねw

自分もこれを書いていて黒単にもかなりバリエーションがあることを知りました。まあどのタイプにもいじめられてばっかりですけどね。黒単でかわいいのはスーサイドウィニーくらいのもんです

monokuro
2013年7月10日20:48

黒コンは大好物です。
ここに書かれているとおり今の環境だと堕落は結構使いづらいですねぇ。
自分の黒コンもやはり堕落はサイドからにせざるを得なかったです。
堕落どころか堕落の触手ですら重く感じましたし、ソリンの乾きと闇の扇動を活用しないと速攻型相手には厳しいものがあります。
個人的にはメインから死の重み4でも無駄にはならないので、デュレスをサイドに回すのが好みでした。

surucucu
2013年7月11日12:25

>>monokuroさん
黒コンには根強いファンの方が多いですよねw

《堕落の触手/Tendrils of Corruption(TSP)》よりも《ソリンの渇き/Sorin’s Thirst(M12)》ってのは速い環境を象徴していますね。記事にあるリストは丸みのあるリストだと思うので、メタによっては除去多目に尖ってしまうのもアリなんでしょうかね

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