【Pauper】白黒《コー空漁師》・《死者のインプ》デッキ
このデッキは、《コーの空漁師/Kor Skyfisher》と《死者のインプ/Cadaver Imp》の組み合わせを軸にしたミッドレンジデッキだ。

《空漁師》が墓地にいて《死者のインプ》が手札にいる場合。《死者のインプ》を場に出して《空漁師》を墓地から回収してから、今度は《空漁師》を場に出して《死者のインプ》を場から手札に回収することで《空漁師》を何度でも戦線に送り出すことができる。墓地に4枚の《空漁師》が落ちていたとしても、《死者のインプ》1枚引で全ての《空漁師》を場に戻すことが可能だ。さらにここに《発掘/Unearth》が加わることで対処しづらい戦力を生み出せるのではないか、《死者のインプ》というカードはもっと評価されて良いんじゃないかと思ったのがこのデッキを作ったキッカケだ。

もちろん、それだけではクリーチャーの数が足りないので《空漁師》と相性の良いクリーチャーが足されている。すなわち、場に出た時にそれ単体でアドバンテージを得ることができるクリーチャーだ。今や《空漁師》の最高の相棒になっている《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》。最も分かりやすい形でアドバンテージを提供してくれる《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager》。あとは個人的に最も出されたくないクリーチャーである《騒がしいネズミ/Chittering Rats》。と、ここまで来ると《死者のインプ》と合わせてなかなか信心を稼ぐ能力があることに気づいて《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》の採用が決まった。

このデッキにおいて意外と重要なのが《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》だ。このデッキは延々とクリーチャーを並べていく能力はあるものの、サイズの大きいクリーチャーに乏しいので膠着状態になりやすい。《矛槍》があれば《スレイベンの検査官》は《ボーラスの占い師》を突破できるようになるし、《空漁師》や《死者のインプ》で相手の《空漁師》を突破できるようになる。早いうちから殴り合い積極的に相討ちを狙ってこそ、このデッキの《死者のインプ》や《発掘》が活きてくる。

《矛槍》でも膠着状態を崩せなくなったとしたら《灰色商人》に勝ち手段を委ねることになる。やはり大量のドレインは、直接勝ちに繋がりまた敗北を遠ざけるいつでも強いCIP能力だ。

1枚だけ入っている《臭い草のインプ/Stinkweed Imp》は発掘能力で墓地を肥やすためのカードだ。欲しいクリーチャー・カードが墓地に落ちれば《発掘》や《死者のインプ》、《空漁師》を経由して手に入れることができるのでちょっとしたサーチカードとして使うことができる。

残りのカードはすべて除去カードだが、クリーチャーの選択に比べてあまりしっくり来ていない。《未達への旅/Journey to Nowhere》にするか《Oubliette》にするかは悩みどころ。あるいは《不眠の晒し台/Pillory of the Sleepless》もいいかもしれない。デルバー系には《見栄え損ない/Disfigure》が必要な気もするが、どうだろうか?《破滅の刃/Doom Blade》をメインに何枚とるべきかもよくわからない。

今のところ土地配分には不便を感じないので《ボジューカの沼/Bojuka Bog》や《亡骸のぬかるみ/Mortuary Mire》を採る余地はある。


・改善したいところ
おそらくバーンに間に合わないと思うので《孤独な宣教師/Lone Missionary》を2枚くらいは採りたい。

クリーチャーで獲ったアドバンテージを盤面に反映させるために、《煙霧吐き/Fume Spitter》や《捕食の夜魔/Predatory Nightstalker》のような直接除去として使えるクリーチャーが欲しい。《叫び大口/Shriekmaw》が使えれば最高だけれど相手に使われるのはたまったもんじゃないなあ。

できることなら《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》などで対応力を上げてもみたい。





以上、久しぶりの更新でした。
10月21日に東京MTG(http://tokyomtg.com/)を会場に開かれた紙Pauperのオフ会に参加してきました。このオフ会自体は2回目ですが、僕は今回が初参加。というか紙のPauperをすることが実は初めてだったのでそこそこ緊張しました。

持ち込んだのは唯一紙でもデッキを組んでいるウィーゼロ。《ボーラスの占い師》などは持っていないので《秘密を掘り下げる者》が4枚入った比較的古典的なタイプでした。

ちょっと早めに店舗についたものの会場の一角に主催者のゆにさんを見つけて自己紹介もそこそこに早速対戦開始。

ゆに さん
スゥルタイ・ランデス
緑の土地破壊と青のアドバンテージ獲得手段に《ディンローバの恐怖》が添えられたデッキ。
①ブン回って一撃。
②土地を壊されてあまり動けず熟考などに殴られて負け。
③デルバーがすぐに変身して殴りきる。

青赤《リスティックの研究》ポンザ
デルバー、火付け射手、3点火力、土地破壊、リス研。名前の通り
①土地を割られながらも一撃。
②デルバーで殴り合い。赤マナを壊されて相手の方が速くて負け。
③相手が事故ったんだったかな?一撃が決まって勝ち。

7時間目のNG さん
ブラストダームの入った赤緑。知らないデッキタイプなので形容しがたいが、Pauperの平均より大きいサイズの生物の強みを生かしたデッキという感じ
①デルバーで殴ったが赤マナを壊されてブラストダームとのライフレースに負ける。
②一撃が決まって勝ち。
③クリーチャーを展開できたがマナフラ気味でブラストダームに殴られて負け。

白赤《無謀な炎織り/Reckless Fireweaver》
名前の通り。炎織りが2枚並ぶとヤバい
①炎織りや火付け射手で削られたが一撃。
②10点ぐらい削られたがデルバーや悪鬼で殴って確か最後は稲妻でとどめ。

一太刀 さん
ジャンド・サイクリング
①《骨までの齧りつき》で40点ほどゲインされて負け。
②相手が動き出す前に一撃。
③相手が動き出す前に一撃が決まってたぶん4キル。

竹中 さん
緑白アグロ
《たかり猫猿》、高名、移植など+1カウンターを多用したデッキ。《旅の準備》が単純に強い
①引きが良くてキレイに一撃。
②《旅の準備》などでそこそこ大きいクリーチャーができて殴られる。《部族養い》で10点ゲインされたが呪文を重ねて30点殴って勝ち。

ぼか さん
白黒統治者ペスト
勝ち手段が絞られていて《ギルドパクトの守護者》がいない代わりにライフ回復手段が多めだった。殺意とは逆の「死にたくない気持ち」を感じるデッキ
①多少ライフゲインされたが一撃が決まって残り1まで追いつめて最後は使途の祝福でブロックかわして勝ち。
②クリーチャーが除去された後で統治者になられて《黒死病》が置かれて投了。
③《虹色の断片》や《赤の防御円》を置かれたが《鋭い痛み》をトップしてギリギリ勝ち。

MTO さん
親和 《歯車襲いの海蛇》の入ったタイプ
①トリマリスタート。相手が《物読み》4回から4/4連打でそれは無理ですねーってなる。
②相手がちょっとリスキーなキープをして動きが悪いところに一撃を決める。
③こっちのデルバーが即変身して殴る。地上で除去やにらみ合いをしているうちにこのデルバーが6回殴って稲妻で勝ち。

たなべ さん
黒赤《遺棄地の恐怖》リアニメイト
①《遺棄地の恐怖》を《死体発掘》されてごりごり殴られたがライフレースに勝ち。
②1発攻撃を通したがその後が続かず恐怖やアンコウに殴られて負け。
③《遺棄地の恐怖》を《死体発掘》されたが先に一撃決めて勝ち。

アブザン拷問生活
除去オーラ+《オーラ術師》やキャントリップオーラ+《空漁師》などシナジーが満載で《拷問生活》を経由していろんな事ができるデッキ。
①引きが良くて3キルだか4キルだかが決まる。
②《拷問生活》と《茶鱗》でじわじわゲインされて除去も打たれたがサイクロプスが攻撃するチャンスがもらえて呪文が繋がってなんとか打点が足りて勝ち。

海老焼売地獄 さん
青単セルフLO

ここでまずセルフLOとは何ぞや、ということを説明しなければならない。リストは一見《ジェイスの消去》をフィニッシャーにした青単パーミッションのようなのだが、このデッキは《ジェイスの消去》の対象に自分を選択する。「《思考掃き》対象自分。ライブラリーから2枚墓地へ。その後1ドロー。《ジェイスの消去》が2枚置かれているのでさらにライブラリーから2枚墓地へ」という具合になる。
やがて自分のライブラリーが0枚になると《エーテリウムの彫刻家》で0マナになった《妖術師のガラクタ》を自分の墓地の《妖術師のガラクタ》を対象に起動する。すると2枚の《ガラクタ》が無限に場と墓地と手札をループすることになり《ジェイスの消去》が無限に誘発して相手は死ぬ、という誇張無しに画期的なコンボデッキである。

①相手のカウンターをかいくぐって一撃を決めて勝ち。
②《眠りへの誘い》によって何度か攻撃をしのがれているうちに相手のライブラリーがすごい勢いでなくなっていく。やがて4枚目の《妖術師のガラクタ》が墓地に落ちて相手の勝ち筋が消えて勝ち。

自分が何と戦っていたのか分からなくなる決着に戸惑ったが、その後実際にセルフLOコンボが決まるところを観戦できて大いに楽しませてもらいました。


そんなところで時間が来てオフ会終了。結局7時間程度で11マッチ遊ぶことができたんですが紙Pauperが楽しくてあっという間に終わってしまった印象でした。フリープレイ会だったのもあって和気藹々とプレイできて良かったですし、ツイッターで絡みのある方たちと実際に会うことができたのも嬉しかったですね。

次回があれば、もっとゲームの展開に幅のあるドメインでも組んでおきたいですかね。
何はともあれ非常に楽しい一日でした。オフ会に参加した皆さん、会場を貸してくれた東京MTGさん、ありがとうございました。
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-07252017-visiting-hours/

Visiting Hour
by Alex Ullman, July 25, 2017

Magic Onlineに破滅の刻がやってきてから2週間余りが過ぎた。コモンのパワーが比較的に低いにも関わらず、このセットはすでにPauperのメタゲームに影響を及ぼし始めている。共有されるデータが削減されたのをよそに、すでに多くの破滅の刻のカードがPauperリーグとPauperチャレンジの両方で姿を現している。今日はこれらのデッキの一部を見ていこう。
バーン fwwwwibib, 5-0 Pauper League
クリーチャー(8)
4 《火付け射手/Firebrand Archer》
4 《熱錬金術師/Thermo-Alchemist》
インスタント(16)
1 《欠片の飛来/Shard Volley》
3 《焼尽の猛火/Searing Blaze》
4 《火炎破/Fireblast》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《針落とし/Needle Drop》
ソーサリー(16)
4 《稲妻の連鎖/Chain Lightning》
4 《火炎の裂け目/Flame Rift》
4 《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》
4 《裂け目の稲妻/Rift Bolt》
エンチャント(2)
2 《貫かれた心臓の呪い/Curse of the Pierced Heart》
土地(18)
16 《山/Mountain》
2 《忘れられた洞窟/Forgotten Cave》
サイドボード(15)
1 《電謀/Electrickery》
2 《鋭い痛み/Flaring Pain》
3 《灰の殉教者/Martyr of Ashes》
3 《溶鉄の雨/Molten Rain》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
3 《粉々/Smash to Smithereens》
最後から2番目となる小型セットが発売された翌日、《火付け射手》がリーグの全勝リストに紛れ込んだ。バーンはほとんど常にPauperに存在していて、《火付け射手》は繰り返し使えるダメージ源として《熱錬金術師》の素晴らしい予備要員になる。2つのカードにはあるはっきりとした違いがある。
1つ目は、《熱錬金術師》を彩る能力よりも《火付け射手》の能力の方が果敢と同等だということだ。これはすなわち《貫かれた心臓の呪い》やサイドボードに入る可能性のある《大祖始の遺産》のようなカードも同じように1点のボーナスダメージを与えるということだ。墓地を使うデッキの人気が高まった場合に人気の対策カードである《遺産》に注意するのは重要だし、追加のダメージをひねり出す機会は考慮に入れるべきだ。多くの場合、ダメージ枠の浪費になるためにバーンはこの選択肢を無視しなければならない、しかし《射手》が使えるならばそれは何かをやってのける力がある。

《射手》には2点の攻撃をすることができるという利点もある。トップデッキした場合、《熱錬金術師》は単体で毎ターン1点のダメージを与えるだろう。その他一切の助けがなくても《射手》は空っぽの戦場で2点のダメージを与えることができる。しかし戦場が空っぽであることは稀だし、《錬金術師》による確実な1点ダメージは魅力的だ。

上記のリストは《熱錬金術師》と同時に《火付け射手》を使う代わりに《ケルドの匪賊》を置き換えることを選択していた。これは興味深い選択だし、確実に賛成できるものではない。これらのクリーチャーが解決されるという仮定の下で考えると(Pauperでは難しいことだ)、《ケルドの匪賊》の方がバーンデッキへの投入を正当化するのに十分なダメージを与えやすいと思う。これらのデッキは火の哲学に沿って組まれている ―各カードが、勝らずとも《ショック》相当であるべきというコンセプト。Pauperのバーンは各カードが《稲妻》に近い強さを持っているが、そのアイディアはまだ成立する。《匪賊》が解決されればほぼ確実に(それが場に出たときと離れたときの誘発で)2点のダメージを与えるだろう、そして戦闘に関与できた場合の5点という上限を持っている。その攻撃が通らなかったとしても、ブロッカーを食べつつ2点のダメージを与えることは多いだろう。《火付け射手》には使用期限はないかもしれないがその体は脆弱だ。《秘密を掘り下げる者》や《呪文づまりのスプライト》を殺すことによく左右されるフォーマットではタフネス1というのは大きな障害だ。《射手》は長期戦で優れているかもしれないが、それはバーンのやろうとしていることに逆行している。

最後に、これは古い標準の興味深い解釈であると思う。《火付け射手》は明らかに強いカードだが、バーンがもっとも適したデッキなのかは自信がない。これが強いサイドボードの選択肢になることがあるとしたら、バーンがもう少し長いゲームを勝たなければいけないときか、デッキが《黄鉄の呪文爆弾》と《発火器具》のようなカードに頼るようになった場合だろう。大抵の場合、《射手》はこれらのデッキにとっての罠になるだろうと思う。

僕が言及したことを考慮するに、《火付け射手》は《無謀な炎織り》とチームを組むかもしれない。Pauperにはすでに《きらめく鷹》で《胆液の水源》と《予言のプリズム》を再利用してカードを引くデッキが豊富に存在する。《無謀な炎織り》はこれらのリストに数回現れたことがあり、さらに《火付け射手》を加えることでさらなるダメージを通すのに役立つかもしれない。

グリクシス・スタッフ TEIMTEIM, 5-0 Pauper League
クリーチャー(13)
1 《イゼットの時術師/Izzet Chronarch》
2 《夜景学院の使い魔/Nightscape Familiar》
3 《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
3 《王神の信者/God-Pharaoh’s Faithful》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
インスタント(10)
1 《恐ろしい死/Ghastly Demise》
1 《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker》
1 《悲劇的教訓/Tragic Lesson》
3 《捨て身の狂乱/Desperate Ravings》
4 《断絶/Snap》
ソーサリー(13)
1 《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》
2 《炎の稲妻/Firebolt》
2 《ケアヴェクの火吹き/Kaervek’s Torch》
2 《最後の儀式/Last Rites》
3 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
3 《綿密な分析/Deep Analysis》
アーティファクト(2)
2 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
土地(22)
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
2 《亡骸のぬかるみ/Mortuary Mire》
3 《崩壊する痕跡/Crumbling Vestige》
3 《ディミーアの水路/Dimir Aqueduct》
3 《光輝の泉/Radiant Fountain》
3 《ゆらめく岩屋/Shimmering Grotto》
3 《未知の岸/Unknown Shores》
4 《イゼットの煮沸場/Izzet Boilerworks》
サイドボード(15)
1 《綿密な分析/Deep Analysis》
1 《最後の儀式/Last Rites》
1 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
1 《青の防御円/Circle of Protection: Blue》
1 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
2 《電謀/Electrickery》
2 《水流破/Hydroblast》
2 《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
4 《紅蓮破/Pyroblast》
このリストについて語るとしよう。操縦者であるTEIMTEIMには、ラヴニカのバウンスランドとコスト軽減とを軸にした青黒赤デッキを使ってきた長い歴史がある。このデッキもそれと変わりはなく、複雑なやり方で組み合わされている。グリクシス・スタッフにおいて、TEIMTEIMは破滅の刻からの追加として3枚の《王神の信者》と1枚の《悲劇的教訓》に取り掛かった。

根本的にこれは有用なデッキで、《夜景学院の使い魔》と合わせて《断絶》を追加のマナを生み出すために活用しようとしながら、《幽霊のゆらめき》と《イゼットの時術師》を使って《熟考漂い》とのループを作りもする。《炎の稲妻》、《チェイナーの布告》、《捨て身の狂乱》、そして《綿密な分析》、さらに1枚の《渦巻く砂嵐》が仕事をこなす上でこのデッキは墓地に頼っている。マナ基盤は《ゆらめく岩屋》のようなフィルターランドに大いに依存していて、《崩壊する痕跡》を使い倒そうとしている ―このデッキには普通の白マナ源がない。

本当に正直に言うと、僕はこのデッキがどれほど強いのか確信が持てない。僕は同じリストを使うこの操縦者と過去に戦ったことがあり、常に少し複雑な印象を受けた。このデッキに何らかの利点があるとすれば、次に何が来るのかが完全には分からないことだ。確立されたフォーマットにおいてそれは大きなアドバンテージになる。しかし僕はこのデッキからダクトテープで繋ぎ合わされたような印象も受けた。マナ基盤を準備するのに大変な時間がかかるし、豊富な枚数の無色土地によって適切なタイミングで唱えるのに苦労するであろう呪文がいくつかある。《悲劇的教訓》は土地を1枚手札に戻すのでここでは場違いに見えるが、《ディミーアの水路》と《イゼットの煮沸場》がたくさんある中で適切なターンにそれができることはせいぜい稀なものに思える。

時として完璧に構築されているかどうかに関わらず、あるデッキが5-0したりチャレンジで好成績を収めることがある。これこそがデータの削減がPauperを傷つけている理由だ。わずかな量のデータではグリクシス・スタッフのようなデッキが本物なのか単に一時的なものなのかを確かめるのは難しいだろう。個人的には後者だと思うが、僕はこの考えが間違いだと証明されることを望む。
ディミーア・リアニメイト kungfutress, Top 8, July 16 Pauper Challenge
クリーチャー(14)
1 《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
1 《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger》
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
4 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
4 《縞カワヘビ/Striped Riverwinder》
インスタント(23)
1 《活力の奔出/Rush of Vitality》
2 《払拭/Dispel》
2 《噴出/Gush》
3 《留意/Mental Note》
3 《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》
4 《渦まく知識/Brainstorm》
4 《対抗呪文/Counterspell》
4 《思考掃き/Thought Scour》
ソーサリー(5)
2 《思案/Ponder》
3 《死体発掘/Exhume》
アーティファクト(1)
1 《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
土地(17)
3 《灰のやせ地/Ash Barrens》
4 《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
1 《冠雪の沼/Snow-Covered Swamp》
9 《冠雪の島/Snow-Covered Island》
サイドボード(15)
1 《払拭/Dispel》
1 《オーラの変転/Aura Flux》
1 《綿密な分析/Deep Analysis》
1 《剥奪/Deprive》
1 《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder》
1 《吸血の絆/Vampiric Link》
2 《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
2 《減縮/Shrivel》
2 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
3 《突発的変化/Spontaneous Mutation》
ディミーア・リアニメイト STLZACH, Top 32, July 16 Pauper Challenge
クリーチャー(16)
4 《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
4 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
4 《縞カワヘビ/Striped Riverwinder》
4 《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher》
インスタント(8)
4 《留意/Mental Note》
4 《思考掃き/Thought Scour》
ソーサリー(16)
4 《入念な研究/Careful Study》
4 《死体発掘/Exhume》
4 《思案/Ponder》
4 《巧みな軍略/Strategic Planning》
エンチャント(2)
2 《ドラゴンの息/Dragon Breath》
土地(18)
10 《島/Island》
4 《沼/Swamp》
4 《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
サイドボード(15)
1 《対抗呪文/Counterspell》
1 《払拭/Dispel》
2 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
2 《減縮/Shrivel》
3 《無効/Annul》
3 《強迫/Duress》
3 《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
異なる2つの《死体発掘》デッキが7月16日のPauper Challengeでトップ32に入った。1つ目のデッキを操っていたのはKungfutreesだ。《死体発掘》デッキによる2回目の成功だ ―1回目は《大いなるサンドワーム》を搭載したもので、このアモンケットのコモンは《縞カワヘビ》にすっかり置き換えられた。呪禁をもつ5/5は盤面から取り除くのが難しく、《死体発掘》のおかげで2ターン目に出せるのは非常に魅力的だ。Kungfutreesはかなり標準的なディミーア・デルバーの枠組みの中でリアニメイトのパッケージを用いた。複数の角度(《秘密を掘り下げる者》と《グルマグのアンコウ》によるテンポアグロ、もしくは素早い《死体発掘》)から攻められることでこのデッキは興味をそそる選択肢になっている。

STLZACHはよりコンボ寄りのアプローチを選択した。《秘密を掘り下げる者》を諦めた代わりに、《ドラゴンの息》を支えに《ウラモグの破壊者》をフル投入した。《巧みな軍略》はPauperにとって新しいものではないが、ここで再録が喜ばれるのはやはり嬉しいことだ。《ドラゴンの息》の構築は《グルマグのアンコウ》をそのまま唱えるというやや弱いのバックアッププランを持っているが、《死体発掘》を4枚使っているのと同様に《入念な研究》、《留意》、そして《思考掃き》が最大限に使われている。《縞カワヘビ》は1ターン目に簡単に捨てて2ターン目の脅威の準備ができるので、再び脅威として姿を現している。7月16日のチャレンジのすべてのデッキの中でこれが僕のお気に入りだ。

これを書いている時点で別のチャレンジが開催されている。初めの数週間から何らかの兆しが感じられるとするなら、破滅の刻のカードは成功したPauperデッキの中に現れ続けることだろう。それらはゲームを壊すものではなく、むしろアーキタイプを競技レベルへと後押しするツールとなるだろう。君は最新セットのどのカードに活躍してほしいだろうか?個人的には、《オアシスの祭儀師》がコンボデッキの中でも外でも活躍するのを見てみたい。
【翻訳】Pauper Challengeの統計分析 by Alex Ullman
青赤ストームもどきを回すのが楽しくて少し更新が遅くなりました。

今回の記事は8回分のPauper Challengeの結果を分析したもので表が複数でてきます。なので是非Gathering Magicの元記事の方にアクセスして、表を見ながら翻訳を読んでもらいたいなと思います。よろしくお願いします!


ココ↓
http://www.gatheringmagic.com/alexullman-07112017-breaking-down-the-challenges/





=================================================================

元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-07112017-breaking-down-the-challenges/

Breaking Down The Challenge
by Alex Ullman, July 11, 2017

僕は野球が大好きだ。観戦するスポーツとしてお気に入りだし、お気に入りのチーム(ニューヨーク・メッツ)がいる。僕は(多くのアメリカ人と同様に)幼い頃に試合に連れられた。始めに試合自体の観戦のしかたを学んだ ―三振やホームランや素晴らしい守備。僕が宿泊可のキャンプ場で働いていた最初の夏、外界と接する主な情報源はニューヨークタイムズだった、そして十代だった僕は時事よりスポーツ欄に関心を持っていた。僕は掲載された統計を熟読し、より深いレベルでゲームを理解しようとし始めた。

それから僕は新しい方法で試合を観戦し始めた。大学時代には、ピッチャーが何を投げるのかとバッターがどう対応するのかを当てようとしたものだった。僕は経営上の決定について疑問を持ち始め、スポーツに深く魅了された。これは進歩した統計(セイバーメトリクスとしても知られている)がスポーツに浸透していったのと同じ頃だった(マネーボールを思い浮かべてくれ)。これらの数字はファンたちにゲームの新しい分析方法や、様々な選手や意思決定の価値を知らしめた。

この余談で記事を始めたのは、これが人々がマジックをどのように楽しめるかの例示になっていると思うからだ。ただプレイすることを楽しむ人がいる一方で、より深い戦略を理解しようとする人もいる。プレイヤーはトップのデッキを選択することで優位に立つことが狙えるし、次の週に何が強くなっているのかを推測することで次のレベルへと向かうことができる。アモンケットシーズンから8つのPauper Challengeに注目して分析しようと思う。どのデッキが強かったのか、どれが劣っていたのかを説明したい。

まずは考えられる最も基本的な統計:デッキ数を見てみたい。これは各アーキタイプがトップ32にどれだけ入賞したかを数えた単純な計数統計だ。この数字からは各アーキタイプがどれだけ強いのかは読み取れないものの、何か他のこと:プレイヤーたちの選択を示している。デッキの良し悪しに関わらず実際に多くのプレイヤーがそのデッキ使っているのであれば、そのデッキは勝ちやすいと認識されているということだ。

要するに良いデッキは人気があるはずだ。最初のChallengeではトップ8に3つのイゼット・デルバーが入り、その人気は急上昇した。下記の図から明らかなようにイゼット・デルバーは出現数45ともっとも人気のあるデッキだ ―これはトップ32のリストの18%に近い。

[アーキタイプ分布の円グラフ:ぜひ元記事を参照されたし]


イゼット・デルバーに続いて2番目に人気のあるデッキは親和とストンピィだ。Pauperに慣れ親しんだものにとっては何も驚くべきことはない。親和はこのゲームの歴史上最高のメカニズムの一つによって支えられた長きにわたる強者だ。複数の土地が実質的に1マナ以上を生み出しつつコストの抑えられた脅威を複数展開できるのは非常に強力だ。ストンピィはリーグにおいて最高のデッキの1つであった、そしてChallengeには同等の数がいないものの依然としてかなりの数がランクインしている。

これら3つのデッキはフォーマットでもっとも人気のあるアーキタイプに相当する。後で説明するように、これらは必ずしも3つのベストデッキであるとは限らない;しかし、この文脈ではそれは重要なことではない。これらのデッキの人気から、各Pauper Challengeにおいて何度も当たると期待するのは合理的だ。

成功に関するもう一つの容積測定がある ―トップ8だ。これら3つのデッキの成功の分布が均等であるならば、決勝ラウンドでの数は上記の数と同様になるはずだ。これは完全には当てはまっていない。

[トップ8入賞数と優勝回数の表:元記事参照]


イゼット・デルバーはもっとも人気のあるデッキのままだが、ストンピィは別の2つのデッキ:ボロス統治者とデルバーと同じ位置にいる。ストンピィと違ってこれらのデッキは合わせて3回(デルバーが2回、ボロス統治者が1回)Challengeを勝ち抜いている。親和の出現数は3回だけで他の人気のあるデッキに劣っている。

これら2つのデータの塊から僕たちが読み取れることはわずかだ。第一に、イゼット・デルバーは人気があるだけでなく、トップ8での人気からその強さを推定することができる。ストンピィもまた(7ラウンドのトーナメントでは目を引く存在ではないにも関わらず)、まだ勝ち数を稼ぐ見込みが大いにある。しかしながら、親和は成功していない。トップ32のリストの13.67%を占めているにも関わらず、決勝ラウンドでは約4.7%だけだった。これは親和に対して使うことのできる大量の対策と関係しているのかもしれない ―《ゴリラのシャーマン》、《古えの遺恨》、《上機嫌の破壊》その他もろもろ― もしくは使い手が土地を16枚に切り詰めて自ら事故を起こす傾向があるのかもしれない。

これらはまだ量の統計だ。ただ数を数えることしか為されていない。どのデッキが優れていてどのデッキが成果を出せていないのかをもっと理解するためには、もう1つ解析の段階を追加する必要がある。僕はFrank Karstenの方式を使うのが好んでいる、トップ8の分を含めてマッチ勝利ごとに1点を割り当て、マッチ敗北ごとに1点を差し引く。7ラウンドのトーナメントを全勝したが準々決勝で負けたデッキの最終成績は7-1になるだろう、そしてKarstenスコア(K-スコア)は6だ;5-2でトップ8に滑り込んだが残りすべてを勝利すれば最終成績8-2で同じK-スコアが得られることになる。この解析においては、トップ32のメタゲームで3%以上を達成したデッキに焦点を当てている ―出現数8以上(もしくは少なくとも各トップ32に1つずつ)。
注釈:データの編集を手伝ってくれたJason Sirichokeに特別の感謝を。別の注釈:統計的に有意でないサンプルサイズで作業していることは十分に認識しているが、これが僕らの持っているものであるし、小さいサンプル数といえども情報に基づいた決定をすることができる。

[出現数8以上のデッキ、勝率、K-スコア:元記事参照]


[出現数8未満のデッキ、勝率、K-スコア:元記事参照]



トップ32に掲載された31の異なるアーキタイプのうち、少なくとも8回出現すたアーキタイプは13個だった。出現数8以上の表によると、全体で最も優れたデッキはボロス統治者だった。このデッキはトップ32に10回登場し、そのうちの半分がトップ8に入った。これをイゼット・デルバーと比較すると、イゼット・デルバーは勝ち抜きラウンドに14回”しか”残れなかった(トップ32に入ったうちの約3分の1だ)。ボロス統治者はChallengeを1回優勝していて(イゼット・デルバーは2回)、平均のK-スコアは3.2だ。出現数当たりの平均勝ち数が5.5回ということはこのデッキはトップ8に残りやすかったということだ(1度を除いてChallengeは7回戦まで行われ、5-2でタイブレーカーの良いものはトップ8に残り、また6-1以上は確実に残った;父の日に行われたChallengeは6回戦で行われた)。

古く頑健なるデルバーは総出現数11回でボロス統治者と同数のトップ8、優勝数はその2倍と引けを取っていない。ムラーサ・トロンはビッグマナのコントロールデッキで何とか足切りを免れたが、平均K-スコアは3と素晴らしく平均勝ち数は5.22回だ。デルバーは当然ながら場とゲームをするデッキだ、一方でムラーサ・トロンは幅広い種類の除去とゲーム終盤の圧倒的な強さを持っている。

イゼット・デルバーはその常軌を逸した人気にも関わらず、優れた選択肢にとどまっている。平均して5勝以上あげているにもかかわらずK-スコアが比較的低く、これらのデッキは後の多くのラウンドでお互いに殴り合って結果を摩耗させている可能性がある。ディミーア・アルケミーは今までフォーマット最高のデッキの話題に上ることがなかったという点でいくらか意外なデッキだ。このデッキはその名前になっているカード―《禁忌の錬金術》―で打ち消しや除去を探したり、《グルマグのアンコウ》の燃料として使う。

ストンピィは興味深いケースだ。上で言及したように、ストンピィはリーグにおいて人気の高いデッキの1つだがChallengeにおいては同様の戦いができていないようだ。最終的にストンピィは22という確かな出現数と5回のトップ8を記録し、勝ち数はほぼ5回に近い(リーグで結果が掲載されるのに必要な値だ)。ストンピィは5勝するのに十分な強さがあるのに、そのはるか上を目指すのに苦戦しているように見える。

さらに、親和も興味深いケースを示している。親和は出現数8以上のデッキの中で平均勝ち数と平均K-スコアが最も低く、唯一K-スコアが2を下回るデッキだ。これには親和が3-3が1つ、4-2が3つだった6月18日のイベントが響いている。親和のすべての結果のうちの17%以上がこのデッキの統計に悪影響を及ぼした。しかしながら、それによって親和が他のChallengeで苦戦しているという事実がなくなるわけではない。おそらくこのデッキに対する対策の強さによるものだろう。

これらの結果はトップ8を含めていて、イベントを完勝するのに何が最適なのかの印象を与えてくれる。この解析においては、ボロス統治者、デルバー、そしてイゼット・デルバーのようなデッキはどれも他のデッキより優位に立っている。しかしこれらの統計からはどのデッキが勝ち抜きラウンドへと進みやすいかは分からない。

このために、僕はトップ8を含む統計に純粋に依存することの問題を指摘してくれたJason Sirichokeに再び頼った。JasonはWin+の概念を提案してくれた。この計量はスイスランドで測定し、4-3(6月18日は例外的に3-3)を超えた成績をすべて記録したものだ。これは参加費の元を取るのに必要な成績だ。なので5-2の成績ではWin+が1点、一方で6-1では2点となる。ここでの目的は、どのデッキを使えばもっともトップ8に入るチャンスがあるのかを理解しようとすることだ。Win+が1以上のデッキは最高で、0.8から0.99の間はとても良い、そこから0へと下降線をたどっていく。この値はただの平均値だ。

[各デッキの出現数、Win+、出現数あたりのWin+:元記事参照]


これらのアーキタイプのいくつかには見覚えがあるはずだ。ボロス統治者、イゼット・デルバー、ムラーサ・トロン、そしてデルバーはどれも上位にいる。一方でディミーア・アルケミーはサンプルサイズが小さいためにそれらすべてを上回っている。ストンピィと新参者のラリー・ゴンドが「とても良いグループ」にいるのに対し、親和はまたしても最下位にいる。ボロス統治者を別にすれば、Win+が9を超えるデッキはすべて青を使っている、そしてトップ10のうちの半分が強力な《思案》と《定業》を一般的に使っている。

これらのChallengeは大量の情報を提供してくれている。これは僕が満足して記すことができるいくつかの結論だ:
1.最高のデッキはイゼット・デルバー、デルバー、ムラーサ・トロン、ボロス統治者、そしてディミーア・アルケミーである。フォーマットで最高のデッキを選ばなければいけないとしたら2種類のデルバーのうちの1つになるだろう。これらの中で、ディミーア・アルケミーは未だChallengeを優勝していない。
2.ストンピィは優れた選択肢にとどまる。練習でリーグをこなすことができるのは魅力になる。
3.クリーチャー主体のコンボはラリー・ゴンド、不屈の部族コンボ、そしてイゼット・ブリッツが健在である。
4.親和はトップのデッキの中でもっとも弱い。上記のような成績が報われない形式において、それは明らかに平均的だ。
5.青が圧倒的である。
僕はこの最後の点については追加で議論する価値があると思う。すべてのローテーションしないフォーマットでそうであるように、青は信じられないくらい強力だ。《思案》と《定業》はこのフォーマットの他の何ものとも違って、この色にカードの質を向上させるツールを与えている。青は問題ではない ―今のところは。

ストンピィ、ボロス統治者、そしてラリー・ゴンドと、青くない選択肢がこのシーズンに渡って見事な活躍をした。しかし、それも青の人気と比較すると霞んでしまう。もしこれがChallengeの次のシーズン以降も続くのなら、トップのデッキの色の多様性を上げるためにも青がその鼻をへし折られるところを見てみたいものだ。はっきりさせておこう ―現時点では何も異常はない。これらの傾向がこの調子で続くなら僕は何かをしたいと思っている。今のところ、Pauperは素晴らしい。

幅広い種類のデッキが君をトップ8へと進めさせる可能性があり、6種の異なるアーキタイプが優勝した。コントロール、コンボ、そしてアグロのすべてがよく使われていて、新しいカードが定期的にインパクトを与える。破滅の刻からPauperに大きな影響を与えるものはないものの、このセットが事態を変化させないというわけではない。

統計は完全ではない。野球と違ってこれらは予測的な手段ではなく、むしろストーリーを教えてくれるものだ。アモンケットシーズンの物語は、複数の型のデルバーのうちの1つと《宮殿の歩哨》だ。それはストンピィが期待に応え、親和が応えられなかったストーリーだ。それはコンボが再び姿を現したストーリーだ。そしてPauperに待ち受ける次の章が待ちきれない。


デッキ付録

親和 Valashu, Top 8, June 11 Pauper Challenge
クリーチャー(18)
2 《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent》
4 《エイトグ/Atog》
4 《甲殻の鍛冶工/Carapace Forger》
4 《金属ガエル/Frogmite》
4 《マイアの処罰者/Myr Enforcer》
インスタント(7)
1 《投げ飛ばし/Fling》
1 《危険な研究/Perilous Research》
1 《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》
4 《感電破/Galvanic Blast》
ソーサリー(4)
4 《物読み/Thoughtcast》
アーティファクト(14)
2 《皮剥ぎの鞘/Flayer Husk》
2 《胆液の水源/Ichor Wellspring》
3 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
3 《バネ葉の太鼓/Springleaf Drum》
4 《彩色の星/Chromatic Star》
土地(17)
1 《囁きの大霊堂/Vault of Whispers》
4 《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》
4 《大焼炉/Great Furnace》
4 《教議会の座席/Seat of the Synod》
4 《伝承の樹/Tree of Tales》
サイドボード(15)
3 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
4 《払拭/Dispel》
2 《電謀/Electrickery》
1 《部族養い/Feed the Clan》
2 《天啓の光/Ray of Revelation》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
1 《平穏/Tranquility》
ボロス統治者 carroz, Top 8 May 21 Pauper Challenge
クリーチャー(16)
4 《きらめく鷹/Glint Hawk》
4 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
4 《宮殿の包囲/Palace Siege》
4 《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》
インスタント(9)
1 《虹色の断片/Prismatic Strands》
4 《感電破/Galvanic Blast》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
ソーサリー(2)
2 《金切るときの声/Battle Screech》
エンチャント(3)
3 《未達への旅/Journey to Nowhere》
アーティファクト(8)
4 《錬金術師の薬瓶/Alchemist’s Vial》
4 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
土地(22)
1 《平地/Plains》
2 《忘れられた洞窟/Forgotten Cave》
2 《隔離されたステップ/Secluded Steppe》
2 《風に削られた岩山/Wind-Scarred Crag》
3 《光輝の泉/Radiant Fountain》
4 《ボロスの駐屯地/Boros Garrison》
4 《古えの居住地/Ancient Den》
4 《大焼炉/Great Furnace》
サイドボード(15)
1 《緑の防御円/Circle of Protection: Green》
1 《赤の防御円/Circle of Protection: Red》
2 《電謀/Electrickery》
2 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
2 《孤独な宣教師/Lone Missionary》
3 《軍旗の旗手/Standard Bearer》
4 《紅蓮破/Pyroblast》
デルバー BERNASTORRES, Winner July 2 Pauper Challenge
クリーチャー(20)
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
4 《フェアリーの悪党/Faerie Miscreant》
4 《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours》
4 《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
4 《尖塔のゴーレム/Spire Golem》
インスタント(14)
1 《論理の結び目/Logic Knot》
2 《剥奪/Deprive》
2 《断絶/Snap》
2 《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》
3 《噴出/Gush》
4 《対抗呪文/Counterspell》
ソーサリー(8)
4 《思案/Ponder》
4 《定業/Preordain》
アーティファクト(1)
1 《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》
土地(17)
17 《島/Island》
サイドボード(15)
2 《珊瑚の網/Coral Net》
2 《払拭/Dispel》
2 《水流破/Hydroblast》
1 《ウーナの寵愛/Oona’s Grace》
2 《海賊の魔除け/Piracy Charm》
1 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
3 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
2 《ソーンウィンド・フェアリー/Thornwind Faeries》
ディミーア・アルケミー RodrigoPinhiero, 8th Place May 28 Pauper Challenge
クリーチャー(11)
3 《熟考漂い/Mulldrifter》
4 《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
4 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
インスタント(20)
1 《苦悶のねじれ/Agony Warp》
1 《恐ろしい死/Ghastly Demise》
2 《破滅の刃/Doom Blade》
2 《残響する衰微/Echoing Decay》
2 《魂の操作/Soul Manipulation》
2 《悲劇的な過ち/Tragic Slip》
3 《見栄え損ない/Disfigure》
3 《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》
4 《対抗呪文/Counterspell》
ソーサリー(7)
3 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
4 《定業/Preordain》
土地(22)
6 《沼/Swamp》
7 《島/Island》
1 《やせた原野/Barren Moor》
1 《孤立した砂州/Lonely Sandbar》
3 《ディミーアの水路/Dimir Aqueduct》
4 《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
サイドボード(15)
1 《吐き気/Nausea》
1 《減縮/Shrivel》
2 《強迫/Duress》
2 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
2 《水流破/Hydroblast》
2 《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
2 《ヴォーデイリアのゾンビ/Vodalian Zombie》
3 《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
イゼット・デルバー Pietart, Winner May 21 Pauper Challenge
クリーチャー(19)
3 《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
4 《フェアリーの悪党/Faerie Miscreant》
4 《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours》
4 《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
インスタント(17)
2 《渦まく知識/Brainstorm》
3 《噴出/Gush》
4 《対抗呪文/Counterspell》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《雪崩し/Skred》
ソーサリー(6)
3 《思案/Ponder》
3 《定業/Preordain》
土地(18)
3 《灰のやせ地/Ash Barrens》
4 《進化する未開地/Evolving Wilds》
2 《冠雪の山/Snow-Covered Mountain》
9 《冠雪の島/Snow-Covered Island》
サイドボード(15)
2 《払拭/Dispel》
2 《電謀/Electrickery》
2 《水流破/Hydroblast》
2 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
3 《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》
4 《紅蓮破/Pyroblast》
ムラーサ・トロン Xto2, Winner, June 25 Pauper Challenge
クリーチャー(9)
2 《記憶の壁/Mnemonic Wall》
3 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
インスタント(17)
1 《転覆/Capsize》
1 《払拭/Dispel》
1 《電謀/Electrickery》
1 《静電気の稲妻/Electrostatic Bolt》
1 《まやかしの召喚/False Summoning》
1 《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》
1 《衝動/Impulse》
1 《マグマのしぶき/Magma Spray》
2 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
2 《神秘の指導/Mystical Teachings》
2 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
3 《禁制/Prohibit》
ソーサリー(4)
1 《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》
3 《炎の斬りつけ/Flame Slash》
アーティファクト(7)
1 《虹色のレンズ/Prismatic Lens》
2 《探検の地図/Expedition Map》
4 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
土地(23)
1 《茨森の滝/Thornwood Falls》
3 《ゆらめく岩屋/Shimmering Grotto》
4 《急流の崖/Swiftwater Cliffs》
4 《ウルザの鉱山/Urza’s Mine》
4 《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant》
4 《ウルザの塔/Urza’s Tower》
1 《冠雪の山/Snow-Covered Mountain》
2 《冠雪の島/Snow-Covered Island》
サイドボード(15)
1 《払拭/Dispel》
1 《電謀/Electrickery》
1 《まやかしの召喚/False Summoning》
1 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
1 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
2 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
3 《水流破/Hydroblast》
4 《紅蓮破/Pyroblast》
1 《心に静寂/Serene Heart》
ラリー・ゴンド Mathonical, Winner May 28 Pauper Challenge
クリーチャー(16)
4 《心優しきボディガード/Benevolent Bodyguard》
4 《深夜の護衛/Midnight Guard》
4 《魂の管理人/Soul Warden》
4 《魂の従者/Soul’s Attendant》
インスタント(5)
2 《農民の結集/Rally the Peasants》
3 《虹色の断片/Prismatic Strands》
ソーサリー(10)
2 《主の募兵/Cenn’s Enlistment》
4 《金切るときの声/Battle Screech》
4 《神々との融和/Commune with the Gods》
エンチャント(6)
2 《未達への旅/Journey to Nowhere》
4 《ゴンドの存在/Presence of Gond》
土地(23)
1 《森/Forest》
1 《山/Mountain》
5 《平地/Plains》
1 《ボロスの駐屯地/Boros Garrison》
2 《灰のやせ地/Ash Barrens》
2 《抵抗者の居住地/Holdout Settlement》
3 《セレズニアの聖域/Selesnya Sanctuary》
4 《花咲く砂地/Blossoming Sands》
4 《カルニの庭/Khalni Garden》
サイドボード(15)
1 《鋭い痛み/Flaring Pain》
1 《未達への旅/Journey to Nowhere》
2 《天啓の光/Ray of Revelation》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2 《軍旗の旗手/Standard Bearer》
3 《忘却の輪/Oblivion Ring》
4 《蜘蛛糸の鎧/Spidersilk Armor》
ストンピィ Hrymfaxe, May 28 Finalist Pauper Challenge
クリーチャー(29)
1 《シラナの岩礁渡り/Silhana Ledgewalker》
2 《リバー・ボア/River Boa》
3 《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》
3 《若き狼/Young Wolf》
4 《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》
4 《巣の侵略者/Nest Invader》
4 《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》
4 《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》
4 《スカルガンの穴潜み/Skarrgan Pit-Skulk》
インスタント(8)
4 《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》
4 《巨森の蔦/Vines of Vastwood》
ソーサリー(1)
1 《勇壮な対決/Epic Confrontation》
エンチャント(4)
4 《怨恨/Rancor》
アーティファクト(2)
1 《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》
1 《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》
土地(16)
16 《森/Forest》
サイドボード(15)
1 《若き狼/Young Wolf》
2 《勇壮な対決/Epic Confrontation》
2 《部族養い/Feed the Clan》
2 《はらわた撃ち/Gut Shot》
4 《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》
4 《散弾の射手/Scattershot Archer》

《火付け射手》で現代のPauperに青赤ストームを呼び戻す
《火付け射手》で現代のPauperに青赤ストームを呼び戻す
《火付け射手》で現代のPauperに青赤ストームを呼び戻す
まだPauperの禁止カードが《頭蓋囲い》と《大慌ての捜索》の2枚だけだった頃、グリクシス・ストーム(通称TPPS)、青赤ストーム、緑単感染の3つのデッキが環境の速さを定義していた。これらのデッキにとって2ターンキルや3ターンキルは当たり前で、TPPSに至っては1ターン目に相手にターンを渡さないうちにゲームが終わることもあった。ピッチスペルである《激励》の対応力の高さと、ストームを持つ《ぶどう弾》と《巣穴からの総出》への干渉手段の少なさが問題視されて軒並み禁止されたのが2013年2月のことだ(4年前ってマジか…)。

この禁止を皮切りにPauperはじょじょに健全なフォーマットへの道を歩んでいき今に至っている。


ってことは現代のPauperにストームが蘇ったら最強なんじゃないのか?

ここで過去のストームデッキのリストを見てみる
The Pauper Perfect Storm Daniel Moura
インスタント(14)
2 《引き裂かれた記憶/Shred Memory》
4 《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》
4 《暗黒の儀式/Dark Ritual》
4 《魔力変/Manamorphose》
ソーサリー(24)
2 《強迫的な研究/Compulsive Research》
2 《信仰無き物あさり/Faithless Looting》
4 《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
4 《ぶどう弾/Grapeshot》
4 《留まらぬ発想/Ideas Unbound》
4 《炎の儀式/Rite of Flame》
4 《血の署名/Sign in Blood》
アーティファクト(10)
2 《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
4 《彩色の星/Chromatic Star》
4 《水蓮の花びら/Lotus Petal》
土地(12)
4 《地熱の割れ目/Geothermal Crevice》
4 《用水路/Irrigation Ditch》
4 《硫黄孔/Sulfur Vent》
サイドボード(15)
1 《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
1 《残響する真実/Echoing Truth》
1 《鋭い痛み/Flaring Pain》
1 《煮えたぎる歌/Seething Song》
4 《綿密な分析/Deep Analysis》
4 《巣穴からの総出/Empty the Warrens》
1 《減縮/Shrivel》
2 《泥炭の沼地/Peat Bog》
青赤ストーム Knight1983
クリーチャー(3)
3 《ゴブリンの電術師/Goblin Electromancer》
呪文(42)
4 《水蓮の花びら/Lotus Petal》
4 《捨て身の儀式/Desperate Ritual》
4 《魔力変/Manamorphose》
2 《発熱の儀式/Pyretic Ritual》
4 《煮えたぎる歌/Seething Song》
4 《巣穴からの総出/Empty the Warrens》
4 《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
4 《思案/Ponder》
4 《定業/Preordain》
4 《炎の儀式/Rite of Flame》
4 《手練/Sleight of Hand》
土地(15)
4 《島/Island》
2 《山/Mountain》
3 《イゼットの煮沸場/Izzet Boilerworks》
3 《鋭き砂岩/Sandstone Needle》
3 《サプラーツォの岩礁/Saprazzan Skerry》
サイドボード(15)
4 《払拭/Dispel》
4 《電謀/Electrickery》
3 《水流破/Hydroblast》
4 《紅蓮破/Pyroblast》
グリクシスカラーのTPPSは土地がすべてインベイジョンのサクリファイス土地で、概ねこれらの土地2枚から4マナを出してコンボをスタートさせていた。ストームを10程度稼いでから《ぶどう弾》を2枚打って勝つことが多かった。

対して青赤ストームはTPPSに比べてストームを稼ぐ能力が低く、《ぶどう弾》ではなくクロックが残る《巣穴からの総出》を勝ち手段にしていた。コンボのスタートもこちらのほうが遅かったが、その代わりに青赤ストームはインスタントによって相手に干渉することができた。《電謀》はミラーマッチの切り札だったし、感染にも効いた。環境には他にも青単デルバーやエスパーカラーのファミリア・ストームなんかもいたなあ。


今回は、アモンケットで登場した《火付け射手》を使ってこの青赤ストームを目指してみた。

火付け射手ストーム
クリーチャー(11)
4 《火付け射手/Firebrand Archer》
4 《熱錬金術師/Thermo-Alchemist》
3 《二人組の見張り番/Tandem Lookout》
呪文(32)
4 《炎の儀式/Rite of Flame》
4 《煮えたぎる歌/Seething Song》
4 《魔力変/Manamorphose》
2 《信仰無き物あさり/Faithless Looting》
4 《思案/Ponder》
4 《定業/Preordain》
4 《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
2 《払拭/Dispel》
1 《噴出/Gush》
2 《彩色の星/Chromatic Star》
1 《墓の刈り取り/Reaping the Graves》
土地(17)
9 《山/Mountain》
8 《島/Island》
サイドボード(15)
4 《紅蓮破/Pyroblast》
2 《水流破/Hydroblast》
2 《電謀/Electrickery》
2 《墓の刈り取り/Reaping the Graves》
1 《払拭/Dispel》
3 《綿密な分析/Deep Analysis》
1 《鋭い痛み/Flaring Pain》
《二人組の見張り番》が登場した時点で《熱錬金術師》とのコンボデッキは考えられていたが、《火付け射手》が加わったことでようやく尖ったコンボデッキを目指せるようになったと思う。

結局のところ《巣穴からの総出》は使えないので、先に《火付け射手》か《熱錬金術師》を置いてから呪文を唱えなければいけない。ストームデッキ特有の干渉のし難さといったものは無く、クリーチャー除去がふんだんに入ったデッキには為すすべなく負ける。ウィーゼロのほうが速くて対応力もあるし良いデッキだなあとしみじみ思う(自画自賛)。除去対策の《墓の刈り取り》がストーム呪文なので一応青赤ストームと名乗れなくもない。

概ね、《火付け射手》か《熱錬金術師》が《二人組の見張り番》と結魂した状態でターンが返ってくるとマナ加速とドロー呪文の連打で10回くらいは呪文が唱えられると思う。。コンボの途中で追加の《火付け射手》を引いて展開できれば勝てるはず。画像の2枚目と3枚目は、Just for Funで上手く回った時のラストターンの様子。モダンで禁止されたカードを延々と唱え続けるのは好きな人にはたまらないと思う。

TPPSに倣って《彩色の星》を入れてみたが《熱錬金術師》の能力が誘発しないのであまり強くなかった。マナフィルターとしての用途もあるが、素直に《急流の崖》でも入れれば大丈夫な気がする。

キーカードを探すために《交錯の混乱》とか《衝動》を入れたり、《熱錬金術師》に速攻をつける《たなびく真紅》を入れるのもありかもしれない。というか、コンボデッキとしてウィーゼロとの差別化を図るなら速攻付与は必須かもしれない。

火力や打ち消しなどの干渉手段を増やすのもそれはそれで強そうだけれど、自分の好みではないので他の人に任せる。

ちなみに、勝率はJust for Funでせいぜい5割くらい。ストーム道は険しそう…
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-07042017-common-hour/

Common Hour
by Alex Ullman, July 4, 2017

小型セットのレビューは消える運命にある。破滅の刻の後にブロックの第二セットとして残っているのはイクサランの相克だけだ。Pauperにとってこれが何を意味するのかは分からない。一方では、テーマに沿ったカードがより密集した大型セットは、とても規則正しくこのフォーマットに新しい戦略を投入する可能性がある。メカニズムへの需要の増加は、現在主流でない戦略にとって良い刺激になるかもしれない。しかしながらそこには欠点がある。小型セットはドラフトアーキタイプが強化されるところだった。大型セットが新しいカードによる新生デッキを生み出した場合、続くセットで何らかのアップグレードがもたらされることが期待された。相克の後、セットがすぐに終わってしまうのならば、新しいカードが現れるまでに長い時間がかかってしまうかもしれない。

破滅の刻はPauperに関して言えばかなり典型的な小型セットだ。そのパワーレベルは(カラデシュのスタンダード環境の犠牲になったかもしれないが)どちらかといえば低い。リーグやチャレンジのデッキリストに居場所を見つけられそうなカードが相当数あるが、それらはどちらかと言えば重要要素というよりもロールプレイヤーだ。この多くがコモンに押し詰められたテーマに取り組まなければならない:砂漠と永遠だ。

Pauperでデッキに入れる価値のある砂漠は数枚しかない。サイクリング土地はウルザズ・サーガとオンスロートにある旧バージョンの下位互換だ。これらが使われたり、《生存者の野営地》が《抵抗者の居住地》よりも使われることがあるとすれば、将来別のセットでもっと強い砂漠関連のカードが出る時だろう。《横這ナーガ》は優秀だがそのためにデッキをゆがめるほどではない。その他に見直すようなものはない。

《不動の歩哨》と《実績ある戦闘員》が永遠を持ったコモンの2枚だ。そのどちらとも表面は十分に強いとは言えない。カードの枠を食わずにただで4/4を得る機会があるのは魅力的だ。明らかにすべき問題は、打ち消されない4/4が基準値以下のクリーチャーを使う理由になるほど強いのかどうかということだ。僕はこれらのカードを好きになりたいし重要なものになってほしいと思っている。それでもこれは両者とも遅すぎると思う。《戦闘員》は《禁忌の錬金術》や《思考掃き》デッキで追加の戦力を補う手段として居場所を見つけるかもしれないが、だとしてもそのサイズは何とか使えるという程度だ。最後の4/4が重要になるようなコントロールのミラーマッチがあれば、これらのどちらかがまあまあのサイドボード要因になるかもしれない。現時点では良くてもフォーマットの末端にある運命だと思っている。

《火付け射手》は直ちに《熱錬金術師》と比較されるカードだ。インスタントやソーサリー1枚ごとに追加のダメージを与えることができ、マナカーブ上でも同じ位置に収まる。《熱錬金術師》と違ってその能力は召喚酔いに影響されず、そして2点ダメージの攻撃をすることができる。これらの長所にはなかなか深刻な対価がともなう ―タフネスが1点しかないんだ。タフネス1のクリーチャーをついでに殺せる効果はたくさんあるので、この脆弱性の増加は問題になる。複数のデッキの重要要素である《ボーラスの占い師》は《射手》を笑い飛ばし、ブロックに参加できない《熱錬金術師》へと変えてしまう。

《熱錬金術師》は現在バーンと一部の黒赤デッキにおいてゲームを締めくくる手段として大いに使われている。これらのデッキで異界月の傑物に置き換わらなかったとしても、《火付け射手》は《秘密を掘り下げる者》と《稲妻》と《轟く怒り》のような火力を利用したより攻撃的な青赤デッキにおいて二方向から攻める武器を作るために使われるかもしれない。

《オアシスの祭儀師》はほぼ確実に使われるだろう。《現実からの遊離》コンボはこのフォーマットで最も楽しいものだし、このクリーチャーはこのデッキにとって良い刺激になる。これまでこのデッキはクリーチャー化した2マナ以上生み出せる土地にそのデッキ名になっているオーラを貼らなければならなかった。このコンボは《ダークスティールの城塞》と《活生の呪文爆弾》に頼ることがあるので大量の除去に対して脆弱ではない。《最後の喘ぎ》と《闇の掌握》は一般的にデッキに入ることはないから、この土地はほとんどの場合生き残って無限大のマナを生み出すだろう。《祭儀師》はクリーチャーとオーラだけしか必要としないことでこのコンボを圧縮する。どちらの半分も《ロナスの施し》で探せるということは、3ターン目の《施し》から4、5ターン目に両方のパーツを準備して勝利することが可能だということだ。一体のクリーチャーを場に残したまま5ターン目まで生き残るのは大変な要求なので、それは依然として多くのものを必要とする。しかし青と緑にはまとまった数の防御的要素があり、このデッキをより信頼性の高いアーキタイプにすることが望めるだろう。
フリード・コンボ Alex Ullman
クリーチャー(12)
4 《エルフの神秘家/Elvish Mystic》
4 《オアシスの祭儀師/Oasis Ritualist》
4 《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
インスタント(13)
2 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
2 《交錯の混乱/Muddle the Mixture》
2 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
3 《巨森の蔦/Vines of Vastwood》
4 《衝動/Impulse》
ソーサリー(14)
2 《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》
4 《ロナスの施し/Benefaction of Rhonas》
4 《定業/Preordain》
4 《現実からの遊離/Freed from the Real》
土地(21)
7 《森/Forest》
7 《島/Island》
3 《シミックの成長室/Simic Growth Chamber》
4 《茨森の滝/Thornwood Falls》
1ターン早く《遊離》を置くためにランプは不可欠だ。緑は《一瞬の平和》で時間が稼ぎ、《ムラーサの胎動》でコンボを繋ぎ合わせ、《巨森の蔦》で《祭儀師》を守ることができる。《交錯の混乱》と《思考訓練》が勝ち手段を見つけるのに役立つし、同時にその前者は特定の攻撃から自身を守ることができる。これは洗練されたリストとは程遠いが、最近のチャレンジにおけるコンボデッキの成功を考えると来たる週に同様のデッキが現れても驚きはしないだろう。

緑の話を続けると、《人生は続く》はこのセットで最も鬱陶しいカードかもしれない。攻撃的な緑のデッキはすでにライフレースを変化させる手段として《部族養い》を使っている。このタルキール覇王譚のコモンのパワーアップしたモードのほうが2点優れているものの常に2マナを必要とする。《人生は続く》は最初の4点のライフに1マナを要求する、そして信じられないくらい簡単な条件で残りの半分を得ることができる。この能力は基本的には陰鬱であり、1マナで8点のライフを得られることは(特にダメージレースをしている時は)非常に影響力が高い。《怨恨》を軸に構築されたデッキであっても、パワー4のクリーチャーがいることよりもクリーチャーが死亡することの方がわずかに簡単だ。僕は破滅の刻の全カードの中で、この先数年間サイドボードを引き締めるカードとして《人生は続く》に一番自信をもっている。

《オケチラの報復者》はそれほど使われなさそうなカードの中で最も鬱陶しいカードだ。Pauperには1白の3/1クリーチャーがたくさんいるが、これは本格的な利点を備えた最初のカードだ。1ターンおきに戦闘ダメージを受けない3/1は可もなく不可もなくだが、白いクリーチャーを評価するときは成功している白いミッドレンジデッキがどれも《骨断ちの矛槍》を使っていることを考慮することが重要だ。同じ能力を持った5/1は強くても鬱陶しい。

斧を振りかざす《報復者》はよく使われているほとんどすべてのクリーチャーと交換するだろうし、それによって死んでしまうこともない。けれど《恩寵の重装歩兵》と違ってこの能力はすべてのダメージではなく、戦闘ダメージしか軽減できない。《ドロモカの伝令》と組み合わせて戦士シナジーをより重要視したとしても《報復者》はまだ通用しない。

Pauperには戦場に出たときに墓地からカードを追放するクリーチャーがほとんどいない。《見栄え損ない》によってその働きがなかったことにされるとしても、おそらく《墓をこじ開けるもの》がベストだろう。《廃却するミイラ》には《忘却の輪》の一節がないので試してみる価値がある。2白で2/3というのはユーティリティークリーチャーとしては優れたサイズだ。《コーの奉納者》が《解呪》効果を発揮するにはもっと多くのマナがかかる。墓地がどれほど重要で、フォーマットが今後どう進展するかを考えれば、クリーチャーを盤面に展開しながら小さなカードアドバンテージを獲得できる能力には影響力があるはずだ。《廃却するミイラ》はすでに使ったリソースしか食べないので本当のカードアドバンテージが得られるとは言い難い、しかしその残り物がしばしばデッキの再供給に役立つ。《ムラーサの胎動》、《墓の刈り取り》、《古術師》そして《発掘》のようなカードはどれも捨て札に適切なカードが置かれていることを当てにしている。最後に、重要カードを狙い撃ちしながら相当のサイズを残せるカードはこのカードしかない(《亡霊招き》はカウントしてない)。Pauperにおいて、墓地はチューターの対象として最高のリソースであり、《ミイラ》は1枚限りの《外科的摘出》だ。これは僕にはとても強く見える。

《神出鬼没の呪拳士》は採用されるまでしばらく時間がかかったが、一たび採用されると《思案》と《定業》を唱えた分だけ素早くダメージを与えることができた。《狡猾な生き残り》は同様のカードで、《入念な研究》をより魅力的にする。《狡猾な生き残り》は《野生の雑種犬》に投じられたカードすべてについて追加のダメージが与えられるようにする。改良型の青緑《野生の雑種犬》デッキはこんな感じになるかもしれない:
緑青マッドネス| Alex Ullman
クリーチャー(21)
2 《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter》
3 《アクアミーバ/Aquamoeba》
4 《尊大なワーム/Arrogant Wurm》
4 《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla》
4 《狡猾な生き残り/Cunning Survivor》
4 《野生の雑種犬/Wild Mongrel》
インスタント(11)
3 《堂々巡り/Circular Logic》
4 《ルーンのほつれ/Rune Snag》
4 《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》
ソーサリー(6)
1 《綿密な分析/Deep Analysis》
1 《静かな旅立ち/Silent Departure》
4 《入念な研究/Careful Study》
土地(22)
8 《森/Forest》
8 《島/Island》
2 《進化する未開地》
4 《茨森の滝/Thornwood Falls》
《狡猾な生き残り》には流行りのコンボデッキにフィットする利点もある ―《不屈の部族》コンボだ。ディスカード1枚当たりのクロックを上げることに加えて、《生き残り》には回避能力が内蔵されているという利点がある。勝ちのターンに手札をすべて捨てることができるのは大したことだし、除去主体の戦略に対してこのデッキを生き残りやすくしてくれるかもしれない。

《悲劇的教訓》は強い。概ね無条件にインスタントスピードでカードが2枚引けることは、コントロールデッキを長期戦で生き残りやすくしてくれる。そのコストはとても無視できるものではない、ゲーム序盤に土地を手札に戻すことはテンポの観点から死につながる。というわけでこの改良された《目録》は、コントロールデッキにおいてゲーム終盤にカードを増やしたり《ボジューカの沼》や《光輝の泉》を再利用するする選択としてより使われそうだ。《教訓》には土地破壊をかわせるという隠れた強さもある。《転覆》と《ディンローヴァの恐怖》はどちらも一般的に土地を対象にとる、そして《悲劇的教訓》は両者を立ち消えさせることができる。《ディンローヴァの恐怖》の場合には手札破壊の部分を無効にするし、《転覆》の場合にはそのカードを打ち消してしまえる。《予言のプリズム》を取り扱うトロンデッキにおいて、このインスタントは《石の雨》や《地の裂け目》からウルザトロンの重要ピースを守るために使うことができる。《人生は続く》が僕の考える最も鬱陶しいカードの称号を得るなら、《悲劇的教訓》は最も気難しいカードに選出される。

破滅の刻には、他にいくつか深く掘り下げなくとも言及する価値のあるカードがある。

・《突破》は《ニヴィックスのサイクロプス》デッキにおける選択肢だ。それ自身が別のカードに置き代わりながら主要なクリーチャーを強化する。これが《ティムールの激闘》に置き換わることはなさそうだが1枚差しするのは間違っていないかもしれない。

・《王神の信者》はいかにも利点のある良いブロッカーに見えるが、これの強さを十分発揮するためのデッキ構築上の制限がきつ過ぎて他より優先するほどではない。

・《相殺の風》は誤算した堂々巡りと呼ばれそうだ。もしコントロールデッキが《ボジューカの沼》をメインから使っていれば、そのミラーマッチにおいてこのカードは素晴らしいだろう。それでも十分使われそうな強さだ。

・《残忍な野猫》は《屍肉喰らい》デッキにおいて《エルフの幻想家》よりも優れたブロッカーになるかもしれない。パワー2のクリーチャーを無力化するとともに、後々カードに変わることもできるのは重要だ。Pauperのアリストクラッツの構築をより上のティアへと後押しするほどではないが、刺激にはなるだろう。

・《縞カワヘビ》と《猛り狂うカバ》はどちらも《死体発掘》と相性が良い。

・《巧みな軍略》は紙とオンラインのコモンのプールを統一する上でのステップになることから、言及する価値がある。

破滅の刻は上質なセットだ。Pauperで使えるカードで僕らを圧倒すると言うよりは、フォーマットに多くの素敵なツールを与えてくれる。電動スクリュードライバーは素晴らしくても、時には古き良き手回しドライバーが必要なものだ。
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-06272017-combo-platter/

Combo Platter
by Alex Ullman, June 27, 2017

Pauperコミュニティが愛するものが1つあるとするなら、それはコンボデッキだ。Pauperに成功したコンボデッキがあるときはいつも成功しすぎて即座に禁止されているという点でこれは報われない愛だ。《ぶどう弾》、《巣穴からの総出》そして《時間の亀裂》を特色としたデッキはどれも許されないことが分かった。《大慌ての捜索》はすぐに禁止されたが事態はほとんど好転しなかった、一方で《フェアリーの大群》は長めに居残り、そして何らかの理由で《流浪のドレイク》は禁止リストの更新を1回生き延びた。

The Pauper Perfect StormDaniel Moura
インスタント(14)
2 《引き裂かれた記憶/Shred Memory》
4 《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》
4 《暗黒の儀式/Dark Ritual》
4 《魔力変/Manamorphose》
ソーサリー(24)
2 《強迫的な研究/Compulsive Research》
2 《信仰無き物あさり/Faithless Looting》
4 《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
4 《ぶどう弾/Grapeshot》
4 《留まらぬ発想/Ideas Unbound》
4 《炎の儀式/Rite of Flame》
4 《血の署名/Sign in Blood》
アーティファクト(10)
2 《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
4 《彩色の星/Chromatic Star》
4 《水蓮の花びら/Lotus Petal》
土地(12)
4 《地熱の割れ目/Geothermal Crevice》
4 《用水路/Irrigation Ditch》
4 《硫黄孔/Sulfur Vent》
サイドボード(15)
1 《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
1 《残響する真実/Echoing Truth》
1 《鋭い痛み/Flaring Pain》
1 《煮えたぎる歌/Seething Song》
4 《綿密な分析/Deep Analysis》
4 《巣穴からの総出/Empty the Warrens》
1 《減縮/Shrivel》
2 《泥炭の沼地/Peat Bog》
イゼット・ドレイクBorzoi, 5-0 Pauper League October 4, 2016
クリーチャー(15)
3 《古術師/Archaeomancer》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
4 《流浪のドレイク/Peregrine Drake》
4 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
インスタント(11)
3 《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker》
4 《対抗呪文/Counterspell》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
ソーサリー(12)
1 《炎の稲妻/Firebolt》
3 《強迫的な研究/Compulsive Research》
4 《炎の斬りつけ/Flame Slash》
4 《定業/Preordain》
土地(22)
4 《山/Mountain》
8 《島/Island》
1 《忘れられた洞窟/Forgotten Cave》
1 《孤立した砂州/Lonely Sandbar》
4 《イゼットの煮沸場/Izzet Boilerworks》
4 《急流の崖/Swiftwater Cliffs》
サイドボード(15)
2 《払拭/Dispel》
2 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
4 《紅蓮破/Pyroblast》
3 《電謀/Electrickery》
4 《水流破/Hydroblast》

エスパー・コンボ Magicverse, 5-0 Pauper League January 23 2016
クリーチャー(21)
1 《孤独な宣教師/Lone Missionary》
1 《賢者街の住人/Sage’s Row Denizen》
2 《夜景学院の使い魔/Nightscape Familiar》
2 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
3 《記憶の壁/Mnemonic Wall》
4 《フェアリーの大群/Cloud of Faeries》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
4 《陽景学院の戦闘魔道士/Sunscape Battlemage》
インスタント(8)
1 《墓の刈り取り/Reaping the Graves》
3 《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker》
4 《断絶/Snap》
ソーサリー(9)
1 《予感/Foresee》
4 《強迫的な研究/Compulsive Research》
4 《定業/Preordain》
土地(22)
2 《平地/Plains》
2 《沼/Swamp》
6 《島/Island》
1 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》
3 《ディミーアの水路/Dimir Aqueduct》
4 《アゾリウスの大法官庁/Azorius Chancery》
4 《進化する未開地/Evolving Wilds》
サイドボード(15)
2 《孤独な宣教師/Lone Missionary》
1 《予感/Foresee》
2 《青の防御円/Circle of Protection: Blue》
2 《緑の防御円/Circle of Protection: Green》
1 《赤の防御円/Circle of Protection: Red》
2 《払拭/Dispel》
1 《破滅の刃/Doom Blade》
3 《ごまかし/Hoodwink》
1 《疲弊の休息/Rest for the Weary》
これらのデッキはコンボデッキのように見える。カード選別と選択を持っていて、そしてゲームを終わらせるエンジンを持っている。ストームデッキは儀式が満載されていて、ゲームを終わらせるだけの数の呪文をスタックへと送りこむ。成功しているときのリストは、はるかに強力なフォーマットのコンボデッキに似ていた。

そしてそれが問題だった。デザイン方針の進化とMagicにたくさんの遊び方があることにより、Pauperが他に楽しまれているローテーションしないフォーマットと同等の安全弁を手に入れるのはとても難しい。《目くらまし》や《強迫》のようなカードは強力だがそれらは主役であり、《意志の力》を唱えるのを助けはしないし《不毛の大地》でもない。その他《真髄の針》や《虚空の杯》のようなコンボの天敵はコモンにはあり得ない。その結果、Pauperには牧歌的なコンビネーションマシンのようなものはほとんど存在しない。

もちろん、恐れるべき不安が全くないわけではない。むしろ、これらのデッキに恋焦がれるPauperコミュニティには大きな不慮の事態があった。彼らの願望はある程度理解することができる:Pauperには強力な燃料と優秀なエンジンがたくさんあるが、効果的な出力先が見当たらない。上に挙げたデッキは単純に適切なカードを集めることが必要で、勝利はほとんど保証されていた。それは特定のタイプのプレイヤーにとっては信じられないくらい魅力的な選択肢だ。Pauperではまだこれらのデッキと健全なフォーマットとを単純に両立することができない。フォーマットが生き残るためにデッキは死ななければならなかった。

しかしそれでPauperにはコンボデッキがいないということにはならない。それどころか多様なコンボデッキが最近Pauper Challengeでより多くの成功を収めている。僕はこれが何よりもこのフォーマットにおけるコンボデッキの相対的な強さを表していると思う。以前のメタゲームのデータはほとんどリーグの結果だけからしか得られなかった。リーグは、良くも悪くも、5-0した結果しか掲載されない。Pauperでもっともよく見られるコンボデッキはイゼット・ブリッツだ。この青赤デッキは《窯の悪鬼》か《ニヴィックスのサイクロプス》のどちらかを軽いキャントリップと《使徒の祝福》と《ティムールの激闘》で強化し、対戦相手を一撃死させることに焦点を当てている。
イゼット・ブリッツ Crazyleg, 5-0 Pauper League
クリーチャー(12)
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
4 《窯の悪鬼/Kiln Fiend》
4 《ニヴィックスのサイクロプス/Nivix Cyclops》
インスタント(18)
1 《渦まく知識/Brainstorm》
1 《払拭/Dispel》
1 《呪文貫き/Spell Pierce》
2 《変異原性の成長/Mutagenic Growth》
3 《使徒の祝福/Apostle’s Blessing》
3 《噴出/Gush》
3 《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
ソーサリー(12)
4 《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
4 《思案/Ponder》
4 《定業/Preordain》
土地(18)
5 《山/Mountain》
8 《島/Island》
2 《急流の崖/Swiftwater Cliffs》
3 《進化する未開地/Evolving Wilds》
Sidebaord (15)
1 《払拭/Dispel》
1 《鋭い痛み/Flaring Pain》
1 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
1 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2 《電謀/Electrickery》
3 《水流破/Hydroblast》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
3 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
イゼット・ブリッツは現時点でPauperのストームデッキにもっとも近い存在だ。熟練した使い手にかかればライフ40から相手を倒すことが可能だ(僕が遭遇したことではないけどね)、そしてこのデッキは準備のないデッキを完全に無視してしまうことができる。さらに何気なく高密度の強力なカードを使ってもいる。《思案》、《定業》、《ギタクシア派の調査》そして《噴出》 ―こらのカードはどれもわずかなコストで信じられないくらい優秀な効果をもっている。これらを互いにつなげることでブリッツの使い手は「ただ勝つ」のに十分な大きさの脅威を作り上げることができる。

ではなぜ5-0の結果がもっと多く掲載されていないのだろう?それは信じられないくらい脆弱なデッキだからだ。以前ほど人気ではないものの、黒主体のコントロールデッキは《チェイナーの布告》や類似の効果に大きく頼っている。《布告》はこのクリーチャーの少ないコンボデッキに対してかなり有効だ。これらの呪文だけでは相性を決定づけるほどではないが、布告はよく他の対象を取る除去の選択肢を組み合わさっている。除去カードを大量に搭載することで、主要クリーチャーに頼ったデッキが自らのプランを成立させるのを困難なものにできる。

これに続いて、イゼット・ブリッツは《一瞬の平和》、《虹色の断片》そしてその他の《濃霧》効果に影響を受けやすい。《赤の防御円》はサイドボードによく入っているカードだし、イゼット・ブリッツが与えるあらゆるダメージを封じ込めることができる。ブリッツは《鋭い痛み》を使うことができるが1枚だけしか使われない傾向がある、つまり《濃霧》側のプレイヤーは《鋭い痛み》が意味を持つ前に勝ちの態勢を整える時間が貰えるということだ。

最後に、次に紹介するコンボデッキのように、イゼット・ブリッツは単純にうまく回らないことがある。もしイゼット・ブリッツがデッキの間違った半分のカードを序盤に引いてしまえば、それは単純に何もすることはない。大量のカードを探すことができても、もし主要なクリーチャーが見当たらなければ行き詰ってしまう。これが、あるいは他の何よりも、このデッキを低迷させ続けているのかもしれない。
不屈の部族コンボ deluxeicoff, Top 8 June 18th Pauper Challenge
クリーチャー(7)
3 《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
4 《不屈の部族/Tireless Tribe》
インスタント(24)
2 《渦まく知識/Brainstorm》
2 《目くらまし/Daze》
2 《万の眠り/Gigadrowse》
3 《堂々巡り/Circular Logic》
3 《払拭/Dispel》
4 《噴出/Gush》
4 《裏返し/Inside Out》
4 《シャドーの裂け目/Shadow Rift》
ソーサリー(11)
3 《定業/Preordain》
4 《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
4 《思案/Ponder》
土地(18)
10 《島/Island》
3 《平地/Plains》
2 《灰のやせ地/Ash Barrens》
3 《進化する未開地/Evolving Wilds》
サイドボード(15)
1 《解呪/Disenchant》
2 《孤独な宣教師/Lone Missionary》
2 《軍旗の旗手/Standard Bearer》
3 《亡霊招き/Beckon Apparition》
3 《海賊の魔除け/Piracy Charm》
4 《水流破/Hydroblast》
《不屈の部族》コンボはイゼット・ブリッツと同じように一撃死をまとめ上げるために強力な青のキャントリップに大きく依存している。《不屈の部族》と《裏返し》を使ってこのデッキはブリッツと同じような一撃死を狙う。まず初めに、致命的なダメージを達成するために必要なのは1つの呪文 ―《裏返し》―を唱えることだけだ。他のことはすべて手札を捨てることによって達成できる。このことから部族コンボはより長いゲームを戦うことができ、防御的なカードにいくつかの枠を割くことができる。《目くらまし》、《払拭》そして《万の眠り》のような呪文は時間を稼ぐ上でいい仕事をする。部族コンボは《堂々巡り》を使うことができる ―今のところ他の競技デッキでうまく使われたことがないものだ。

このデッキは《ボーラスの占い師》と《噴出》を使うこともできる。このエンジンは比較的新しく《占い師》に依存している。3枚分のカードを掘って役に立つ呪文を見つける能力は部族コンボがカードの流れを保つのに役立つ。《噴出》はそれ自体が16点のダメージ与えるのでこのデッキの重要要素だ。《噴出》―《占い師》の組み合わせはイゼット・デルバーで使われているのを見るし、一部のイゼット・ブリッツデッキもこの組み合わせを採用している。

《占い師》―《噴出》はすぐにこのフォーマットで優れた青のドローエンジンの1つとなりつつある。デッキが洗練され速いターンの重要性が増すにつれて、トロン以外のデッキは《熟考漂い》を解決するのに苦労するようになる。《噴出》がマナカーブの低い《島》の多いデッキを要求するとはいえ、このフォーマットでそれを組み立てるのは難しいことではない。《不屈の部族》コンボはイゼット・ブリッツと同様の脆弱性を備えている、しかしたった1体のクリーチャーが場に出ていれば《噴出》をダメージと変換することに関してははるかに優れている。
結集ゴンド Mathonical, Winner May 28 Pauper Challenge
クリーチャー(16)
4 《心優しきボディガード/Benevolent Bodyguard》
4 《深夜の護衛/Midnight Guard》
4 《魂の管理人/Soul Warden》
4 《魂の従者/Soul’s Attendant》
インスタント(5)
2 《農民の結集/Rally the Peasants》
3 《虹色の断片/Prismatic Strands》
ソーサリー(10)
2 《主の募兵/Cenn’s Enlistment》
4 《金切るときの声/Battle Screech》
4 《神々との融和/Commune with the Gods》
エンチャント(6)
2 《未達への旅/Journey to Nowhere》
4 《ゴンドの存在/Presence of Gond》
土地(23)
1 《森/Forest》
1 《山/Mountain》
5 《平地/Plains》
1 《ボロスの駐屯地/Boros Garrison》
2 《灰のやせ地/Ash Barrens》
2 《抵抗者の居住地/Holdout Settlement》
3 《セレズニアの聖域/Selesnya Sanctuary》
4 《花咲く砂地/Blossoming Sands》
4 《カルニの庭/Khalni Garden》
サイドボード(15)
1 《鋭い痛み/Flaring Pain》
1 《未達への旅/Journey to Nowhere》
2 《天啓の光/Ray of Revelation》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2 《軍旗の旗手/Standard Bearer》
3 《忘却の輪/Oblivion Ring》
4 《蜘蛛糸の鎧/Spidersilk Armor》
結集ゴンドは第2回のPauper Challengeを勝利した、そしてMathonicalはそれからこのデッキを改良している。このデッキでは《未達への旅》は大したことをしないので《未達》を2枚抜いて《軍旗の旗手》を入れるのは理にかなっている。その代わり、今日紹介した他のコンボデッキと同じように、結集ゴンドはクリーチャーに大きく依存していて、《軍旗の旗手》は《深夜の護衛》を守る素晴らしい仕事をしてくれる。耐久性の層を追加するという点でこれは戦略上重要な改良だ。

Pauperにはコンボの居場所がある、しかしChallengeでのほうが良い結果を上げているように見える。これの実際の理由は分からないが、僕はいくつか知識に基づいた推測をすることができる。第一に、各デッキはChallengeにおいて、平均して、若干特定のメタゲームに寄せられている傾向がある。その結果、この準備の穴を突くように設計されたデッキが成功を収めることができた。リーグはコンボデッキに強いものと弱いものの配分が(経験上は)よりランダムな傾向がある。多くの場合これらのローグデッキは相性を良くすることができる変わったタイプの回答を積んでいる。Challengeの場合は、掛け金が高いために洗練されたデッキリストが必要なのでこういったことが起こりにくい。

では手元の問題に戻って ―なぜこれらのデッキは「コンボじゃない」と皮肉されるのだろうか?僕が思う最も簡単な答えは、それらがすべてクリーチャーに依存しているからだ。君が思うコンボデッキのイメージを思い浮かべて教えてくれ ―いったいどれだけの数のクリーチャーが使われている?1体のクリーチャーがそのダメージを与えることがどれだけある?これらのデッキはコンボデッキかもしれないがそのイメージに沿っていない。しかしこれらの成功した構築の存在を無視するのはフォーマットとしてのPauperを傷つける。コンボは存在している、ただその方法がちょっとだけ違っている。

破滅の刻はコンボデッキの別の選択肢を与えてくれるだろう。《オアシスの祭儀師》は《現実からの遊離》と組み合わさって無限大のマナを作ることができる。《現実からの遊離》はいつも、1ターンに複数のマナを生み出すことのできる土地のクリーチャー化を含んだ複雑なコンボエンジンの一部となっている。これは伝統的に《活生の呪文爆弾》か《風のゼンディコン》を含む。今や《オアシスの祭儀師》によってこのデッキははるかにコンパクトなエンジンを持っている。《思案》や《定業》、そしてあるいは《ロナスの施し》と組み合わさり、かなり簡単に主要カードを集めるられるだろう。そうなると問題は勝利手段を見つけることだけだ ―《とどろく雷鳴》、《連弾炎》、《ケアヴェクの火吹き》であろうと何であろうと。

Pauperのコンボに蛇のような見た目の新顔が加わるかもしれない。
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-06202017-flickering-light/

Flickering Light
by Alex Ullman, June 20, 2017

ここ1年ほど、Pauperには《幽霊のゆらめき》を搭載したデッキが存在し続けている。このアヴァシンの帰還のインスタントはそれ自体が強力なわけではないが、むしろPauperの主要な要素の1つ(戦場に出た時の能力を持つクリーチャー)との相乗効果がある。これらのカードはこのフォーマットのバックボーンであり、それらの価値を理解することがフリッカーデッキと呼ばれるものに対しての知識を増やすことへとつながる。しかしまずは下準備をしよう。

Pauperは、ある意味では、リソースの制約によって定義されている。コモンに限定されていることでフォーマットは主にお馴染みの効果を中心に回っている。これらの効果を再利用することが何年間も複数のデッキのバックボーンとなっている。フォーマットのパワーレベルがほとんど均一である場合、あらゆる追加の利用法は重大なアドバンテージになる可能性がある。黒単コントロールはこのコンセプトに則っていて、クリーチャーを繋げて徐々にアドバンテージを積み上げようとする。《発掘》はマナを踏み倒しながらさらに追加の脅威を生み出す手段として使われた。初期は黒いデッキがこの点において一番だったが、すぐに白と青のデッキが権威を手にした。

これは《一瞬の瞬き》とともに始まった。《熟考漂い》や《騒がしいネズミ》のようなカードと組み合わせたエスパーブリンクはPauperがフォーマットとして制定される以前はありふれたものだった。このデッキは戦場に出たときに誘発する能力を《一瞬の瞬き》で活用しようと試みて、《騒がしいネズミ》や《盲目の狩人》の追加の利用法を見出していた。想起した《熟考漂い》を対象に取った場合、3白青でカード4枚と飛行を持つ魚を得たことになる(言うまでもなく、その後のゲームではフラッシュバックによって君のクリーチャーを守ることができる)。この戦略は未だに最高の成績を残してはいないが人気であり続けている。

遅い《一瞬の瞬き》は《コーの空漁師》と《夢で忍び寄るもの》によって補完され取って代わられた。これらのデッキは長期戦を見据えることが多く、盤面に寄与しながら利益をひねり出そうとする。《現実の酸》に基づいたデッキはこれらのクリーチャーと《一瞬の瞬き》を取り上げてとても遅い疑似《名誉回復》を毎ターン唱えることができた。そしてこれらのデッキはアヴァシンの帰還まで存在していたが支配的になることはなかった。クリーチャーの追加の利用法を見出せるのは良かったが、ゲームを壊すのは難しかった。

《幽霊のゆらめき》がこの計算を変化させた。《一瞬の瞬き》が追加の効果を1つ生み出すのに対し、《幽霊のゆらめき》はわずか3マナで2倍のことができた。これだけでも素晴らしいが、《記憶の壁》や《古術師》と組み合わさるとこれは3マナ毎にループを作り出す。このエンジンは《フェアリーの大群》と後の《流浪のドレイク》と共にPauperを支配したコンボデッキのバックボーンだった。このループでは好きなだけのマナを生み出すことができ、そのマナにはPauperの歴史を通して複数の使い道があった。最初は(禁止になるまでは)《時間の亀裂》だった、(《フェアリーの大群》が禁止になるまでは)《賢者街の住人》で、それから(《流浪のドレイク》が禁止になるまでは)《とどろく雷鳴》だった。《幽霊のゆらめき》はいくつかのPauper最高のコンボデッキの一部だったがそれが最高のカードであることはなかった。むしろ悪事への強力な誘引者ではあるが、それ自体は複製品と同程度の強さしかない。

今日の《幽霊のゆらめき》はどうなっているのか?それはトップのデッキ2つの重要構成要素であり続けている。まずはディミーア・フリッカー。これは戦場に出たときの能力を持つクリーチャーを利用してゲームをコントロールするデッキとして黒単コントロールに取って代わったデッキだ。
ディミーア・フリッカー janicestone, Top 32 June 11 Pauper Challenge
クリーチャー(14)
2 《古術師/Archaeomancer》
4 《騒がしいネズミ/Chittering Rats》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
4 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
インスタント(14)
1 《残響する衰微/Echoing Decay》
1 《墓の刈り取り/Reaping the Graves》
2 《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker》
3 《見栄え損ない/Disfigure》
3 《破滅の刃/Doom Blade》
4 《対抗呪文/Counterspell》
ソーサリー(10)
1 《綿密な分析/Deep Analysis》
1 《発掘/Unearth》
4 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
4 《定業/Preordain》
土地(22)
5 《沼/Swamp》
6 《島/Island》
1 《やせた原野/Barren Moor》
1 《孤立した砂州/Lonely Sandbar》
1 《光輝の泉/Radiant Fountain》
4 《ディミーアの水路/Dimir Aqueduct》
4 《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
サイドボード(15)
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
3 《吐き気/Nausea》
3 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
3 《ゾンビの異国者/Zombie Outlander》
4 《水流破/Hydroblast》
先に繰り返したPauperの《幽霊のゆらめき》デッキと違ってディミーア・フリッカーはデッキ名になっているインスタントで無限大のマナを生み出したりはしない。それよりもむしろ《古術師》と《騒がしいネズミ》でループを回して対戦相手の新しいドローをロックする。この時点で2/2クリーチャーの軍隊が占領していて、こつこつとライフを減らしていく。ディミーア・フリッカーは《流浪のドレイク》が禁止された後で、《ゆらめき》―《古術師》エンジンの最適な居場所として隆盛した。《騒がしいネズミ》、《海門の神官》そして《熟考漂い》がいる中で、《島》と《沼》が詰まったこのデッキは187能力を再利用するのに完全にフィットしている。

ディミーア・フリッカーはずっとこのフォーマットに存在していたが支配的な勢力になるのは難しかった。それは部分的には、このデッキは勝利に向かい始める時点まではとても公正なゲームをしなければならないからだ。高品質なカードがいっぱいに詰め込まれてはいるものの、依然としてそれらを比較的公正な方法で唱えようとする。モダンマスターズ2017までは対戦相手の新しいドローをロックすることが《幽霊のゆらめき》の最高の使い方だった。

《ディンローヴァの恐怖》がそのすべてを変化させた。このコモン落ちが《ゆらめき》コンボに別の使い道を与えた。最新の再録セットが発売された直後、ウルザトロンを利用して《ディンローヴァの恐怖》、《記憶の壁》、そして《幽霊のゆらめき》によってゆっくりと相手の場のパーマネントをすべて除去しようとするデッキが出現した。ディンローヴァ・トロンは相手への干渉手段をほとんど諦めて、《禁忌の錬金術》や《ムラーサの胎動》のようにコンボをつなぎ合わせるカードや、生き残るのに役立つ《一瞬の平和》を優先している。このデッキは追加の《ディンローヴァの恐怖》として《激情の共感者》を採用したオリジナルのバージョンからいくつかの進化を遂げている。kungfutreesはこのデッキの最新バージョンで6月11日のPauper Challengeの首位を勝ち取った。
ディンローヴァ・トロンkungfutrees, Winner June 11 Pauper Challenge
クリーチャー(8)
1 《ディンローヴァの恐怖/Dinrova Horror》
3 《記憶の壁/Mnemonic Wall》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
インスタント(16)
1 《禁制/Prohibit》
2 《輪作/Crop Rotation》
2 《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》
2 《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker》
2 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
2 《神秘の指導/Mystical Teachings》
2 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
3 《衝動/Impulse》
ソーサリー(2)
1 《綿密な分析/Deep Analysis》
1 《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》
アーティファクト(12)
4 《探検の地図/Expedition Map》
4 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
4 《シミックの印鑑/Simic Signet》
土地(22)
3 《島/Island》
1 《憑依された沼墓/Haunted Fengraf》
1 《離れ島/Remote Isle》
2 《茨森の滝/Thornwood Falls》
3 《ゆらめく岩屋/Shimmering Grotto》
4 《ウルザの鉱山/Urza’s Mine》
4 《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant》
4 《ウルザの塔/Urza’s Tower》
サイドボード(15)
1 《転覆/Capsize》
1 《ディンローヴァの恐怖/Dinrova Horror》
1 《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder》
1 《もつれ/Tangle》
2 《払拭/Dispel》
2 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
2 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
2 《不憫なグリフ/Wretched Gryff》
3 《青の防御円/Circle of Protection: Blue》
僕はこれがディンローヴァ・トロンの最高の型だと思っているが、Pauperでは墓地対策が一般的なのでデッキ名になっているカードの2枚目が入る枠を探してみたいと思っている。そうは言っても、このデッキは大量のカードを見ることのできるコンパクトなコンボパッケージだ。《神秘の指導》と《衝動》が重要要素を探す一方で《輪作》と《探検の地図》はウルザトロンを集めやすくする。このデッキはイゼット・デルバーのようなデッキの攻撃的な初動や打ち消しに弱いように見える、そこで奇妙かもしれないがサイドボードに《青の防御円》が1枚入っている。これは絶えず存在する青いデッキ相手に生き残る上で理にかなっている。

前進するなら、僕は追加の《禁制》を当てはめられないかどうか調べてみたいと思う。《禁制》は柔軟な打ち消しで、他の打ち消し呪文に対抗できるだけでなくこのフォーマットの多種多様な脅威に対して有効だ。豊富なマナがあるならばこのデッキに《卑下》の居場所があるかどうかも調べてみたい。

6月11日のChallengeではトップ16にさらに面白いデッキが登場している。《不屈の部族》コンボは《幽霊のゆらめき》を備えておらず、代わりに《噴出》を一撃必殺の燃料としている。1枚の《裏返し》により、《噴出》1枚が16点分のダメージになる。《不屈の部族》コンボは何年もフォーマットの末端にいるが、今だけは目に見える結果を出している。
不屈の部族コンボ greenprinny, Top 16, June 11 Paper Challenge
クリーチャー(8)
4 《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
4 《不屈の部族/Tireless Tribe》
インスタント(23)
2 《目くらまし/Daze》
2 《払拭/Dispel》
2 《万の眠り/Gigadrowse》
3 《渦まく知識/Brainstorm》
3 《堂々巡り/Circular Logic》
3 《噴出/Gush》
4 《裏返し/Inside Out》
4 《シャドーの裂け目/Shadow Rift》
ソーサリー(10)
1 《空間の擦り抜け/Slip Through Space》
2 《定業/Preordain》
3 《思案/Ponder》
4 《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
土地(19)
4 《平地/Plains》
9 《島/Island》
3 《灰のやせ地/Ash Barrens》
3 《進化する未開地/Evolving Wilds》
サイドボード(15)
1 《空間の擦り抜け/Slip Through Space》
1 《暁の魔除け/Dawn Charm》
1 《綿密な分析/Deep Analysis》
1 《解呪/Disenchant》
2 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
3 《水流破/Hydroblast》
3 《未達への旅/Journey to Nowhere》
3 《軍旗の旗手/Standard Bearer》
いろいろな意味でこのデッキは懐かしき《サイカトグ》デッキ(ただし《激動》無し)と似ている。手札を貯め込んだあとで《不屈の部族》に回避能力を付け、パワータフネスを入れ替えて頑強な守備をドラン風の勢力へと変えることを目指す。このデッキは《稲妻》やその他赤の除去に対して信じられないくらい強く、対象を取る黒の除去が低迷しているメタゲームで繁栄することができる。Pauperは現在《破滅の刃》効果が不足していて、(ディンローヴァ・トロンや《不屈の部族》コンボのような)単一の脅威を軸にしたデッキが優位に立てるようになっている。まだこの《噴出》デッキには続報があるかもしれない(これを書いている時点で、6月18日のPauper Challengeでトップ16にさらに2つ入ったらしい)、そしてこのフォーマットの変わった多様性を示すのに一役買ってくれるかもしれない。

Pauper ChallengeがPauperのメタゲームにどのように影響するのか、僕らにが知っているのはまだその初期段階だ。にも関わらず、最初の4週が過ぎて、4つの異なるデッキが勝利を収めた。破滅の刻まであと数週間と迫っている、その手を遅めるよりむしろ早めるようなまた大きな変化がPauperに訪れるかもしれない。
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-06132017-standing-ground/

Standing Ground
by Alex Ullman, June 13, 2017

6月4日のPauper Challengeではボロス統治者が勝利した。この赤白のミッドレンジデッキはこの記事で述べるように各Challengeで少なくとも1つはトップ8に入っていて、このフォーマットで断然有利な立場いにる。これは現在「フォーマット最強のデッキ」であるイゼット・デルバーに続いて2番目のトップ8入賞数だ。

このデッキは一般的に使われるPauperエンジンを軸にしている ―《予言のプリズム》を伴った《きらめく鷹》と《コーの空漁師》だ。時々《プリズム》と《胆液の水源》が一緒になっているがボロス統治者では《錬金術師の薬瓶》が採用されている。肝となっている要素は、これらのアーティファクトが場に出たときにそれ自身に取って代わることができるということだ。1枚の《プリズム》が1ゲームの間に3枚の新しいカードをもたらしえる。それでは不満だと言わんばかりに、これらのカードはさらにこのフォーマットで最高の赤い呪文を作動させる:《感電破》だ。《スレイベンの検査官》と組み合わせると、重くはあるが《鷹》と《空漁師》のエンジンは安定したカードの流れを生み出すことができる。

このデッキの統治者バージョンは横に広げるのではなく、さらなる魅力を得るために《宮殿の歩哨》に頼っている。ここで《胆液の水源》よりも《錬金術師の薬瓶》を優先する意味が出てくる:本来なら統治者を奪うであろうアタッカーを止めることができる。メインデッキとサイドボードに分けられた2枚の《虹色の断片》はダメージを軽減し、そうして王冠を守ってくれる。《虹色の断片》は最近になってより使われるようになっている。Pauperに単色のアグロデッキがどれだけいるのかを考えるとこのインスタントは見かけよらず強力だ。攻撃を止めて、アンタップのクリーチャーを残して2回目の起動をちらつかせるのは相当な抑止力になる。実際にこれは《電謀》、《墓所のネズミ》、そして《エヴィンカーの正義》を無力化する対策でもある。

防御を固めリソースを蓄えた後、ボロス統治者は攻めに転じることができる。《コーの空漁師》と《きらめく鷹》は実用的な飛行アタッカーであるし、《稲妻》と《感電破》で援護すれば速やかにゲームを終わらせることができる。2枚の《金切るときの声》は航空戦力に寄与するものの、《農民の結集》無しでは鳥トークンに同様の打点は期待できない。
ボロス統治者Lord_Beerus, Winner, June 4th Pauper Challenge
クリーチャー(16)
4 《きらめく鷹/Glint Hawk》
4 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
4 《宮殿の歩哨/Palace Sentinels》
4 《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》
インスタント(9)
1 《虹色の断片/Prismatic Strands》
4 《感電破/Galvanic Blast》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
ソーサリー(3)
1 《炎の稲妻/Firebolt》
2 《金切るときの声/Battle Screech》
エンチャント(2)
2 《未達への旅/Journey to Nowhere》
アーティファクト(8)
4 《錬金術師の薬瓶/Alchemist’s Vial》
4 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
土地(22)
2 《山/Mountain》
2 《平地/Plains》
1 《忘れられた洞窟/Forgotten Cave》
2 《隔離されたステップ/Secluded Steppe》
3 《ボロスの駐屯地/Boros Garrison》
3 《光輝の泉/Radiant Fountain》
3 《風に削られた岩山/Wind-Scarred Crag》
3 《古えの居住地/Ancient Den》
3 《大焼炉/Great Furnace》
サイドボード(15)
1 《緑の防御円/Circle of Protection: Green》
1 《虹色の断片/Prismatic Strands》
2 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
2 《電謀/Electrickery》
2 《孤独な宣教師/Lone Missionary》
3 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
4 《紅蓮破/Pyroblast》

ちょっとトップ8以降を見てみよう、6月4日のChallengeはレッドデックウィンズの出現だったと言える。もう1つの《炎樹族の使者》デッキとして知られているレッドデックウィンズ(RDW)は数多くの1マナパワー2、および赤の2マナの速攻持ちを利用している。強力な火力のセットと《ゴブリンの踵裂き》で道を開き続けることで、このデッキは瞬く間に勝つ力がある。RDWはマナコストに赤が1つ含まれた2マナ域を複数もっているので、相当なブン回りを可能にする上で《炎樹族の使者》が役に立つ。《ゴブリンの群勢》に始まり《炎樹族の使者》からの《谷を駆ける者》でダメージを積み重ねることができる、そしてそれは立ちはだかるであろうあらゆるブロッカーを《ゴブリンの踵裂き》が使えなくする前の話だ。

このデッキはトップ16に2つ入賞している:9位と15位。順位が高い方のリストは《火花鍛冶》と《骨断ちの矛槍》という従来と異なるカードを使っている。けれども僕は15位のリストに注目したい。
レッドデックウィンズ DoubleDrain, Top 16 June 4th Pauper Challenge
クリーチャー(31)
1 《火花鍛冶/Sparksmith》
3 《ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter》
3 《谷を駆ける者/Valley Dasher》
4 《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》
4 《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》
4 《ゴブリンの群勢/Goblin Cohort》
4 《ジャッカルの使い魔/Jackal Familiar》
4 《モグの徴集兵部隊/Mogg Conscripts》
4 《泥騒ぎの群勢/Mudbrawler Cohort》
インスタント(8)
2 《炎の稲妻/Firebolt》
2 《変異原性の成長/Mutagenic Growth》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
ソーサリー(3)
3 《稲妻の連鎖/Chain Lightning》
アーティファクト(1)
1 《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》
土地(17)
16 《山/Mountain》
1 《忘れられた洞窟/Forgotten Cave》
サイドボード(15)
1 《炎の斬りつけ/Flame Slash》
2 《鋭い痛み/Flaring Pain》
3 《火花鍛冶/Sparksmith》
3 《電謀/Electrickery》
3 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
レッドデックウィンズ SquirtleTheaeonsTorn, Top 16 June 4th Pauper Challenge
クリーチャー(31)
3 《ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter》
4 《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》
4 《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》
4 《ゴブリンの群勢/Goblin Cohort》
4 《ジャッカルの使い魔/Jackal Familiar》
4 《モグの徴集兵部隊/Mogg Conscripts》
4 《泥騒ぎの群勢/Mudbrawler Cohort》
4 《谷を駆ける者/Valley Dasher》
インスタント(10)
2 《炎の稲妻/Firebolt》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《変異原性の成長/Mutagenic Growth》
ソーサリー(2)
2 《命知らず/Reckless Abandon》
土地(17)
17 《山/Mountain》
サイドボード(15)
1 《鋭い痛み/Flaring Pain》
3 《電謀/Electrickery》
3 《炎の斬りつけ/Flame Slash》
4 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
4 《紅蓮破/Pyroblast》
SquirtleTheaeonsTornはPauperリーグの恐怖だ。レッドデックウィンズが初めてその力を得てからそれを使い続けている(そして勝っている)。Squirtleのデッキはよりコントロール的な要素(《火花鍛冶》と《稲妻の連鎖》)をカットしてダメージを増加させる2枚のカードを入れている。《変異原性の成長》は戦闘中でタップアウトしていても重要なクリーチャーを除去から守ってくれるし、追加のダメージをねじ込むこともできる。《命知らず》はどんなクリーチャーでも餌に使える以外はオンライン版の《ゴブリンの手投げ弾》だ。

レッドデックウィンズは6月4日のChallengeで合計3つ入賞しており、メタゲームの9.38%に達している。Frank Karstenの得点手法(マッチ勝利で1得点、マッチ敗北で1失点)を用いるとこのデッキは入賞者全体の10%に近い。RDWはソーサリースピードの除去(《チェイナーの布告》や《未達への旅》みたいなもの)に対して有利だ。これらのカードは最も人気のある選択肢ではないが、現時点で後者は《炎の斬りつけ》と同様によく姿を見せている。

ストンピィは《怨恨》と《巨森の蔦》のおかげでその脅威を縦に伸ばすことに長けている、その点レッドデックウィンズは横に広げることを得意とする。軽いパワー2クリーチャーが豊富なことで、2ターン目に4点の攻撃をしやすくなっている。速攻は過小評価されている能力であり、《ゴブリンの奇襲隊》で援護すれば何もないところから勝つことも可能になる。《ゴブリンの踵裂き》の疾駆能力も《ゴブリンの軍勢》と《モグの徴集兵部隊》の攻撃条件を満たしてくれるので驚くほど上手く働く。

言ったように、僕は前進する上でレッドデックウィンズが強力な選択になるだろうと考えている、部分的にこの原因は何もないところからトップ8に2人を送り込んだデッキにある:白単アグロだ。勝ち抜きラウンドを戦った2つの異なるバージョンがあるが、このアーキタイプがトップ32で6.25%、ただし重み付けをして8.89%となるとこれはさらに検討する必要がある。
白単アグロ vihespanhol, Top 8 June 4th Pauper Challenge
クリーチャー(26)
1 《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》
2 《格納庫の整備士/Aviary Mechanic》
2 《野戦外科医/Field Surgeon》
2 《ギデオンの法の番人/Gideon’s Lawkeeper》
2 《孤独な宣教師/Lone Missionary》
2 《軍旗の旗手/Standard Bearer》
3 《忠実な聖戦士/Loyal Cathar》
4 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
4 《戦隊の鷹/Squadron Hawk》
4 《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》
ソーサリー(7)
3 《金切るときの声/Battle Screech》
4 《太陽の槍/Sunlance》
エンチャント(3)
3 《未達への旅/Journey to Nowhere》
アーティファクト(3)
3 《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》
土地(21)
16 《平地/Plains》
1 《漂う牧草地/Drifting Meadow》
4 《隔離されたステップ/Secluded Steppe》
サイドボード(15)
1 《軍旗の旗手/Standard Bearer》
1 《未達への旅/Journey to Nowhere》
2 《天界のほとばしり/Celestial Flare》
2 《孤独な宣教師/Lone Missionary》
3 《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》
3 《塵は塵に/Dust to Dust》
3 《虹色の断片/Prismatic Strands》
白単アグロ seedy_k, Finalist June 4th Pauper Challenge
クリーチャー(26)
1 《格納庫の整備士/Aviary Mechanic》
1 《心優しきボディガード/Benevolent Bodyguard》
4 《ギルドパクトの守護者/Guardian of the Guildpact》
4 《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers》
4 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
4 《忠実な聖戦士/Loyal Cathar》
4 《戦隊の鷹/Squadron Hawk》
4 《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》
ソーサリー(3)
3 《太陽の槍/Sunlance》
エンチャント(6)
2 《オルゾヴァの贈り物/Gift of Orzhova》
4 《未達への旅/Journey to Nowhere》
アーティファクト(4)
4 《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》
土地(21)
19 《平地/Plains》
2 《隔離されたステップ/Secluded Steppe》
サイドボード(15)
1 《太陽の槍/Sunlance》
1 《主の募兵/Cenn’s Enlistment》
1 《真紅の見習い僧/Crimson Acolyte》
1 《断片化/Fragmentize》
1 《確実性の欠落/Lapse of Certainty》
1 《黒の防御ルーン/Rune of Protection: Black》
2 《塵は塵に/Dust to Dust》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2 《赤の防御ルーン/Rune of Protection: Red》
3 《緑の防御ルーン/Rune of Protection: Green》
これらのデッキはどちらも《コーの空漁師》―《スレイベンの検査官》の2人組をフルセットの《戦隊の鷹》と共に使っている。これらのカードは堅実なカードアドバンテージを演出するのでアグロ・ミッドレンジの白いデッキにとって極めて重要だ。《忠実な聖戦士》も変身能力のおかげで《コーの空漁師》と上手く働く。一度死亡したそのカードを回収し、また警戒持ちの2/2と唱えなおすことができる。《骨断ちの矛槍》(これも両方のデッキに入っている)と組み合わさると《聖戦士》は攻めでも守りでも強力な脅威となる。seedy_kとvihespanholはどちらもさらに《空漁師》が欲しくて同じ能力を持った《格納庫の整備士》の追加を選択した。

このデッキには1つの大きな分かれ道がある:vihespanholがマナカーブの頂点に《金切るときの声》を配している一方でseedy_kは《ギルドパクトの守護者》を使っている。8位のデッキにおいて《金切るときの声》は横に広がることを可能にし、ブロッカーを処理したりダメージを通したり《骨断ちの矛槍》を最大限に活用していた。トークン生成手段を入れることでvihespnaholは《野戦外科医》にもたどり着いた ―各クリーチャー自身に《電謀》から守る術を与えるカードだ。これをメインデッキの守りとすることでさらに2枚の《軍旗の旗手》をメインに入れやすくなった。《外科医》と《旗手》はアンタップ状態のクリーチャーが十分にいれば赤系の除去を無力化することができる。そうは言ってもこのデッキはより多くの小型クリーチャーを使っていて、準決勝で優勝者に敗れた。

《ギルドパクトの守護者》は異なる終局を演出する。seedy_kは横に広げるよりもむしろ対処しにくい脅威を作り上げることを決心した。良く使われるカードの中で《守護者》を処理できるものは非常に少ない ―
ただこの理由のために《守護者》はこのフォーマットで長い間お馴染みのカードでいる。《チェイナーの布告》への弱さにも関わらず、《戦隊の鷹》や《忠実な聖戦士》で場を埋め尽くして2/3を生き延びさせやすい白のミッドレンジデッキは《守護者》にとって完璧な居場所だ。

白いデッキの問題は、《感電破》入りの《空漁師》デッキが爆発的増加してからそれについていくのが難しくなったことだ。《平地》しかないデッキのほうが実際の脅威は多いかもしれないが、火力呪文によるリーチが欠けている。結局のところ、赤が使えるデッキはゲームを速やかに締めくくれることが多い。そこで《オルゾヴァの贈り物》が輝く。これは即座にライフを増強することができ、《ギルドパクトの守護者》に装着すれば素早いクロックになる。《守護者》が《骨断ちの矛槍》を持ったなら事態はあっという間に制御不能になる。

この戦略が再び出現したというのはちょっと面白い。Pauperが制定された最初期、《ギルドパクトの守護者》に《アルマジロの外套》がエンチャントされるのはよく見る光景だった。現在の《ぬめるボーグル》呪禁デッキの祖先である緑白デッキは単に優秀なクリーチャーを《守護者》―《外套》の必殺技で援護していた。結局、《怨恨》がオンラインに実装されてこのデッキはストンピィによって道端へと押しのけられてしまった、しかし絆魂のついた《ギルドパクトの守護者》が強いという事実は変わらない。

この戦略は機能したようだ。準決勝で《農民の結集》―《金切るときの声》のボロスにやられる前に、seedy_kは準々決勝でイゼット・デルバーを片づけた。どちらのデッキも除去とリーチを赤に頼っているし、サイドボードの《真紅の見習い僧》の有用性については何の疑いもない。結局、そのデッキは決勝で敗れたが《ギルドパクトの守護者》は再びその力を示した。

僕が白単アグロを使う気になるのはそれほど難しくない(https://goo.gl/4iPW9B)、だからこの結果を見たとき僕の古い二軍を試そうと決めたんだ。seedy_kのリストをMagic Onlineで組み上げて
、それがこのフォーマットに《流浪のドレイク》がやって来る以前に僕が使っていたもの(https://goo.gl/WzSdqX)に良くにていることに気が付いた。僕は決勝進出した構築に自分で修正を加えた上でリーグに持ち込むことに決めた。土地21枚で《ギルドパクトの守護者》を4枚入れるのはリスクが高すぎると感じたので結局3枚に抑えることにした。さらに《格納庫の整備士》1枚と《心優しきボディガード》をカットして《剃刀のゴーレム》2枚と万能除去として《天使の粛清》1枚を入れた。単純に美的な目的で《冠雪の平地》を選択して配信しながらのリーグに挑んだ。

結果は期待したよりも良いものだった。
*Youtube動画(https://youtu.be/Bks07Lhp7BQ

白単アグロ Alex Ullman, 5-0 Pauper League
クリーチャー(25)
2 《剃刀のゴーレム/Razor Golem》
3 《ギルドパクトの守護者/Guardian of the Guildpact》
4 《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers》
4 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
4 《忠実な聖戦士/Loyal Cathar》
4 《戦隊の鷹/Squadron Hawk》
4 《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》
ソーサリー(4)
1 《天使の粛清/Angelic Purge》
3 《太陽の槍/Sunlance》
エンチャント(6)
2 《オルゾヴァの贈り物/Gift of Orzhova》
4 《未達への旅/Journey to Nowhere》
アーティファクト(4)
4 《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》
土地(21)
1 《隔離されたステップ/Secluded Steppe》
20 《冠雪の平地/Snow-Covered Plains》
サイドボード(15)
1 《主の募兵/Cenn’s Enlistment》
1 《神への捧げ物/Divine Offering》
1 《太陽の槍/Sunlance》
1 《損ない/Unmake》
2 《天界のほとばしり/Celestial Flare》
2 《塵は塵に/Dust to Dust》
2 《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》
2 《虹色の断片/Prismatic Strands》
3 《軍旗の旗手/Standard Bearer》
このデッキは壊れたことは何もしない。その代わりに公正なゲームをするが、《骨断ちの矛槍》のおかげでそれが非常にうまくいく。このミラディンの装備品は《怨恨》のようにすべての脅威を強化し素早いクロックへと変えることができる。《怨恨》とは違って容易に付け外すことができるので、すなわち余ったマナで攻撃クリーチャーの打点を伸ばしたりブロッカーを強化したりできる。《ギルドパクトの守護者》は決定力とある種のリーチを与えてくれる。ライフが詰まった状態でゲームが十分長く進行してしまえば、《守護者》は止めになるだろう。

《ギルドパクトの守護者》デッキは現在のメタゲームで強力な選択だと思われる。《炎樹族の使者》という普通に使われている多色カードがあるとしてもね。メタゲームでは効率的なインスタントスピードの除去に重点が置かれていて、それらのほとんどは《守護者》に対して効果がない。

この理由から、僕は現時点で《守護者》が他の2種のマナカーブの頂点候補よりも優れていると考えている。《金切るときの声》は素晴らしいカードだがすべてのデッキがこれに対して備えている(もしくは備えるべきだ)。しばしばストンピィに対して《散弾の射手》を腐らせるために《戦隊の鷹》をサイドアウトすることがある。1ターンを費やして4体の鳥を出して《電謀》だけでなかったことにされるのは大打撃だ。《改革派の貨物車》は《稲妻》で簡単に死んでしまう弱点がある。この機体が強くなるには《炎の斬りつけ》が《稲妻》よりも優先される必要があり、現時点ではそうなっていない。しくじるであろう攻撃に2体のクリーチャーを投じることはPauperでの勝ち方とは言えない。《剃刀のゴーレム》はクリーチャーとアーティファクトの二重の脆弱性がある。これには警戒が付いていてライフを安全圏に保ちながらプレッシャーをかけることができるので、《守護者》の補足として2枚使うのが理にかなっていると分かった。《虹色の断片》のフラッシュバックのためにタップできないという問題は生じる。

ミッドレンジの白いデッキが戦えるならばPauperは健全だ。これらのデッキが回答不可能な引きで君を驚かせることはないだろう。このデッキが盤面を進展させることで勝利できるということは、現在のPauperでは速さにおいて両極端のデッキが支持されているということだ。白いデッキはその速さのスケールの中央に立っているので、フォーマットを集中させるのに役立つ。こんな風に強力になることは永遠にないかもしれない、しかし当分の間は僕の《守護者》を空に飛ばすのを楽しむつもりだ。
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-05302017-why-you-should-play-pauper/

Why You Should Play Pauper
by Alex Ullman, May 30, 2017

来週は最初の2つのPauper Challengeの分析記事をお届けするつもりだ。最初のChallengeがすでにメタゲームデータの恵みを与えてくれているが、それはまだ単一の時点の情報でしかない。次のトップ32の結果を待てばPauperの実際の環境への理解が深まるだろうし、他の確立されたフォーマットと同様にメタゲームがどのように変化するのか(さらに重要なのは変化したのかどうか)を見ることができる。

しかしそれは来週の話だ。今日は君が(そう、君のことだ)Pauperをプレイすべき理由について話したいと思う。

良く知らない人のために、Pauperとはコモンで印刷されたことのあるカードのみを使った競技フォーマットである。マジック・オンラインで公式に認定されていて、公式使用可能リストはデジタルでのカードセットと一致している。すなわち、《チェイナーの布告》、《金切るときの声》、そして《甲虫背の酋長》のすべてが使える。その一方で《High Tide》、《ゴブリンの手投げ弾》、そして《トーラックへの賛歌》は使えない。大きなフォーマットにしては禁止リストは比較的小さい:《フェアリーの大群》、《雲上の座》、《頭蓋囲い》、《巣穴からの総出》、《大慌ての捜索》、《ぶどう弾》、《激励》、《流浪のドレイク》、《時間の亀裂》、そして《宝船の巡航》。以上だ。マジック・オンラインのプログラムをロードしてコモンのフィルターをかけると多数の選択肢がある。これこそがおそらくPauperの一番のセールスポイントである、手軽さだ。

一旦正直になろう:マジックは高価な趣味だ。さまざまな遊び方があるものの、最高のレベルで競い合いたいのなら時間とお金の両方を真剣に投資する必要がある。相当な人がマジックの競技的な部分を楽しんでいるが、常に最も重要なカードをそろえ続けるのには限界がある。ローテーションしないフォーマットでは数ヶ月どころか数年も使える確立したデッキにこだわることができるので、これらのプレイヤーにとって素晴らしいものだ。多くの場合、これらのフォーマットを追い続けるのに必要な金額はスタンダードと比較して安い。Pauperはその中でもさらに安く、一たびこのフォーマットに参入すれば新しいセットにつきほんの数ドルでコレクションを維持することができる。繰り返しになるが、マジックに使える金額は各々の生活環境によって異なっているとは言え、大きな視点でみればPauperに必要な金銭的投資は(オンラインであろうとなかろうと)他の競技フォーマットと比べてはるかに少ない。

この手軽さのおかげでPauperは大きく開けた競技プレイへの素晴らしい足掛かりとなっている。以前話したように(https://goo.gl/UIuVDb)、Pauperには多種多様なデッキと戦略がある。Pauperにはコントロール、アグロ、コンボ、そしてミッドレンジデッキがあり、このメタゲームの乗り切り方を理解することはPauper以外へと応用できるスキルだ。これとフォーマットの手軽な性質とが合わさり、複数のマッチアップを学んでさまざまなデッキ同士がどのように作用し合っているかを深く理解することがかなり簡単になる。さまざまなデッキの回し方を学べるというのはPauperに限ったことではないが、低価格な分ギアの切り替えが簡単になりさまざまな技術の組み合わせを習得しやすくなる。

Pauperはゲームの細かいプレイングに対して見返りのあるフォーマットでもある。ミラディン時代のスタンダード、《電結の荒廃者》はそのあまりの強さでミスを帳消しにしてしまうため Fairy Godmother[訳注:困ったときに助けてくれる妖精]と呼ばれていた。Pauperにもミスを塗りつぶせるカードはあるものの ―《祖先の仮面》、《投げ飛ばし》、《感電破》、《熟考漂い》― それでもこれだけしかない。Pauperはマジックすべての競技フォーマットと同じように、緻密なプレイとプラン立てに対する見返りがある。しかしながら、僕はPauperにおけるプレイングの余地が非常に薄いことと、Fairy Godmotherが上記のようにパワーが低く適切にプレイすることがより重要であるということに気が付いた。

例としてアグロとコントロールのマッチアップを仮定すると、そこには信頼できる全体除去が存在しない。《エヴィンカーの正義》はそれに近いがそれでも条件付きだ。ビートダウン側のプレイヤーがタフネス3のクリーチャーに《吠え群れの飢え》を使ったらどうなる?コントロールのプレイヤーは《破滅の刃》を温存しておいたのか?それともデッキトップから《チェイナーの布告》のプレイするのか?コントロールのプレイヤーのライフが十分低かったらこの選択が問題になるだろうか?

さらに、Pauperではプレインズウォーカーを計算に入れなくてよい。プレインズウォーカーはあらゆる盤面でプレイを一段階複雑にする。そしてマジックの一部始終を学ぶのにライフとパーマネントのどちらを攻めるのが正しいのかを理解する必要がないというのは利点となりえる。一たび特定のアーキタイプのマッチアップで何が重要かを理解できれば、それからプレインズウォーカーを攻撃するのが正しいのかどうかを考え始めることができる。Paueprはより複雑で入り組んだ形のプレイへの入口になってくれる。

もう1つ仮定する:《ニヴィックスのサイクロプス》をコントロールするプレイヤーが今《噴出》を唱えた ―君はどうやってこのゲームに勝つ?

ミスを補える大量のカードがなくても、Pauperは信じられないほどパワフルだ。他のフォーマットで使えないカードもここでは4枚積みが許される。《思案》、《定業》、6種のアーティファクト土地、そして《噴出》でさえもすべて堂々と使うことができる。それだけでなく、これらのカードの大部分はどれもこのフォーマットでは比較的健全だ。《思案》はPauperでは少し強すぎるという議論があるかもしれないが、掘り当てるカードがどれも同じパワーレベルであれば《思案》が何かを壊してしまう可能性は低くなる。強力なカードや戦略をプレイしたい人にとってこれは望ましいことだ。Pauperでは君は《火炎破》で死ぬかもしれないし、《怨恨》でも、そろったウルザトロンによっても同じように死ぬかもしれない。コモンだけであることは何らマジックらしさを損ないはしない。

一たびこれらのスキルがまとめ上げられて、プレイヤーがPauperに熟練すると目に見えた利益がある。オンラインのリーグを連打するのは他の選択肢ほど効率的ではないが、3-2以上ならほどほどの利益を得ることができる。これを十分に行えば他のフォーマットに参入するための資産を築き上げることができる。Pauperはスキルだけでなくコレクションの面においてもマジック・オンラインの最高の足掛かりだ。Pauperは高いレベルでのゲームの仕方を教えてくれるし次のステップへの財政面での準備もしてくれる。

同様にして、デッキ構築をすることにも見返りがある。現在のPauperは、タルキール覇王譚のゲインランド、旧ラヴニカのバウンスランド、《広漠なる変幻地》、《進化する未開地》、そして新しく加わった《灰のやせ地》とその歴史の中でもっともマナ基盤が充実している。適切なマナ基盤の組み方を知ることは重要だし、為すべきことに対して正しいカードを選択することは勝利に大きく貢献する。繰り返しになるが、これはPauperに限ったことではないが、Pauperのマナ基盤における上記の制限を考えると適切な構成を組み上げるのは簡単な作業ではない。

Pauperはコモンだけのマジックだ。それは魅力であるだけでなくフォーマットの基本理念でもある。僕にとってこれがPauperのあるべき姿だし、このフォーマットに何が欠けているかにこだわっているプレイヤーを見るといつも失望させられる。Pauperを素晴らしくするのにより良いマナや全体除去は必要ない。より良い除去やプレインズウォーカーは必要ない。Pauperを素晴らしくするのに必要なのは単純なもの:より多くのプレイヤーだ。Pauperはこのフォーマットを研究してくれるより多くの目と精神を必要としている。Pauperはより高い水準で目立つためにより多くのコンテンツ制作者を必要としている。より多くのものがあれば、Pauperはずっと大きくなることができる。

なぜ君がPauperをプレイすべきなのか?君は自分自身の理由を見つけなければならない。僕は大学生としての予算を破綻させずにスパイクとしての腕を磨きたかったからこのフォーマットに関わった。僕はフォーマットの深さだけでなく未踏の領域の広さにも惹きこまれた。改善のために努力するプレイヤーばかりのコミュニティに出会ったので、僕は魅了された続けた。僕はPauperそれ自体を愛しているだけでなく、僕らの共同体のゲームのより広い世界でPauperができることも愛している。僕にとって一番のフォーマットを君がプレイすべき理由を教えることはできない。しかし、君にPauperに目を向ける理由を与えられたことを願っている。
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-05232017-catharsis-for-dummies/

Catharsis for Dummies
by Alex Ullman, May 23, 2017

ここ数週間、僕の頭はPauperで《死体発掘》を唱えることでいっぱいだ。こうなったのは早期の《ウラモグの破壊者》の魅力によるもの、と言うより僕が《渦巻く砂嵐》を唱えたかったからだ。数週間前に考察したように現在の攻撃的なメタゲームにおいてこの条件付きの全体除去は良い位置に着けていると考えている。幾つかの問題にぶつかる前に、僕は以下のリストでそこそこの成功を収めた:
ラクドス・リアニメイトAlex Ullman
クリーチャー(14)
1 《無政府主義者/Anarchist》
2 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
3 《臭い草のインプ/Stinkweed Imp》
4 《傲慢な新生子/Insolent Neonate》
4 《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher》
インスタント(8)
2 《稲妻の斧/Lightning Axe》
2 《引き裂かれた記憶/Shred Memory》
4 《魔力変/Manamorphose》
ソーサリー(14)
3 《強迫/Duress》
3 《信仰無き物あさり/Faithless Looting》
4 《死体発掘/Exhume》
4 《苦しめる声/Tormenting Voice》
エンチャント(3)
3 《ドラゴンの息/Dragon Breath》
土地(21)
3 《沼/Swamp》
5 《山/Mountain》
2 《ラクドスの肉儀場/Rakdos Carnarium》
3 《進化する未開地/Evolving Wilds》
4 《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves》
4 《鋭き砂岩/Sandstone Needle》
サイドボード(15)
1 《野望のカルトーシュ/Cartouche of Ambition》
1 《大いなるサンドワーム/Greater Sandwurm》
2 《電謀/Electrickery》
2 《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder》
2 《鋳塊かじり/Ingot Chewer》
3 《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》
4 《紅蓮破/Pyroblast》
このデッキは強力ではあったが、僕が好きになるほど安定してはいなかった。このデッキはゲームの最初の数ターンで安定して勝利を組み立てることができたものの、依然として何かが足りなかった。繰り返しの手段を考えながら、僕は配信でプレイしたことのある赤緑トロンのリストを思い出した。このデッキは Gathering Magic の仲間である Carlos Gutierrez が発案したものだ。ウルザトロンの土地パッケージに着目すると、Carlos の赤緑トロンはこのフォーマットの他のトロンデッキとはいくつか有意義な形で異なっていた、しかしおそらく最も重要なのは相手のプレイを無意味にするために適切な土地3つを揃えることを何よりも重要視していることだった。対面の脅威を処理するために、Carlos はソフトなコントロール要素に頼るのではなく単純により速くより大きくを目指す。僕は自分のデッキトップのカードよりも手札のカードでMagicをすることに慣れていたので、これには悪戦苦闘させられた。一たびパラダイムの変化を理解すれば僕はより勝てるようになった。
赤緑トロンCarlos Gutierrez, 5-0 Pauper League
クリーチャー(13)
1 《不憫なグリフ/Wretched Gryff》
2 《大槌の接合者/Maul Splicer》
3 《激情の共感者/Fierce Empath》
3 《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher》
4 《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder》
インスタント(6)
2 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
4 《輪作/Crop Rotation》
ソーサリー(6)
1 《思案/Ponder》
1 《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》
4 《古きものの活性/Ancient Stirrings》
アーティファクト(16)
4 《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
4 《彩色の星/Chromatic Star》
4 《探検の地図/Expedition Map》
4 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
土地(19)
1 《カルニの庭/Khalni Garden》
2 《憑依された沼墓/Haunted Fengraf》
2 《ゆらめく岩屋/Shimmering Grotto》
4 《ウルザの鉱山/Urza’s Mine》
4 《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant》
4 《ウルザの塔/Urza’s Tower》
2 《伝承の樹/Tree of Tales》
サイドボード(15)
1 《不憫なグリフ/Wretched Gryff》
1 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
1 《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》
1 《心なごむ詩句/Calming Verse》
1 《綿密な分析/Deep Analysis》
1 《痕跡消し/Leave No Trace》
1 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
1 《天啓の光/Ray of Revelation》
1 《刈り取りと種まき/Reap and Sow》
2 《緑の防御円/Circle of Protection: Green》
2 《赤の防御円/Circle of Protection: Red》
2 《水流破/Hydroblast》
この赤緑トロンデッキはトップ勝負においては優れている。これは僕が普段好んで使っているミッドレンジデッキよりも先を見据えたプレイを必要とする。これらのデッキのプレイングについて僕にはまだ至らない部分があるが、盤面を一掃するのに十分なマナがあったとしても《とどろく雷鳴》が見つかることを願って《彩色の星》を切るという危ない賭けに出たことはない。トロンを使っている間は僕の一部のニューロンがほぐされると言っても過言ではない。このデッキは確かに強力だが、デッキを強くしているのと同じ部分が僕にとってはデッキをある種つまらないものにしてもいる。けれどこのリストを使ったことで(構築とまではいかないが)、もっとコンボに特化したデッキのプレイの仕方を知ることができた。

この経験を積んだ上で僕はリアニメイトへと立ち戻った。当初はリスクが高すぎるとして《安堵の再会》を却下していたが、この新しい視点から実際の試合で試してみることにした。もっと早く見るべきだったこのカードを僕は切り捨てていた。好きなカード2枚を墓地に捨てて新しく3枚(《臭い草のインプ》がいればもっと多く)のカードを見ることができるのは非常に強力だ。一緒に使いたい発掘持ちのカードが少ないことから当初は懐疑的だったが、これほど多くのカードを見ることができるという利点は採用するのに十分なものだった。

《安堵の再会》への移行は最初の一歩でしかない。Carlos, Jason Sirichoke, Jon Amaro,そしてColor Commotaryの Mike と一緒にこのデッキの調整に取り組んでいる。もっとも重要なステップは《鋭き砂岩》と《魔力変》を取り除いて《水蓮の花びら》にしたことだ。《花びら》はマナを加速させることができる、しかも早ければ1ターン目にそれを行ってコンボ達成を早めてくれる。《水蓮の花びら》への変更は《ラクドスの肉儀場》の弱さを際立たせてもいる。このデッキは素早い《ウラモグの破壊者》の着地を狙うためにアンタップインの土地を必要とする。数回のテストした後の現在の構築はこんな感じだ:
《安堵の再会》リアニメイトAlex Ullman
クリーチャー(15)
1 《大いなるサンドワーム/Greater Sandwurm》
2 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
4 《傲慢な新生子/Insolent Neonate》
4 《臭い草のインプ/Stinkweed Imp》
4 《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher》
インスタント(3)
1 《引き裂かれた記憶/Shred Memory》
2 《稲妻の斧/Lightning Axe》
ソーサリー(16)
2 《安堵の再会/Cathartic Reunion》
2 《苦しめる声/Tormenting Voice》
4 《強迫/Duress》
4 《死体発掘/Exhume》
4 《信仰無き物あさり/Faithless Looting》
エンチャント(7)
3 《ドラゴンの息/Dragon Breath》
4 《水蓮の花びら/Lotus Petal》
土地(19)
5 《沼/Swamp》
7 《山/Mountain》
3 《進化する未開地/Evolving Wilds》
4 《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves》
サイドボード(15)
1 《野望のカルトーシュ/Cartouche of Ambition》
1 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
2 《頭の混乱/Addle》
2 《電謀/Electrickery》
2 《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder》
2 《鋳塊かじり/Ingot Chewer》
2 《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
特定の選択についてのいくつかの注意。

メインに1枚の《大いなるサンドワーム》がいるのは小さいクリーチャーを横に並べるようなデッキに対抗するためだ。《金切るときの声》と《リス・アラナの狩りの達人》は《ウラモグの破壊者》の有用性を抑えるのに非常に適している。《サンドワーム》はこれらの防御をすり抜けるを容易にして勝利へと導いてくれる。《電謀》を入れられるサイドボード後にはこの仕事がもっと楽になる。

サイドボードはここでは多くの重労働をこなす。もともと僕は《チェイナーの布告》と戦う手段として1枚の《成し遂げた自動機械》を使っていた。Jasonが《困窮》を提案した後で僕は《頭の混乱》で対抗した。《頭の混乱》は(正しい色を言い当てられれば)《困窮》と同じようにどんなカードも捨てさせることができる、しかし黒黒に対して1黒というコストがこのデッキでは唱えやすいという利点がある。

このデッキのプレイングはあらゆるコンボデッキと似ている ― 君は初手に非常に限定されたカードが揃うことを期待している。もっとも最初の7枚に入っていてほしいのは《信仰無き物あさり》だ。《物あさり》によってコンボの準備をしながら早い段階で多くのカードに近づくことができる。《信仰無き物あさり》の次に欲しいカードは《安堵の再会》、《傲慢な新生子》、そして《苦しめる声》の順だ。手札にこれらのどれか1枚があれば僕は非常に高い確率でキープする。同様に手札に《死体発掘》と脅威がいればこれもキープする可能性が高い。《臭い草のインプ》が初手にあっても、《死体発掘》があるなら《インプ》を捨てる手段を引ける可能性が高いので気にしない。

一たび《死体発掘》が手に入れば、目的は適切なカードを墓地へと送るためにできる限り多くのカードを引くことへと変わる。時として対戦相手の手札が分からないまま《死体発掘》を唱えなければならないことがあるが、時間とマナがあるならば《強迫》で保護することができる。

《安堵の再会》リアニメイトは攻撃的な戦略に対してとても強い。早期の《ウラモグの破壊者》はほとんどのビートダウンデッキよりも単純に速くいし、ライフとパーマネントに圧力をかけるのは強力な勝ち手段だ。このデッキは《チェイナーの布告》戦略に対して弱い。ここで、このデッキにおけるもう1つの積極的な保護手段として《頭の混乱》が重要になる。そうは言っても依然として難しい戦いだ。

先週末のPauper Challengeに出られたなら僕は《安堵の再会》リアニメイトを使っただろう。強力なドローが可能で驚くほど柔軟性がある。これは現在のメタゲームでのサイドボードとプレイの仕方だ。

ストンピィ
僕の意見ではこれが《安堵の再会》リアニメイトを使う最たる理由の1つだ。このデッキはストンピィに対して相性が良く、早期の《ウラモグの破壊者》は相手を跳ねのけることができる。ストンピィは複数の《若き狼》と《怨恨》によって滅殺を受けることができるが、それは難しい闘いだ。サイドボード後のゲームは《渦巻く砂嵐》次第だ。《強迫》を4枚抜いて2枚の《砂嵐》、3枚目の《グルマグのアンコウ》、そして《野望のカルトーシュ》を入れる。この《カルトーシュ》は《クウィリーオン・レインジャー》を狙い撃つのに便利な一方でライフを安全圏へと逃がしてもくれる。もし《大祖始の遺産》を見かけたら《引き裂かれた記憶》を抜いていい、そして3枚目の《アンコウ》の代わりに2枚の《鋳塊かじり》を入れる。

親和
もう1つの相性のいいマッチアップであり、《強迫》を抜く相手だ。ゲーム1は相手の盤面の進展を抑えながら《破壊者》を展開することに尽きる。《ドラゴンの息》は相手に《感電破》2枚を構えることを強要するので重要だ。サイドインするのは《ファングレンの匪賊》と《鋳塊かじり》。《エイトグ》と《投げ飛ばし》による勝利を防げるので、ゲーム2と3ではほとんどの場合で《ファングレンの匪賊》を《死体発掘》したい。このデッキの一部のバージョンは《金属の叱責》を使い始めているので《強迫》を残し始めるのも正解かもしれない。

イゼット・デルバー
このマッチアップはリアニメイトが若干不利だ。早期の《破壊者》は(ほとんどのマッチアップと同様に)早期にゲームを終わらせることができる。イゼット・デルバーが序盤の数ターンをマナを伸ばすのとカードの操作に費やしてくれるなら、大抵相手がパーマネントを出す前に勝てるだろう。一たび《フェアリーの悪党》と《呪文づまりのスプライト》が機能してしまうと巻き返すのは難しくなる。《稲妻の斧》をサイドアウトして《電謀》と《苦しめる声》にして《引き裂かれた記憶》を《紅蓮破》にする、そしてもしかしたら《野望のカルトーシュ》のために《ドラゴンの息》を抜くかもしれない。ゲーム2と3は《死体発掘》を解決して君の投資を守ることが重要だ。

呪禁
Pauperのボーグルズはどちらが先にコンボを決めるかにかかっている。僕はリアニメイトがわずかに有利だと思うが、呪禁側が速やかに怪物を作り上げてしまったら立て直すのは難しくなる。《稲妻の斧》は役に立たない、《引き裂かれた記憶》と《苦しめる声》も抜いて《電謀》と《渦巻く砂嵐》にする。このマッチアップは純粋なレースで、3ターン目までに《破壊者》を出すことができればまず負けないはずだ。

ディミーア・フリッカー
《チェイナーの布告》とそれを回収する《古術師》を持たれているという点でとても苦手なマッチアップだ。勝利への最良の道は2ターン目か3ターン目に速攻持ちの《破壊者》を出して相手の土地を食べてしまうことだ。相手は《ディミーアの水路》に頼っているのでこれは不可能なことではない。サイドボード後は《サンドワーム》を抜いて3枚目の《アンコウ》にする、そして《稲妻の斧》を抜いて《頭の混乱》にするのが好みだ。この場合もやはり《大祖始の遺産》と闘うために《鋳塊かじり》の枠を見つけたくなるかもしれない、しかし《遺産》が出てしまえばそれはすでに難しい闘いだ。

ディンローヴァ・トロン
ディミーア・フリッカーのより大きなバージョン。このデッキは《輪作》で《ボジューカの沼》にアクセスすることができ、こちらはそれを止めることができない。ディンローヴァ・トロンは準備にいくらか時間がかかり、そういう場合にリアニメイトは《破壊者》を釣り上げて土地を食べ始めることができる。《稲妻の斧》と《大いなるサンドワーム》を抜いて相手の打ち消しやスタック上の《ディンローヴァの恐怖》を止めるために《紅蓮破》を入れる。

カルドーサ・トークン
白赤のマッチアップはどちらが先に必要なカードを引くかにかかっている。もし相手が《未達への旅》を引けば勝つのは難しくなるが、最初の数ターンを《予言のプリズム》のバウンスに費やしてくれるなら、その投資も《破壊者》の滅殺の前では時間の無駄になる。《電謀》が重要で《稲妻の斧》は役立たずなので入れ替える。2枚の《鋳塊かじり》のために《引き裂かれた記憶》と《臭い草のインプ》を抜くことも考えられる。
[訳注:fairly academic の訳が分からん]

他にも人気のデッキがあるが現時点で大きいのはこれらだ。エルフは一度でも全体除去が使えれば簡単で、デルバーは《蒸気の絡みつき》と《断絶》のおかげで悩みの種だ。最初のPauper Challengeがフォーマットをコントロールデッキ寄りにするのであれば、正直言ってリアニメイトを勧めることはできない。みんながゴーカートに乗って互いを抜き去ろうとしている限りは僕はモンスター・トラックで乗り込むと言えるだろう。
【翻訳】Crushing Hopes by Alex Ullman ~ラクドス・リアニメイト構築【Pauper】
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-05092017-crushing-hopes/

Crushing Hopes
by Alex Ullman, May 9, 2017

Pauperを特徴づけているものの1つに真の全体除去の欠如がある。《神の怒り》効果の不在はフォーマットのあらゆる面に明確に影響を与えている。盤面に展開をしすぎることのコストは最小限であり、コントロールデッキは早期に優位に立とうとしなければならず、カードも維持しなければならない。《墓所のネズミ》や《エヴィンカーの正義》といった条件付きの全体除去がいくつかあり、黒いデッキはこの組を上手く活用している。《電謀》はトークンやタフネスの低いクリーチャーを処理する手段としてよく使われている。しかしこれらは大きいクリーチャーに対しては何もしない。

数年間、Pauperはこれらのカードだけで問題なくやってきた。バランスはとれていたが、明らかに不安定なものだった。しかしながら、最近のPauperでは多数のクリーチャーを除去するために条件の異なった方法に頼る必要がある。賢明な読者は上記のリストに重要な全体除去が1枚欠けているのに気付いたかもしれない、そしてそのカードこそこれから僕らが注目するものだ。

《渦巻く砂嵐》はスレッショルドを達成していないと何もしないカードだ。君の墓地に7枚以上のカードがあればこれはクリーチャーだけに効く《地震》になる。これにはたくさんの準備が必要だし墓地対策にも弱い。それはすべて間違いないことだが、それでもこのカードはPauperで使われる脅威の大部分を除去することができる。ではなぜ《エヴィンカーの正義》のような安定したカードよりこのカードを使うべきなのだろうか?

アモンケットは呪禁に《結束のカルトーシュ》を与え、デッキをさらなるレベルへと押し上げた。呪禁はすでに《エヴィンカーの正義》を生き残れる大きさの怪物を作り上げること長けていたが、その同じ怪物は《チェイナーの布告》に簡単に屈してしまってた。《カルトーシュ》が生成する戦士トークンによって呪禁が呼び出せるクリーチャーの除去難易度が高くなる。ストンピィは何も新しいカードを得ていないが《吠え群れの飢え》でもまた《正義》を回避することができる。どちらのデッキも《渦巻く砂嵐》に耐性を持つことができるが、この赤いソーサリーは《祖先の仮面》や《天上の鎧》を複数付けているクリーチャー以外対しては相当な働きをすることができる。複数の《グルマグのアンコウ》を除去することができるという利点はいずれにしろ悪いものではない。

1週間の大半をマルドゥを回すこと費やした後で僕はこのメタゲームが変化し始めていることに気づいた。《結束のカルトーシュ》によって僕の除去
はもはや呪禁に対して上手く機能しなかったし、またストンピィは《吠え群れの飢え》の枚数を増やしているように見えた。僕は《渦巻く砂嵐》が合理的なカードであるという仮説をテストしてみようと考えた。そのために僕はここ数ヶ月取り上げてこなかったデッキへと向かった。

《渦巻く砂嵐》が単体でどう働くかが見たかったのでこのカードをマルドゥに投入することには反対した。周囲を取り囲む除去のおかげでそれはマルドゥで機能したかもしれない。その代わり、僕は安定して早期にスレッショルドを達成できる居場所とともに、このカードがプランの中心となるチャンスを与えたかったんだ。
ラクドス・リアニメイトAlex Ullman
クリーチャー(14)
1 《無政府主義者/Anarchist》
2 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
3 《臭い草のインプ/Stinkweed Imp》
4 《傲慢な新生子/Insolent Neonate》
4 《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher》
インスタント(8)
2 《稲妻の斧/Lightning Axe》
2 《引き裂かれた記憶/Shred Memory》
4 《魔力変/Manamorphose》
ソーサリー(14)
3 《強迫/Duress》
3 《信仰無き物あさり/Faithless Looting》
4 《死体発掘/Exhume》
4 《苦しめる声/Tormenting Voice》
エンチャント(3)
3 《ドラゴンの息/Dragon Breath》
土地(21)
3 《沼/Swamp》
5 《山/Mountain》
2 《ラクドスの肉儀場/Rakdos Carnarium》
3 《進化する未開地/Evolving Wilds》
4 《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves》
4 《鋭き砂岩/Sandstone Needle》
サイドボード(15)
1 《野望のカルトーシュ/Cartouche of Ambition》
1 《大いなるサンドワーム/Greater Sandwurm》
2 《電謀/Electrickery》
2 《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder》
2 《鋳塊かじり/Ingot Chewer》
3 《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》
4 《紅蓮破/Pyroblast》
そういうわけで僕はラクドス・リアニメイトの構築に至った。僕は2,3ターン目に《ウラモグの破壊者》を出して複数のパーマネントを貪り始めることができるという理由で、《流浪のドレイク》が全盛期のころに同様のデッキを支持したことがある。このデッキはディスカードと《臭い草のインプ》のエンジンで動いている。墓地に1枚の《ウラモグの破壊者》と《ドラゴンの息》が一緒に必要で、両者を《死体発掘》で復活させる。リアニメイトは中盤を戦う力のあるコンボデッキだが、一たび両方のプレイヤーがマナの豊富な状態になると自分を見失うことがある。

コンボ同士を互いに結び付けるためにこのデッキは《傲慢な新生子》、《信仰無き物あさり》そして《苦しめる声》を使っている。これらのカードはどれも《死体発掘》を探しながら適切なカードを墓地へと送ることができる。《臭い草のインプ》が墓地にいて《死体発掘》が手札にあれば、正しい2枚を探しにカードを一気に墓地に送り始めることができるので理想的だ。《引き裂かれた記憶》は《死体発掘》を探しながらその対称性を破壊するという2つの役割を果たす。

ラクドス・リアニメイトが取り組むべき正しいプレイは、《ウラモグの破壊者》のための《死体発掘》を解決する最良のチャンスを作り出すことだ。この目的のためにゲームの序盤は《苦しめる声》と《信仰無き物あさり》でデッキを掘り進めて正しいカードを探し出すことに費やされる。《鋭き砂岩》は一気にマナを生み出して2ターン目の《物あさり》からの《死体発掘》をお膳立てすることができるので重要な意味がある。《鋭き砂岩》は《魔力変》とも相性が良く、見た目では赤い土地で《死体発掘》が唱えられるようになる(そしてピンチの時にはサイドボード後の緑のカードを唱えられる)。《砂岩》は後半において大きな脅威を唱えるのを可能にしてもくれるし、《ウラモグの破壊者》を素のコストで唱える可能性はないわけでない。理想的にはその時点でゲームに勝ちたいだろうが、時として思うように物事を壊せないこともある。

リアニメイトを機能させるためには《臭い草のインプ》の取り扱いが重要だ。まだ《死体発掘》を手に入れていない場合は発掘するのは回避したい。一たびそれを手に入れたなら、欲しいカードの組み合わせを墓地に集めるためにすべての機会で絶対に発掘をしたい。モダンのファンはすでにこれらのデッキにおける《傲慢な新生子》の強さを知っている。この吸血鬼は驚くべき仕事をする、手札の《臭い草のインプ》を捨ててそれを直ちに発掘して墓地を満タンにすることができるんだ。最近のモダンにおける《安堵の再会》の活躍にもかかわらず、リアニメイトでは2枚のカードを捨てる余裕がないので《苦しめる声》の方が好ましい。発掘デッキとは違い、このデッキの墓地シナジーを持つカードの密度は追加コストを追加のドローに匹敵させるほどのものではない。

《渦巻く砂嵐》が見つけた居場所はサイドボードだ。このデッキはいつでもこの手の効果が必要なわけではない ―このカードが何もしないマッチアップが多く存在する― そしてストンピィと呪禁に対してはこのカードを入れられることが重要になると思う。親和の増加をかんがみると《ファングレンの匪賊》を入れておきたかった。《匪賊》は堅実なサイズと《エイトグ》と《投げ飛ばし》による勝利を困難にさせるライフ回復効果を持っている。もともとは3枚積んでいたが1枚をカットして2枚の《鋳塊かじり》を加えた、これはアーティファクト、とりわけ《大祖始の遺産》と戦うためだ。《紅蓮破》は《死体発掘》をめぐる戦いに勝利するためのもので、《電謀》は主に呪禁と《金切るときの声》で横に広げてくるデッキに対する追加の防衛手段だ。サイドボードの最後の2枚は説明が必要だね。

Pauperリーグの常連の Kungfutrees は前シーズンに彼が流行らせたイゼット・デルバーで大きな仕事をした。ここ数週間、彼は《大いなるサンドワーム》を特色とした青黒《死体発掘》デッキを回していた。このアモンケットのコモンは自分自身で墓地へ行けるという利点があり、《大祖始の遺産》や《虚無の呪文爆弾》と戦う時には重要になる。《死体発掘》がまだスタック上にあり、追放効果が解決された後にサイクリングをすることで確実にかなりの大さの怪物を場に出すことができる。《サンドワーム》はパーマネントを食べることはしないが簡単にチャンプブロックされることはない。エルフのようなデッキ相手には決定打になりえる。

2枚目のカードは《野望のカルトーシュ》だ。Kungfutrees はバーンやその他の積極的にライフを攻めてくるデッキから圏外へと逃げる手段として《吸血の絆》を使っていた。僕が《野望のカルトーシュ》を選択したのは小さいクリーチャーを処理できるからだけではなく、それが絆魂を与えてくれるからだ。《吸血の絆》のライフ回復は誘発系能力でありスタックを用いるのでこれは重要だ。これにより、バーンの使い手はダメージに対応して呪文を畳みかけることでゲームを終わらせることができる。
ディミーア・リアニメイトkungfutrees, 5-0 Pauper League MTGO
クリーチャー(14)
1 《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger》
1 《よじれた嫌悪者/Twisted Abomination》
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
4 《大いなるサンドワーム/Greater Sandwurm》
4 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
インスタント(23)
1 《目くらまし/Daze》
1 《払拭/Dispel》
1 《残響する衰微/Echoing Decay》
1 《恐ろしい死/Ghastly Demise》
1 《噴出/Gush》
1 《活力の奔出/Rush of Vitality》
1 《呪文貫き/Spell Pierce》
1 《熟慮/Think Twice》
3 《留意/Mental Note》
4 《渦まく知識/Brainstorm》
4 《対抗呪文/Counterspell》
4 《思考掃き/Thought Scour》
ソーサリー(6)
2 《思案/Ponder》
4 《死体発掘/Exhume》
土地(17)
2 《沼/Swamp》
8 《島/Island》
1 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》
2 《灰のやせ地/Ash Barrens》
2 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
2 《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
サイドボード(15)
1 《払拭/Dispel》
1 《綿密な分析/Deep Analysis》
1 《エヴィンカーの正義/Evincar’s Justice》
1 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
1 《吸血の絆/Vampiric Link》
2 《オーラの変転/Aura Flux》
2 《破滅の刃/Doom Blade》
2 《水流破/Hydroblast》
2 《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
2 《減縮/Shrivel》


ではラクドスに戻ろう。このデッキは週の初めに立派にパフォーマンスを発揮した。ストンピィと呪禁だけでなく、親和とバーンに対しての強さに僕は感心した。緑との対戦では多くの場合、早期に巨大な脅威を展開する能力は手に負えないものだとわかった。サイド後はあらゆる突撃を鈍らせることのできる《渦巻く砂嵐》でゲームが決まることが多かった。バーンは信じられないくらい安定しているにもかかわらず、《ウラモグの破壊者》を効果的に防御できるだけのパーマネントを盤面に維持することができない。親和が素早く勝利することはあるが《ファングレンの匪賊》のための《死体発掘》が解決されれば早期に決着をつけることができる。

しかしながら、週が進むにつれてリアニメイトに対して強いデッキをより見かけるようになった。レッドデックウィンズは速攻持ちのクリーチャーがデッキに多いために非常に厄介であることがわかった。《チェイナーの布告》と《破滅の刃》が《破壊者》に対してとても良く効くのであらゆる黒主体のデッキは悪夢であり、それらのデッキは復活してきたようだ(《ボジューカの沼》は言うまでもない)。様々な《胆液の水源》―《コーの空漁師》デッキも、《破壊者》の最初の攻撃が4ターン目以降では間に合わないくらい十分なカードを獲得できるので辛いマッチアップだ。より遅いデッキ相手では早期の《大祖始の遺産》が致命的だ。これらの要素から、ラクドス・リアニメイトは主にメタゲームデッキに留まっている。

前進すると、僕は間違いなく《渦巻く砂嵐》の居場所をもっとたくさん探すだろう。このカードはその価値を示したし、ゲームの様相を完全に変えてしまうだけの素質がある。もしかしたらこのデッキは《安堵の再会》と一緒に白い不朽クリーチャーと《金切るときの声》で墓地から脅威を生み出すことを特色にするかもしれない。ラクドス・リアニメイトを進めると、僕は逆転勝利のために75枚のうちのどこからに《ティムールの激闘》を入れてみたい。《大祖始の遺産》をすり抜ける方法として《遺棄地の恐怖》にも興味をそそられる。墓地追放効果を回避して攻撃することが可能になるので、《恐怖》によって《信仰無き物あさり》と《苦しめる声》は強化される。さらにこれはサイクリングを持っているのでリアニメイトが2ターン目に脅威を展開するさらなる手段になる。

時として、新しいカードをテストする最良の方法は君が良く知ったデッキでそれがどう動くのかを見ることだ。ラクドス・リアニメイトは先頭を走るデッキではないが、僕はそれの回し方とメタゲーム上での位置についてのおおよその理解を持っていた。このデッキが崩れたとしても《渦巻く砂嵐》が美しく機能することが分かった。もしかしたら破滅の刻が墓地から巨人を召喚する別の方法を与えてくれるかもしれない。でも僕は驚きはしないだろう。
【翻訳】モダマス2017シーズンレビュー & マルドゥ構築 by Alex Ullman【Pauper】
【翻訳】モダマス2017シーズンレビュー & マルドゥ構築 by Alex Ullman【Pauper】
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-04252017-modern-masters-2017-in-review-and-mardu/

Modern Masters 2017 in review and Mardu
by Alex Ullman, April 25, 2017

アモンケットの時代が近づいている。王神ニコール・ボーラスはほぼ確実にカード化されるだろうが、おそらくPauperでその威光を示すことはないだろう。新しいセットはモダンマスターズ2017シーズンの終わりを告げるものだ;混乱の4週間半だった。このセットは影響力のある新しいコモンの密度が高かった。トレジャーチェストによって実装されたコンスピラシー:王位争奪の2枚のカード ―《宮殿の歩哨》と《黒薔薇の棘》を含めればその数はさらに多くなる。これらのカードには後々取りかかるとして、まずはもっとも重要なことから話すとしよう。全情報は2017年4月23日からこのシーズンが終わる1日前までに採られたものだ。

1. ストンピィ; 21.09%
2. イゼット・デルバー; 9.9%
3. 親和; 9.58%
4. ディミーア・フリッカー; 8.95%
5. カルドーサ・トークン; 6.07%
6. ディンローヴァ・トロン; 4.47%
7. ムラーサ・トロン; 4.47%
8. レッドデックウィンズ; 4.15%
9. デルバー; 3.51%
10. 呪禁; 3.51%

1. ストンピィ
このフォーマットで優れたデッキの1つに「無料」の2マナ域を与えたらどうなるだろう?それはストンピィになる。このデッキは主に《炎樹族の使者》を背景にして5勝デッキでのシェアを霊気紛争シーズンのおよそ2倍にした。モダンマスターズ2017以前のストンピィは《イラクサの歩哨》と《スカルガンの穴潜み》を組み合わせて2ターン目の終了時にパワー6を場に出すことができた、しかしそれは《チェイナーの布告》系の除去に対してデッキを脆弱にするし、さらに手札を使い切ってしまう可能性があった。《使者》はパワー6を場に出すのを簡単にするだけでなく、別の《使者》が唱えられればさらに上乗せができるようになった。同様に《使者》の後続としては《巣の侵略者》とそれによる0/1のエルドラージ・落とし子が一般的なので、《チェイナーの布告》の有効性を下げるのに役立つ。小さな変化だが爆発的なスタートへとつながるルートを増やしたことで《炎樹族の使者》はストンピィをメタゲームのトップへと押し上げた。
ストンピィepermono, 5-0 Pauper League
クリーチャー(30)
2 《リバー・ボア/River Boa》
2 《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》
2 《野生の雑種犬/Wild Mongrel》
4 《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》
4 《巣の侵略者/Nest Invader》
4 《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》
4 《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》
4 《スカルガンの穴潜み/Skarrgan Pit-Skulk》
4 《若き狼/Young Wolf》
インスタント(10)
3 《地うねり/Groundswell》
3 《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》
4 《巨森の蔦/Vines of Vastwood》
エンチャント(4)
4 《怨恨/Rancor》
土地(16)
16 《森/Forest》
サイドボード(15)
2 《象の導き/Elephant Guide》
2 《勇壮な対決/Epic Confrontation》
2 《部族養い/Feed the Clan》
2 《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》
3 《散弾の射手/Scattershot Archer》
4 《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》
一部の人は《炎樹族の使者》を取り上げていない。これらのプレイヤーはその代わりに、より伝統的な緑のアグロデッキの構築を頼りにしている。これはぶっ壊れたドローの可能性をいくらか減らしてしまっているが、2ターン目における柔軟性をいくらか向上させている。2ターン目には《使者》から《侵略者》を狙うよりも緑1マナの脅威を2体場に出す方が重要なんだ。これらのバージョンは最新の型ほどの人気はないが依然として使われている。

ストンピィが隆盛した結果、その捕食対象がいくらか減ってしまった。Pauperで何年もトップ周辺に居続けた青いデッキであるデルバーはその地位を奪われてしまった。そして何とその力を落としてしまったことだろうか。デルバーは全勝デッキのメタゲームで15%越えから4%以下にまで落ちてしまった。この衰退は、デルバーが一貫してPauperにおける隠れた怪物の役割を果たしていることでより驚かされる。ストンピィは元からデルバーに対して相性が良く、《森》の隆盛は《島》の衰退の兆しになっている。

2.イゼット・デルバー
イゼット・デルバーmw_94gA, 5-0 Pauper league
クリーチャー(19)
3 《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
4 《フェアリーの悪党/Faerie Miscreant》
4 《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours》
4 《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
インスタント(16)
1 《目くらまし/Daze》
1 《払拭/Dispel》
2 《渦まく知識/Brainstorm》
2 《噴出/Gush》
3 《対抗呪文/Counterspell》
3 《雪崩し/Skred》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
ソーサリー(7)
3 《思案/Ponder》
4 《定業/Preordain》
土地(18)
2 《冠雪の島/Snow-Covered Island》
9 《冠雪の山/Snow-Covered Mountain》
3 《灰のやせ地/Ash Barrens》
4 《進化する未開地/Evolving Wilds》
サイドボード(15)
2 《電謀/Electrickery》
2 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
2 《水流破/Hydroblast》
2 《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》
3 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
4 《紅蓮破/Pyroblast》
そういった《島》の一部は《山》に置き換わっている。イゼット・デルバーはその単色の原型における攻撃的なパッケージの一部を利用し、《尖塔のゴーレム》をモダンマスターズ2017のもう一つの傑物である《ボーラスの占い師》で置き換えている。このデッキは依然として同様の一般的なゲームプランに則っていて、早期に脅威を確立させてそのプレッシャーの維持を試みる。赤を足すことでこのデッキは《雪崩し》と《稲妻》の両方で盤面の脅威を取り除いておけるようになった。《稲妻》がゲームを終わらせるのに役立つということは、このどちらにとっても悪くない。イゼット・デルバーは《渦まく知識》と合わせて《灰のやせ地》も使っていて、レガシーでの《渦まく知識》と《沸騰する小湖》を思わせる多大なドローができる。

イゼット・デルバーの問題点はそのマナにある。シャッフル効果と青いキャントリップの枚数によっていくらか緩和できるものの、それでもなお大きな問題となる。適切なマナ配分を得るためには時間とマナが必要なことが多く、イゼット・デルバーが追いつけることもあるが時として挽回できないほどの遅れをとってしまう。

4.ディミーア・フリッカー&ディンローヴァ・トロン
ディミーア・フリッカー curryhajj, 5-0 Pauper League
クリーチャー(14)
2 《古術師/Archaeomancer》
4 《騒がしいネズミ/Chittering Rats》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
4 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
インスタント(14)
1 《残響する衰微/Echoing Decay》
1 《除外/Exclude》
1 《墓の刈り取り/Reaping the Graves》
2 《見栄え損ない/Disfigure》
2 《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker》
3 《破滅の刃/Doom Blade》
4 《対抗呪文/Counterspell》
ソーサリー(9)
1 《発掘/Unearth》
4 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
4 《定業/Preordain》
エンチャント(1)
1 《死の重み/Dead Weight》
土地(22)
5 《沼/Swamp》
6 《島/Island》
1 《やせた原野/Barren Moor》
1 《孤立した砂州/Lonely Sandbar》
1 《光輝の泉/Radiant Fountain》
4 《ディミーアの水路/Dimir Aqueduct》
4 《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
サイドボード(15)
1 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2 《綿密な分析/Deep Analysis》
2 《払拭/Dispel》
2 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
2 《ヴォーデイリアのゾンビ/Vodalian Zombie》
3 《吐き気/Nausea》
3 《否認/Negate》
ディンローヴァ・トロンatams, 5-0 Pauper league
クリーチャー(9)
2 《記憶の壁/Mnemonic Wall》
3 《ディンローヴァの恐怖/Dinrova Horror》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
インスタント(20)
1 《破滅の刃/Doom Blade》
2 《卑下/Condescend》
2 《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》
2 《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker》
2 《神秘の指導/Mystical Teachings》
2 《禁制/Prohibit》
2 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
3 《輪作/Crop Rotation》
4 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
ソーサリー(1)
1 《調査/Probe》
アーティファクト(7)
1 《ディミーアの印鑑/Dimir Signet》
1 《探検の地図/Expedition Map》
1 《シミックの印鑑/Simic Signet》
4 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
土地(23)
1 《島/Island》
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
1 《離れ島/Remote Isle》
1 《シミックのギルド門/Simic Guildgate》
1 《未知の岸/Unknown Shores》
2 《ゆらめく岩屋/Shimmering Grotto》
4 《茨森の滝/Thornwood Falls》
4 《ウルザの鉱山/Urza’s Mine》
4 《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant》
4 《ウルザの塔/Urza’s Tower》
サイドボード(15)
1 《ディンローヴァの恐怖/Dinrova Horror》
1 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
1 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
1 《青の防御円/Circle of Protection: Blue》
1 《赤の防御円/Circle of Protection: Red》
1 《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder》
1 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
1 《天啓の光/Ray of Revelation》
1 《心に静寂/Serene Heart》
1 《屍賊の嘆き/Wail of the Nim》
1 《不憫なグリフ/Wretched Gryff》
2 《払拭/Dispel》
2 《水流破/Hydroblast》
これら2つのデッキをまとめたのは両者が同じ要領で動作するからだ。これらはどちらも《幽霊のゆらめき》を使ったロックデッキであり、マナベースが異なる以外はどちらも《幽霊のゆらめき》とその回収手段と破壊的なクリーチャーとが集まるまでゲームを長引かせようとする。このために、ディミーア・フリッカーは除去と《対抗呪文》を使って脅威を食い止め、《定業》、《海門の神官》そして《熟考漂い》のようなカードで正しいパーツを探し出す。最終的には《古術師》と《幽霊のゆらめき》のコンボを成立させ、最後のパーツを探し出すか《騒がしいネズミ》で勝利に向けて歩み始めるだろう。十分にループを行えば対戦相手の新しいカードの供給を完全にロックすることができる。

ディンローヴァ・トロンは《ディンローヴァの恐怖》を軸にしている。《騒がしいネズミ》が新しいカードを引くことをロックできるのに対し、《ディンローヴァの恐怖》は単純に場を消滅させてしまう。毎ターン手札を捨てさせながらパーマネントを戻すというのは《時間の亀裂》コンボを思い起こさせる。6マナ域を使いやすくするためにこれらのデッキはウルザトロンのマナベースを採用している。その一方で生き延びるための《一瞬の平和》、《ディンローヴァの恐怖》を探す《激情の共感者》、死んだパーツを復活させる《ムラーサの胎動》の緑に依存している。

ラクドス・ミッドレンジEmilos_de_Carlos, 5-0 Pauper League
クリーチャー(17)
1 《黒薔薇の棘/Thorn of the Black Rose》
2 《甲虫背の酋長/Beetleback Chief》
2 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
4 《騒がしいネズミ/Chittering Rats》
4 《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager》
4 《熱錬金術師/Thermo-Alchemist》
インスタント(7)
3 《終止/Terminate》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
ソーサリー(14)
2 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
2 《炎の稲妻/Firebolt》
2 《炎の斬りつけ/Flame Slash》
2 《火柱/Pillar of Flame》
2 《骨読み/Read the Bones》
4 《夜の囁き/Night’s Whisper》
土地(22)
5 《山/Mountain》
5 《沼/Swamp》
1 《やせた原野/Barren Moor》
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
1 《忘れられた洞窟/Forgotten Cave》
2 《光輝の泉/Radiant Fountain》
3 《ラクドスの肉儀場/Rakdos Carnarium》
4 《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves》
サイドボード(15)
1 《黒薔薇の棘/Thorn of the Black Rose》
1 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
3 《電謀/Electrickery》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
3 《破壊的脈動/Shattering Pulse》
4 《強迫/Duress》
トップ10に食い込んだアーキタイプは1つもないものの、恒久的なカードアドバンテージ源として《黒薔薇の棘》を採用した様々なデッキがある。以前に議論した黒単コントロールのリストとよく似て、これらのデッキは除去呪文によって戦場をコントロールするように設計されている。最終的に毎ターン追加でカードが引ける恩恵は十分すぎるものになり相手を圧倒する。《黒薔薇の棘》の枚数を探すのに苦労している一部のプレイヤーは代わりに《宮殿の歩哨》に取り組んでいる。
オルゾフ・ミドレンジmlovbo, 5-0 Pauper League
クリーチャー(18)
1 《墓所のネズミ/Crypt Rats》
3 《エイヴンの裂け目追い/Aven Riftwatcher》
3 《ギルドパクトの守護者/Guardian of the Guildpact》
3 《宮殿の歩哨/Palace Sentinels》
4 《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》
4 《希望の壁/Wall of Hope》
インスタント(5)
2 《見栄え損ない/Disfigure》
3 《虹色の断片/Prismatic Strands》
ソーサリー(11)
3 《骨読み/Read the Bones》
4 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
4 《夜の囁き/Night’s Whisper》
エンチャント(4)
4 《黒死病/Pestilence》
土地(22)
6 《平地/Plains》
6 《沼/Swamp》
1 《やせた原野/Barren Moor》
1 《隔離されたステップ/Secluded Steppe》
4 《オルゾフの聖堂/Orzhov Basilica》
4 《磨かれたやせ地/Scoured Barrens》
サイドボード(15)
2 《墓所のネズミ/Crypt Rats》
2 《赤の防御円/Circle of Protection: Red》
2 《黒曜石の見習い僧/Obsidian Acolyte》
2 《軍旗の旗手/Standard Bearer》
3 《塵は塵に/Dust to Dust》
4 《強迫/Duress》
モダンマスターズ2017はPauperを赤へと駆り立てた。このフォーマットは常に攻撃的ではあるものの、現在はできるだけ早く20点を与えるレースが可能なデッキが上位に着けている。これらのデッキはしばしばデルバーに後れを取っていたが《炎樹族の使者》がそれを変化させた。イゼット・デルバーでさえもアグロとコントロールではアグロ側にいる。ダメージレースはいつでも重要なものだが、《炎樹族》は現在の状況に新たな重要性を与えた。《炎樹族》によってより多くのデッキが高速展開できるようになり、ライフレースがより頻繁に起きるようになった。非常に危険な問題だ。

統治者デッキはなかなかの猶予を与えてくれる。除去はその重要性を増すし、豊富な除去呪文を考えればゲームで優位な状況を確立することは簡単だ。一たびそうなってしまえば《黒薔薇の棘》を場に出して今や防御側プレイヤーが1ターンに2枚のカードを引くことができる。この追加のカードにより統治者は同じターンに脅威と回答を展開することが可能になり、そうしてる間にますますカードを引くことができる。これは黒単コントロールについての反復を始めたこの議論(https://goo.gl/LEzmiy)へと繋がっている。
黒単コントロールAlex Ullman
クリーチャー(19)
1 《墓所のネズミ/Crypt Rats》
3 《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》
3 《黒薔薇の棘/Thorn of the Black Rose》
4 《クォムバッジの魔女/Cuombajj Witches》
4 《リリアナの死霊/Liliana’s Specter》
4 《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager》
インスタント(8)
1 《堕落の触手/Tendrils of Corruption》
1 《悲劇的な過ち/Tragic Slip》
1 《損ない/Unmake》
2 《殺し/Snuff Out》
3 《残響する衰微/Echoing Decay》
ソーサリー(6)
2 《エヴィンカーの正義/Evincar’s Justice》
4 《血の署名/Sign in Blood》
エンチャント(4)
1 《回帰の泉/Font of Return》
3 《死の重み/Dead Weight》
土地(23)
20 《沼/Swamp》
3 《やせた原野/Barren Moor》
初めは成功したにも関わらず、数回使った後で僕はこのデッキが失速し始めたのに気がついた。単純に序盤に使える除去が欠けていたんだ。黒は2ターン目になりさえすれば素晴らしい除去を持っている、しかしこの色には1マナの選択肢が欠けている。《死の重み》と《見栄え損ない》は使い道があるが後半には不安定になってしまう。《恐ろしい死》が1ターン目では無意味な一方で、《血の復讐》は積み重ねられるダメージの量を考えるとプレイするリスクが高い。《無垢の血》は《若き狼》がいなければ遥かに強かっただろう。《悲劇的な過ち》は《チェイナーの布告》と組み合わせるには最高だと分かったが複数枚積むには問題があった。《黒薔薇の棘》―《エヴィンカーの正義》デッキを動作させるなら僕は赤をタッチしようと思う。

赤は《稲妻》と《炎の斬りつけ》(より強い1マナの除去呪文2種)を使うことができる。これらは本当に素晴らしいが、《若き狼》と《嵐縛りの霊》を処理するために僕は《火柱》と《マグマのしぶき》も良いと思った。赤と黒の組み合わせでは《終止》を使うこともできる。かなり高めのマナコストを用意できればこれは本当に素晴らしい選択肢だ。5-0したラクドスデッキを探していて気が付いたのは、彼らがいかに自分自身にダメージを与えているかということだった。《夜の囁き》、《骨読み》そして《エヴィンカーの正義》によりこれらのデッキはカードアドバンテージを得る取り組みの中で自分のライフの3分の1を失っていた。一部のプレイヤーは《血溜まりの洞窟》に加えて《光輝の泉》を採用していた。これは壁に入った1つの亀裂を別の壁から持ってきた石膏で塞ごうとするようなものなので、僕は好きになれなった。《光輝の泉》は《夜の囁き》のライフ損失を緩和してくれるかもしれないが重要な呪文が手札で詰まってしまう可能性を抱えている。もし2点回復できる土地を使うとしたら、僕はタップインする代わりに色マナが出る方を使うね。

僕はライフ回復手段として緑をすぐに切り捨てた。《ムラーサの胎動》は優秀なクリーチャーがいてこそ真価を発揮するし、このデッキには呪文を抑えてまで採用するべきものが入っていない(つまり《熟考漂い》のことだ)。その代わり、僕は白と《アラシンの僧侶》に取りかかった。

そうとも、《アラシンの僧侶》は《孤独な宣教師》に勝る。なぜなら《エヴィンカーの正義》を生き残ることができるからだ。

白によっていくつかの欲しくてたまらなかったサイドボードの選択肢が使えるようになった。いくつかのマッチアップでは統治者であり続けることが非常に重要であり、《アラシンの僧侶》からの《虹色の断片》からの《断片》のフラッシュバックを構えての《黒薔薇の棘》と動けるのは重要なのが分かった。《ムラーサの胎動》を正当化するほど優秀なクリーチャーを使ってはいないものの、アドバンテージになりながら《虹色の断片》をフラッシュバックできる《コーの空漁師》のことは十分に考慮した。何度か練習した後、僕はこれをリーグに持ち込んで3-2の成績を上げた:
マルドゥAlex Ullman
クリーチャー(18)
1 《エイヴンの裂け目追い/Aven Riftwatcher》
1 《甲虫背の酋長/Beetleback Chief》
1 《グリクシスの奴隷使い/Grixis Slavedriver》
1 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
1 《巣穴のこそ泥/Warren Pilferers》
2 《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager》
2 《黒薔薇の棘/Thorn of the Black Rose》
3 《アラシンの僧侶/Arashin Cleric》
3 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
3 《モグの戦争司令官/Mogg War Marshal》
インスタント(6)
2 《終止/Terminate》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
ソーサリー(13)
2 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
2 《エヴィンカーの正義/Evincar’s Justice》
2 《炎の稲妻/Firebolt》
2 《炎の斬りつけ/Flame Slash》
2 《火柱/Pillar of Flame》
3 《骨読み/Read the Bones》
エンチャント(1)
1 《回帰の泉/Font of Return》
土地(22)
1 《平地/Plains》
4 《沼/Swamp》
5 《山/Mountain》
1 《灰のやせ地/Ash Barrens》
1 《ボロスの駐屯地/Boros Garrison(》
1 《カビーラの交差路/Kabira Crossroads》
1 《オルゾフの聖堂/Orzhov Basilica》
1 《ラクドスの肉儀場/Rakdos Carnarium》
1 《風に削られた岩山/Wind-Scarred Crag》
2 《磨かれたやせ地/Scoured Barrens》
4 《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves》
サイドボード(15)
1 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
1 《炎の斬りつけ/Flame Slash》
1 《無残な収穫/Grim Harvest》
1 《忘却の輪/Oblivion Ring》
1 《終止/Terminate》
1 《黒薔薇の棘/Thorn of the Black Rose》
2 《残響する衰微/Echoing Decay》
2 《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
2 《虹色の断片/Prismatic Strands》
3 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
このデッキは立派にパフォーマンスを発揮し、新たに検討する価値があることをはっきりと示した。僕はこのリストを調整する上で(ムラーサ・トロンの)Jason、(拷問生活の)Jon、そしてColor CommontaryのMikeとAdrainの2人という有識者達と議論した。Jasonはすぐに《火柱》よりも《マグマのしぶき》を提案してこのデッキが機能する上でのインスタント除去の必要性を示してくれた。そのグループは土地の追加を勧めてくれて、僕はためらった。その代わりに僕は大好きな《改革派の地図》を1枚追加した。《地図》は土地の少ない手札をキープしやすくしてくれるし、早いターンに《灰のやせ地》にマナを使うことなくドローの質を高めてくれる。十分なマナのあるゲームでは、デッキを圧縮してドローの質を高めるために自分のアップキープで《地図》を起動する。

除去のラインナップは数回変更したが、もっとも大きいのは小さい脅威を摘み取るためにメインデッキに《弧状の稲妻》を加えたことだ。プレイ動画(https://goo.gl/IeOPcX)をいくつか見たあとでJasonとJonは《モグの戦争司令官》が入っていることに疑問を持った。地上を固める上で素晴らしい仕事をするし、後にクリーチャーを残せるので僕はこのカードの大ファンだった。エコーは欠点だったがそれが大きな障害になったことはない。JasonとJonは、それは多かれ少なかれ何もしないし除去呪文にしたほうが良いと指摘した。さらに2人はこのデッキには4マナの強力呪文を早く唱えるためのマナ加速が必要だとも指摘した。3枚の《印鑑》が加わり、《改革派の地図》はさらなる《炎の斬りつけ》に置き換わった。
マルドゥ 2.0 Alex Ullman
クリーチャー(15)
1 《エイヴンの裂け目追い/Aven Riftwatcher》
1 《甲虫背の酋長/Beetleback Chief》
1 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
2 《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager》
2 《黒薔薇の棘/Thorn of the Black Rose》
2 《巣穴のこそ泥/Warren Pilferers》
3 《アラシンの僧侶/Arashin Cleric》
3 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
インスタント(7)
1 《終止/Terminate》
1 《悲劇的な過ち/Tragic Slip》
2 《マグマのしぶき/Magma Spray》
3 《稲妻/Lightning Bolt》
ソーサリー(12)
1 《弧状の稲妻/Arc Lightning》
1 《炎の稲妻/Firebolt》
2 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
2 《エヴィンカーの正義/Evincar’s Justice》
3 《炎の斬りつけ/Flame Slash》
3 《骨読み/Read the Bones》
エンチャント(1)
1 《回帰の泉/Font of Return》
Artifacts (3)
1 《ラクドスの印鑑/Rakdos Signet》
2 《オルゾフの印鑑/Orzhov Signet》
土地(22)
1 《平地/Plains》
3 《沼/Swamp》
5 《山/Mountain》
1 《灰のやせ地/Ash Barrens》
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
1 《ボロスの駐屯地/Boros Garrison》
1 《カビーラの交差路/Kabira Crossroads》
1 《オルゾフの聖堂/Orzhov Basilica》
1 《ラクドスの肉儀場/Rakdos Carnarium》
1 《風に削られた岩山/Wind-Scarred Crag》
2 《磨かれたやせ地/Scoured Barrens》
4 《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves》
サイドボード(15)
1 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
1 《神への捧げ物/Divine Offering》
1 《電謀/Electrickery》
1 《無残な収穫/Grim Harvest》
1 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
1 《忘却の輪/Oblivion Ring》
1 《終止/Terminate》
1 《残響する衰微/Echoing Decay》
2 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
2 《虹色の断片/Prismatic Strands》
3 《紅蓮破/Pyroblast》


除去
《稲妻》が3枚なのはこのフォーマットの大き目のクリーチャーの数を考慮したものだ。その一方で《稲妻》の効かないクリーチャーを殺すことができる《炎の斬りつけ》が3枚入っている。《悲劇的な過ち》はそのターンに別の何かが死亡していれば(まさに《チェイナーの布告》が実現させることだ)最大級のクリーチャーでさえもやっつけることができる。《弧状の稲妻》は小さい脅威3体を摘み取ったり、タフネス2のクリーチャーを除去しながらどこかに1点を飛ばすことができる。《炎の稲妻》は2度にわたって力を発揮するし、また《終止》は何かしら必ず除去すべきものを殺してくれる。《マグマのしぶき》が入っているのは走り回っている《若き狼》の処理に役立つからだ。最後に、このフォーマット最高の全体除去の1つである《エヴィンカーの正義》が入っている。現時点でどれだけ多くのデッキがタフネス2のクリーチャーを採用しているかを考えれば、このカードは3対1やそれ以上の交換ができることが多い。

インスタントスピードの除去は重要であり、フォーマットに対して適していればさらに多くなるかもしれない。統治者になると大量に追加のカードを引くことができる、そして対戦相手のターンにそれを使うことができればターン終了時にやってくる統治者のドローを最大限に活用することができる。

クリーチャー
《アラシンの僧侶》はライフを引き上げながら攻撃を緩和してくれる。《ファイレクシアの憤怒鬼》はいつでもカードが一枚引けるので単純に堅実だ。《甲虫背の酋長》は小さな軍隊を作り出し、後半まで生き延びるのに役立つ。その一方で《グルマグのアンコウ》がゲームを締めくくる。《巣穴のこそ泥》は《正義》を生き残り、君の最良のクリーチャーを取り戻してもくれる(そしてたまに速攻を持つ)、そして後半に《コーの空漁師》と一緒に威力を発揮する。《空漁師》と言えばこの馬車馬は、このデッキに入った「戦場に出たとき」効果を再利用するのに役立つ。《黒薔薇の棘》は非常に素晴らしいブロッカーであり、統治者になれるおかげでカードの数で上回るのに役立つ。

ドロー
《ファイレクシアの憤怒鬼》、《巣穴のこそ泥》そして《棘》に加えてこのデッキには3枚の《骨読み》と1枚の《回帰の泉》が入っている。《泉》は後半にデッキを再装填したり、ゲームに勝利するだけの十分なパワーを確実に用意するのに役立つ。《骨読み》は信じられないくらい強力なカードで4枚分のカードを掘ることができるし、ゲームの中盤と終盤において息切れを防ぐのに役立つ。

マナ
《印鑑》を含んだこのマナベースは1ターン目と2ターン目に除去を使うことを目指して設計したものだ。そしてさらに除去やブロッカーによってゲームを巻き返せるように十分に高いライフを保てるようにしている。

マルドゥはミッドレンジデッキだが絶対にコントロールデッキではない。その高品質なカードが動き始めるまで生き延びる必要がある。ゲーム後半で統治者がいるときはブロックをすることがより重要になるが、時として序盤にブロックをしなければならないこともあるだろう。ライフのやりくりはこのデッキをプレイする上で最も重要な要素の1つだ。しばしば綱渡りをしなければいけないし、ライフを取り戻し始めるために低いライフへと突入しなければならないこともある。時としてすべてを除去してゲームを逃げ切ることができるだろう。そうでなければ、爪を噛みながら相手が自分を負かす最後のピースを持っていないことを祈ることになる。

というわけで僕はまだこのデッキが今後数週間、素晴らしいものになると考えている。アモンケットは物事をそれほど揺さぶるようには見えない、そしてもし君が《黒薔薇の棘》を入手できたならマルドゥは統治者であることをアドバンテージとする素晴らしい手段だ。このデッキの核は《棘》と《正義》を一緒に使うことにある ―後はとにかく生き残ることだ。このデッキには決定事項は1つもないが、Pauperには優秀な除去が豊富に存在するから進化するメタゲームにデッキを適応させるのは簡単になるはずだ。ああ、それから ―たまにテーブルの反対側の生物を一掃するのは単純に楽しいものだよ。
【MO】Pauperリーグ ウィーゼロ MM3環境1回目 《ボーラスの占い師》とか
1ヶ月ほど前にMM3がMOに実装されてから個人的に注目度が高かった出来事として、まずシミてくの管理人のganpさんが《秘密を掘り下げる者》の代わりに《ボーラスの占い師》を入れたウィーゼロで5-0を達成するということがあった(https://goo.gl/J2nvLB)。

同時に《炎樹族の使者》を採用したストンピィがデルバーからトップメタの座を奪い取り(1つ前の日記参照)、またkungfutreesという方が青赤氷雪フェアリーを何度も5-0させ(https://goo.gl/QPvnlH)、その後ThermoBlitzというウィーゼロに《熱錬金術師》と《二人組の見張り番》のコンボを入れたデッキ(https://goo.gl/ukvZCi)で5-0を重ねたのに驚かされた。

自分はというとganpさんの真似から入って《ボーラスの占い師》入りのウィーゼロでトナプラに籠っていた。思ったことは、アグロデッキ相手に1/3のブロッカーを出しながら除去を引いてくるのが強いってのと、コントロール相手にも布告除けを出しながら手札補充ができてまあまあ強いということ。青単デルバー相手だと2マナ1/3がそれほど意味をなさなくて今まで通りデルバーを使いたくなるけれど、最近は青単デルバーも減ってきたしまあイケるかなと思った。
コントロール相手にまあまあ強いと言ったのは1/3のサイズが相手にとって脅威ならなくて弱いと感じたから。特別除去の的になってくれることもなく《海門の神官》や《騒がしいネズミ》と睨み合いをしているうちに相手のペースに持ち込まれてしまうことがあって、場合によっては単体除去の避雷針になるデルバーの方が引きたいということがあった。コントロール相手にプレッシャーをかけられてカードアドバンテージにもなり得るということで言えば《ジェスカイの賢者》の方が良いのかな、と思った。


と、いうわけで《ジェスカイの賢者》を2枚メインデッキに入れたリストでリーグに出てみました。まあ、新しいカードの登場によって古いカードの可能性に気づくことってあるよね。

2017 Apr 20
Round1 赤単スライ 〇〇
①先手。フェッチ1・デルバー・サイクロプス2・稲妻・祝福・ギタクシア。土地3・噴出2・激闘。
全力で殴られつつも悪鬼で4キル。
②土地1・デルバー・悪鬼・サイクロプス・払拭・変異原性・噴出。土地2・悪鬼・斬りつけ・思案・激闘。残り2まで殴られたが悪鬼で4キル。
積極的なマリガンが運良く報われた。

Round2 緑青スレッショルド ×〇〇
①後手。山2・悪鬼2・デルバー・サイクロプス・噴出。土地2・悪鬼・祝福2・変異原性。
悪鬼、サイクロプスと着地したが手札が祝福2と変異原性2で自分から攻めに行けない。相手の場に熊人間とマングースが並び、ドロー呪文が引けないうちにスレッショルドして殴られる。これでファイレクシアマナ呪文が打てなくなって負け。
②土地3・悪鬼・サイクロプス・ギタクシア・変異原性。
悪鬼とサイクロプスを展開。相手はマングースを2体並べる。4T目に呪文を重ねて攻撃。相手は留意2回でスレッショルドを達成してブロックしてくるが悪鬼に変異原性を使って一方的に討ち取る。さらに熊人間が追加されたが斬りつけして勝ち。
③フェッチ1・思案・ギタクシア・稲妻・払拭・サイクロプス・遺産。
相手が青い呪文だらけの遅い手札。遺産を通すことができず相手に蓄積した知識をつかわれる。その後サイクロプスが2体着地してスレッショルドしたマングース2体に対して総攻撃。こちらのサイクロプス1体が生き残って有利な場になるが相手に4枚目の蓄積した知識を使われ手札差を付けられる。その後サイクロプスが熊人間と相打ちし、デルバー同士の殴り合いに。相手が単なる時間稼ぎとして蒸気の絡みつきを使ってくれることが3回あり、こちらは相手のデルバーを除去できて勝ち。
バウンスではなく《水流破》や《鎖の呪い》など本物の除去が使われていたら《蓄積した知識》のカード差で負けていたと思う

Round3 ストンピィ ××
①後手。土地2・悪鬼2・賢者・サイクロプス・稲妻。
生物はたくさん引けたが呪文が足りず、相手によどみなく殴られて負け。
②島2・デルバー・定業2・斬りつけ・祝福。
山が引けず負け。


Round4 青黒死体発掘 〇〇
①先手。土地3・サイクロプス・変異原性・激闘・祝福。
3T目にサイクロプスを展開。相手は《ジャングルの織り手》をサイクリングして3T目に死体発掘。4T目の激闘は払拭されたが5T目に2枚目の激闘と変異原性で勝ち。
②島1・悪鬼2・賢者・払拭・ギタクシア・噴出。島2・定業3・激闘。
3T目に払拭を構えて悪鬼を展開。返しのターン、相手はチェイナーの布告を打たずに3枚目の土地を探しにブレスト。これを払拭して悪鬼が生き残る。4T目にギタクシアから激闘で一撃。
この相手は上で挙げた青赤氷雪フェアリーの人で、アモンケットで出るサイクリング付きのワームを使ったデッキを考えているところらしいです。

Round5 ストンピィ ×〇〇
①先手。土地1・デルバー2・悪鬼・変異原性2・ギタクシア。
イラクサ、炎樹族、スカルガンとそこそこ回られる。除去が引けなかったがデルバーに変異原性を打ったりしてなんとか受けに回ってみるが止めきれずに負け。
②土地2・思案・ギタクシア・変異原性・噴出・激闘。
稲妻2枚で凌いで4T目にサイクロプス。スカージに吠え群れの飢えが決まってゲインされるも激闘と変異原性で一撃。
③土地3・デルバー・悪鬼・サイクロプス・噴出。
デルバー、悪鬼、サイクロプスと順番に展開。相手はインスタントは無いが狼2、スカージ2、侵略者、炎樹族とクリーチャーを並べてくる。4T目、噴出で2枚目の祝福を引くことができてブロックをかわして勝ち。


結果4-1

スレッショルドとか死体発掘とかローグデッキに当たれたのは運が良かったな。


なんだか随分アグロな環境になりましたね。《炎樹族の使者》が与えた影響はめちゃくちゃ大きかった。前回の翻訳記事であったようにPauper全体のテンポや、デッキ同士の力関係を変化させてしまったと言っていいと思う。
CN2で登場した統治者関連のカード、《宮殿の歩哨》と《黒薔薇の棘》を使ったデッキはまだそれほど見かけていない。流通量の問題はあると思うが、それに加えて《炎樹族の使者》の存在が逆風になっているかもしれない。

《ジェスカイの賢者》は今回活躍しなかったけどまだこのリストで頑張ろうかな。
悪鬼とサイクロプス以外の生物としていくつか試してみた上での認識は

対コントロール:《ジェスカイの賢者》≧《ボーラスの占い師》>《秘密を掘り下げる者》

対アグロ:《ボーラスの占い師》≧《秘密を掘り下げる者》>《ジェスカイの賢者》

こんな感じ。コントロール相手に真っ向からアドバンテージ勝負をするのかどうか、アグロに対してライフレースを挑むのか一旦受けに回るのかっていうような戦略によっても優先順位が前後すると思う。

1マナの《秘密を掘り下げる者》4枚全部を2マナのカードに変えるならデッキが重くなるので土地を1枚足して18にした方が良さそう。自分の場合は今までのマナカーブから抜けきれなくて《ジェスカイの賢者》を2枚だけ入れて代わりに《秘密を掘り下げる者》1枚と《海賊の魔除け》1枚を抜いた。対青単デルバー用のパーツを対コントロール用のパーツと入れ替えた形。もっと言うと勝率の高い相手へのガードを下げて弱点を補強した形。これで全体の勝率が上がってくれるといいなあ。
【翻訳】The World is Burning by Alex Ullman ~《炎樹族の使者》がPauperにもたらしたもの
元記事URL(http://www.gatheringmagic.com/alexullman-04042017-the-world-is-burning/

The World is Burning
by Alex Ullman, April 4, 2017

《炎樹族の使者》がここにあり、そしてすべてを変えてしまった。このフォーマットにギルド門侵犯のアンコモンからの追加があったことで、少なくとも当面の間、ストンピィはデルバーを押しのけてトップの座に君臨している。デルバーはかなりの期間頂点に立っていたからこれは一大事だ。《炎樹族の使者》はテンポの観点からフォーマットの質感を変化させ、その結果としてすべてを変更してしまった。

テンポを使ってゲーム全体のペースについて議論しようと思う。もう少し正確に言おう:多くの僕より優れたプレイヤーやライター達がこの議題にまあまあの結果で取り組もうとしてきた、なので僕はこの定義について注目する気はない。僕にとって(そして僕の理解において)、テンポとは平衡状態に関連してゲームに目を向けたものだ。何かしら盤面のバランスを一方向へ変化させるものはマッチアップのテンポに影響を与える、と言うことができる(そしてそれは君たちがそうなって欲しいと思うものだ)。Reid Duke は彼の公式での入門記事Level One(https://goo.gl/uE94VW)においてこの議題に関して素晴らしい記事を書いてくれていて、それを(同様に彼が書いたものすべてを)チェックするのを強く勧める。

そういったことから、Pauperに関連してバランスを取る行為について話すことができる。このフォーマットが最初に制定されたときのトップのデッキは黒単コントロールだった。攻撃的なデッキがあふれた世界では《墓所のネズミ》や《堕落の触手》を使えるデッキは最高潮だった。初期の黒単コントロールは序盤のあらゆるものを除去で否定しながら《触手》によってライフを水増ししていた。最終的にこのコントロールデッキは十分な《沼》を戦場に出して致命的な《堕落》を唱えたものだった。《墓所のネズミ》が複数のクリーチャーを処理できた一方で、当時の黒単をデッキたらしめていたのは《堕落の触手》だった。複数回の攻撃を無効にしながら相手の投資を取り消し、それからアンタップしてクリーチャーや除去につなげられることで《触手》は致命的なカードになった。テンペストがオンラインにやって来るまで黒単コントロールはトップにとどまっていた。

《モグの略奪者》がこの計算を変化させた。《ゴブリンのそり乗り》はすでに存在していたものの、《略奪者》によってゴブリンはより安定した動きを手に入れた。黒単をその座から叩き落とす上で重要なのは《触手》の効率を下げることであり、このデュオは正にそれを成し遂げた。4マナのインスタントの対象を生け贄に捧げることでライフ回復が阻止されることになる。突然、複数の重い除去呪文の機会費用は高すぎるものになり、Pauperは変化した。この相互作用だけでなく、《モグの戦争司令官》によって場を埋め尽くして《ゴブリンの奇襲隊》で何もないところから勝利できることでゴブリンはトップの座を奪い取った。

このことを持ち出したのは、Pauperのトップティアにおいて劇的なテンポの変化が起きたのはこれが最後だったからだ。《堕落の触手》が除去の控えに降格したことは多大な影響を及ぼした。小さいクリーチャーに頼ったデッキが戦うのはより簡単になった。《ギルドパクトの守護者》のようなカードは遅すぎて問題にならないとされ、マナカーブは下降し続けた。こうして遅めのデッキが現在の黒主体のコントロールデッキのように、4ターン目に単に《触手》を唱えるより《ファイレクシアの憤怒鬼》と除去を唱えられるようになった。その代わりこれらのコントロールデッキは自らの回復手段を後のターンへと後退させ、ゲームの進展におけるギャップができてしまった。

この押し合いの中で前へ出たのがデルバーだ。このデッキは《呪文づまりのスプライト》のおかげでフォーマットの中でも軽いマナカーブでアドバンテージを取る独特な立ち位置にいた。当初はこれが《フェアリーの大群》で補完されていて、相手に何もさせない初動が存在した ―《秘密を掘り下げる者》から《呪文づまり》を構えながらの《大群》― 、しかし《フェアリーの大群》が禁止されてもなお《呪文づまりのスプライト》は大きなテンポプレイであり続けている。

《流浪のドレイク》の時代を除いて、デルバーはPauperの基準のデッキであり続けている。何年もの間、他のすべてのデッキを測るための基準になっている。《秘密を掘り下げる者》、《尖塔のゴーレム》、《対抗呪文》、《噴出》そして《思案》-《定業》のデュオと大量の強力カードが使われている。それでもこのデッキの長期間の成功のカギとなっているカードの名前を一つ挙げるとするなら、プレイのペースを決定づける能力をもつ《呪文づまりのスプライト》になるだろう。どれだけ小さくても呪文を打ち消しながら戦力を展開することには大きな価値がある。《スプライト》を基準に用いることでデルバーはゲームのテンポをコントロールしようとしていた。《蒸気の絡みつき》、《断絶》そして《対抗呪文》を使って盤面のアドバンテージを維持しながら《昆虫の逸脱者》でプレッシャーをかけることが多かった。しかし《炎樹族の使者》は有意義な方法でこの力学を変えてしまった。

Pauperに新しいカードが導入されたとき、僕はよく慣性と運動量の話をする。既存のカードの重み ―慣性― に対して新しい選択肢が影響を及ぼすにはかなりの力が必要だ。時間とともにこれらのカードが雪だるま効果 ―運動量― を生み出すことでデッキは次のレベルへと進むことができる。ストンピィはここ数年連続してカードを獲得し続けていて、すでにデルバーとのマッチアップには強い。《炎樹族の使者》はその限界を超えさせる。デルバーがゲームの進行をコントロールしようとするところで、新しい構築のストンピィは台本を完全に無視して独自のやり方で進もうとする。
ストンピィ - Ichisuka, 5-0 Pauper League
クリーチャー(29)
1 《シラナの岩礁渡り/Silhana Ledgewalker》
2 《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》
2 《野生の雑種犬/Wild Mongrel》
4 《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》
4 《巣の侵略者/Nest Invader》
4 《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》
4 《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》
4 《スカルガンの穴潜み/Skarrgan Pit-Skulk》
4 《若き狼/Young Wolf》

インスタント(8)
2 《地うねり/Groundswell》
2 《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》
4 《巨森の蔦/Vines of Vastwood》

ソーサリー(1)
1 《勇壮な対決/Epic Confrontation》

エンチャント(4)
4 《怨恨/Rancor》

アーティファクト(2)
2 《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》

土地(16)
16 《森/Forest》

サイドボード(15)
1 《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》
2 《勇壮な対決/Epic Confrontation》
2 《部族養い/Feed the Clan》
2 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
4 《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》
4 《散弾の射手/Scattershot Archer》
この新しいタイプのストンピィは爆発的なスタートを切る能力がある。2ターン目の《炎樹族の使者》は《巣の侵略者》や、緑の1マナ域と《大霊堂のスカージ》、あるいは別の《炎樹族の使者》へと繋げることができる。昔のゴブリンデッキは1ターン目に《ゴブリンのそり乗り》を出したら《モグの戦争司令官》で追い打ちをかけるだけだった。ストンピィは1/1ではなく2/2で同じ動きができるし、それは倍以上優れたことだ。これらを引くことでストンピィは従来のゲーム進行の段階を無視して即座に有利な態勢へと加速することができる。《クウィリーオン・レインジャー》が使えるということは《森》1枚だけでこういった初動ができるということだ。

これだけでは大転換とは言えないかもしれないが、フォーマットを制限する要素は以前の《堕落の触手》のようにある程度の力を失ってしまった。《呪文づまりのスプライト》を唱えた後でも戦場に出たものに干渉できることが、デルバーの成功の一端を担っていた。《炎樹族の使者》単体は《蒸気の絡みつき》で戻されるかもしれないが、《使者》のマナで唱えたものに対してはバウンスは何もしない。《炎樹族の使者》が解決されることでデルバーは対等を維持するのが困難になる。

ストンピィはすでに幾つかの苦手があるトップティアデッキだった。それが《炎樹族の使者》の追加によって(僕の意見では)デルバーを追い越した。Pauperはまだこの新しい基準のデッキに完全には適応していないし、Pauperにおいてこれが何を意味するのかを僕らは表面的にしかわかっていない。ストンピィが早い段階で順位表の先頭を走ることは予想できた ―正しい答えを出すより質問する方が簡単だ。現在の戦いを勝ち抜くために2つのデッキが現れた。最初のデッキは前シーズンの終わりに現れたものだが、モダンマスタース2017の発売後に本当の盛り上がりを見せた。
イゼット・デルバー - kungfutress, 5-0 Pauper League
クリーチャー(19)
3 《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
4 《フェアリーの悪党/Faerie Miscreant》
4 《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours》
4 《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》

インスタント(17)
1 《目くらまし/Daze》
1 《払拭/Dispel》
1 《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》
2 《渦まく知識/Brainstorm》
2 《雪崩し/Skred》
3 《対抗呪文/Counterspell》
3 《噴出/Gush》
4 《稲妻/Lightning Bolt》

ソーサリー(6)
3 《思案/Ponder》
3 《定業/Preordain》

土地(18)
3 《灰のやせ地/Ash Barrens》
4 《進化する未開地/Evolving Wilds》
2 《冠雪の山/Snow-Covered Mountain》
9 《冠雪の島/Snow-Covered Island》

サイドボード(15)
1 《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
1 《対抗呪文/Counterspell》
1 《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》
2 《雪崩し/Skred》
2 《電謀/Electrickery》
2 《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
2 《水流破/Hydroblast》
2 《紅蓮破/Pyroblast》
2 《嵐縛りの霊/Stormbound Geis》
イゼット・デルバーは単色のバージョンと同様の原理で動いている。しかしながら、《雪崩し》と《稲妻》のおかげで現在のメタゲームでは有利な位置にいる。デルバーがクリーチャーをバウンスしても後で唱えなおされるの見ていることしかできないのに対し、イゼット・デルバーは実際にそいつを殺すことができる。これらのカードによって対等を維持してゲームの中盤から後半を見据えることができる。このデッキはわずかに高いレベルのパワーを持っているが、赤いカードを使いこなすためにマナベースにある程度の譲歩をしなければならない。
ディンローヴァ・トロン - RainmakerLuke, 5-0 Pauper League
クリーチャー(12)
2 《記憶の壁/Mnemonic Wall》
3 《ディンローヴァの恐怖/Dinrova Horror》
3 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》

インスタント(18)
1 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
2 《卑下/Condescend》
2 《輪作/Crop Rotation》
2 《除外/Exclude》
2 《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》
2 《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker》
2 《神秘の指導/Mystical Teachings》
2 《禁制/Prohibit》
3 《一瞬の平和/Moment’s Peace》

アーティファクト(7)
1 《ディミーアの印鑑/Dimir Signet》
2 《探検の地図/Expedition Map》
4 《予言のプリズム/Prophetic Prism》

土地(23)
2 《島/Island》
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
1 《離れ島/Remote Isle》
3 《ゆらめく岩屋/Shimmering Grotto》
4 《茨森の滝/Thornwood Falls》
4 《ウルザの鉱山/Urza’s Mine》
4 《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant》
4 《ウルザの塔/Urza’s Tower》

サイドボード(15)
1 《輪作/Crop Rotation》
1 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
1 《調査/Probe》
1 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
1 《光輝の泉/Radiant Fountain》
1 《天啓の光/Ray of Revelation》
2 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
2 《電謀/Electrickery》
2 《水流破/Hydroblast》
3 《払拭/Dispel》
このコントロール・トロンデッキの新しい試みはまた話が違う。ディンローヴァ・トロンは除去によって盤面をコントロールしようとする代わりに、《幽霊のゆらめき》で《ディンローヴァの恐怖》を使いまわして対戦相手の場を食い尽くせるマナが溜まるまで、毎ターン《一瞬の平和》を唱えられる状態にしようとする。ディンローヴァ・トロンは完全に別の軸で戦うことで《炎樹族の使者》を無力化しようとしている。このデッキが気にするのは完全な優位を築くまで生き残るライフを維持することだけだ。《一瞬の平和》はライフを守る最高の手段の一つであり、《輪作》はこのデッキが早いターンに確実にウルザトロンを揃えるのに役立つ。《神秘の指導》と《禁忌の錬金術》の組み合わせは互いにコンボを織りなしている。デッキ全体が《炎樹族の使者》タイプのストンピィに対してアドバンテージを取りやすくなっているが、この新しいコモンを赤いデッキが採用するとなると不安定になるかもしれない。

《炎樹族の使者》は驚くほど強力なカードでありストンピィを頂点へと押し上げた。Pauperは今現在この新しい支配者に対して適応し始めているところだ:しかし、もしイゼット・デルバーとディンローヴァ・トロンが何らかの兆候であるとするなら今後数週間は面白いデッキが見られそうだ。そしてアモンケットはすぐそこまで来ている。
今回解説するのは黒単コントロール、青黒コントロール、青黒アンコウだ。強がりを言わせてもらえばウィー=ゼロックスにとって黒は苦手な色ではない。ウィー=ゼロックスが苦手なのは《チェイナーの布告》であり、そして黒いデッキのほとんどが《チェイナーの布告》を使っているというだけだ。そういう訳で今日取り上げるデッキへの勝率は比較的低い。

・黒単コントロール
2017-03-18, 5-0 by pistillone
クリーチャー(17)
4 《クォムバッジの魔女/Cuombajj Witches》
4 《騒がしいネズミ/Chittering Rats》
4 《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager》
4 《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》
1 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
その他の呪文(21)
3 《見栄え損ない/Disfigure》
2 《発掘/Unearth》
3 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
4 《血の署名/Sign in Blood》
3 《夜の犠牲/Victim of Night》
3 《堕落の触手/Tendrils of Corruption》
1 《死の重み/Dead Weight》
2 《Oubliette》
土地(22)
4 《やせた原野/Barren Moor》
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
1 《亡骸のぬかるみ/Mortuary Mire》
16 《沼/Swamp》
サイドボード(15)
2 《強迫/Duress》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
1 《死せざる邪悪/Undying Evil》
2 《減縮/Shrivel》
1 《夜の犠牲/Victim of Night》
3 《精神ねじ切り/Wrench Mind》
2 《大牙の衆の忍び/Okiba-Gang Shinobi》
1《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
黒単コントロールは《ファイレクシアの憤怒鬼》、《騒がしいネズミ》そして《血の署名》でアドバンテージを獲得し、さまざまな1対1交換のできる除去で相手を妨害する。最後は《アスフォデルの灰色商人》が圧倒的なライフ差を付けて止めを刺す。あくまで「比較的に」と付け加えておくが、黒単コントロールはプレイングよりも構築段階の除去の選択によって差が付きやすい。黒は除去の色だから選択肢が多くなるのは当然と言えば当然だ。

大雑把に言えば《堕落の触手》や《Oubliette》のような重くて強い除去が多い方が1マナの《使徒の祝福》や《払拭》でこれらを防ぐことでテンポ・アドバンテージを取りやすく、相手の隙をついて攻撃を通しやすい。逆に《見栄え損ない》や《死の重み》のような対象が限定されていても軽い除去が多いと相手にペースを握られやすい。そしてそれとは別の問題として、ウィー=ゼロックスのメインデッキに入っているカードでは《チェイナーの布告》に対処することができないので、相手の《チェイナーの布告》の枚数よりも多くのクリーチャーを引かないと勝つことができない。

アウト
1 《海賊の魔除け》
1 《炎の斬りつけ》
1 《変異原性の成長》

イン
2 《空中生成エルドラージ》
1 《大祖始の遺産》

一応書いてはみたもののサイドボーディングはかなり流動的だ。《見栄え損ない》や《残響する衰微》が多いようなら《変異原性の成長》は2枚とも残したい。布告除去が《ゲスの評決》まで積まれているなら《使徒の祝福》を残すよりも3枚目の《払拭》をサイドインした方が良い。とは言ってもメインのゲームで相手の除去の種類がしっかり確認できることばかりではないし、勘や気分でサイドボーディングしてしまうことも多い。ゲームが長引きやすいコントロール相手には《激闘》の枚数を減らすことが多いが、黒単コントロールはそこそこクリーチャーを並べてくるデッキであること、《使徒の祝福》は除去回避としての活用がメインなこと、そして手札破壊の可能性があることから《激闘》が欲しいときに手札に無いことがあるので3枚残している。

《騒がしいネズミ》のことを考えると土地が詰まって動きが止まってしまいそうな初手はキープしたくない。除去回避を構えてクリーチャーを出すために3~4マナまではすんなり土地を伸ばしたいところだ。

《秘密を掘り下げる者》を機能させるために《クォムバッジの魔女》は除去した方が良いが、《騒がしいネズミ》と《ファイレクシアの憤怒鬼》は《発掘》によってアドバンテージを積み重ねられてしまう可能性があるのでむやみに除去しない方が良い。

序盤の内はフルタップでクリーチャーを出すこと恐れないこと。例えば、手札に《使徒の祝福》と《悪鬼》があるが土地が2マナしかない場合には3枚目の土地を引くまで《悪鬼》の展開を待ちたいと思うかもしれない。しかし相手の除去は《使徒の祝福》では対処できないものかもしれないし、3枚目の土地を引く前に後続のクリーチャーを引くかもしれない。その場合は《悪鬼》を出さなかった分の1ターンが無駄になってしまうので、序盤はある程度自分のドローに希望を持ってクリーチャーを展開していったほうが良い。もし除去がなければそのまま勝てるかもしれないしね。

《騒がしいネズミ》のことを考えると手札に1枚だけ土地を抱えるブラフは絶対にしてはいけない。十分なマナがあって要らないカードが手札にある場合には《騒がしいネズミ》が出てきても新鮮なドローを保つためにフェッチランドを起動せずに温存しておいてもいい。基本的にどのカードをライブラリーの一番上に戻そうがゲームに影響はないが、《秘密を掘り下げる者》がいる時には確実に変身させられるのを忘れないこと。この場合、公開するのは《激闘》や《払拭》ではなく《ギタクシア派の調査》のようなドロー呪文にしておいた方が相手に与える情報が少なくて済む。

今のリストでは布告除去への対策として《嵐縛りの霊》ではなく《空中生成エルドラージ》を採用している。《嵐縛りの霊》は色拘束が強いのと、《Oubiette》1枚で対処されないように《使徒の祝福》を構えようとすると合計4マナかかってしまうのが使いづらく感じたからだ。《秘密を掘り下げる者》を伴ってダメージレースをする際に、地上クリーチャー(特に《グルマグのアンコウ》)をブロックできるかどうかも大きな差だと思う。当然《空中生成エルドラージ》を活かすためには《クォムバッジの魔女》を除去しなければならないし、《墓所のネズミ》のような全体除去には弱くなってしまっている。

リーグでの戦績は12勝9敗と一応勝ち越せている。黒単コントロールに負ける時は本当に何もできずに負けて苦しいものだが、相手も同じように苦しいはずなので心を折らずに頑張ってほしい。


・青黒コントロール
2017-03-27, 5-0 by Suiqueira
クリーチャー(14)
4 《騒がしいネズミ/Chittering Rats》
4 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
2 《古術師/Archaeomancer》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
その他の呪文(24)
3 《見栄え損ない/Disfigure》
4 《定業/Preordain》
4 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
4 《対抗呪文/Counterspell》
3 《破滅の刃/Doom Blade》
2 《残響する衰微/Echoing Decay》
1 《本質の散乱/Essence Scatter》
2 《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker》
1 《墓の刈り取り/Reaping the Graves》
土地(22)
1 《やせた原野/Barren Moor》
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
4 《ディミーアの水路/Dimir Aqueduct》
4 《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
1 《光輝の泉/Radiant Fountain》
6 《島/Island》
5 《沼/Swamp》
サイドボード(15)
1 《無効/Annul》
3 《払拭/Dispel》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
1 《残響する衰微/Echoing Decay》
1 《本質の散乱/Essence Scatter》
2 《減縮/Shrivel》
3 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
2 《綿密な分析/Deep Analysis》
しばらくの間、青黒コントロールと言えばクリーチャーをほとんど採用せずに《エヴィンカーの正義》+《清純のタリスマン》か《血まみれの書の呪い》を勝利手段としたものが主流だった。しかしここ数ヶ月の間に《古術師》と《幽霊のゆらめき》と戦場に出たときにアドバンテージが取れるクリーチャーとを組み合わせたコンボを搭載したタイプが主流になっている。

黒単コントールと比較して考えると、このデッキはアドバンテージを取る能力がより高く、打ち消しという干渉手段も持っている。その代わり《灰色商人》のようにゲームをひっくり返すようなカードはないし、多色デッキであるがゆえにタップ状態で場に出る土地が多くテンポが良くない。ウィー=ゼロックスのように《紅蓮破》を使えるデッキであれば、《熟考漂い》や《海門の神官》などのアドバンテージ獲得手段に干渉することができる。
逆に言えば、ウィー=ゼロックスが付け込める隙はその程度のものだ。テンポの悪い序盤を凌がれ、《騒がしいネズミ》で手札を攻められ、《チェイナーの布告》がフラッシュバックできる7マナまで到達されたら勝つのは非常に難しい。

アウト
1 《海賊の魔除け》
1 《炎の斬りつけ》
1 《ティムールの激闘》
1 《変異原性の成長》
3 《稲妻》

イン
3 《紅蓮破》
1 《払拭》
2 《空中生成エルドラージ》
1 《大祖始の遺産》

序盤に土地をタップインしている内にクリーチャーを場に出し、《払拭》や《使徒の祝福》を構えるのが理想だ。それができなかった場合はゲームが長引いてアドバンテージの勝負になる。布告に対して《空中生成エルドラージ》で対抗し、《紅蓮破》は相手の青いクリーチャーに狙いをさだめ、自分の《噴出》を通すことにも注力する。

クリーチャーがほとんど入っておらず《神秘の指導》や《熟慮》を多用するタイプには《稲妻》を抜いてさらに《大祖始の遺産》を入れる。こちらが序盤に土地を引きすぎていて逆に相手が土地を引けていない場合には、こちらの手札が十分に溜まるまで行動に移らないというのも1つの手だ。土地が伸び続けなければ相手は手札捨てざるを得ないのでこちらが待つことでのデメリットはほとんどない。こちらの手札が整ったらお互い7枚の手札を抱えた状態から攻防をスタートさせる。行動回数で上回ってクリーチャーを生き残らせることができれば1,2ターンの内での勝利を狙うことができる。墓地からアドバンテージを回収されないために《大祖始の遺産》を出しておければなお心強い。

そうやってとにかく相手をテンポで上回ってマナが尽きるタイミングを作り出すか、カードアドバンテージで上回って手札が尽きるタイミングを作り出すかして勝利する。リーグでの戦績(ほとんどがクリーチャーの少ない《神秘の指導》タイプ)は12勝10敗。なんとか五分五分の戦績を上げてはいるが、やはり最も当たりたくないデッキの1つだ。おそらく《幽霊のゆらめき》タイプへの勝率はもっと悪くなるんじゃないかと思う。


・青黒アンコウ
2017-03-20, 5-0 by NY8381
クリーチャー(10)
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
2 《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger》
4 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
その他の呪文(32)
4 《渦まく知識/Brainstorm》
2 《見栄え損ない/Disfigure》
1 《恐ろしい死/Ghastly Demise》
4 《留意/Mental Note》
4 《思考掃き/Thought Scour》
1 《苦悶のねじれ/Agony Warp》
4 《対抗呪文/Counterspell》
2 《目くらまし/Daze》
3 《剥奪/Deprive》
1 《破滅の刃/Doom Blade》
1 《残響する衰微/Echoing Decay》
1 《無残な収穫/Grim Harvest》
2 《熟慮/Think Twice》
1 《神秘の指導/Mystical Teachings》
1 《噴出/Gush》
土地(18)
4 《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
2 《進化する未開地/Evolving Wilds》
2 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》
8 《島/Island》
2 《沼/Swamp》
サイドボード(15)
1 《払拭/Dispel》
1 《はらわた撃ち/Gut Shot》
2 《水流破/Hydroblast》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
1 《破滅の刃/Doom Blade》
1 《減縮/Shrivel》
1 《墓所への乱入/Crypt Incursion》
1 《除外/Exclude》
2 《腐臭の地/Rancid Earth》
3 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
青黒アンコウは《グルマグのアンコウ》と《秘密を掘り下げる者》そして少数の《スゥルタイのゴミあさり》をクロックとしたテンポデッキであり、前述の2つのコントロールデッキとはゲームの進め方が大きく異なっている。青黒アンコウはデッキの半分以上がインスタントで占められており、《渦まく知識》の支援もあるため《秘密を掘り下げる者》が非常に変身させやすくなっている。さらに《秘密を掘り下げる者》で確認したデッキトップを《思考掃き》などで除外する小技も可能で、Pauperでもっとも《秘密を掘り下げる者》を上手く使っているデッキと言える。

とにかくインスタントが多いデッキなのでこちらの《払拭》が大いに活躍する。布告除去よりも対象にマイナス修正を与えるような除去が多いので《変異原性の成長》や《使徒の祝福》も活きやすい。手札を腐らせないためには《変異原性の成長》は使える時に使っていき、《払拭》はなるべくとっておくべきだろう。《思考掃き》と《留意》から高速で《グルマグのアンコウ》を展開されるのが一番恐ろしいが、これらの呪文に《払拭》を使ってしまうのはもったいないと思う。《思考掃き》と《留意》はあくまでただのキャントリップであり、《思案》や《定業》のようなドロー操作の能力がないからだ。ただし、《渦まく知識》で要らないカードをデッキトップに積み込んだ上での《留意》はカード2,3枚分の価値があるので打ち消した方が良いだろう。

アウト
1 《海賊の魔除け》
1 《炎の斬りつけ》
3 《稲妻》
2 《ティムールの激闘》

イン
1 《払拭》
3 《紅蓮破》
2 《空中生成エルドラージ》
1 《大祖始の遺産》

今回紹介したリストには布告除去が入っていないが、2枚程度《チェイナーの布告》を積んだ構築は珍しくないので《空中生成エルドラージ》は必要だ。青黒アンコウ相手には《嵐縛りの霊》と違って地上クリーチャーをブロックできることが特に意味を持つ。《蓄積した知識》を積んでいるタイプには《大祖始の遺産》を2枚入れよう。墓地が5~6枚溜まってきたら《アンコウ》を警戒して《遺産》の2番目の能力を起動してしまっていいと思う。せいぜい見えている《マナ漏出》くらいの働きだ。青黒アンコウには《熟考漂い》のような派手なアドバンテージ獲得手段があまり入っていないので、特に《紅蓮破》を温存しておく必要がない。これで相手の《秘密を掘り下げる者》の除去を大体まかなえるので、他に用途のない《稲妻》は減らしてしまう。

相手はこちらのクリーチャーをなんでも除去できるがこちらは《アンコウ》に対する良い回答がないので、運良く高速で《アンコウ》を出されてしまうと一気に苦しいゲームになる。《悪鬼》や《サイクロプス》をブロックに回して《アンコウ》との相打ちを狙わなければいけないこともあるだろう。まあこのデッキも親和のときと同じように、相手の引きの良し悪しでゲームが決まってしまうことは多い。

リーグでの戦績は11勝9敗。なんとか五分五分といったところだが、《払拭》の枚数を4枚にすればもう少し上手く戦えるかもしれない。








その3の更新から日が空いてしまいました。その間にMM3でコモン落ちした《ボーラスの占い師》を入れたタイプのウィーゼロを回していました。《ボーラスの占い師》はなかなか好感触ですね。テンポ勝負になるようなデッキ相手にはちょっと邪魔になるものの、地上アグロへのブロッカーになるしコントロール相手のアドバンテージ源にもなる。今回取り上げた黒単コントロール、青黒コントロールへの相性も改善するんじゃないかと期待しています。次回は白系のデッキか、あるいは呪禁オーラとエルフあたりにしようかな。
今回紹介するのはティムール(赤緑青)トロンとムラーサ(青赤タッチ緑)トロンだ。

昔話になるが、これらのデッキは青赤ポストというデッキをルーツに持っている。青赤ポストは軽い火力と優秀な打ち消し呪文で相手をコントロールして《熟考漂い》と《海門の神官》でアドバンテージを取るとともに相手を攻撃する。《微光地》によって相当量のライフを回復することができ、《雲上の座》によるマナからの《ウラモグの破壊者》や《とどろく雷鳴》あるいは《転覆》が確実なフィニッシャーになる。色マナを捻出するために《予言のプリズム》を使っているため、《神秘の指導》や《禁忌の錬金術》、《古えの遺恨》をフラッシュバックしたり白の強力なサイドカードを使うこともできた。「アヴァシンの帰還」で《幽霊のゆらめき》を得ると《記憶の壁》と組み合わせて戦場に出たときの能力を好きなだけ使えるようにもなった。

やがて《フェアリーの大群》や《時間の亀裂》を使ったコンボ型のポストデッキがあまりに支配的になり、《時間の亀裂》ともども《雲上の座》が禁止されたことで青赤ポストも巻き添えを食う形で姿を消した。そうしてすぐに目を付けられたのが《ウルザの塔》、《ウルザの魔力炉》そして《ウルザの鉱山》のウルザトロンエンジンだ。昔話はこれくらいにして本題に入ろう。

・ティムールトロン
2017-03-09, 5-0 by Oveja
クリーチャー(13)
4 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
4 《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder》
1 《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher》
その他の呪文(29)
4 《古きものの活性/Ancient Stirrings》
2 《炎の稲妻/Firebolt》
2 《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
2 《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》
2 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
4 《彩色の星/Chromatic Star》
4 《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
4 《探検の地図/Expedition Map》
4 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
1 《虹色のレンズ/Prismatic Lens》
土地(18)
3 《憑依された沼墓/Haunted Fengraf》
3 《未知の岸/Unknown Shores》
4 《ウルザの塔/Urza’s Tower》
4 《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant》
4 《ウルザの鉱山/Urza’s Mine》
サイドボード(15)
2 《電謀/Electrickery》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
1 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
1 《赤の防御円/Circle of Protection: Red》
2 《緑の防御円/Circle of Protection: Green》
1 《破滅の刃/Doom Blade》
1 《天啓の光/Ray of Revelation》
2 《地の裂け目/Earth Rift》
ウルザトロンは《雲上の座》デッキよりも無色マナしか出ない土地が多いために《彩色の星》などのマナフィルターを必要とする。その束縛を逆に活かして《ファングレンの匪賊》という新しいフィニッシャーが使われている。5点という雑な回復量は放っておくとウィー=ゼロックスでも手が付けられなくなってしまう。

アウト
1 《海賊の魔除け》
1 《炎の斬りつけ》
1 《払拭》
3 《稲妻》

イン
3 《紅蓮破》
1 《残響する真実》
1 《鋭い痛み》
1 《大祖始の遺産》

《海門の神官》や《熟考漂い》は《稲妻》で除去するよりもなるべく《紅蓮破》で打ち消したい。《赤の防御円》をサイドインされることが多いので《鋭い痛み》と《残響する真実》を入れる。《残響する真実》は相手のターン終了時に《防御円》を戻す使い方をする。《大祖始の遺産》は《炎の稲妻》のフラッシュバックや《憑依された沼墓》を無力化することができる。《チェイナーの布告》や《ムラーサの胎動》に対しても効果を発揮する。《チェイナーの布告》を見たら《空中生成エルドラージ》を入れよう。

戦略は相手が大量のマナを使い始める前にライフを削り切るだけだ。ティムールトロンはそれほど干渉手段が多くなく、《変異原性の成長》や《使徒の祝福》で除去を1枚かわすことができれば比較的楽に勝利することができる。例え《ファングレンの匪賊》に10~20点程ライフを回復されたとしても、十分なクリーチャーと呪文さえあれば30~40点くらいのライフはウィー=ゼロックスの射程圏内だ。《ウラモグの破壊者》に攻撃されたとしてもクリーチャーと2,3枚の土地が残っていれば次のターンに勝てることもある。トロン相手に限った話ではないが、どんな時もゲームを諦めない方が良い。

サイド後は《赤の防御円》を引かれるかどうかでゲームの様相が大きく変わる。《秘密を掘り下げる者》だけでトロンのライフを削り切るのは難しく、基本的には《鋭い痛み》や《残響する真実》を引くまで待たなければいけない。しかし相手がこちらのクリーチャーの数と同じだけのマナしか残していない場合には《激闘》によって《防御円》をすり抜けることができる。《防御円》は「発生源1つが次にあなたに与えるすべてのダメージを軽減する。」ので、《激闘》で二段攻撃を与えたクリーチャーからのダメージを防ぐには2回の起動が必要になる。二段攻撃の「二段目」だけで勝利するにはかなりの数の呪文が必要だが覚えておいて損はないテクニックだ。


・ムラーサトロン
2017-03-14, 5-0 by DraigsCZoo7
クリーチャー(10)
3 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
2 《記憶の壁/Mnemonic Wall》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
1 《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher》
その他の呪文(20)
1 《卑下/Condescend》
1 《電謀/Electrickery》
4 《炎の斬りつけ/Flame Slash》
1 《マグマのしぶき/Magma Spray》
1 《衝動/Impulse》
1 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
1 《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》
2 《双雷弾/Twin Bolt》
1 《転覆/Capsize》
2 《強迫的な研究/Compulsive Research》
1 《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker》
2 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
2 《神秘の指導/Mystical Teachings》
3 《探検の地図/Expedition Map》
1 《イゼットの印鑑/Izzet Signet》
4 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
土地(22)
2 《島/Island》
1 《山/Mountain》
4 《急流の崖/Swiftwater Cliffs》
1 《茨森の滝/Thornwood Falls》
2 《未知の岸/Unknown Shores》
4 《ウルザの塔/Urza’s Tower》
4 《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant》
4 《ウルザの鉱山/Urza’s Mine》
サイドボード(15)
1 《払拭/Dispel》
2 《電謀/Electrickery》
3 《水流破/Hydroblast》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
2 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
1 《緑の防御円/Circle of Protection: Green》
1 《悪魔の布告/Diabolic Edict》
1 《一瞬の平和/Moment’s Peace》
1 《連合儀仗兵/Coalition Honor Guard》
青赤デッキの名前として「ムラーサ」という緑の単語が使われているのはちょっと混乱するかもしれない。ムラーサトロンは《ムラーサの胎動》を採用した青赤主体のデッキで《ファングレンの匪賊》は入っていない。ティムールトロンに比べるとより従来の青赤ポストに似ていると言える。

アウト
1 《海賊の魔除け》
1 《炎の斬りつけ》
4 《稲妻》
1 《ティムールの激闘》

イン
3 《紅蓮破》
1 《払拭》
2 《大祖始の遺産》
1 《空中生成エルドラージ》

ティムールトロンよりもずっと干渉手段が多いのである程度ゲームが長引く覚悟をした方が良い。その場合、クリーチャーを除去されて息切れした状態で手札に《ティムールの激闘》が溜まってしまうのが怖いので枚数を抑える。他にも腐る可能性の高い除去を抜き、相手にアドバンテージを取られないように《紅蓮破》を入れる。もともとある程度バーンへの耐性があるからか《赤の防御円》が入っていることは少ないので、《鋭い痛み》は《防御円》を見てから入れればいいと思う。基本的に《連合儀仗兵》が入っていくることは想定しないが、もし出てきたら《炎の斬りつけ》無しで勝つのは相当難しい。一応《使徒の祝福》は自分のクリーチャーにしか打てないのでブロックを回避する使い方は可能だ。

相手が序盤の色マナの捻出につまづいたり除去とカウンターが噛み合わなかったりすれば、テンポで上回って簡単に勝てることがある。そうでなければ、こちらのカードをなるべく腐らせず、相手にもアドバンテージを取られないように努力する必要がある。《変異原性の成長》、《使徒の祝福》、《払拭》はそれぞれ対応できる除去の種類が違うので、《ギタクシア派の調査》も駆使しながらすべてを使いきれるように動きたい。《紅蓮破》はなるべく《熟考漂い》にとっておきたいし、こちらもアドバンテージを取るため《噴出》を解決することを重視する。

《記憶の壁》と《幽霊のゆらめき》のコンボや《転覆》のバイバックなどは止めることができないとほとんど勝ち目が無くなってしまうので《紅蓮破》や《払拭》を構えなければいけない場面は多い。稀に、《転覆》の対象になった自分のクリーチャーを除去して《転覆》を打ち消さなければならないこともあるだろう。

リーグ開始からティムールトロンには12勝2敗。ムラーサトロンには3勝0敗しているが対戦数が少なくて有利とも不利とも言えない。これは僕個人のリーグ参加の頻度が単純に減っているのと、去年の11月に《流浪のドレイク》が禁止されるまではドレイクトロンという別のデッキとして数えていたためだ。

青赤コントロールも取り上げようかと思ったけれど、自分が知ってる青赤コントロールを見かけなくなってしまったのでやめた。その代わりに青単デルバーに火力をタッチしたようなデッキが最近出てきたけれどあれは回数戦っていないのでよく分かっていない。多分青単デルバーで付け込めていた弱点がなくなっていて苦手だと思う。その分事故のリスクがあったりするんだろうけど。
今回は緑単ストンピィと親和との戦い方を解説する。青単デルバーに比べると読み応えのないものになると思うけれど、青単デルバーほど語ることのあるデッキもあんまりないので勘弁してね。

・緑単ストンピィ
2017-02-27, 5-0 by JonatanFrankel
クリーチャー(27)
4 《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》
4 《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》
4 《スカルガンの穴潜み/Skarrgan Pit-Skulk》
4 《若き狼/Young Wolf》
2 《ガラクの仲間/Garruk’s Companion》
3 《巣の侵略者/Nest Invader》
2 《リバー・ボア/River Boa》
2 《シラナの岩礁渡り/Silhana Ledgewalker》
2 《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》
その他の呪文(17)
4 《地うねり/Groundswell》
4 《巨森の蔦/Vines of Vastwood》
4 《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》
4 《怨恨/Rancor》
1 《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》
土地(16)
16 《森/Forest》
サイドボード(15)
4 《散弾の射手/Scattershot Archer》
3 《勇壮な対決/Epic Confrontation》
3 《部族養い/Feed the Clan》
3 《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》
2 《心に静寂/Serene Heart》
緑単ストンピィは古き良きビートダウンを体現している。ほぼすべてのカードが2マナ以下であり、4枚積みのカードも多いことから非常に安定した動きをする。フェアで、マリガンが少なく、かつ戦闘での駆け引きを楽しむことができるので、僕はPauper参入者にはいつもこのデッキを勧めている(ビートダウンが好きだからというのもある)。Pauperに君臨する青単デルバーに相性が良いこともあって、緑単ストンピィは根強い人気のあるデッキだ。ウィー=ゼロックスはPauperの中でもかなり速いデッキだがストンピィもそれと同等の速さを持ったデッキだ。ほとんどのゲームにおいて、お互いに最速の勝利を目指しながら数枚のカードで相手の行動を妨害する形になる。その結果、1ターンの差やカード1枚分の差で勝敗が決することが多くなる。

ストンピィの1マナ域はほとんど固定されているが2マナ域には比較的選択肢が多く、この2マナ域の種類によって選択できるプランに差が出てくる。《大霊堂のスカージ》に《怨恨》がつけばダメージレースに大きく差を付けることができる。《リバー・ボア》に《怨恨》を付け、《クウィリーオン・レインジャー》によって警戒持ちのように運用すれば地上の殴り合いを制することができる。《生命の咆哮の思念》に陰鬱した《吠え群れの飢え》が決まれば小さいクリーチャーを捕食するマシーンが出来上がる。さらに《クウィリーオン・レインジャー》がいると相手のクリーチャーをアンタップして無理やりブロックさせることもできる。《シラナの岩礁渡り》を《怨恨》や《吠え群れの飢え》で強化すればコントロールデッキは悶絶するだろうし、《野生の雑種犬》の攻撃をスルーしたら強化呪文と合わせて手札をすべて捨ててライフが消し飛ぶこともある。とにかく、ストンピィには長所の異なるクリーチャー達がお互いにシナジーしながら散りばめられているんだ。こちらのデッキもそれに合わせて多少狙いを変えなければいけない。

アウト
1 《海賊の魔除け》
1 《変異原性の成長》

イン
1 《炎の斬りつけ》
1 《払拭》

《大霊堂のスカージ》、《巣の侵略者》そして《野生の雑種犬》がいる場合、ブロック回避として活きにくい《使徒の祝福》は減らした方が良い。《リバー・ボア》がいるならば再生を許さない除去として《海賊の魔除け》を残してもいいだろう。《大霊堂のスカージ》、《シラナの岩礁渡り》などタフネス1が多いならば《電謀》を1枚入れるのも良い。工夫できるのはせいぜいこのくらいだ。このサイドボーディングが上手くハマることもこともあれば、要らないカードを手札に抱えてしまうことも往々にしてあり得る。

《悪鬼》や《サイクロプス》を場に出しても、強化呪文のことを考えると1/1のクリーチャーが相手でもブロックに入ることはできない。《イラクサの歩哨》や《クウィリーオン・レインジャー》のアンタップ能力のおかげで、大抵の場合はブロッカーを用意されながら全力で攻撃され続けることになる。《スカルガンの穴潜み》の狂喜を達成させないためにも、1ターン目に出てくるクリーチャーは《若き狼》以外は直ちに除去してしまうのが正解だろう。相手の《怨恨》に対応して火力を打ちたくなってしまうが、相手のターンに火力を打つと強化呪文で防御された場合にそのまま打点のアップに繋がってしまうというリスクがある。《払拭》や2枚目の火力を構えているのでない限り火力はこちらのターンに打つのが無難だ(ウィー=ゼロックスを相手にするときにも同じことが言える)。基本的に、1ターン目は《秘密を掘り下げる者》を展開するよりも相手のクリーチャーを除去したほうがダメージレースへの貢献度が高い。1,2ターン目において、《変異原性の成長》がある場合には《秘密を掘り下げる者》で《イラクサの歩哨》や《クウィリーオン・レインジャー》のブロックに入るのも1つの手だ。相手が《地うねり》などを持っていないことが前提になるが、これで相手のクリーチャーを除去できれば盤面になかなかの差を付けることができる。

ストンピィの妨害手段は《巨森の蔦》によって《ティムールの激闘》を打ち消すことだ。サイドボーディング後にはさらに《濃霧》系のカードと《勇壮な対決》が加わる。特に《勇壮な対決》が解決された場合の被害は大きく、かといって《使徒の祝福》を構えるためにクリーチャーの展開を1ターン遅らせるのもストンピィ相手にはためらわれる。他に《部族養い》や《滋養》が入ることもあるが、まあ比較的小さな問題だ。たまに《散弾の射手》が入ってくることがあるがこれも特に怖くはない。《ヴィリジアンの長弓》は《イラクサの歩哨》や《クウィリーオン・レインジャー》と合わさって《悪鬼》を除去することができるので少し怖い。何にしろ、《激闘》による一撃を狙うターンには《使徒の祝福》や《払拭》を1枚抱えて置きたい。

ストンピィとの対戦では攻めるプランの選択が重要になってくる。《悪鬼》や《サイクロプス》が引けなくても《秘密を掘り下げる者》が複数引けたなら、積極的に《激闘》を使って《稲妻》で止めを刺すことを狙ってもいい。このマッチアップでは飛行という能力が活きやすいので、《使徒の祝福》や《激闘》が引けない場合に《サイクロプス》をブロッカーに回して《秘密を掘り下げる者》に攻撃を任せることもある。盤面の状況やお互いの手札によって正解が変わるので明確な判断基準を示すことは難しいが、1つ言えるのは、1,2ターン先にお互いのライフがどうなっているのかの計算を怠らないことだ。《ギタクシア派の調査》に無駄なライフを支払ってしまったり、《秘密を掘り下げる者》を1回攻撃に回さなかったり、数点の差でゲームを落とすのはもったいない。

・親和
Paupergeddon V Milan , 1st Place by Lorenzo Sbrilanci
クリーチャー(17)
4 《エイトグ/Atog》
4 《甲殻の鍛冶工/Carapace Forger》
4 《金属ガエル/Frogmite》
4 《マイアの処罰者/Myr Enforcer》
1 《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent》
その他の呪文(27)
3 《皮剥ぎの鞘/Flayer Husk》
4 《感電破/Galvanic Blast》
1 《投げ飛ばし/Fling》
1 《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》
1 《危険な研究/Perilous Research》
4 《物読み/Thoughtcast》
4 《彩色の星/Chromatic Star》
3 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
4 《バネ葉の太鼓/Springleaf Drum》
2 《胆液の水源/Ichor Wellspring》
土地(16)
4 《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》
4 《大焼炉/Great Furnace》
4 《教議会の座席/Seat of the Synod》
4 《伝承の樹/Tree of Tales》
サイドボード(15)
3 《払拭/Dispel》
2 《電謀/Electrickery》
3 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
3 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
2 《部族養い/Feed the Clan》
2 《心に静寂/Serene Heart》
親和はクリーチャーのサイズが大きく、スピードも速く、《感電破》という優秀な除去に《物読み》という優秀なドロー呪文を備えている。そして《エイトグ》と《投げ飛ばし》という一撃必殺のコンボまで搭載していて、Pauperの中でも引きが噛み合った時の強さが飛び抜けたデッキだ。元も子もない話だが、親和との勝敗は相手の引きの良し悪しで決まってしまうことが多い。

アウト
1 《海賊の魔除け》
1 《稲妻》
1 《使徒の祝福》

イン
1 《炎の斬りつけ》
2 《水流破》

基本的な戦略は、クリーチャーを除去して相手を減速させ、こちらが先に一撃を決めるというものだ。除去として機能しにくい《海賊の魔除け》を抜いて《稲妻》も減らしてしまう。親和のクリーチャーは色がバラバラなのでブロック回避として機能しにくい《使徒の祝福》も減らす。《水流破》は親和のメインの除去である《感電破》を打ち消すのにも《エイトグ》を除去するのにも使えて便利だ。《オーリオックの太陽追い》や《厳粛な空護り》がいる場合には《稲妻》を残していい。《歯車襲いの海蛇》がいる場合には《紅蓮破》を1枚入れてもいいだろう。できれば《炎の斬りつけ》をもう1枚サイドボードに取りたいところだ。相手が《未達への旅》や《赤の防御円》を取っているようなら《残響する真実》や《鋭い痛み》を入れる必要が出てくる。しかし効果が限定されたこれらの2マナの呪文を親和のような速いデッキ相手に入れなければならないのは辛いことだ。
《ゴリラのシャーマン》は親和に対して劇的に効くカードだが、ウィー=ゼロックスに入れたとしても出るタイミングが遅ければ《マイアの処罰者》や《金属ガエル》に殴られるだけだ。優先すべきは相手の生物を処理することであって土地を攻めることではない。まあ、もしサイドボードが20枚用意できるのだとしたら間違いなく入れるけれどね。

《金属ガエル》を見たら大体《稲妻》を打ってしまっていい。他に《稲妻》で焼くことができるクリーチャーはほとんどいないし、(特に2,3ターン目は)なるべくアーティファクトの数を減らしておいた方が親和(アーティファクト)の呪文や《エイトグ》を弱くできる。同様に《甲殻の鍛冶工》と《マイアの処罰者》であればアーティファクトである《処罰者》の方を優先して処理したい。《悪鬼》や《サイクロプス》は基本的にブロックに回ることは少ないが、ライフを守るためには《激闘》、《使徒の祝福》、《変異原性の成長》などを使って4/4クリーチャーのブロックに入ることがある。

《激闘》を使う際に注意したいのが、親和は「赤い除去」を使ってくるデッキだということだ。《激闘》を唱えるの対応して除去を打たれた場合、《使徒の祝福》でこれを守ろうとするとプロテクション(赤)によって《激闘》もまとめて打ち消されて悲しいことになってしまう。後は相手のアーティファクトを数えて、《エイトグ》がどこまで大きくなるのか、《投げ飛ばし》による突然死があり得るのかどうかの確認を怠らないこと。《ティムールの激闘》が1,2枚入ったタイプの親和もあるが、そこまで気を回していてもおそらく勝てないのでそれで負けても運が悪かったと思って割り切った方がいい。例えば、3ターン目に《サイクロプス》を展開して返しのターンに《エイトグ》に攻撃されたとする。この時、相手のアーティファクトが5つあると《投げ飛ばし》ではブロックしなくても負けないが、《ティムールの激闘》ではブロックに入らないと負けてしまう。しかし、《サイクロプス》をブロックに回して失ってしまうとそれはそれで勝ち筋が無くなって負けてしまうので、この場合はブロックせずに少しでも勝ち筋を残した方が良いんだ。もちろん手札に《払拭》があるなら構えた方が良いけれど、結局のところ親和はどの色のカードも使うことができるので、《紅蓮破》、《払拭》、《水流破》、《未達への旅》、《防御円》、《濃霧》、《破滅の刃》そして《チェイナーの布告》など、すべての可能性を考えているとキリがないんだ。



ちなみにリーグ開始からの戦績はストンピィに15勝5敗(75%)、親和に27勝15敗(64%)。思ったより親和と多く当たっていて驚いた。次回はトロンと青赤コントロールにする予定。
【Pauper】ウィーゼロ解説その1 デッキ紹介と対青単デルバー
僕はPauperが好きだ。それが何故かと言えば、Pauperのウィー=ゼロックスというデッキが好きだから。僕がこのデッキを使い始めたのはイニストラードが出てしばらくした頃。「イニストラードを覆う影」ではなくイニストラードだから、まあ結構長いこと使っていることになる。今回はそんな愛して止まないウィー=ゼロックスについてまとめようと思う。あまり大それたことを言って恥をかくのも嫌だけれど、今回はあえて少し大げさにいってみるつもりだ。少なくとも瞬間的には、僕が世界で一番たくさんウィー=ゼロックスを回していて、一番多く勝っている時期があったと思うんだ、多分。だからまあ、とにかく大目に見てほしい。

一応言っておくと、Pauperとは「マジックオンラインでコモンとして収録されたことのあるカードが使用可能なフォーマット」だ。ウィー=ゼロックスに関してはこれから長々と説明するけれど、イゼット・ブリッツ、あるいはニヴィックス・シュートとも呼ばれていることは先に言っておく。ウィー=ゼロックスという呼び名は、ウィー:「《小柄な竜装者/Wee Dragonauts》のように呪文を唱えてパワーの上がるクリーチャー」とゼロックス:「軽いドロー操作を多く積んで土地を減らした構築」を組み合わせたものくらいに認識してもらえればいい。まずはこのデッキのコンセプトや基本的な動き方について説明し、その後何回かに分けてメタゲーム上の各デッキとの戦い方や具体的なサイドボーディングについて書いていこうと思う。


・ウィー=ゼロックスの動かし方

まずは現在のリストがこちら。
クリーチャー(12)
4 《窯の悪鬼/Kiln Fiend》
4 《ニヴィックスのサイクロプス/Nivix Cyclops》
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
呪文(31)
4 《思案/Ponder》
4 《定業/Preordain》
4 《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
3 《噴出/Gush》
3 《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》
3 《使徒の祝福/Apostle’s Blessing》
2 《変異原性の成長/Mutagenic Growth》
2 《払拭/Dispel》
1 《海賊の魔除け/Piracy Charm》
1 《炎の斬りつけ/Flame Slash》
土地(17)
1 《急流の崖/Swiftwater Cliffs》
3 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》
8 《島/Island》
5 《山/Mountain》
サイドボード(15)
3 《紅蓮破/Pyroblast》
2 《水流破/Hydroblast》
2 《電謀/Electrickery》
2 《空中生成エルドラージ/Eldrazi Skyspawner》
1 《炎の斬りつけ/Flame Slash》
1 《払拭/Dispel》
1 《残響する真実/Echoing Truth》
1 《鋭い痛み/Flaring Pain》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》

ウィー=ゼロックスの一番の特徴は、《窯の悪鬼》や《ニヴィックスのサイクロプス》に《ティムールの激闘》を唱えることで1回の攻撃で20点以上のダメージを与えてしまえることだ。Pauperでもトップクラスの遂行速度があり、運が良ければ3ターン目に勝つこともあるだろう。相手が多少ブロッカーを出そうが、5ターン目以降にいくら強力な動きを用意していようが、キーカードが揃えば問答無用で勝ってしまえるのがこのデッキの大きな魅力だ。《思案》、《定業》をはじめとする大量のドロー呪文が、コンボパーツを探すとともに《悪鬼》と《サイクロプス》のパワーを上げる役割も果たしている。デッキを安定させるドロー呪文がコンボを動かす原動力にもなっていることが、感染や呪禁オーラのようなデッキにはない強みであり、このデッキを唯一無二のものにしている。

派手なコンボは目を引くものだが、実際に3ターンあるいは4ターンで勝てるゲームはそれほど多くない。《思案》や《定業》でカードをかき集めるにも時間とマナがかかるし、対戦相手だって何とかこちらに干渉しようとする。典型的なのは、《使徒の祝福》や《払拭》のために1マナを構えた状態で《悪鬼》や《サイクロプス》を場に出し、その次のターンに《激闘》で勝利するパターンだ。これがもっと長引いてしまうこともあるし、1ターン目の《秘密を掘り下げる者》と《稲妻》でライフレースをすることもある。

プレイの指針として、ゲームの手順通りに進めるならまずはマリガンからだ。ウィー=ゼロックスは比較的マリガンの多いデッキだ。けれど、優れたマリガン判断が勝利に繋がりやすいデッキでもある。
まず初めに、青マナの出ない手札をキープしてはいけない。赤マナがない場合は《思案》、《定業》で赤マナを探してくればいい。しかし青マナがなければその《思案》、《定業》を打つことができない。1度マリガンをした後なら青マナがなくてもしぶしぶキープするかもしれないが、7枚でキープできるとしたら《山》2、《悪鬼》、《激闘》、《変異原性の成長》、《ギタクシア派の調査》と揃っていて3ターン目の勝利が狙える時くらいだろう。それでもやっぱり、手札に青いカードを抱えたまま負けるリスクは避けるべきだ。
次に、腐りやすいカードの重複は気にするべきだ。《激闘》は基本的に1ゲームに1回唱えればいい呪文で2枚目は無駄になりやすい。《払拭》は1枚あると安心できるカードだが、《使徒の祝福》と違ってパワーを上げるために無駄打ちすることができないので2枚ともなると邪魔になる可能性がある。《噴出》が初手に2枚あったとしても2枚目を打つのはかなり後になる。こういうカードが手札に多い場合はマリガンをするリスクが相対的に低くなる。
そして《ギタクシア派の調査》の1ドローを当てにし過ぎないこと。《ギタクシア派の調査》はこのデッキに無くてはならない強力な呪文だが、アクセスできるカードは《思案》の4分の1でしかない。初手に複数あってもキープ基準を緩めないほうがいい。

手札をキープしたら次はプレイ中の注意点だ。まず、《ギタクシア派の調査》は基本的に後に打った方が強い。《悪鬼》や《サイクロプス》が攻撃できるターンに使い、相手の干渉手段を確認してから《激闘》で勝利するのが理想だ。あまり早いターンに使ってしまってもターンが進むにつれて相手の手札が分からなくなってくるので強さが半減してしまう。とは言っても、例えば2ターン目に《秘密を掘り下げる者》と《窯の悪鬼》と《使途の祝福》が手札にある場合、相手が除去を持っていれば《使徒の祝福》を構えて《秘密を掘り下げる者》を出したいし、そうでなければ《窯の悪鬼》を出して早い勝利を狙いたい。こういう場合には《ギタクシア派の調査》を打ってしまってもいいだろう。「相手の手札の内容によって自分のプレイが変わるかどうか」を考える癖をつけるといい。似たような話として《思案》や《定業》を打つ前には、今自分に必要なカードが何なのかを考えるといい。これは単純に速く正確なプレイをする助けになる。
《ギタクシア派の調査》で相手の手札の妨害手段を確認してから《ティムールの激闘》を使うことに慣れすぎると、相手の手札を予想する習慣がなくなってしまったりする。《ギタクシア派の調査》を打つ前に相手の動きからその手札の中身を予想する遊びをしてみるのも良いかもしれない。


前置きはここまでにして今度はメタゲーム上の各デッキとの戦い方を解説する。


・青単デルバー
2017-02-24, 5-0 by Deeto
クリーチャー(20)
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
4 《フェアリーの悪党/Faerie Miscreant》
4 《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
4 《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours》
4 《尖塔のゴーレム/Spire Golem》
その他の呪文(23)
4 《思案/Ponder》
4 《定業/Preordain》
2 《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》
4 《対抗呪文/Counterspell》
3 《目くらまし/Daze》
3 《噴出/Gush》
2 《断絶/Snap》
1 《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》
土地(17)
17 《島/Island》
サイドボード(15)
2 《無効/Annul》
2 《珊瑚の網/Coral Net》
2 《払拭/Dispel》
1 《はらわた撃ち/Gut Shot》
3 《水流破/Hydroblast》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
3 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
青単デルバーは《秘密を掘り下げる者》が印刷されてから常にメタゲームで3本の指に入っており、Pauperの絶対王者と言っても差し支えないデッキだ。そのため他のどのアーキタイプよりも多くの対戦経験があり、戦い方が確立できている。

アウト
3 《ティムールの激闘》
2 《変異原性の成長》
2 《使徒の祝福》

イン
3 《紅蓮破》
1 《炎の斬りつけ》
2 《電謀》
1 《払拭》

《ニヴィックスのサイクロプス》よりも《秘密を掘り下げる者》の方がはるかに重要になる。《秘密を掘り下げる者》はもちろん単純なクロックとしても除去の避雷針としても優秀なカードだが、ウィー=ゼロックスにおいて採用しているもう1つの理由は《秘密を掘り下げる者》と戦うには自分も《秘密を掘り下げる者》を使うのが一番手っ取り早いからだ。

さらなる《炎の斬りつけ》や《紅蓮破》など、他にサイドインするべきカードを採用しているなら追加でサイドアウトするのは《ニヴィックスのサイクロプス》になる。《サイクロプス》はバウンスによってテンポを損ないやすいからだ。そして、バウンスされたならば再び同じカードをプレイしなおすことになるわけで、手札に控える2枚目以降の《サイクロプス》にまで出番が回ってこないことが多い。

バウンスや打ち消しの多いデッキ相手に《激闘》のコンボが決まるケースは稀だし、赤いカードをたくさんサイドインする分のバランスをとって《激闘》は全部サイドアウトしてしまう。それでも一撃のチャンスを残すために1枚だけデッキに残すというのは十分あり得る。

相手が《鎖の呪い》や《睡眠発作》のような除去を使ってくる場合には《払拭》をサイドインせずに《使徒の祝福》2枚をデッキに残そう。これで相手のターン終了時に《鎖の呪い》を剥がしにいくことができる。ウィー=ゼロックスには珍しく相手のターン中に意味のある行動がとれるので少しだけ主導権が握りやすくなる。

理想の初手は青マナと赤マナ、そして《秘密を掘り下げる者》と《稲妻》をはじめとする火力があることだ。《思案》、《定業》頼みのキープをすると《呪文づまりのスプライト》に捕まって大きく後れを取ってしまう可能性がある。サイド後は赤いカードが多くなるので《広漠なる変幻地》から、《噴出》のための2枚目の《島》より2枚目の《山》を優先して持ってくる場合もあるだろう。

このマッチアップでは序盤に主導権を握ることができるかどうかが重要だ。主導権を握るとはすなわち、相手の場のクリーチャーよりもこちらの場のクリーチャーの方が強く、このまま殴り合いをしていればこちらの勝ちになる状況を作るということだ。そうすれば、後の先をとることが得意な青単デルバーに先に動くことを強いることができる。ゲームの序盤はまず《秘密を掘り下げる者》を展開し、相手のクロックはできるだけ除去していこう。1ターン目に出てくる《フェアリーの悪党》は《呪文づまりのスプライト》の射程を伸ばさせないためにも、2ターン目の忍術を許さないためにも除去したほうがいいだろう。青単デルバーのカードはそれぞれが組み合わさると信じられないくらい強力だが、カード1枚ずつのパワーならこちらの方が上なはずだ。なので《稲妻》、《紅蓮破》、《海賊の魔除け》などによってクロックを処理して、それぞれのカードをシナジーさせずに額面通りの働きしかさせないようにする。相手が単なる時間稼ぎとしてバウンス呪文を使ってくれたり、こちらが呪文を唱えていないタイミングで《呪文づまりのスプライト》をチャンプブロッカーとして出してくれたりすれば勝利は目前だ。

《呪文づまりのスプライト》はその能力の誘発時と解決時とで2回フェアリーの数をチェックするので、能力の解決前にフェアリーを除去することで打ち消しを阻止することができる。そういうプレイをするために青マナでも打てる除去として《海賊の魔除け》が入っている。《呪文づまりのスプライト》への回答がないときは《思案》や《定業》を唱えるのは控えたい。囮として《ギタクシア派の調査》を唱えて残ったマナでクリーチャーを場に出すことは結構ある。
ちなみに《電謀》は超過しても点数で見たマナコストは1なので覚えておこう。超過して複数のクリーチャーを除去することができれば理想だが、青単デルバーは隙の少ないデッキなので高望みはせずに1マナ除去として機能するうちに使っていったほうがいい。

たとえ《秘密を掘り下げる者》が変身したとしても《尖塔のゴーレム》1枚で攻撃が止められてしまう。《炎の斬りつけ》はこれを打破するために採用しているカードだ。より青単デルバーを意識するなら《静電気の稲妻》もかなりいいカードだと思う。

そうしてこちらが主導権を握ることができたなら、ようやく《悪鬼》や《サイクロプス》を相手のクリーチャーよりサイズの大きいクリーチャーとして運用できるようになる。最終的にはこれらで相手を押しつぶすことになる。

対戦記録を採り始めてから青単デルバーには138勝88敗(勝率61%)しているが、2016年1月28日に《フェアリーの大群》が禁止されてからに絞れば21勝6敗(勝率78%)と良い結果が出ているのでどうかこの記事を信頼してほしい。

現在のウィー=ゼロックスにメインから《海賊の魔除け》と《炎の斬りつけ》が入っているのは青単デルバーという上客を手放さないようにするためだ。より青単デルバーを意識するならさらに《静電気の稲妻》(とできれば赤マナ源)を追加するといいかもしれない。





とりあえず今回はここまで。初回でいまいちテンションが掴めていないので何でもいいから感想が欲しい。質問なんかもあったら大変うれしい。次回はおそらくストンピィとか親和とか、とりあえずメタ上位のデッキ複数との戦い方を解説したいと思う。
去年の11月から戦績の更新をしていなかった。今ウィーゼロについてのまとめを書こうと思っているので、その前に更新を再開しておきます


・2016/11/23 4-1
白t赤サイボーグ 〇〇
ストンピィ 〇〇
青単デルバー ××
緑白スリヴァー 〇〇
呪禁オーラ 〇〇

・2016/11/28 4-1
バーン 〇〇
青黒コントロール 〇××
ストンピィ ×〇〇
ストンピィ 〇〇
緑白スリヴァー 〇〇

・2016/12/6 3-2
緑白トークン 〇〇
バーン ××
バーン ×〇〇
カルドーサ・トークン ×〇×
バーン ×〇〇

・2016/12/9 5-0
ムラーサ・トロン ×〇〇
ティムール・トロン 〇〇
バント・ブリンク 〇〇
ストンピィ 〇〇
青単デルバー 〇×〇

・2017/2/2 3-2
青赤トロン ×〇〇
ストンピィ 〇××
黒単コントロール 〇××
ムラーサ・トロン 〇〇
バーン 〇×〇


今日の分だけちょっと詳しく
2017 Feb 23
Round1 白単ウィニー 〇×〇
①後手。土地3・デルバー・サイクロプス・変異原性・斬りつけ。未達2枚でこちらのクリーチャーがきれて骨断ちを持った鷹に殴られる。火力で少し耐えて遅れて悪鬼を2体展開。片方が生き残って激闘を引けて勝ち。
②土地3・痛み・電謀・稲妻・ギタクシア。相手のこちらへの対策がタッパーとかで痛みや払拭が腐り、かつフラッドして負け。
③土地3・悪鬼・斬りつけ・ギタクシア・激闘。
2T目に悪鬼。返しにスレイベンを出されてマナの税収を構えられたが、3T目に1マナ浮かせての激闘が通る。さらにギタクシア、斬りつけを唱えて斬りつけは打ち消されたが20点攻撃。手札の稲妻で勝ち。

Round2 ウィーゼロ 〇〇
①後手。フェッチ1・思案2・悪鬼・ギタクシア・祝福・払拭。相手1マリガン。
相手が2T目に悪鬼。こちらは除去は引けなかったが土地が引けて2T目に悪鬼。返しで呪文をたくさん唱えられたがおそらく相手が殴り忘れたため投了。
②土地2・サイクロプス・水流破・紅蓮破・稲妻・思案。相手1マリガン。
お互いに除去を打ち合い、しばらく場に生物が残らない。マリガンの分とこちらの噴出が通って相手の噴出を消せた分で生物が生き残って勝ち。

Round3 カルドーサ・トークン 〇×〇
①先手。土地2・デルバー・悪鬼・稲妻・祝福。
3T目に祝福を構えて悪鬼。返しの稲妻を防いで相手はフルタップ。4T目に定業、ギタクシア、思案、稲妻2枚を本体に打ち込んで勝ち。
②フェッチ1・サイクロプス・思案・払拭・変異原性・痛み。フェッチ1・デルバー・変異原性・払拭・稲妻・ギタクシア。
しっかり除去を引かれてこちらの生物が生き残らず負け。
③土地2・デルバー・サイクロプス・祝福・払拭・激闘。
相手が光輝の泉スタートだったので火力は無さそうだと思って2T目に悪鬼を展開。この悪鬼が生き残り、ここから祝福を構えて殴れる展開に。土地が滞ったがまあまあ引きが噛み合い相手を後手に回らせることができる。悪鬼は除去されたがさらにサイクロプス2体を展開し、相手が除去を引く前に激闘で勝ち。

Round4 青単デルバー ×〇〇
①後手。フェッチ1・デルバー・激闘2・祝福・定業・噴出。島2・定業・払拭・ギタクシア・祝福。
悪鬼が着地したが呪文が引けず殴りに行けない。相手にはゴーレム2体で殴られる。その後2回の忍術を許し、対抗呪文3枚で後続を打ち消され上から殴られて負け。
②島1・悪鬼・思案2・稲妻・紅蓮破・魔除け。相手1マリガン。
山が来なくてしばらく動けなかったが相手のクロックがSSS1体と小さく、フラッドして忍術もされず。その後ようやく山を引いて適宜生物を除去しながら悪鬼、サイクロプスを展開して勝ち。
③島2・デルバー・定業2・思案・祝福。相手1マリガン。
さっき以上に山が来なくて大量の赤いカードを抱えてディスカードに入る。しかしデルバーを複数引いて、相手がまたフラッドしたのもあってゴーレムやデルバーの攻撃を耐える。10ターン目でようやく赤マナを引いてきてそこから生物並べて除去も打って勝ち。
途中で投げたくなるくらい赤マナを引けなかったけれど、相手も気の毒なくらい土地を引いて緊張感のある良いゲームになってしまった。

Round5 ストンピィ 〇×〇
①後手。土地3・デルバー・稲妻・魔除け・噴出。相手1マリガン。
イラクサとスカージを除去してから3T目にデルバーを展開。相手はクウィリーオン・レインジャーに怨恨を付けて殴ってくる。葉冠のドライアドはデルバーに激闘を使って突破し、さらに2体目のデルバーも変身してライフレース。噴出から上手い具合に稲妻と2枚目の激闘が引けてギリギリ1ターン差で勝ち。赤マナが複数出ていたのも運が良かった。
②土地3・デルバー・稲妻・払拭・定業。
デルバーを出すもマナフラもあって変身してくれない。狼と巣の侵略者3体で殴られるだけで止めきれず負け。
③島1・デルバー・悪鬼2・噴出・払拭・激闘。土地4・デルバー・思案。相手1マリガン。
1T目、2T目のデルバー2体が変身。相手にはイラクサと巣の侵略者で殴られる。怨恨と吠え群れの飢えでクロックが上がり、さらに蔦を構えられたがこちらも払拭を引き、止めにキッカーで使ってきた蔦を払拭して1ターン差で勝ち。
勝つにしろ負けるにしろこういう1ターン差のゲームになることは多い。珍しく一度も《悪鬼》と《サイクロプス》で相手にダメージを与えられなかった…。

結果5-0


4-1
4-1
3-2
5-0
3-2
5-0
で勝率としては文句なし。青単もストンピィも比較的得意なマッチアップではありますが、今回は引きが味方してくれた感じがしますね。一時期ほど青黒系のコントロールはいないみたいだし、ウィーゼロにはそんなに悪くない環境だと思います。

ちなみに青黒コンが増えていた時期は遅めでアド重視のドメインで4回リーグに出たところ
1-4
4-1
2-3
2-3
でした。後ろ2回のリーグの頃にはもうデルバーとかストンピィが多くて、序盤にもたもたしている内に負けるゲームがほとんどでした。

1 2 3 4 5 6 7 >

 

お気に入り日記の更新

日記内を検索